【藤田晋】   福井県出身、1973年生まれ。   1997年3月青山学院大学経営学部卒業後、株式会社インテリジェンス入社。   1998年3月株式会社サイバーエージェント( http://www.cyberagent.co.jp/ ) を設立、代表取締役に就任(現任)   2000年3月には史上最年少の26歳で東証マザースに上場を果たす。(至上最年少億万長者)

 

チャートの持ち主は、若年にして、(株)サイバーエージェントを設立し、億万長者の仲間入りを果たしたのである。

時間が分からないため、アセンダントは確定できないが、獅子座か、山羊座の可能性が高いと思われる。その理由は後述する。

大きな特徴として、牡牛座に土星と金星と太陽が在住しており、山羊座で木星が減衰していることが挙げられる。そのため、土星、金星、太陽が集中する山羊座においてはラージャヨーガ、ダナヨーガが形成されている可能性が高いのである。そのため、土星、金星がラージャヨーガを形成するパターンは、牡牛座、天秤座、山羊座、水瓶座のアセンダントで、金星もしくは土星がラージャヨーガカラカになるパターンが最も適している。チャートを見ると、太陽が牡牛座で、月が天秤座にあり、アセンダントを除いた2つのスダルシャンラグナで条件を満たしている。

もう1つ考慮しなくてはならないのは、減衰する木星の扱いである。大吉星である木星が強力に機能しないとなると、成功は難しい。そのため、木星は減衰しているのであれば、特別の法則が働いている可能性が高いため、3室、6室で減衰しているか、3室、6室の支配星でなければならない。(8室をこれに加えることも要検討)

仮に太陽をアセンダントとすると、1、6室支配の金星と、9、10室支配のラージャヨーガカラカの土星と、4室支配の太陽が1室において、ラージャヨーガダナヨーガを形成する。

また、月をアセンダントとすると、土星は、4、5室支配のラージャヨーガカラカで、1、8室支配の金星と11室支配の太陽とラージャヨーガ、ダナヨーガを形成する。この場合、火星も2、7室支配で、5室に在住し、弱いラージャヨーガを形成し、8室へ弱いアスペクトを投げている。木星も4室で減衰しているが、3、6室支配であることで、特別な法則が働く可能性が高くなっている。また、9室支配の水星が7室に在住し、月と相互アスペクトしていることも挙げられる。

このように月、太陽をアセンダントとした場合だけでも、土星と金星を中心とした強いラージャヨーガ、ダナヨーガが形成されている。

次にアセンダントがどこかという話であるが、木星が3室に在住するためには蠍座アセンダント、6室に在住するためには獅子座アセンダントでなければならない。

もしくは木星が、3室、6室の支配星であるためには、ラグナ(アセンダント)が天秤座、蟹座、山羊座のどれかでなければならない。

1つずつ検討していくと、天秤座ラグナだと、8室惑星集中となり、ビジネス界で猛烈に営業し、インターネット業界で頭角を表し、マスコミにも取り上げられ、自らメールマガジンを発行し、広く、オープンに自らのビジョン明らかにしていくというような人物像と一致しないのである。蟹座ラグナでも同様に毎日、始発で、会社に通い、始業前に取引先に訪問しているというような猛烈な営業マンとしての彼の人物像とまた一致しないのである。また、写真をみれば一目瞭然だが、顔つきは蟹座のような温和で、育ちの良さそうな丸顔ではなく、下積みから猛烈な努力で、のし上がったような、年齢の割には老けた顔つきをしており、蟹座ラグナの可能性も薄いのである。また、蠍座ラグナだと、7室の配偶者の部屋がクローズアップされ、10室支配の太陽が7室に在住しているものの、ビジネスに一心集中するというより、むしろ、配偶者と協力して配偶者の恩恵で、成功するというような象意であり、また、木星が3室で減衰するというのは実際の本番営業というよりも実践の前の練習や訓練といった意味合いを持つように思われるため、この蠍座ラグナも可能性としては低いと思われる。

すると、最終的に、獅子座もしくは山羊座に絞り込まれることになる。

結論はまだ出ていないが、彼のビジョンである、彼自身は、メールマガジンを活用していることでも分かるようにインターネット上でのコンテンツ配信に興味があるらしく、100%子会社の株式会社サイブロにて、企業の新製品セールス・プロモーション活動に伴う懸賞、及びプレゼント情報の専門チャンネルの配信を行うと発表している。

つまり、どちらかというとインターネット業界において、コンテンツに興味があり、インフラ、技術はその手段でしかない。また、彼は学生時代、ミュージシャンになりたいと思っていたというように音楽、芸術関係に興味があることも明らかにしている。これらのことから考えると、10室や10室の支配星には金星が絡んでいなければならないことが分かる。

5室に惑星集中するか、10室に惑星集中するかということや、今後の事業展開がどの方面に向かっていくか、外見的特徴はどうかなどを検討することで、ラグナを特定することができるのではないかと思われる。

然し、チャートの持ち主のヴィムショッタリダシャーを検討すると、現在、水星期に入っているが、東証マザーズに上場し、億万長者となったのは26歳の時であり、それは土星期の終わり頃であったはずである。そうすると、成功を築き上げたのは、土星期であるため、やはり、山羊座ラグナで土星がラージャヨーガカラカになった方が検証として正しいように思える。

マハダシャー土星をラグナとした場合でも土星が9、10室支配のラージャヨーガカラカで、ラグナに在住するため、土星期というのはラグナからもマハダシャーをラグナとした場合でも9、10室支配の最高のラージャヨーガカラカになる。従って、山羊座ラグナの可能性は高くなる。

獅子座ラグナだと、土星は6、7室支配の機能的凶星になってしまうため、山羊座ラグナよりも土星は弱くなる。然し、太陽、月から見た土星もまたラージャヨーガカラカであり、それだけでも十分強いことがこの辺りの検証を難しくしている。

 

 

 

ラシでのアセンダントが確定しないため、ナヴァムシャもアセンダントの位置と月の位置は使用できないが、ナヴァムシャでどこに惑星に惑星が在住しているかを見ると、山羊座に火星が最高星位で在住し、太陽とコンジャンクトしていることが分かる。また月が牡牛座で高揚している。また、水星と木星が星座交換しており、知識や知性を強調している。月をラグナとすると、9、10室支配のラージャヨーガカラカの土星が5室目の乙女座に在住し、強い友好星座に在住している。すると、月が牡牛座、土星が乙女座、太陽、火星が山羊座と非常に土の星座が強い配置をしており、土星、金星がラージャヨーガカラカとなる条件を備えている。もし、ラシで減衰する木星が猛烈に努力し、実務に励むような長所を発揮しているなら、やはり、ナヴァムシャにも山羊座には非常に強い表示が出ているのが分かる。

また、もう1つ、注目すべきはアートマカラカの水星がナヴァムシャで射手座に在住しており、高いところから転落するとか、突然、高い地位に成り上がるという、社会的地位が急激に下降したり、上昇したりするような、人生上の中心的な試練がある配置をしている。これは会社を立ち上げて、およそ2年で株式市場に上場するというチャートの持ち主の突然の地位の向上から考えると非常に興味深い。

 

 

 

(資料)

 

ネットプライス、藤田晋社長が会長に就任、後任はサイバーキャッシュの佐藤輝英氏 2000年4月5日 バイヤー方式のショッピングサイトを運営する(株)ネットプライスは4月4日、4月1日付けの新人事で藤田晋代表取締役社長が会長に就任し、後任の社長にサイバーキャッシュ(株)の元事業開発部チーフマネージャー佐藤輝英氏が就任したと発表した。 藤田晋会長(写真中央)。民主党主催の“IT革命シンポジウム”より 佐藤輝英社長。日本電子出版協会(JEPA)主催のネットワーク出版研究セミナー第6回より 佐藤社長の経歴は、慶應義塾大学総合政策部在籍中の'97年3月に米サイバーキャッシュ社の日本法人設立に関与。卒業後の'97年9月にソフトバンク(株)に入社し、サイバーキャッシュ(株)へ配属となる。なお、ネットプライスは、'99年11月設立で、藤田会長が代表取締役社長を務める(株)サイバーエージェントが株式55パーセントを出資する会社。今年1月に、バイヤーが会員に商品を紹介・販売するサイト“ネットプライス”を開設した。 小学生時代の部活動  〜 剣道で得たものは忍耐力と出世!? 〜  ┼────────────────────────────────────  │  │小学生のとき、剣道を習ってました。  │普通の稽古を小学校で週2回、武道館で稽古を週1回、先生が特別稽古をして  │くれていた時期もあって、ほとんど毎日のように剣道をやってました。  │  │剣道は、冬は寒いし(裸足なので)、夏は暑いし(防具をしているので)  │臭いし(汗臭くなるので)、とにかく大変なスポーツです。その上、大会で優勝  │するような活躍をしても、防具で顔を覆われていて、あまり目立ちません。  │その辺りが剣道が相撲や柔道と比べても人気がない理由かも知れません。  │  │今まで考えたことなかったですが、剣道で培ったものは? と尋ねられれば、  │それは“ 忍耐力 ”でしょうか。  │会社経営者にもっとも重要な能力のひとつであり、いまも活きています。  │  │あと、公私ともにお世話になっていた剣道の田中先生が「出世払いでいいよ」  │と口癖に言っていたのを今でも時々思い出します。  │  │そろそろ出世払いにいかないと。    

 

【藤田晋 プロフィール】  

 福井県出身、1973年生まれ。   1997年3月青山学院大学経営学部卒業後、株式会社インテリジェンス入社。   1998年3月株式会社サイバーエージェント( http://www.cyberagent.co.jp/ )        を設立、代表取締役に就任(現任)   2000年3月には史上最年少の26歳で東証マザースに上場を果たす。

藤田晋 ジャパニーズ・ドリーム ダイヤモンド社 2000年4月7日発行副題が「26才上場企業社長のe革命宣言」 今年3月にマザーズに新規上場したインターネット広告企業、「サイバーエージェント」の若き社長の本です。彼は毎日自社のHPで日記みたいなものを書いているようですから、それをもとに書いているようですが、これはなかなか面白い本でした。今までいくつかの企業本を読みましたが、大体は退屈な作品が多い。しかしここには2・3年で、会社創立から一気にこぎつけた若者のエネルギーを感じさせます。 書かれている背景が、私にもおなじみだったからかもしれない。ちょっとのきっかけをつかめば、誰でもチャンスをつかむことは出来る。しかし多分そのチャンスは、ひたすら努力するものにしか報われないのかもしれない。IT関連のベンチャーの中にも、少しずつ将来を見据えた企業が育ってきているようです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ サイバーエージェントの藤田晋君といえば、つい先日株式を店頭上場したばかりのインターネット広告会社の社長さんだ。上場企業の社長が26歳というのは、最年少記録だそうだ。そして、設立から2年、26歳にして億万長者の仲間入りをされたのだそうな・・・。まさにネット時代のジャパニーズ・ドリームの典型といった成功物語である。  帯の写真の顔は、26歳にしては老けすぎた、何ともいえない顔である。しかし、この人は本人も言うとおり、目立ちたがりやなだけに、いろいろなところで写真を見たことがあった。  私は、ホームページ上で「ベンチャー企業の日記」を時たま読ませていただいていたが、その行間から受けた印象は、若いのになかなかの人だなーというものだった。きっちりと文章の書ける人で、あの超多忙の中で日記をホームページに残すということだけでも凄い人だと思っていた。そして、上場して間髪を入れずにこの出版なのだから・・・。  たしかに、〈一応の〉成功物語であることは間違いない。2年で上場し、26歳で億万長者なのだから・・・。その成功のエキスが本人の本音で書かれている。 会社設立時に以前の勤め先企業の社長が50%も出資してくれたこと 本人は技術を知らない超営業マンであること だからこそ、クライアントに直接自ら入っていって、顧客のニーズが細かく読めたこと アメリカの動向を注視していて、その一歩上を行くビジネスモデルをつくったこと 技術のよくわかる人間を使うことができたこと 周りに同じ感性と志を持った人が何人か存在すること これら複合的な才覚と幸運と時代のニーズから、こうした成功物語は作られたものと思う。しかし、よく考えれば、これらは起業しようとしている誰にでもある程度は存在しているのではないか? とすれば、その中でここまで来た藤田晋君には何かがあった筈なのだが・・・。 本人曰く、 インターネットで事業を始めようとして、アイデアばかりを一生懸命考えている人がいますが、この世界では、アイデアも戦略も競争企業に対しては完全にガラス張りだと考えた方が正しいでしょう。 ネットビジネスで競争力を持つのは、むしろスピーディに、優れたオペレーティングモデルを構築すること、そして一刻も早く提携先を探し、人材をそろえ、ルールを決め、体制を整える。その実行力こそが何よりも重要なことなのです。 ここら辺りが本当の成功の秘訣なのかもしれない。  オン・ザ・エッヂの堀江貴文社長の言葉を引いて「いまネット業界では、誰でも頑張れば億万長者になれるチャンスがたくさんあるのに、プレイヤーが少ないんだ。どうしてだと思う? 頑張ればいいのはわかっていても、本気でネットビジネスに取り組める環境に辿り着けていないだけなんだね。」 これもそのとおりだと思う。  何しろ、この本は、学生諸君にすすめたい一冊である。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ サイブロ、企業のPR活動に伴う懸賞・プレゼント情報専門チャンネルを配信  ブロードバンドにおけるコンテンツ事業を展開している株式会社サイブロ(本社:東京都渋谷区、代表:藤田晋)は、ブロードバンド向けに、企業の新製品セールス・プロモーション活動に伴う懸賞、及びプレゼント情報の専門チャンネルの配信を開始すると発表。株式会社有線ブロードネットワークス(本社:東京都千代田区、代表:宇野康秀)による、100Mbps対応のブロードバンドコンテンツサービス「BROAD-GATE 01」へのコンテンツ配信を開始する。  同サービスでは、新製品、懸賞情報は、株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表:藤田晋)及びサイブロが各企業より収集すると共に、現在サイバーエージェントにて運営中の懸賞サイト「懸賞のつぼ」より情報提供を受ける。  ブロードバンドにより、動画、音声等の利用が可能になり、従来インターネット上で行われてきたテキスト、静止画ベースでの情報コンテンツに比べて、飛躍的に高いプロモーション効果と、新しい広告メディアとしての活用が期待されている。  今後は、三菱商事、宇宙通信、東京電力などが展開中のブロードバンドサービス「HITPOPS(ヒットポップス)」及び、ソニー、東京急行電鉄、関西電力、伊藤忠商事などが運営するコンテンツプロバイダー「AII(エー・アイ・アイ)」への配信を予定。同社は、随時配信先インフラの拡充を行っていくとしている。  サイブロは、株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表:藤田晋)の100%子会社として、2001年1月に設立。今回のモデルをベースに今後同様の企画、展開を行っていくものとしている。

株式会社サイバーエージェント クリック保証型インターネット広告を展開 インターネット関連の個性的な企業や、動向が注目される企業を紹介する「気になる企業」シリーズ。第5回目は、クリック保証型インターネット広告の企画・運営・販売で急成長している「株式会社サイバーエージェント」である。 クリックの回数に応じて料金を課金するサービスで、広告効果の評価が定まっていないインターネット広告にクッリク数という目に見える基準を持ち込み、市場ニーズを汲み上げたのだ。そうした同社の取り組みを紹介しよう。 営業代理業務からインターネット広告会社へ衣替え  株式会社サイバーエージェントの1999年9月期売上高は5億6000万円(経常利益4000万円)となり、前期(2000万円)に比べ28倍に伸長した。もっとも前期は事業を立ち上げたばかりなので、伸び率の計算はあまり意味がないだろう。しかし、現在の月間売上高が1億2000万円、受注高2億円と聞くと、やはり成長は著しい。  同社が手がけているのは、主にクリック保証型のインターネット広告で、従来の広告が掲載自体に料金がかかっていたのに対し、クリック保証型は広告のクリック回数により料金が決まるもの。つまり、広告をクリックして広告主のホームページへ利用者を呼び込むことが広告料金設定の前提となっているのだ。  現在、バナー広告の「サイバークリック」と、メール広告の「クリックインカム」でサービスを展開しており、バナー広告の配信量は1 日当たり2500サイト、1200万ページビューにのぼり、メール広告は160万アドレスに対して1200メールマガジンを扱っている。そして、実際の収益につながるクリック数は1日当たり6万クリックを数える。  これらの数字が同社の成長を如実に物語っているが、実は同社はインターネット広告事業のために設立された企業ではない。藤田晋代表取締役社長は、会社設立に当たって、「インターネット系の会社ではシステムに強い人やデザインに強い人はいるが、営業に強い人は少ない」と判断し、インターネット系会社の営業代理業務を行う企業として昨年3月にスタートさせたのである。  こうして、手がけた代理業務の1つにインターネット広告の営業があったが、なかでも広告主のクリック保証型への評価は高いものがあった。そこで自らクリック保証型インターネット広告を企画して、昨年9月から運営を開始し、このときから同社はインターネット広告会社へと衣替えしたのである。 営業を主体に置き行動量とスピードで成長  クリック保証型の評価が高いことについて藤田氏は、「広告効果を見える形で示したのが支持された理由」と分析するが、こうしたマーケット事情だけが同社成長の要因ではない。それよりも営業を主体にした点を藤田氏は挙げる。  インターネット系会社の多くは、まずシステムをつくり、それからマーケティングを行うのが一般的。しかし、サイバーエージェントの場合は、まずマーケティングがあり、その上で顧客ニーズに沿った商品開発を行う。「次のトレンドを掴むには常にクライアントの話を聞いていなけければ無理」というわけだ。  実際、同社が提供するクリック保証型インターネット広告は、前述したように営業の中で顧客ニーズを確認し、それに沿って開発した。そのニーズとは、「クライアントはインターネット広告を営業ツールとして活用したがっている」ということ。だからこそ、クリックして広告主のホームページへジャンプし、そこで商品を買ったり、資料請求したりといった何らかの結果が期待できるクリック保証型が支持されたのだ。  さらに藤田氏が成長の要因として挙げるのが「行動量とスピード」である。同社では商品開発後、徹底したクライアントへの営業を展開する。「よく営業力があると言われるが、実は行動量の差で、どれだけクライアントに説明して回ったかだと思う」と藤田氏は苦笑いする。  その行動量を支えているのが“若さ”である。現在40名いる社員全員が20歳代で、平均年齢は25歳、藤田氏自身もまだ26歳の若さだ。若さがスピードを生み、そのスピードによりクリック保証型インターネット広告市場で先行する結果につながったと言うのだ。 将来は総合インターネットカンパニーを目指す  こうして急成長を果たしたサイバーエージェントだが、課題がないわけではない。「広告ニーズがあっても媒体が少ない」ことだ。広告媒体となるサイトを、クライアントのニーズに沿ってセグメントすると、スケール的に小さくなってしまい広告媒体としての価値が下がってしまうのである。すなわち、良質なコンテンツで十分な収益をあげているサイトの絶対数が少ないわけだ。  このため同社では、媒体側の収益向上を支援している。たとえば、メールマガジンの場合、従来は発行に伴う収益はあまり期待できなかったが、「クリックインカム」にメールマガジンを登録して読者を増やしていけば、発行者の収益にもなるのだ。こうしたメリットにより、昨年12月スタートと、メールマガジン配信システムとしては後発ながら登録数は1200媒体にのぼっている。  また、良質のコンテンツを支援するため、今年から「Eメールマガジン大賞」を、システム開発会社のオン・ザ・エッヂと共同で実施しており、10月下旬にはグランプリ(賞金50万円)が発表される予定だ。このほか、出版社と提携して、優良なメールマガジン作者を育成していくプランも進めている。  これら広告主、媒体側への営業、マーケティングを積み重ねることで、インターネットのビジネスケースやアイデアが蓄積できるため、「将来はインキュベーションビジネスや、ベンチャーキャピタル的な仕事も展開し、総合インターネットカンパニーへと脱皮していく」と、藤田氏は今後の展望を明かした。 堀 悦夫 フリーライター 会社概要 所在地: 東京都港区北青山3-5-30入来ビル7F 設立: 1998年3月18日 資本金: 1億5130万円 売り上げ: 5億6000万円(1999年9月期) 営業品目: (1) 完全クリック保証型バナー広告「サイバークリック」 (2) クリック保証型Eメール広告「クリックインカム」の企画・運営・販売 (3) インターネット広告の企画立案、制作、運営 (4) インターネット総合コンサルティング (5) HPの企画制作 URL: サイバーエージェント http://www.cyberagent.co.jp/ サイバークリック http://www.cyberclick.net/ クリックインカム http://www.clickincome.net/ -------------------------------------------------------------------------------- 日本インターネット協会事務局 ほのぼのと生涯共に…奥菜恵が結婚、2・1挙式!  女優の奥菜恵(24)が21日、かねて交際中のIT関連会社、サイバーエージェントの藤田晋(すすむ)社長(30)と来年2月1日に結婚することを発表した。奥菜は、所属事務所を通じ文書で、「大切な、大切な、かけがえのない人」と伴侶を紹介。「ほのぼのと仲良く生涯を共に過ごせたら」とコメント。オメデタはなく、今後も女優を続ける。〔写真左:清純派から実力派女優へ脱皮した奥菜恵が、生涯の伴侶も得て、ますます演技に磨きがかかる。同下:30歳ながら、経営者の風格が漂う藤田晋氏。笑顔が優しく温和な印象だ〕 ◇  美人女優と青年IT長者というビッグカップルが誕生した。所属事務所によると、大安にあたる2月1日の挙式・披露宴は、2人の希望により都内のホテルで親族のみで行い、その後に、親しい友人によるお祝いのパーティーが予定されているという。  昨年10月ごろに知り合い、翌11月に写真週刊誌がスーパーで仲良く買い物をしている姿をとらえて交際が発覚。その後、デートする姿が度々報じられるなど、順調に愛を育んできた。  この日、事務所を通じ、マスコミ各社にファクスで心境を報告した奥菜。交際の日々を「彼と出逢ってからの毎日はとても楽しく、幸せで、わたしが忘れかけていた本来の自分を思い出させてくれた」と綴り、藤田氏にゾッコンの様子。  昨年はちょうど奥菜のデビュー10周年にあたり、固定した“清純派”のイメージの壁を破ろうとしていた時期。「彼の持っている人としての精神を心から尊敬しています」と彼の存在が精神的な支えになったようだ。  藤田氏が社長をつとめる「サイバーエージェント」は、インターネット広告とメールマガジンポータルサイト「メルマ!」を運営している会社。厳しい業界を生き抜き弱冠30歳ながらヤリ手として知られる同氏について、「びっくりするほどマイペースで自然体」「とても穏やかな人」と恋人だけに見せるその素顔について評しており、「私はいつも和まされ、安心してそばに居ることが出来ます」と結婚を決意した。  年も押し迫った突然の発表だけに、さきごろの広末涼子(23)に続く“できちゃった結婚”かとも思われたが、事務所はこれを否定。今後は、仕事と主婦業とを両立させていく。奥菜は近日中に会見する予定。 ★24歳で「サイバーエージェント」設立  藤田氏は、青山学院大卒業後、平成10年に24歳で「サイバーエージェント」(東京・渋谷区)を設立。12年に東証マザーズに上場。わずか4年で年商63億円を売り上げる会社に成長させた「ベンチャービジネスのカリスマ」。その後、108億円、162億円と伸ばしている。  主な事業は、インターネット広告とコンテンツの運営、制作など。関連会社9社を持つ。東京でも屈指の超高級マンションに住み、運転手付きの高級車プレジデントで2人がデートする姿が報じられたこともある。

じゃぱにーずどりーむ26さいじょうじょうきぎょうしゃちょうのEかくめいせんげん ) ジャパニーズ・ドリーム―26歳上場企業社長のe革名宣言! ISBN:4478320950 254p 19cm(B6) ダイヤモンド社 (2000-04-07出版) ・藤田晋【著】 [B6 判] NDC分類:007.3 販売価:\1,500(税別) 2000年3月に東証マザーズに上場したインターネット広告代理業「サイバーエージェント」の社長が書く、起業哲学とビジネス。 株式時価総額10兆円をめざす!インターネット広告会社「サイバーエージェント」は、2000年3月東証マザーズに上場。社長・藤田晋は、26歳にして夢を手にした。「サラリーマンじゃイヤなんだ!」という強烈な思いからスタートしたその起業哲学と、たまらなくエキサイティングなネットビジネス、そして「潔い」生き方―。 序章 スタートライン 1章 サラリーマンにはなりたくない 2章 起業するDNA 3章 クリスマスの晩に 4章 握手、そして決別 5章 俺を社長と呼んでくれ 6章 時代が変わる瞬間 7章 組織―永遠のテーマ 終章 10兆円に向かって走れ

 

 

奥菜恵と結婚カリスマ社長「サイバー…」未来は? 年商162億円も一度も利益計上なし  「グループ年商162億円のIT企業オーナー社長と来年2月に結婚」と、芸能マスコミをにぎわせた女優、奥菜恵さん(24)。では、その新郎、藤田晋(すすむ)氏(30)が経営する「サイバーエージェント」とは、どんな会社なのか。奥菜さんは本当に「玉の輿」に乗ったのか。  『ジャパニーズ・ドリーム 26歳上場企業社長のe革名宣言!』と自伝も上梓し、いわゆる“渋谷系(ビットバレー)”の出世頭の一人として、カリスマ的な“人気”を得た藤田氏。  福井県出身で、青山学院大経営学部を卒業後、有線ブロードネットワークスの現社長、宇野康秀氏(40)が創業した人材派遣会社「インテリジェンス」に就職するも、わずか1年で独立。インターネット広告を手がける「サイバーエージェント」を設立した。  世はITバブルの真っ盛り。同社は2年後の2000年には東証マザーズ上場を果たす。当時、藤田氏は26歳、「史上最年少」と騒がれた。  現在、同グループは連結対象子会社9社などを抱え、前期(03年9月期)連結決算は売り上げ162億円を誇る。社員も264人を数え、平均年齢27歳と若い会社だ。  だが、実は上場以来、一度も利益を計上したことがない。前期も経常損失6600万円、当期純損失24億円である。  同社をよく知るIT関係者は「上場時、225億円もの公募調達に成功し、いろいろ事業に投資してきた。成功もあれば失敗したものもあるでしょうが、現金キャッシュフローの前年度末残高は88億円。これだけ使って、この売り上げと利益(損失)では、あまり燃費のいいエンジンではないですね」と話す。  ただ、同社広報は「前期は下期に黒字転換し、今期の立ち上がりも堅調に推移しています。2月中旬には(好業績を)公表できると思います」と自信を示す。  こうした業績改善の期待を先取りしてか、1月以来、5万円近辺に張りついていた株価も夏ごろから出来高を伴って上昇。今月22日は25万1000円で引けている。  さて、華燭の典に花を添えるべく将来の展望はどうなのか。  ネット広告市場の規模は昨年845億円、今年は1200億円という試算がある。  成長市場であるのは確かだが、前出のIT関係者は「大手広告代理店が参入し、雨後のタケノコほどもあった渋谷系は数社しか生き残っていない。『勝ち組』と『負け組』がはっきりしてきましたが、サイバーエージェントはどちらかは判断できない」という。  その上で、「同社は広告事業より、ネットを使った物販やメディア事業に軸足を移し、将来の業態は“ネット財閥”を狙っているようです。これがどう出るか。藤田さんは若く、発言が暴言ともとれるほどアグレッシブですが、センスはいい。若い学生にはカリスマ的な存在なので、求人には苦労していない。うらやましい限りですが、内紛も絶えず、会社の屋台骨を支える中堅がやめていくと聞く。今期が勝負」と話している。  奥菜クン、内情の功の見せ所だ。

■マーケティング的な視点を忘れるな 〜インターネットビジネスの実態1 藤田晋(ふじたすすむ)株式会社サイバーエージェント代表取締役社長 --------------------------------------------------------------------------------  「テクノロジーを知らないとe-ビジネスはできないと思っている人も多いが、私は全くの文系人間。技術系の人材しかいない業界だからこそ、ビジネスチャンスがあると思い、営業専門の会社を立ち上げた」。ベンチャー系インターネット広告会社の草分け的存在であるサイバーエージェントの藤田社長は起業のきっかけをこう話す。今回は実際のe-ビジネスの現状を広告会社としての視点から藤田社長にお話しいただいた。 -------------------------------------------------------------------------------- ■ベンチャー企業CAの沿革  サイバーエージェントは1998年3月にスタートし、今年3月末に東証マザーズに株式公開を果たしたベンチャー企業である。98年のスタート時には役員2名、アルバイト2名の小さな会社だったが、現在は従業員110名、今期の売上げは36億円を見込むまでに成長した。  98年3月の日本のインターネット状況はプロバイダーが淘汰されつつあり、立ち上がるインターネットビジネスはどれもうまくいかない状況で、"インターネットは儲からない"という逆風の吹いている時期だった。当時、インターネット業界全般としては、デザイナーや技術者などの技術系の人材は数多くいたが、営業マンやマーケッターなどはほとんどいなかった。サイバーエージェントはインターネット業界の営業マンの不足に目をつけ、そこにビジネスチャンスを見出し、営業専門の会社として設立した。  サイバーエージェントの営業先は、オンライントレードやポータルサイトなど、e-ビジネスを行っている企業である。設立当初は広告営業のほかに、ホームページの制作、決済システムの営業なども行っていた。営業の現場では広告主のニーズ(=マーケットニーズ)を数多く聞くことができ、そのニーズからクリック保証型バナー広告ネットワーク「cyberclick!」の営業をスタート。98年9月には軸足を絞り込み、インターネット広告専門の広告会社として活動している。その後、バナー広告以外にテキスト広告や電子メール広告、さらに、ロゴボタン広告や記事広告などの新サービスも広告主のニーズに合わせて展開している。 ■2000年はe-ビジネス元年  インターネットに対して98年には否定的なムードがあったが、98年クリスマス商戦における米国のe-クリスマスブームはe-コマースの大きな起爆剤になった。インターネットでモノが売れ始めたのである。それに伴いネット関連株の株価が上昇、99年の初めには日本のメディアもインターネットを次々と取り上げ、インターネットに注目するようになった。また、株価の上昇を見た日本の金融関係者も一斉に動き始めた。こうしてベンチャーキャピタルの投資が日本でも始まった。  しかし、e-クリスマスからベンチャーキャピタルの盛り上がりまでの期間が短かったので、日本ではe-ビジネスプレイヤーの数は圧倒的に少なかった。ここ1年間で見ても、e-ビジネスは急速に盛り上がって盛り下がっているだけで、e-ビジネスプレイヤーは決して増えているわけではない。ビットバレー(Bitter Valley)と呼ばれる日本のインターネット黎明期から創業しているベンチャー企業と、オタク系のインターネットビジネス事業者がそのメインプレイヤーで、昨年末を境にやっと大企業が参入してきたという状況なのである。また、ビジネス戦略を立てられるようなエリート社員が大企業からe-ビジネスのベンチャーに流れてきたのも昨年末からである。  e-ビジネスという意味では今年は元年になるかならないかという年である。99年夏以前はインターネットやe-ビジネスが信用されていない時代であり、資金調達も困難だった。そのため、サイトもお金をかけていない粗末なものが多く、これがe-ビジネスの阻害要因の一つにもなっていた。また、通信速度も遅く、高く、パソコンのインターフェースも難しいなどの種々の問題もあった。  今年、通信料金は値下がりの方向にあり、通信速度も新しい技術の開発でどんどん速くなっている。インターフェースもパソコン以外に、ドリームキャストやプレイステーションのようなゲーム機、iモードなどの携帯電話など、誰にでも使えるものが増えている。リストラを進めている企業でもe-ビジネスの部署だけはしっかりと予算を持っているという状況で、インターネットに十分なお金が注ぎ込まれるようにもなっている。また、ユーザー側もインターネットの資料請求やショッピングにも抵抗がなくなってきている。信頼できるメディアであるテレビコマーシャルにサイト広告が増えてきたことも、インターネットへの不信感を払拭するのに貢献し、ユーザーの利用を促進している。  今後は、ベンチャービジネス主導型だったe-ビジネスの世界へ、大企業が本格的に参入してくることが予想される。また、ベンチャー企業もスピーディーに事業を立ち上げていくという状況が生まれ、これらがe-ビジネスの促進要因になるだろう。 ■データマイニングを武器に  インターネット広告業は広告枠を仕入れて、広告主に売るという意味では、従来の広告のビジネスモデルと全く変わらない。既存メディアによる広告との違いは、広告効果、広告パフォーマンスが測定できるという点にある。インターネットの登場で広告は明確なマーケティング目標が設定できる広告に変わりつつある。  サイバーエージェントでは単に広告を出すだけではなく、クッキーなどを使用して、広告をクリックしたユーザーがどのようなホームページ閲覧行動をとるか、購入にいたるまでの行動はどうかなどの消費者行動履歴が取れるようになっている。さらにそのデータを分析することにより、生活者の行動分析を統計的に行う「データマイニング」を行っている。「データマイニング」によって得られる行動分析をもとに、戦略ターゲットやセグメントの選定、ターゲットのプロファイリングが可能になり、それらが次のサイトプランニングに活かされる。  既存の大手広告代理店との差別化のポイントも、このような「データマイニングシステム」を提供できることや、従来の"マス広告に付随したインターネット広告"というアプローチではなく、"インタラクティブマーケティングありきの広告"というアプローチを行っている点にある。データマイニングは経験を積めば積むほど強化されるものであり、先行メリットがあることもサイバーエージェントの強みになっている。  また、中堅サイトのネットワークではナンバーワンのアドネットワークを自社媒体として持っていることも強みである。広告主にとって、無数にあるサイトの中から小さなサイトを見つけだし、そのひとつひとつに広告を出していくことは不可能に近い。アドネットワークはそれらの小さなサイトを束ね、まとめて広告が出せる仕組みになっている。 ■ブランド確立と今後の展開  サイバーエージェントが成長した理由の一つは、成長性のあるクリック保証型広告の営業に軸足を絞り込んだことにある。e-ビジネス立ち上げのコツは一つのビジネスモデルに集中し、成果が上がったら手を拡げていくという手法だと思っている。  また、マスコミの波に乗ったことも理由の一つだ。BtoCのe-コマースを展開する時に競争力になるのは、知名度やブランド力と先行メリットである。知名度アップやブランド確立のためにマスコミの波に乗り、名前が露出されることは大きなポイントである。インターネットでは無数のサイトやサービスの中から抜け出すためには、逸早くブランドを確立しなければならない。そのためには話題性を意図的につくりだし、マスコミの話題にのぼることが重要な要素である。  インターネットに限らず、広告業界は取扱量がモノをいう世界である。その点でも早くトップブランドになってしまうことが重要な戦略だと考えている。  サイバーエージェントのクライアントは、e-ビジネスを行っている事業部であるため、きちんとした目標設定があり、サイバーとリアルを駆使して目標に到達することが今後はより一層求められる。リアルメディアを扱う部門としては、今年4月、サイバーブランディングを設立し、ドットコム企業のテレビCMの取り扱いをスタートさせた。リアルとサイバーの同時展開により、e-ブランド企業の広告をトータルにプロデュースできる体制づくりを進めている。今後はデータマイニングの分野でも、マス広告を含めた効果検証を行い、経験値を蓄積していきたいと考えている。  また今後、ますますの市場の成長が予想される携帯端末の広告営業会社としてシーエー・モバイルを設立している。 ■e-ビジネス起業のポイント  起業に重要なことはビジネスモデルを絞り込むことと、高い目標を掲げることだ。株式を公開すれば、それなりの責任とプレッシャーを背負うことになるが、厳しい環境ほど人を成長させる。難易度が高い仕事ほど面白いとも言える。そして、早く行けば行くほど成長が早く、先行メリットが大きくなる。  ニューエコノミーでは人材が最も重要な経営資源である。優秀な人材を集めるために、採用には意識して力を入れてきた。この業界には珍しく離職率も低い。より魅力的な職場にするために、オフィスを渋谷のマークシティーに移し、社員にはストックオプションもある。このような特典もさることながら、それ以上に、伸びている産業、伸びている会社で、新しい時代をつくっていけることが、社員にとってのやり甲斐になっている。ただ、e-ビジネスのベンチャー企業では即戦力は採用できないので、ビジネスを立ち上げる時には教育期間を考えておくことが必要である。  誰もがインターネットをできる時代になり、インターネットはインフラからe-コマースの時代に入ってきた。新しいサービスが次々に生まれてきてはいるが、それでも日本のプレイヤーは少なく、チャンスもまだまだたくさんある。  また、ネット業界でキャリアを積むことは、これからの時代の最大の武器でもある。様々な苦労を差し引いても、e-ビジネスの起業を目指してほしい。  

>>「サイバーエージェント社」 代表取締役社長 藤田 晋氏<<  今年はADSL、光ファイバーといったサービスが続々と開始されていますが、施設工事や、パソコンのスペックなどの問題で、本格的に普及するのは1、2年後になるでしょう。  ブロードバンドビジネスが本物になるのはそれからです。  例えば、現在のバナー広告では、その効果に限界があると言われています。これがブロードバンドが導入されると、まるでテレビCMでも見ているような広告ができます。  現在のメールマガジンにしても、テキストベースの情報だけなら、課金し辛かったですが、音声や映像なら配信料を取れます。  エレクトリックコマースも、今までは回線の速度が遅かったので使いづらい面 もありましたが、この分野もブロードバンドによって活気づいてくると思います。  IT業界も一時の勢いを失っていますが、2003年頃からは再び活気にあふれたビジネスが展開されることでしょう。

この3月24日、インターネット広告会社、サイバーエージェントがマザーズに上場した。 同社の藤田晋社長は弱冠26歳。サイバーエージェント上場に先だち、3月10日にマザーズ上場を果たした電子メールシステムのクレイフィッシュ、松島庸社長と同年である。 藤田社長は、1997年に青山学院大学経営学部を卒業し、人材斡旋を行うベンチャー企業、インテリジェンスに入社した。入社1年目にして同期トップの5000万円の利益をあげ、独立を決意。’98年3月18日にサイバーエージェントを設立している。 したがって、今回の上場は設立から2年と6日目の出来事だった。 同社の業務は、バナー広告、メール広告、検索エンジンなど、インターネットを媒体とした広告業である。日本にはアメリカのインタ ーネット広告の最大手、バリュークリックの日本法人があるが、サイバーエージェントは圧倒的な営業力と価格攻勢で業務開始後1ヶ 月半でバリュークリックのシェアを上回る業績を上げてしまった。 サイバーエージェントのオフィスは、井の頭線渋谷駅の上にできたばかりの23階建ての最新オフィスビル、渋谷マークシティにある。 表参道の旧オフィスから、8倍の面積の新オフィスに移転してきた。藤田は「オフィスを立派にすると、そこで働いている人の意識も変わる」と言う。サイバーエージェントは、1年おきに引っ越ししているが、これは同社の急拡大の軌跡とも重なる。 上場当日、藤田は記念すべき時を主幹事、大和証券の会議室で迎えた。初値は公募価格と同額の1500万円、安値は1499万円、 終値は1520万円。前日、マザーズに上場されたスノーヴァの初値が公募価格を17%下回ったことを考えると、まずまずの滑り出しと いっていいだろう。 藤田社長は、取引終了後の記者会見で次のように述べている。 この公開を機会に、一気にインターネット広告業界ナンバー1の座を確固たるものとしたい。ずっと止まっていることは、インターネット業界では死を意味するほどリスキーなことである。スピードアップのために人員増、資本提携を含めた業務提携、あるいは買収も考えていきたい…… 淡々とした口調の中に、強い自信がうかがわれた。 東証マザーズには今後、携帯端末企画・販売のネクステル(4月25日)、TSUTAYAのカルチュア・コンビニエンス・クラブ(4月26日)などの上場が予定されている。 さぁ、我と思わん者は彼らに続け!! 塾頭からの一言 いまやネットバブルといわれるほどネット関連企業は好調で、藤田社長などの成功者をうらやむ声や、ネット事業であればなんでも成功するかのような言い方が目立つようになっている。 しかし、彼らはこれまで人の何倍もの努力をしてきている。 藤田社長はたった1年で独立したが、インテリジェンスの宇野康秀社長は彼を引き留め、独立の意志が固いことを知ると、今度は出資までしている。会社を辞めるとなると、あとはどうなっても構わないなどと考えているようでは、このような支援は受けられない。 単にネット革命の波に乗っただけで成功できると考えるのは大間違いである。 やることをしっかりやったからこそ、彼らは成功すること ができたということを肝に銘じておかなければならない。