マリア・シャラポヴァ(Maria Sharapova)

生年月日:1987/4/19

出生時間:不明

出生地:Nyagan, Russia

チャートの持ち主はテニス界のスーパースター、マリア・シャラポヴァである。

彼女は2004年度のウィンブルドンで優勝し、一気にスターへの道を駆け上がったのである。

強さばかりでなく、容姿の美しさでも注目を浴び、現在はCMなどの契約料で年間20億円を稼ぎ出しているという。

テニスの実力でも世界ランク1位に輝き、人気、実力ともに兼ね備えたテニス界のスーパースターである。

そのシャラポヴァはどのようにして生まれ、育てられたのか、どのような教育を受けたのか全く知らなかったが、先日、フォーブス誌(日本版)を見ていた時、彼女の特集記事が掲載されており、その中には、彼女が幼少期から父親の恩恵でテニスの英才教育を受けていたことが記されていた。

父は幼いシャラポワにラケットを握らせ、6歳の時、モスクワのテニススクールに入学させた。 この時シャラポワは、数々の歴史的な記録を樹立した名選手、マルチナ・ナブラチロワに出会った。 ナブラチロワは「マリアは才能がある。プロになるための訓練をしたほうがよい」と父に勧めた。数ヵ月後、父はシャラポワを連れてテニスのメッカ、アメリカのフロリダ州に飛んだ。 旅費は父方と母方の双方の祖父母からの借金で賄った。 母のエレナはビザが取れなかったので同行できず、家族が再会できたのは2年後だった。父はシャラポワをフロリダ州ブラデントンのニック・ボロテリーが経営する有名なテニススクールに連れて行った。アンドレ・アガシ、モニカ・セレス、ピート・サンプラスなどの大スターを育て上げた名門スクールだ。しかしシャラポワに面接したトレーナーは「本格的な訓練を始めるには早すぎる。あと2、3年したらもう一度来なさい」と告げた。シャラポワ父子にとって、その後の2年は試練の連続だった。父はフロリダ州の優秀なコーチを見つけてはシャラポワにマンツーマンのレッスンを受けさせ、その費用を稼ぎ出すのに苦労した。

『だがボロテリーは「今日のシャラポワを育てたのは我々ではない。父のユーリこそ、彼女の唯一のコーチなのだ」と断言する(ユーリは娘のイメージが損なわれるのを恐れ、マスコミの取材にはいっさい応じようとしない)。』  

記事を読めばマリア・シャラポヴァというテニス界のスーパースターは確かに教育熱心な父親の情熱や尽力によって、生み出されたことが分かるのである。まさに父親の恩恵により彼女は世に出されたのだ。

このことは、彼女のチャート上にはっきりと示されており、チャンドララグナで見ると、射手座ラグナから父親を表す9室目の支配星が5室で高揚しているのであり、まさに父親の恩恵で、素晴らしい英才教育(5室)を受けたことが示されている。

また”太陽”は父親のカラカであり、それが5室で高揚しているのであり、父親の恩恵という象意を2重に表している。

また父親に連れられて米国の名門スクールに入学するが、そこで世界の最高レベルのコーチ(教師)からの指導を受けるのである。また彼女は1年間のほとんどを旅行して(テニスの大会に出場するためのワールドツアー)過ごしているのであり、父親、教師、留学、旅行など、9室の象意のいずれも最高レベルの恩恵を受けている。

テニスを本格的にやり始めるきっかけが元テニス界の女王、マルチナ・ナブラチロアからの勧めであったというエピソードも大物の、最高レベルにふさわしいエピソードである。

資料には彼女が『両親と暮らすため3億円の住宅を購入』 とあるが、月から見て、4室で金星が高揚し、4室で定座の木星、木星と絡んで吉星化したラーフがコンジャンクトし、さらに水星が減衰して、高揚する金星と絡んで、ニーチャバンガラージャヨーガを形成し、減衰をキャンセルして逆にラージャヨーガ的に働く強い配置を得ている。(これは物理学者・アインシュタインと同じ配置であり、彼がこのニーチャバンガ・ラージャヨーガによって、相対性理論を生み出したと考えれば、この配置の恩恵が理解できる)

非常に強い4室が形成されているが、彼女が最初にした大きな買い物は両親と済む家(4室)だったというのは理解できるのである。

彼女はウィンブルドンで優勝した時、手元の携帯電話で直ぐに母親に電話しようとしたのであるが、そのエピソードからも彼女の母親(4室)との相性、母親への愛がよく分かる。

これらも月からみて、4室の強さを考えるとよく理解できるのである。

また資料では、父親の”ユーリは娘のイメージが損なわれるのを恐れマスコミの取材にはいっさい応じようとしない”と書かれているが、父親の9室をラグナとすると、8室に惑星集中しており、8室への惑星集中は秘密主義、引きこもり傾向を表している。

父親がマスコミに出ないのは娘のイメージを損なうのを恐れることと関連して、心理的に彼自身の性格的にもマスコミに出たくないことが考えられる。

また彼は娘からの贈与によって、住宅を得たのであり、まさに彼が娘を通じて、多くの労働によらない利益を受けることが示されている。

それは娘にとっては邸宅、不動産(4室)であり、父親にとっては不労所得、贈与(8室)として現れるのである。

 

こうして見ると、米フォーブス誌によって、提供された彼女のプロフィールの詳細がほぼチャートと一致していることが分かる。

また今回、チャンドララグナで検証したが、彼女のラグナは射手座である可能性もあり、もし射手座であったとすると、上記の父親、教師、留学、旅行に関する彼女の幸運はさらにラグナから9室の支配星が5室で高揚しているということによって、3重に示されていることになるのである。つまり、太陽は9室父親の象意を特別に強く表すカラカとなるのである。

 

それでは、次に今後の彼女がどう活躍していくのか検証してみると、

彼女は月が射手座ムーラに在住しており、12:00で作成のチャートで度数が12°41’で、ムーラの最後の度数に位置している。

12:00作成のチャートだとラグナの位置は前後に6時間ずつずれる可能性があり、月は1時間で約0.56°移動するため、6時間分で、月の度数は約3.36°前後にずれ込む可能性が出てくる。

従って、もし、月がムーラに留まっていれば支配星がケートゥであるため、ケートゥの7年における度数の割合で、1°が0.52年分になる。

もし、月がプールヴァアシャダーに移動してしまうと、金星期20年における1°の割合は約1.5年である。

従って、もし、月がプールヴァパールグニーに移動してしまうと、最大で約3°分の4.5年を金星期が始まってから経過した地点が生まれた時期になる。当然、ダシャーはその年数だけ変化するのである。

然し、もし、ムーラに留まっているのであれば、最大で、0.52年×3.36°=約1.75年分だけ、ケートゥ期において、それ以前に生まれたことになる。

 

こうした誤差の可能性を考慮した上で、12:00作成のチャートでは、2007年8月21日から、マハダシャー太陽期が訪れるのである。

太陽は上述したようにチャンドララグナでは、9室のカラカであり、また父親や権威のカラカでもある。

シャラポヴァを幼少時からの英才教育で、スーパースターに育てあげた父親の恩恵をもたらした強力な太陽の時代がやって来るのであり、まさに彼女はこれから、そのキャリアにおいて、権威において、最高の段階を迎えるのである。

そして、世界のスポンサー(大企業の社長、権威者、富豪)が彼女を偉大なプレーヤーに育て上げる栄光の時代がやってくるのである。

もちろん、神(9室)の祝福や幸運も彼女に味方するのである。

 

その他に注目すべき点としては、マハダシャー太陽から見ると、12室に惑星集中しているため、彼女のキャリアは主に海外(12室)で築かれることが示されている。

また月から見て、7室の支配星がラーフとコンジャンクトしているため、彼女は外国人と結婚する可能性が高いのである。

月から見ても太陽から見ても結婚のカラカの金星から見ても7室の支配星である水星はラーフとコンジャンクトしている。

ナヴァムシャの月、金星、太陽から見た7室の支配星はラーフと絡んでいないが、ナヴァムシャのラグナの位置が分からないため、ナヴァムシャにおいては検討できない。

然し、ラシチャートを見る限りでは、外国人と結婚する可能性が高そうである。

 

そして、太陽期が終わると、月期にシフトするが、その頃は彼女は26歳(+-)頃である。

 

フォーブス誌の記事にも以下のように記載されているように月期になると、彼女は引退をする可能性が高いと思われる。

『さまざまな国で行われる試合に出場するため、年間の大部分を旅行している。「これまでずっとテニスをやってきて、現在もテニスが私の生活の中心になっている。でも例えば、ファッション・ビジネスとか、他にもやってみたいことがたくさんある」と彼女は言う。IMGの担当者も「シャラポワは案外早く引退するのでは」と考えている。「マリアが28歳までプレーを続けるなんて想像できない」と専任コーチのランズドープは言う。』

 

月をラグナとすると、月は8室を支配しており、12室支配の火星と2、3室支配の逆行の土星からアスペクトされている。

またナヴァムシャでは月をラグナとすると、月は自室に在住し、4、11室支配の金星とコンジャンクトしている。

現在はマハダシャー金星期であり、6、11室支配の金星が4室で高揚し、スポーツでの競争に必要な6室が絡んでいるが、月期においては月は6室と絡んでいない。

従って、スポーツ競技や格闘技などに必要な競争性、闘争性が失われるのであり、また月は母性的で優しい象意である。従って、月の時代においてはアスリートとしての闘争に耐えるような配置とは思えないのである。

またチャンドララグナで見ると、月は8室を支配するため、孤独な傾向が出てくると思われる。

そして、火星や土星のアスペクトが世俗からの厭離の傾向をもたらし、月から4室目に惑星集中していることを考えると、家庭的な場所を求めたり、実家に戻ったり、結婚した相手と暮らすなどの引退後の生活に移行することもあり得るのである。

 

月は射手座に在住しているが、射手座の象意は”家族から離れて成功するが心中孤独である”というものである。

ムーラは深刻な程、真面目で、考え深い、哲学者のような内向的な所があり、彼女は練習中にも近寄りがたい威厳のある雰囲気を発しているそうであるが、月はやはり、ケートゥのナクシャトラに在住して、テニスの道を一筋に追求するような求道者的な真面目さがあるのかもしれない。

そして、マハダシャー火星期になると、火星は月から見て、5室を支配し、火星から見て、11室に惑星集中し、火星をラグナとすると、ラグナロードの金星が11室で高揚し、11室支配で自室の木星、2、5室支配の水星、11室の支配星のように働くラーフとコンジャンクトしており、たくさんの富のヨーガが形成されている。

上記の配置から、火星期になると彼女は実業家としての成功を収めるのではないかと思われる。

 

 

(資料)

米フォーブス誌特選情報

天が二物を与えたシャラポワの商品価値

美しさと強さを兼ね備えたテニス界のスーパースター、マリア・シャラポワに、スポンサー契約のオファーが殺到している。

 

【シャラポワ・ブランドの香水を発売】

 

スペインの名門テニススクール、エクエリテ。真昼の暑い太陽が照り返すクレイコートでシャラポワが練習をしている。

183cmの長身にタンクトップとショートパンツ。金髪が陽光にきらめく。頭上にラケットを高く振り上げ、強烈なサーブを繰り出すたび、美貌には似つかわしくない喉を振り絞るような叫び声を上げる。隣のコートでレッスンを受けている10代の少年たちが、目のやり場に困っている。  

昨年7月、シャラポワはウィンブルドン(全英オープン)で長年トップシードを守り続けてきたリンゼイ・ダベンポートを破り、無敵のセリーナ・ウィリアムズを下して女子シングルスを制覇。それまでほとんど無名だった彼女が、一躍マスコミの寵児になった。  

現在、シャラポワはテニスの主要トーナメントとCM契約を合わせて、女子プロスポーツ選手では最高の年約20億円を稼ぐ。

ナイキ、キャノン、コルゲート・パルモリブ、モトローラ、その他の大手企業とCM契約を結び、今年秋にはシャラポワの名前をブランドにした香水が発売される予定だ。

 

【世界のナンバーワンであり続けたい】

 

シャラポワの今日の栄光の座は、毎日6時間の練習を12年間積み重ねて築き上げたものだ。

その間、普通の子供が経験する学校での友達との遊びや勉強は、彼女の生活からいっさい排除されてきた。  

現在、シャラポワは9社とCM契約を結んでいるが、そのために年間に使う時間を3週間に限定している。

また、新たな契約の申し込みは、いくら大金を積まれようともすべて断っている。テニスの練習に集中する時間を削られたくないからだ。  

シャラポワは、家庭で正規の教科を学習するホーム・スクーリングで勉強を続けてきた。あと、数単位を履修すれば高校卒の資格が認定される。

だが大学への進学は考えていない。プロスポーツ界で催される豪華なパーティーや受賞式への出席も避け、ボーイフレンドを探す時間さえ惜しんでいるのだ。  

所属する大手スポーツマネージメント会社IMGの広報担当者を伴うことなく、単独でフォーブス誌とのインタビューに応じたシャラポワはこう言って笑う。

「テニスをやるのは世界のナンバーワンであり続けたいから。もしナンバーワンを目指すのじゃなければ、初めからやらないほうがましだわ」  

だがシャラポワは、彼女のルックスが、試合に勝つのと同じくらい彼女の人気の重要な要素であることをよく理解している。

「人々が私のことを騒ぐのは、テニスだけのためじゃない。だから醜くならないよう気をつけなきゃ」と言うのだ。

 

【ナブラチロアに才能を見いだされる】

 

シャラポワは87年にシベリアで生まれた。

1年後、家族は黒海沿岸のリゾート地、ソチに移った。 父のユーリは建設業界で働き、彼女はテニスやスキーを楽しめる裕福な家庭の一人娘として育った。

父は幼いシャラポワにラケットを握らせ、6歳の時、モスクワのテニススクールに入学させた。

この時シャラポワは、数々の歴史的な記録を樹立した名選手、マルチナ・ナブラチロワに出会った。 ナブラチロワは「マリアは才能がある。

プロになるための訓練をしたほうがよい」と父に勧めた。数ヵ月後、父はシャラポワを連れてテニスのメッカ、アメリカのフロリダ州に飛んだ。

旅費は父方と母方の双方の祖父母からの借金で賄った。 母のエレナはビザが取れなかったので同行できず、家族が再会できたのは2年後だった。  

父はシャラポワをフロリダ州ブラデントンのニック・ボロテリーが経営する有名なテニススクールに連れて行った。

アンドレ・アガシ、モニカ・セレス、ピート・サンプラスなどの大スターを育て上げた名門スクールだ。しかしシャラポワに面接したトレーナーは「本格的な訓練を始めるには早すぎる。

あと2、3年したらもう一度来なさい」と告げた。シャラポワ父子にとって、その後の2年は試練の連続だった。

父はフロリダ州の優秀なコーチを見つけてはシャラポワにマンツーマンのレッスンを受けさせ、その費用を稼ぎ出すのに苦労した。

95年、9歳になったシャラポワは再びボロテリーの門をたたいた。 「すでに彼女には、周囲の人を寄せつけないりんとした気構えと自尊心が感じられた」とボロテリーは述壊する。

ボロテリーは87年にテニススクールをIMGに売却していた。将来プロテニス界を担う有力プレーヤーを育てるのがIMGの目的だった。

このスクールは全寮制で9ヶ月の学費が500万円余かかる。しかしIMGはシャラポワに全額の奨学金を認め、10歳年上の女子クラスといっしょにレッスンを受けさせた。

シャラポワのトレーニングは最初、ボロテリーのチームが務め、その後、グランドストロークの名手として名高いロバート・ランズドープが指導を担当した。

だがボロテリーは「今日のシャラポワを育てたのは我々ではない。父のユーリこそ、彼女の唯一のコーチなのだ」と断言する(ユーリは娘のイメージが損なわれるのを恐れ、マスコミの取材にはいっさい応じようとしない)。  

11歳の時、シャラポワはIMGとエージェント契約を結んだ。

IMGのテニス担当者は急がず、じっくり時間をかけて彼女を育てていく方針を立てた。

CM契約はナイキだけに絞り、マスコミの注目を避けた。13歳で16歳未満のジュニア選手権に優勝。

2年後、最年少で全豪オープン・ジュニアの決勝戦に進む。 IMGでシャラポワのエージェント業務を担当し、毎日、彼女と連絡をとっているというマックス・アイゼンバッドは、「我々スタッフ全員が不世出の偉大なテニスプレーヤーが出現しつつあることを実感していた。

だから、CM契約の申し込みをすべて断り、彼女がつまずかないよう気を遣った」と説明する。

 

【AIGジャパンオープンでWTAツアー初優勝】

 

03年、16歳のシャラポワは、日本で開催されたAIGジャパンオープン出場してWTAツアー初優勝を飾る。

NECと1年間のCM契約を結んだ。しかしアイゼンバッドは彼女を本格的に売り出すのはグランドスラム(全豪、全仏、全英、全米オープン)を制してからで、それまでに、後3年はかかると予想していた。

ところが翌年、シャラポワは早くもグランドスラムの一つであるウィンブルドンで優勝してしまった。

優勝を決めた瞬間、彼女はセンターコートで観衆が熱狂する中、ポケットから携帯電話を取り出し、母に喜びを伝えようとした。

この様子をクリーブランド郊外の自宅のテレビで見ていたIMGのマーケティング担当重役、アラン・ザッカーは直ちに大手携帯電話メーカー、モトローラの広報担当者に連絡。

1か月後、シャラポワは同社との間に年間推定1億円余りのグローバルCM契約を結んだ。

 

【両親と暮らすため3億円の住宅を購入】

 

シャラポワは現在も1日6時間の練習を欠かさない。

さまざまな国で行われる試合に出場するため、年間の大部分を旅行している。「これまでずっとテニスをやってきて、現在もテニスが私の生活の中心になっている。

でも例えば、ファッション・ビジネスとか、他にもやってみたいことがたくさんある」と彼女は言う。

IMGの担当者も「シャラポワは案外早く引退するのでは」と考えている。

「マリアが28歳までプレーを続けるなんて想像できない」と専任コーチのランズドープは言う。

シャラポワは、現在の成功がいつまでも続かないことをよく理解している。たまに靴やドレスを買う以外、ほとんど金を使わない。  

しかし今年5月、彼女はこれまでの生涯で最大の買い物をした。ブラデントンで両親と暮らすため、423uの敷地を持つ住宅を約3億円で購入したのだ。

「お金を稼ぐのがいかに大変なことか、せっかく稼いだお金がいかに簡単になくなってしまうか、私はよく知っている。

でも私はまだ18歳。人生はこれから。いろんなことに挑戦していきたい」とシャラポワは熱っぽく語る。

 

(フォーブス誌 日本版 2005年10月号 P76-79より)