占星学とエネルギー
この二種類のエネルギーに、第三のエネルギー群を加えなければならない。 このエネルギー群は私たちの占星学的な研究の基礎になるものである。 これらは太陽が通過する黄道帯を構成する十二の星座から放射される。その影響は無限であり、この三つのグループのエネルギーの組み合わせによって、自然界に見られる無限の複雑さが生み出されるのである。人間の有機体に働きかけるエネルギーの実在性に関する占星家たちの主張は真実であると認めることができる。 しかし、彼らの解釈能力に関する主張は大体において根拠のないものである。実際には、地球上の最高の知性をもつ者でさえほとんど知らないのである 。というのは、アデプト方は主に直観を用いるからである。このことを忘れてはならない。 これらのエネルギーは自然界のあらゆる王国内のすべての形態にその痕跡を残し、後退させるフォース、もしくは刺激するフォースとして働いている 。これらは、何からの形態の特質を完全に表現させるために一つのタイプのエネルギーをもたらす場合もあれば、別の特質が現われるのを抑止する場合もある。 真の占星学の性質をここで概説するのは適切ではない。占星学が一つの科学であり、来たるべき科学であるというのは真実である。その最高様相にあって、真に解釈された占星学によって、人間はやがて理解力を集中して適切に機能できるようになるというのも真実である。占星学がやがてもたらすようになる啓示に、魂と形態の真の統合の秘訣があるというのもまた正しい。しかし、そのような占星学はまだ存在しない。占星学を多くの人々が主張するような正確な科学にするためには、あまりにも多くのことが見落とされており、知られていることがあまりにもわずかである。将来いつか、この主張は実現されるであろうが、その時はまだ来ていない。 しかしながら、占星家たちが覚えておくべきいくつかの要因 と、彼らがあまりにも忘れがちないくつかの状態については、簡単に述べてもよ いであろう。 理解を明瞭にするために、この分野の平均的な研究者たちが注意深 く学ぶべきいくつかの項目を簡単に箇条書きの形にまとめることにしよう。 占星家が扱うべきエネルギーについての論文が非常に必要とされているが、そのような論文をここに書くことはできない。 占星家が主に扱うエネルギーは次の三つのタイプである。
a 誕生時に太陽が位置する星座のエネルギー。 b その人が反応すべき上昇宮。 c その人の形態様相、特に肉体を支配する月。
人間が生まれたときの特定の星座つまり宮のエネルギーには 、これまで指摘されてきたよりも深い意義がある。それは、彼の現在の問題を具体的に示し、彼の人生のペースつまりテンポを決める。また、それは彼のパーソ ナリティーの特質に関係している。それは−もしこのように表現してもよければ −転生中に彼が送る生活のラジャスの様相つまり活動の様相を支配している。上昇宮つまりアセンダントは、転生の目的を成就するために 、彼のエネルギー全体が流れることが可能な線を示している。もちろんこれは、 エネルギーを正しく操作した場合の話である。それは、彼の未来の秘密を秘めて いる。そして、その象徴と理解の中に、自分の生涯における問題の鍵と、自分が 何になり、何を達成できるかを示すものを発見することができる。それは、成功を可能にするタイプのフォースを彼に提供する。 これは、適切に使われるならば 、彼の人生におけるサットヴァの様相、つまり調和の様相を生み出すものと見なしてもよいであろう。というのは、それがその役割を果たし利用されたとき、それは特定の転生中において、魂の意志との調和を生み出すからである。 月の影響には、その人の過去が示されている。それは、その人が働くときに受ける限界と障害を要約している。したがって、物質のタマスの 様相、つまり「抑止し」、―― もし過度に影響を受けることを許せば――怠惰 を生み出すものを具体的に表わしていると見なしてもよいであろう。人がまとう 体の中に過去の経験の秘密が隠されている。月の影響下にあるすべての形態は― ―それは、私たちが適切な表現に到達するために利用しなければならないもので あるが――それ自体、これまでのすべての過去の産物であり、それらを統合した ものである。この複雑な科学について何も知らない人々が理解できるよう簡単に概説することで、占星学に関して現在真理であるものについて述べることができるかどうかやってみよう。 誕生月は機会の日を示している。扉は開かれている。 魂がどの月に転生へと入るかは、その前の人生周期の時に魂が肉体を脱した月がいつかによって決まる。例えば、もし獅子座が支配する月に死亡したならば、魂は同じ宮の時に転生へと戻り、以前離したところで経験の糸を拾い上げ、地上生活を離れたときと同じタイプのエネルギーと固有の装備を身につけ、さらに思考と意識的な観察を獲得して、再出発するのである。その生涯の間に操作すべきエネルギーの特質とフォースの性質がこのようにして魂に示される。 もう一つのタイプのエネルギーを具体的に示す上昇宮は、転 生中に強さを増大させるべきものである。なぜなら、それは、転生した神の子が 、いくつかの特性を持つ特定のパーソナリティを介して操作しようと努めている魂のフォースの性質を示しているからである。 月の影響は主として物質的である。このようにして、魂の牢獄が示される。遭遇することになる障害がこのように保管されているのである。 つまり、その人をゴールに導く宮のフォースとエネルギーの特質を限定する肉体もしくは諸体のタイプが示されているのである。 月の主方を通して、そして、月の主方が幾時代にもわたる過去の経験の結果として彼に与えてきたものを通して 、彼は自分自身を物質界に表現しなければならないのである。
春分点の移動により第四のフォースが感知される状況がもたされる。太陽は実際、より大きな黄道帯に関する限り、天空の大きな回転において、それが位置していると言われているところとは非常に離れたところに位置 している。これはもちろん時間の観点から見た場合である。太陽が一つの星座を 通過するのに約二千二百年を要するため、数百年間での移動は非常にわずかであ る。太陽系のホロスコープを描くときには、それは非常に重要なものになるであろう。 しかし、これは私たちの惑星の最も賢明な占星家の能力さえ遙に超えているために、それについて議論することは無駄である。 しかしながら、特定の月に生まれた人間のホロスコープを作成するとき、現在、その月と宮が全く一致していないということを覚えておくべ きである(実際には覚えられていることはほとんどないが)。例えば、実際には八月に太陽は獅子座にはない。
したがって、天宮図の正しい解釈は、主にサイコ メトリーによるものであり、占星家たちが幾時代にもわたって築き上げてきた星座についての想念形態に依存している。 エネルギーは思想に従うのである。 数千年にわたって、あるタイプのエネルギーとその結果としての質料と形態への特質づけは、占星家が解釈するようなものであると考えられてきた。 そのため、そのようになるのである。 しかし、非常に進歩した人々や真の熱誠家の場合は違い、 彼らは自分自身を方向づけており、そのため存在の車輪から脱し、自分の星を支配し始めており、もはやそれらの支配下にはいない。 現在の占星学は主に、ホロスコープに描くことのできるパーソナリティーと、パーソナリティー生活での出来事を扱っている。 瞑想と奉仕、 月の影響下にある諸体の訓練を通して、意識的かつ明確に魂光線の影響下に入っ たとき、人間は七つの太陽系のいずれかの影響下へと明確に入る。 これらの太陽系はいずれかの星座を通して、さらに七つの聖惑星のいずれかを通して、エネルギーを焦点化している。最終的には十二の星座に対応する十二の聖惑星が存在することになるであろう。しかしその時はまだ来ていない。 私たちの太陽系は、あなた方も知っているように、この七つの太陽系のうちの一つである。 人間がこの 進化段階に到達したとき、誕生月、世俗的な占星学、形態様相に与える影響はますます重要ではなくなっていく。これらの太陽系のこのサークルが魂に優勢な影 響を与え、魂は霊エネルギーの焦点になる。これはそれ自身の界層での魂の問題 である。つまり、これらのタイプのエネルギーに対する感応性という問題である が、これらをパーソナリティーは全く認識していない。 したがって、地、水、火、風という四つの範疇に分けられる宮は、横隔膜より下で生き、下位の四つのセンター――脊柱基底、仙骨、太陽叢 、脾臓―――を使用している人間に主として関係している。内 的な七つの主要なエネルギー群つまり太陽系のエネルギー群は 、横隔膜より上で生き、そして頭部内の七つの対応するセンターを通して働く人間に影響を与える。そのうちの四つは喉セン ター、ハート・センター、アジュナ・センター、ヘッド・セン ターを通して焦点化される。 残りの三つはヘッド・センター( 千枚の花弁をもつ蓮華)の領域に隠れており、第三イニシェー ションの後に初めて機能的な活動を開始する。したがって、純 粋に人間的でも純粋に霊的でもない人間の場合、二つのタイプ の星座のエネルギーのこの出会いが、ホロスコープの観点(同 時に、個人的な問題の観点)から見て、どれほど複雑であるか が分かるであろう。通常のホロスコープは役に立たない。ホロ スコープを描くことはまだできない。 基本的に、そしてほとん ど間違いなく正しい唯一のホロスコープは、完全に横隔膜より も下で生き、動物性質だけに支配されている全く低い段階の人間のホロスコープである。 また、占星家たちは次のことも覚えておかなければならない。 つまり、未発見の惑星がいくつかあり、これらが地球に焦点化するエネルギーの流れを引きつけ、その方向性を変化させてお り、そのことが問題をさらに複雑にする傾向があるということ を。 冥王星はその一つであり、現在顕現化してきたため(と言 うよりもむしろ、認識されたため)、説明できないすべての状態の原因が冥王星にあると考えられるようになるであろう。冥王星は将来、長い期間にわたって、誤った占星学のスケープゴートにされるであろう。この占星図が有効でなく真実でない理由は、冥王星がそれに影響を与えているにもかかわらず、私たちが冥王星についてほとんど何も知らないためである。このように言われるであろう。しかし、冥王星は私たちの太陽の周りを常に回転し、その影響力を揮ってきた。しかしながら、それ は古いアイディアと感情の死つまり停止を支配し、したがって 、その影響は主として知的なものである。ここに冥王星の発見が遅れたことを示す手がかりがある。人間は知的になる瀬戸際 にいる。冥王星の影響はまずメンタル体に感じられる。惑星の名前は任意に選ばれたのではなく、惑星が自ら名付けるのであ る。 占星家たちは三つのホロスコープつまり占星図を描くことが 必要であることにやがて気づくであろう。一つは純粋に肉体的なもので、自然の体に関係するものである。一つは主として情緒的なもので、パーソナリティの特質とその感受性つまり認識状態に関係するもの。 そして、三番目のものはメンタル的な衝動とその状態を表す占星図になるであろう。これら三つの占星図にはある幾何学的な 線が引かれ、エネルギーの線が模様を形作るであろう。これら三つの占星図を重ねることで、パーソナリティの図形、つまり 、個人生活の模様が現われる。このようにするとき、興味深い象徴的な占星図と線描図形が現われ、ここから「個人の幾何学 」が発達するであろう。というのは、各々の線は他の線に関連 して機能し、生命エネルギーの傾向が明らかになるからである 。やがてこの知識領域にさえ、「星が輝き出るであろう」。これが心理学の新しい分野になり、私たちの時代のための真の解 説者がいずれ見つかるであろう。 私は現在の占星学を擁護する ために未来の占星学の方向を指し示しているだけである。 占星家たちがこの時期に行う必要がある一つのことは、現在がパイシス(魚座)からアクエリアス(水瓶座)への移行期で あるということを十分に考慮に入れることである。実際に考慮されることは滅多にないが、この移行に伴う途方もない混乱が個人の占星図に影響を与え、しばしば個人の運命つまりカルマ を相殺していることは明らかである。人々は惑星と人類の運命に巻き込まれているため、彼ら自身の小さな出来事はほとんど完全に相殺され、時には完全に無力なものになる。惑星のホロスコープを描くことは可能ではなく、そうしようと企てる人々は自分と他の人を欺いているのである。自然の第四王国つまり人類のホロスコープがやがて描かれるようになるであろうが、 これを描くのはイニシェートである。現在、物質界で働いている占星家でイニシェートである者はいない。 ここで一つのヒントを提供しよう。 人間的な兆しが初めてなんとか前面に出てきたとき、太陽は射手座にいた。動物人間の段階が完成された。そして、射手座の勢力が(私たちの惑星の観点から見て―――私は注意してこ の言葉を用いている)優勢であったとき、個別化という大きな出来事が起こった。 しかし、当時の人間の脳は何が起こったかを感知することはできなかった。『いにしえの注釈書』には次のように述べられている。神の子らが矢のようなものを射た。形態は衝撃を受けた。そ して見よ。一人の神が生まれた。小さな赤子はその大いなる出来事を知らなかった。このようなことが2100万年前に起こった。 幾周期が過ぎ去り、後の時代に太陽が獅子座にいたとき(約1800万年前)に、脳とマインドが統合されたことを示す最初の例が現われ、人類は明確に自我意識的になった。人は自らの個性を感知した。その最初の日付を示す数字は(私たちの計算方法では正確に計算することは可能ではないが)21,688,345年前である。この数字は、今はまだ役に立たない。というのは、それが正しいか正しくないかを証明することができないからである。後に、時間の性質がもっとよく理解されるようになったとき、研究によってこの数字が役立つことが立証されるであろう。 射手座は人間の進化を支配している。というのは、それは意識的な最終目標に向けての前進を象徴しているからである。 獅子座は人間王国における人間の意識を支配している。というのは、獅子座を通して注ぎ込むエネルギーによって、人間は「私はある(I am)」と言うことができるようになるからである。 ここで各々の宮の鍵になる言葉を、必然的に不十分であるが、翻訳してみよう。それは役に立つかもしれない。 これらは、人類に関する限り、二つの範疇に分けられる。形態様相のための鍵になる言葉と魂様相のための鍵になる言葉がある。 前者の場合は言葉で表現できるが、後者の場合は魂によって意識的に語られる。 現代の言葉に翻訳することで多くのものが失われるが、発せられるエネルギーの作用を示す基礎になるその考えには価値がある。 現在の世界期では、以下の通りである。 牡羊座から魚座へ進む熱誠家、したがって、すでに方向転換した熱誠家にとっては次のようになる。
牡羊座・・・私は現われる。そして、マインドの界層から私は支配する。 牡牛座・・・私は見る。そして目を開いたとき、すべてが照らされる。 双子座・・・私はもう一人の自分を認識する。その自分が衰える中、私は成長し、光り輝く。 蟹座・・・・私は明かりの灯された家を建て、そこに住む。 獅子座・・・私はそれであり、それは私である。 乙女座・・・私は母にして子供である。私は神にして物質である。 天秤座・・・私は二つの偉大なフォースの線の間にある道を選択する。 蠍座・・・・私は戦士である。私は戦場から勝利者として現われる。 射手座・・・私はゴールを見る。私はゴールに達し、別のゴールを見る。 山羊座・・・私は天上の光に没入し、そして、その光に背を向ける。 水瓶座・・・私は生命の水であり、喉の渇いた人々に注がれる。 魚座・・・・私は父の家を去り、引き返して私は救う。
形態の観点から見れば、生命は逆方向に進み、性質がどのように作用するかは次の言葉に見ることができる。
魚座・・・・そして言葉は言った。物質の中へ進め。 水瓶座・・・そして言葉は言った。形態内の欲求を支配者とせよ。 山羊座・・・そして言葉は言った。野心に支配させ、扉を広く開け。 射手座・・・そして言葉は言った。食べ物を求めよ。 蠍座・・・・そして言葉は言った。マーヤをはびこらせ、欺瞞に支配させよ。 天秤座・・・そして言葉は言った。選択せよ。 乙女座・・・そして言葉は言った。物質に君臨させよ。 獅子座・・・そして言葉は言った。他の形態を存在させよ。私は支配する。 蟹座・・・・そして言葉は言った。孤立を習慣とせよ。しかし、群集は存在する。 双子座・・・そして言葉は言った。不安定性にその仕事をさせよ。 牡牛座・・・そして言葉は言った。苦闘にうろたえるな。 牡羊座・・・そして言葉は言った。再び形態を求めよ。
これらのアイディアはすべて、何らかの形態をとるエネルギーの作用に関するものであり、最後のグループ分けでは、充足への欲求に満ちた、いわゆる改心していない利己的な個人の行為について述べられているということに気づくであろう。 この一連のマントラムは、熱誠家が魂のパワーを込めて用いた場合は、建設的である。 様々なタイプのフォースについてこれ以上述べることは不必要であると思われるため、規定11に注目を向けることにしよう。
アリス・ベイリー著「ホワイトマジック」より |
占星学とエネルギー<注釈>
この二種類のエネルギーに、第三のエネルギー群を加えなければならない。 このエネルギー群は私たちの占星学的な研究の基礎になるものである。 これらは太陽が通過する黄道帯を構成する十二の星座から放射される。その影響は無限であり、この三つのグループのエネルギーの組み合わせによって、自然界に見られる無限の複雑さが生み出されるのである。人間の有機体に働きかけるエネルギーの実在性に関する占星家たちの主張は真実であると認めることができる。 しかし、彼らの解釈能力に関する主張は大体において根拠のないものである。実際には、地球上の最高の知性をもつ者でさえほとんど知らないのである 。というのは、アデプト方は主に直観を用いるからである。このことを忘れてはならない。 これらのエネルギーは自然界のあらゆる王国内のすべての形態にその痕跡を残し、後退させるフォース、もしくは刺激するフォースとして働いている 。これらは、何からの形態の特質を完全に表現させるために一つのタイプのエネルギーをもたらす場合もあれば、別の特質が現われるのを抑止する場合もある。 真の占星学の性質をここで概説するのは適切ではない。占星学が一つの科学であり、来たるべき科学であるというのは真実である。その最高様相にあって、真に解釈された占星学によって、人間はやがて理解力を集中して適切に機能できるようになるというのも真実である。占星学がやがてもたらすようになる啓示に、魂と形態の真の統合の秘訣があるというのもまた正しい。しかし、そのような占星学はまだ存在しない。占星学を多くの人々が主張するような正確な科学にするためには、あまりにも多くのことが見落とされており、知られていることがあまりにもわずかである。将来いつか、この主張は実現されるであろうが、その時はまだ来ていない。 しかしながら、占星家たちが覚えておくべきいくつかの要因 と、彼らがあまりにも忘れがちないくつかの状態については、簡単に述べてもよ いであろう。 理解を明瞭にするために、この分野の平均的な研究者たちが注意深 く学ぶべきいくつかの項目を簡単に箇条書きの形にまとめることにしよう。 占星家が扱うべきエネルギーについての論文が非常に必要とされているが、そのような論文をここに書くことはできない。 占星家が主に扱うエネルギーは次の三つのタイプである。
a 誕生時に太陽が位置する星座のエネルギー。 b その人が反応すべき上昇宮。 c その人の形態様相、特に肉体を支配する月。
人間が生まれたときの特定の星座つまり宮のエネルギーには 、これまで指摘されてきたよりも深い意義がある。それは、彼の現在の問題を具体的に示し、彼の人生のペースつまりテンポを決める。また、それは彼のパーソ ナリティーの特質に関係している。それは−もしこのように表現してもよければ −転生中に彼が送る生活のラジャスの様相つまり活動の様相を支配している。 上昇宮つまりアセンダントは、転生の目的を成就するために 、彼のエネルギー全体が流れることが可能な線を示している。もちろんこれは、 エネルギーを正しく操作した場合の話である。それは、彼の未来の秘密を秘めて いる。そして、その象徴と理解の中に、自分の生涯における問題の鍵と、自分が何になり、何を達成できるかを示すものを発見することができる。それは、成功を可能にするタイプのフォースを彼に提供する。これは、適切に使われるならば 、彼の人生におけるサットヴァの様相、つまり調和の様相を生み出すものと見なしてもよいであろう。というのは、それがその役割を果たし利用されたとき、それは特定の転生中において、魂の意志との調和を生み出すからである。
▽非常に示唆に富むセンテンスが見られるが、例えば、「自分が何になり、何を達成できるかを示す」とか「成功を可能にするタイプのフォースを彼に提供する」とか、上昇宮にそって生きることが人生に調和をもたらすというようなことがここでは記述されている。また上昇宮の役割が果たされ利用されたときには「魂の意志との調和を生み出す」と記述されている。つまり、魂の意志との調和を生み出すには上昇宮の性質を発達させ、その上昇宮の性質にそった人生を送るべきだということになる。ここでは上昇宮が魂と非常に関係が深いことがよく分かる。
月の影響には、その人の過去が示されている。それは、その人が働くときに受ける限界と障害を要約している。したがって、物質のタマスの 様相、つまり「抑止し」、―― もし過度に影響を受けることを許せば――怠惰 を生み出すものを具体的に表わしていると見なしてもよいであろう。人がまとう体の中に過去の経験の秘密が隠されている。月の影響下にあるすべての形態は― ―それは、私たちが適切な表現に到達するために利用しなければならないもので あるが――それ自体、これまでのすべての過去の産物であり、それらを統合したものである。この複雑な科学について何も知らない人々が理解できるよう簡単に概説することで、占星学に関して現在真理であるものについて述べることができるかどうかやってみよう。 誕生月は機会の日を示している。扉は開かれている。
▽ここでは月がその人の過去や過去の経験から来る怠惰な傾向、限界と障害を表わすとある。インド占星術では月に土星がトランジットしている時をサディサティと呼び、過去の悪いカルマが現象化する時期であるとする、実際、カルマというのは物質界上での制約であり、肉体が土星によって拘束を受けるということだろう。土星のトランジットにはその他に月から4室目と8室目をトランジットしている時に注意すべきという原則があるが、これも月をラグナとして考える、通常の上昇宮に土星がトランジットしている影響などは普通あまり考えないが、これは月というものが物質界の制約を現すことを示しているようである。筆者は月から6室目に惑星集中している人が大きい病気になった例を数例見ているが、月は通常、心や感情として理解されているが、ここで述べられているように月は物質的であり、過去の経験の産物という記述は非常に参考になるのである。
魂がどの月に転生へと入るかは、その前の人生周期の時に魂が肉体を脱した月がいつかによって決まる。例えば、もし獅子座が支配する月に死亡したならば、魂は同じ宮の時に転生へと戻り、以前離したところで経験の糸を拾い上げ、地上生活を離れたときと同じタイプのエネルギーと固有の装備を身につけ、さらに思考と意識的な観察を獲得して、再出発するのである。その生涯の間に操作すべきエネルギーの特質とフォースの性質がこのようにして魂に示される。
▽ここで述べられているのは出生の月のナクシャトラ(ジャンマナクシャトラ)は前世で死亡した時の月のナクシャトラを示していると述べているようである。そして、今生で死亡した時の月のナクシャトラが来世の月のナクシャトラであるということを述べているようである。例えば月のナクシャトラがアシュビニーで生まれた人は前世でアシュビニーで死亡したのであり、また今生でアヌラーダで死亡したのであれば来世では月がアヌラーダで出生し、ダシャーが土星から始まるのである。 通常、出生図で示されたカルマがヴィムショッタリダシャーでいつ発現するかを見るが、カルマは物質界上の制約であり、過去の経験の産物である。従って、ダシャーが月の運行に基づいているのは非常に興味深いのである。 筆者は今生でマハダシャーがやってこないダシャーの支配星が出世図の中で形成するカルマは前世に原因があるということを以前聞いたことがあり、またダシャーが前世で死んだ時のダシャーから今生でスタートするという考えも以前人から聞いたことがあるが、これらは興味深い事実であり、前世が分かっている人で実際に検証してみたい事柄である。
もう一つのタイプのエネルギーを具体的に示す上昇宮は、転生中に強さを増大させるべきものである。なぜなら、それは、転生した神の子が 、いくつかの特性を持つ特定のパーソナリティを介して操作しようと努めている魂のフォースの性質を示しているからである。
▽ここでは上昇宮の性質は転生中に強さを増大させるべきであると書かれている。また「上昇宮は魂のフォースの性質を示している」とある。つまり、上昇宮は魂の性質ということが出来る。これはインド占星術ではラグナやラグナの支配星は肉体を現すとされており、普通、肉体という象意を重視しているが、ラグナにはもっと魂の性質という秘教的な意味があり、それが1室の名声とか幸・不幸というようなより全体的で抽象的な象意に結びついていると分かるのである。
月の影響は主として物質的である。このようにして、魂の牢獄が示される。遭遇することになる障害がこのように保管されているのである。 つまり、その人をゴールに導く宮のフォースとエネルギーの特質を限定する肉体もしくは諸体のタイプが示されているのである。 月の主方を通して、そして、月の主方が幾時代にもわたる過去の経験の結果として彼に与えてきたものを通して 、彼は自分自身を物質界に表現しなければならないのである。
▽ここでは月というのは魂の牢獄であるとされている。「遭遇することになる障害がこのように保管されているのである」と書かれているが、月の運行に基づいて、人のカルマが顕現しているということを指しているように思われる。
春分点の移動により第四のフォースが感知される状況がもたされる。太陽は実際、より大きな黄道帯に関する限り、天空の大きな回転において、それが位置していると言われているところとは非常に離れたところに位置 している。これはもちろん時間の観点から見た場合である。太陽が一つの星座を 通過するのに約二千二百年を要するため、数百年間での移動は非常にわずかであ る。太陽系のホロスコープを描くときには、それは非常に重要なものになるであろう。 しかし、これは私たちの惑星の最も賢明な占星家の能力さえ遙に超えているために、それについて議論することは無駄である。 しかしながら、特定の月に生まれた人間のホロスコープを作成するとき、現在、その月と宮が全く一致していないということを覚えておくべ きである(実際には覚えられていることはほとんどないが)。例えば、実際には八月に太陽は獅子座にはない。
▽ここでは地球の歳差運動による春分点の移動について述べられている。西洋占星術は未だに移動星座帯(トロピカル)を用いる人が多いが、このアリスベイリーがこの「ホワイトマジック」をジュワル・クール覚者の指導で記述した20世紀初頭はまだ、アラン・レオの体系化による占星術が全盛の頃で、春分点の移動やアヤナムシャの認識などが西洋ではあまり無かったと思われる。であるから、その当時にこうした事実を提供した本書は先進的である。インドでは春分点の移動はずっと認識しており、アヤナムシャを用いて実際の星座の位置を割り出している。
したがって、天宮図の正しい解釈は、主にサイコ メトリーによるものであり、占星家たちが幾時代にもわたって築き上げてきた星座についての想念形態に依存している。 エネルギーは思想に従うのである。 数千年にわたって、あるタイプのエネルギーとその結果としての質料と形態への特質づけは、占星家が解釈するようなものであると考えられてきた。 そのため、そのようになるのである。
▽ここでは春分点を考慮しない実際の星座の位置とずれてしまっている移動星座帯(トロピカル)を用いているため、占星術は実際の恒星や星座から送られてくるエネルギーではなく、トロピカルを用いる占星術家たちの想念形態に依存しているということを述べている。これはトロピカルを信じ、それを用いる西洋占星術家がまだ多くいる場合はそれなりに意味があるということになる。 筆者は前に西洋占星術はトロピカルを信じている占星術家が用いるとよく当たるという話を聞いたことがあるが非常に興味深い事実である。
しかし、非常に進歩した人々や真の熱誠家の場合は違い、 彼らは自分自身を方向づけており、そのため存在の車輪から脱し、自分の星を支配し始めており、もはやそれらの支配下にはいない。 現在の占星学は主に、ホロスコープに描くことのできるパーソナリティーと、パーソナリティー生活での出来事を扱っている。 瞑想と奉仕、 月の影響下にある諸体の訓練を通して、意識的かつ明確に魂光線の影響下に入っ たとき、人間は七つの太陽系のいずれかの影響下へと明確に入る。 これらの太陽系はいずれかの星座を通して、さらに七つの聖惑星のいずれかを通して、エネルギーを焦点化している。最終的には十二の星座に対応する十二の聖惑星が存在することになるであろう。しかしその時はまだ来ていない。 私たちの太陽系は、あなた方も知っているように、この七つの太陽系のうちの一つである。 人間がこの 進化段階に到達したとき、誕生月、世俗的な占星学、形態様相に与える影響はますます重要ではなくなっていく。これらの太陽系のこのサークルが魂に優勢な影 響を与え、魂は霊エネルギーの焦点になる。これはそれ自身の界層での魂の問題 である。つまり、これらのタイプのエネルギーに対する感応性という問題である が、これらをパーソナリティーは全く認識していない。 したがって、地、水、火、風という四つの範疇に分けられる宮は、横隔膜より下で生き、下位の四つのセンター――脊柱基底、仙骨、太陽叢 、脾臓―――を使用している人間に主として関係している。内 的な七つの主要なエネルギー群つまり太陽系のエネルギー群は 、横隔膜より上で生き、そして頭部内の七つの対応するセンターを通して働く人間に影響を与える。そのうちの四つは喉セン ター、ハート・センター、アジュナ・センター、ヘッド・セン ターを通して焦点化される。 残りの三つはヘッド・センター( 千枚の花弁をもつ蓮華)の領域に隠れており、第三イニシェーションの後に初めて機能的な活動を開始する。したがって、純 粋に人間的でも純粋に霊的でもない人間の場合、二つのタイプ の星座のエネルギーのこの出会いが、ホロスコープの観点(同時に、個人的な問題の観点)から見て、どれほど複雑であるか が分かるであろう。通常のホロスコープは役に立たない。ホロ スコープを描くことはまだできない。 基本的に、そしてほとん ど間違いなく正しい唯一のホロスコープは、完全に横隔膜より も下で生き、動物性質だけに支配されている全く低い段階の人間のホロスコープである。 また、占星家たちは次のことも覚えておかなければならない。 つまり、未発見の惑星がいくつかあり、これらが地球に焦点化するエネルギーの流れを引きつけ、その方向性を変化させてお り、そのことが問題をさらに複雑にする傾向があるということ を。 冥王星はその一つであり、現在顕現化してきたため(と言 うよりもむしろ、認識されたため)、説明できないすべての状態の原因が冥王星にあると考えられるようになるであろう。冥王星は将来、長い期間にわたって、誤った占星学のスケープゴートにされるであろう。この占星図が有効でなく真実でない理由は、冥王星がそれに影響を与えているにもかかわらず、私たちが冥王星についてほとんど何も知らないためである。このように言われるであろう。しかし、冥王星は私たちの太陽の周りを常に回転し、その影響力を揮ってきた。しかしながら、それ は古いアイディアと感情の死つまり停止を支配し、したがって 、その影響は主として知的なものである。ここに冥王星の発見が遅れたことを示す手がかりがある。人間は知的になる瀬戸際 にいる。冥王星の影響はまずメンタル体に感じられる。惑星の名前は任意に選ばれたのではなく、惑星が自ら名付けるのである。
▽インド占星術では冥王星はインドの古典に載っていないため、通常用いないが実際使えることも確かである。 ヴィムショッタリダシャーなどのインド占星術独自の技法はインド占星術の体系の中だけで用い、冥王星などの外惑星などを使用する際は追加的に用いるとよいのではないかと思われる。 惑星の名前は任意に選ばれたのではなく、惑星が自ら名付けるというのは通常の物質科学では理解できない神秘的な事柄で非常に興味深い。
占星家たちは三つのホロスコープつまり占星図を描くことが 必要であることにやがて気づくであろう。一つは純粋に肉体的なもので、自然の体に関係するものである。一つは主として情緒的なもので、パーソナリティの特質とその感受性つまり認識状態に関係するもの。 そして、三番目のものはメンタル的な衝動とその状態を表す占星図になるであろう。これら三つの占星図にはある幾何学的な 線が引かれ、エネルギーの線が模様を形作るであろう。これら三つの占星図を重ねることで、パーソナリティの図形、つまり 、個人生活の模様が現われる。このようにするとき、興味深い象徴的な占星図と線描図形が現われ、ここから「個人の幾何学 」が発達するであろう。というのは、各々の線は他の線に関連 して機能し、生命エネルギーの傾向が明らかになるからである 。やがてこの知識領域にさえ、「星が輝き出るであろう」。これが心理学の新しい分野になり、私たちの時代のための真の解 説者がいずれ見つかるであろう。 私は現在の占星学を擁護する ために未来の占星学の方向を指し示しているだけである。 占星家たちがこの時期に行う必要がある一つのことは、現在がパイシス(魚座)からアクエリアス(水瓶座)への移行期で あるということを十分に考慮に入れることである。実際に考慮されることは滅多にないが、この移行に伴う途方もない混乱が個人の占星図に影響を与え、しばしば個人の運命つまりカルマ を相殺していることは明らかである。人々は惑星と人類の運命に巻き込まれているため、彼ら自身の小さな出来事はほとんど完全に相殺され、時には完全に無力なものになる。惑星のホロスコープを描くことは可能ではなく、そうしようと企てる人々は自分と他の人を欺いているのである。自然の第四王国つまり人類のホロスコープがやがて描かれるようになるであろうが、 これを描くのはイニシェートである。現在、物質界で働いている占星家でイニシェートである者はいない。 ここで一つのヒントを提供しよう。 人間的な兆しが初めてなんとか前面に出てきたとき、太陽は射手座にいた。動物人間の段階が完成された。そして、射手座の勢力が(私たちの惑星の観点から見て―――私は注意してこ の言葉を用いている)優勢であったとき、個別化という大きな出来事が起こった。 しかし、当時の人間の脳は何が起こったかを感知することはできなかった。『いにしえの注釈書』には次のように述べられている。神の子らが矢のようなものを射た。形態は衝撃を受けた。そ して見よ。一人の神が生まれた。小さな赤子はその大いなる出来事を知らなかった。このようなことが2100万年前に起こった。
▽集合意識しか持たない動物人間から個別化された人間になるのは大変な飛躍であり、これは現代の人間に例えると、平社員から社長に抜擢されるとか通常ありえないくらいの大きな地位の向上や発展を表わしている。射手座には実際そうした象意があり、突然、大きな飛躍をして、地位が向上するようなことが多い、アートマカラカがナヴァムシャで射手座に在住している人には人生においてそうした飛躍が認められるのである。
幾周期が過ぎ去り、後の時代に太陽が獅子座にいたとき(約1800万年前)に、脳とマインドが統合されたことを示す最初の例が現われ、人類は明確に自我意識的になった。人は自らの個性を感知した。
▽ここでは太陽が獅子座に在住した時に人類は自我意識的になったと書かれている。太陽は自己主張とか自信を表わし、それは存在の力強さというように表現することが出来るかもしれない。ここでは人類レベルでの自我の芽生えが語られている。
その最初の日付を示す数字は(私たちの計算方法では正確に計算することは可能ではないが)21,688,345年前である。この数字は、今はまだ役に立たない。というのは、それが正しいか正しくないかを証明することができないからである。後に、時間の性質がもっとよく理解されるようになったとき、研究によってこの数字が役立つことが立証されるであろう。 射手座は人間の進化を支配している。というのは、それは意識的な最終目標に向けての前進を象徴しているからである。 獅子座は人間王国における人間の意識を支配している。というのは、獅子座を通して注ぎ込むエネルギーによって、人間は「私はある(I am)」と言うことができるようになるからである。 ここで各々の宮の鍵になる言葉を、必然的に不十分であるが、翻訳してみよう。それは役に立つかもしれない。 これらは、人類に関する限り、二つの範疇に分けられる。形態様相のための鍵になる言葉と魂様相のための鍵になる言葉がある。 前者の場合は言葉で表現できるが、後者の場合は魂によって意識的に語られる。 現代の言葉に翻訳することで多くのものが失われるが、発せられるエネルギーの作用を示す基礎になるその考えには価値がある。 現在の世界期では、以下の通りである。 牡羊座から魚座へ進む熱誠家、したがって、すでに方向転換した熱誠家にとっては次のようになる。
牡羊座・・・私は現われる。そして、マインドの界層から私は支配する。 牡牛座・・・私は見る。そして目を開いたとき、すべてが照らされる。 双子座・・・私はもう一人の自分を認識する。その自分が衰える中、私は成長し、光り輝く。 蟹座・・・・私は明かりの灯された家を建て、そこに住む。 獅子座・・・私はそれであり、それは私である。 乙女座・・・私は母にして子供である。私は神にして物質である。 天秤座・・・私は二つの偉大なフォースの線の間にある道を選択する。 蠍座・・・・私は戦士である。私は戦場から勝利者として現われる。 射手座・・・私はゴールを見る。私はゴールに達し、別のゴールを見る。 山羊座・・・私は天上の光に没入し、そして、その光に背を向ける。 水瓶座・・・私は生命の水であり、喉の渇いた人々に注がれる。 魚座・・・・私は父の家を去り、引き返して私は救う。
形態の観点から見れば、生命は逆方向に進み、性質がどのように作用するかは次の言葉に見ることができる。
魚座・・・・そして言葉は言った。物質の中へ進め。 見解なし
水瓶座・・・そして言葉は言った。形態内の欲求を支配者とせよ。 水瓶座は形態の、システムの構築者であり管理者である。 彼は巨大な仕組みを構築する。然し、彼は必ずしも万人に平等 なシステムをつくった訳ではなかった。また自らはシステムの 上に君臨する支配者である。システム管理者はかくして、ひそ かな支配の感覚に浸り、やがては自己の欲求にシステムを仕え させる。または他の人の欲求に仕えることを許す。
山羊座・・・そして言葉は言った。野心に支配させ、扉を広く開け。 山羊座は欲望や性欲を表す火星が高揚する星座であり、最も がつがつと世俗的な活動を休み無くし続ける活動の主である。 彼を突き動かすのは野心であり、欲望である。木星が減衰する ので道徳や神は関係なく、彼(彼女)は無神論者である。 彼(彼女)はただ物質的、世俗的成功のみを欲するのである。 彼を突き動かすのは神や道徳、理想といった高次のものではな く、物質欲である。然し、その野心からくる休み無いタフな活 動が尋常でない進歩をもたらし、やがては広い世界への高次の 世界への扉を開くのである。
射手座・・・そして言葉は言った。食べ物を求めよ。 射手座が食べ物を求めよと書いてあるのは面白く、射手座は 高いステータスを求め、高い目標を目指すが、目的や目標それ 自身を探したり、設定するのが難しいという。だから、通常世 俗的な安っぽい会社の社長になるとか弁護士になるとか、医者 になって金持ちになるとかそうした対極的には大した事がない 目標を設定したりする。射手座の人がもっとも難しいのはこう した目標が中々定まらないということかもしれない。 射手座はケンタウロスのように社会を駆け回り、食べ物(目的 、目標物)を発見し、それを目標、目的とし、猛烈にそれを目 指すが、まず食べ物を発見しなければならないということだろ う。射手座の人生は食べ物を発見しなければ始まらないのだ。
蠍座・・・・そして言葉は言った。マーヤをはびこらせ、欺瞞に支配させよ。 蠍座は執念深い情念の持ち主である。粘着質で水の星座で固定星座であるから動きが少なく持続力があり変化に乏しい。また水星が8、11室の支配性であり、識別力を失っている。そのため、もっぱら頼るのは超能力や霊感である。蠍座でケート ゥが高揚するのである。彼(彼女)の強い情念は識別力のないマインドと信頼性に乏しい超能力や霊感によって、得たいの知れないマーヤに発展する。それは自己の利己的欲望が混じった欺瞞なまやかしである。
天秤座・・・そして言葉は言った。選択せよ。 天秤座は目的の表示体である太陽が減衰しており、彼の人生 はただ目的の追求ではなく、単なる物事の選択に成り下がって しまう。外部の状況に対して、刹那的に選択し、天秤にかけ、 自分にとって得な方を選ぶのである。然し、その生き方では自 発的に目標を設定し、それを実現することはできない。目標を 目指すには単なる選択以上の積極的な目標を志向する意思が必 要である。
乙女座・・・そして言葉は言った。物質に君臨させよ。 乙女座の関心は物質であり、乙女座ラグナにとって、木星も 火星も太陽も機能的吉星にならず、物質的な山羊座と牡牛座が それぞれ精神性を表す5室と9室になる。そのため、5室、9 室の精神性が表現しにくいのであり、物質的な表現になってし まうのではないだろうか。 秘書や看護婦や事務員がその仕事の大いなる目的や意義を考え るだろうか。ただ物質的なその実務を実践的に処理するだけで ある。
獅子座・・・そして言葉は言った。他の形態を存在させよ。私は支配する。 獅子座は支配し君臨することがその最も自然な性質である。 それは息を吸って吐くように支配するのであり、努力している 訳ではないのである。獅子座はその最も低俗な表現において、 ただ単に支配したいという欲望を持つのであり、その欲求を消 化するために支配するのである。 ただ支配したいが為の支配。皇帝ネロ。
蟹座・・・・そして言葉は言った。孤立を習慣とせよ。しかし、群集は存在する。 蟹座は快適な自分の住まいを整えることに懸命で、住まいを 得ればそこでくつろぐことが彼の生きがいである。その他の人 々がいることなど忘れてしまい群集が存在することなど忘れて しまう。快適な住まいの中の安定性に安住し、変化を嫌い、自 分の家に招いた人とだけ関わる。群集、すなわち自分には関係 ない人はどうでもよいのである。これが蟹座の孤立である。 快適な自分の家にこもって、群集のいる雑踏には足を踏み入れ ないのである。
双子座・・・そして言葉は言った。不安定性にその仕事をさせよ。 双子座は蟹座を損失する(12室目)ので、安定を求めず、 常に不安定であり、それが双子座の本質である。数字も3という奇数の数字で奇数の数字は安定性がないのである。 双子座はバランス感覚、適応力があり、不安定性の中に上手く 適応するのである。こうした双子座の特質が情報交換やコミュ ニケーションなど絶えず落ち着きのない活発な活動を生み出す のである。
牡牛座・・・そして言葉は言った。苦闘にうろたえるな。 見解なし
牡羊座・・・そして言葉は言った。再び形態を求めよ。 牡羊座は土星が減衰するので形態が嫌いである。牡羊座は物 事をはじめる時の、創造するはじめの神の意志の閃光であり、 創造の火のエネルギーであり、形態などは後から出来てくるも のだ。だから牡羊座は企画立案とか物事を始動させることが好 きで後の実際的に形態をつくる作業は後から続くものに任せる のである。つまりその形態を求める最初の初動が牡羊座である 。 つまり、再び形態を求めよとは物質界への転生であり、形態に 自己をおろすことである。 魚座で解脱した魂は再び物質界に降下するのである。
これらのアイディアはすべて、何らかの形態をとるエネルギーの作用に関するものであり、最後のグループ分けでは、充足への欲求に満ちた、いわゆる改心していない利己的な個人の行為について述べられているということに気づくであろう。 この一連のマントラムは、熱誠家が魂のパワーを込めて用いた場合は、建設的である。 様々なタイプのフォースについてこれ以上述べることは不必要であると思われるため、規定11に注目を向けることにしよう。
アリス・ベイリー著「ホワイトマジック」より |