スーパーモデルのジゼル・ブンチェン（ブラジル出身）のチャートである。アストロデータバンクのRodden RatingはAA（ダブルエー）で、信頼できるデータである。実際、出生図を作成してみると、この出生時間で正しいことを納得した。

米経済誌フォーブスのスーパーモデルの長者番付でジゼル・ブンチェンは７年連続で１位となっているそうだ。

記事によれば、彼女をイメージモデルとして起用した商品は売上が爆発的に伸びるようである。

つまり、商品に付加価値として与えられる彼女のイメージは多大な影響力を持っているのであり、ブランドクリエーターと言うことができる。

影響力（１０室）、ブランドの創造（５室）、成功と富（１１室）、これらを示しているのは、間違いなく、５、１０室支配で５室牡牛座自室に在住して１１室にアスペクトする強い金星の働きによるものである。

金星は創造の５室と影響力の１０室を支配して、富や成功にとって強力な５−１１室の軸に在住していることがポイントなのである。

つまり、価値を創造して、その創作したものによって、富を得る配置である。

金星は具体的な物質（material)を表す牡牛座に在住しているが、牡牛座は化粧品や衣服など、高品質や美を追求する星座である。

従って、彼女は映画監督ではないが、化粧品や服飾を演出するプロデューサーであるというのが、彼女の仕事の本質ではないかと思われる。

実際、サンダルや靴のオリジナルブランド 「Ipanema Gisele Bundchen」 を立ち上げており、高級嗜好品ブランドのプロデューサーである。

山羊座ラグナで、ラグナにケートゥが在住する女性が、世界で最も美しいモデルと言われていることについて、最初の印象では、納得できなかったが、結婚のタイミングと出産のタイミングなどを確認して、出生時間が正しく、つまり、ラグナが正しいことが確かめられた。

モデルと言うと、天秤座ラグナのイメージがあるのだが、このジゼル・ブンチェンは、天秤座のイメージとは一線を画すスーパーモデルである。

実際、写真を拡大して見ると、天秤座らしくなく、むしろ、山羊座であることに納得する。

顔の骨格やつくりはラグナが土星の星座であるため、決して美しい訳でもないのだが、然し、美があるように感じられるのは形而上学的な美である。

あるいは、美しいというよりも気品があるのである。 これはおそらく顔（目、鼻、口）を表す２室と２室の支配星に木星が絡んでいるためである。

木星が絡むと、優美さとか上品さを表し、それは金星が与える美とはまた違ったものとなる。

金星は外見を表すラグナやラグナロード、２室や２室の支配星に直接影響を及ぼしている訳ではないのである。

金星の強い力が単なる外見的な美だけに限定されている訳ではなく、彼女の人脈、創作活動、仕事に行き渡っていると表現したらいいのかもしれない。

産経の記事で、その圧倒的な存在感について、言及されていたが、それは、ラグナロードの土星が８室の獅子座に在住し、３室支配の木星と同室して獅子座が強調されている為である。また太陽がナヴァムシャ、Ｄ１０、Ｄ６０などで強く、太陽が強い人物は存在感を示すからである。

そのように考えた時にジゼル・ブンチェンが、この山羊座ラグナで正しいことが納得できるのである。

彼女はマハダシャー木星期に移行した後のセカンドアンタルダシャーの木星/土星期にモデルエージェントからのスカウトを受けて、モデルの世界に入っていくが、木星はメディア、パフォーマンスの３室を支配し、また海外の１２室を支配して、ラグナロードの土星と８室で接合している。

従って、かなり複雑ではあるが、モデルエージェントはモデルを一流に育てた後で、高く売ることを考える世界である。

サッカー選手のスポンサーもそうだが、競走馬のオーナーと同じ発想である。

従って、ラグナロードが８室に在住することは、彼女がそのキャリアのほとんどにおいてモデルエージェントに囲われて来たことを表していると思われる。

実際、wikipediaによれば彼女は所属していたモデルエージェントを去ったことで訴訟を起こされており、モデルエージェントとの間に６−８の関係が見られる。

木星期は木星が在住する獅子座をラグナとすると、１０室に金星が自室に在住して、パンチャ・マハープルシャ・マラヴィアヨーガを形成し、 また水星が１１室で自室に在住しており、１０室、１１室が強力である。

またナヴァムシャでは木星は２、１１室の支配星であり、7室で自室に在住する太陽と、４、９室支配のヨーガカラカの金星と接合している。
木星をラグナとした場合、木星は５室の支配星で、ラグナロードの太陽と、３、１０室支配の金星と接合して、３室、５室、１０室、金星の絡みなどが見られ、メディア、芸能の世界で活躍する配置である。また木星はヴァルゴッタマで強力で、D60などでも自室にあって強力である。

木星期に主にファッション・モデルとして成功したことがよく理解できる。

特に２０００年の木星/金星期には「ヴォーグ誌」に「モデル・オブ・ザ・ミレニアム」と評価され、「ローリング・ストーン誌」の表紙を飾り、「世界で最も美しい女性」と書かれた、とされている。

出生図上で示されている金星の強さが発揮されて、高い評価を受けていることが分かる。 そして、これ以降、数々の有名ブランドの広告塔となったのである。木星/金星期は一つの彼女のキャリアの最も輝かしい時期と言えるかもしれない。

そして、木星期を通じて成功していく訳であるが、マハダシャー土星期に入った土星/土星期の２００９年２月２６日にNFLのスーパースター、トム・ブレイディと結婚している。

この時、土星は１室の支配星であり、１室の支配星は７室からみた７室目のハウスで結婚のハウスである。

トランジットの木星は山羊座を通過し、土星は獅子座で逆行していたため、１室と７室にダブルトランジットを形成していた。

チャラダシャーでは、蟹座/魚座の時期であるが、メジャーダシャーの蟹座にはＤＫが在住し、蟹座から７室にＤＰが在住している。
サブダシャーの魚座には特に結婚の表示体は絡んでいない。

おそらく、wikipediaによれば、2006年から交際を始めていると書かれているため、おそらく、その前の蟹座/牡牛座、蟹座/牡羊座辺りに関係が進展していると思われる。牡牛座にはDKがアスペクトし、牡羊座にはＵＰ（ウパパダ）が在住している。

（それに遡る２００８年に土星/土星期に移行すると、彼女は自身のギャラの支払いに関して、急激に下落しているドルの代わりに他の通貨で支払うことを要求しているといったことが、記事になっている）

そして、２００９年１２月３日には長男が誕生しているが、この時のダシャーは、土星/土星期で、土星は５室支配の金星にアスペクトしている。

トランジットの木星は山羊座の１室から５室と９室にアスペクトし、土星は９室に在住して、９室支配の水星にアスペクトしているため、９室にダブルトランジットが生じている。

従って、結婚、出産共に説明できるため、山羊座ラグナで問題ないと思われる。

もし彼女が射手座ラグナだったら、仕事の１０室に火星が在住し、１０室支配の水星が７室双子座で自室に在住するため、スーパーモデルとしての彼女のキャリアが全く説明できない。

ジゼル・ブンチェンのラグナは山羊座である。

彼女のチャートから言えることは、美しさとは、身体のパーツや外見的美であるというよりも、人格が全体として醸しだすものが美しさなのである。

形而上学的美といえるかもしれないが、それには太陽の強さや水星の強さなど、チャート全体の強さというものが美として表れ出ていると考えられる。

(参考資料）

wikipedia ジゼル・ブンチェン