占星コラム


2010/6/7 菅直人首相就任について

民主党の菅直人が4日、新代表に選ばれ、午後に首相に指名され、総理大臣に就任した。

日テレNEWS24の世論調査によれば高い支持率を示している。国民の期待が非常に高いことが分かる。

緊急世論調査、菅新首相の支持率62.4%
2010年6月6日 20:18 日テレNEWS24

 NNNが4〜6日に行った緊急世論調査によると、菅新首相の支持率は62.4%で、鳩山内閣発足時の内閣支持率(67.7%)に迫る数字となった。約20%にまで落ち込んでいた鳩山内閣の支持率から一気にV字回復した結果となった。

 支持する理由は「ほかに代わる人がいないから」が最も多く、「指導力に期待が持てる」「人柄が信頼できる」などの理由が続いている。

 また、政党支持率も民主党が35.7%と、先月に逆転された自民党(22.1%)を再び逆転し、13.6ポイントも差を付けた。一方、「支持政党なし」は22.4%となっている。

 参議院議員選挙での比例代表の投票先は、民主党が34.2%となり、自民党(18.1%)を大きく引き離している。また、公明党が5.6%、みんなの党が4.9%、共産党が4.5%となっている。

 この世論調査について、民主党内では驚きをもって受け止められる一方、「脱小沢戦略」の効果だとの見方が大勢となっている。菅新首相が5日深夜に官房長官と幹事長らの人事だけをあえて自ら発表をしたのも「脱小沢人事」をアピールする戦略の一つとみられる。

 菅新首相は、5日夜は自宅には帰らず、都内のホテルに宿泊した。6日午後から仙谷新官房長官、民主党・枝野新幹事長と共に残りの人事などについて協議した。閣僚人事では、ポストが注目されていた蓮舫参議院議員が行政刷新相に内定した。事業仕分けのシンボル的存在の蓮舫氏に行政刷新相を任せ、新政権が無駄削減に取り組む姿勢をアピールする狙い。また、財務相に野田財務副大臣が内定している。

 こうした中、菅新首相はアメリカ・オバマ大統領と電話で会談した。会談の中で、アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)の移設問題について、先の日米合意に基づいて対応していくことで一致した。民主党内には外交経験の少ない菅新首相の外交手腕を不安視する声もあるが、この懸念を払しょくできるかも焦点となる。

 菅新首相は、8日の政権発足に向けて急ピッチで準備を進めている。

 NNN電話世論調査
 【全国有権者】1035人
 【回答率】51.7%
 http://www.ntv.co.jp/yoron/

この高い支持率の中で、9月の参議院選挙や政権運営の行方はどうなるのかは、菅直人首相の今後の運気の流れと共に非常に気になる所である。

そこで、菅直人が総理大臣に就任したこのタイミングが出生チャートにどのように現れているかを検証してみたいと思うのである。

まず結論から言えば、種々検討の結果、菅直人のラグナは、射手座ラグナの可能性が高いと思われる。

まず、伸子夫人と結婚した1970年11月のトランジットを確認すると、土星が牡羊座、木星が天秤座に在住しており、他に太陽、水星、金星などの惑星がトランジットしている。木星と土星が牡羊座、天秤座、双子座にダブルトラジット(以後、DTと表記)しているのが分かる。

このことから、結婚するタイミングとして、7室、7室の支配星、1室(7室から7室目)、1室の支配星へのトランジットを考慮すると、まず、ラグナとしての可能性が高いのが、牡羊座、天秤座、 そして、天秤座に水星、木星が在住している為、水星、木星が7室の支配星となる変通星座(双子座、乙女座、射手座、魚座)がラグナである可能性が高いのである。

そこで、次に菅首相の長男(菅源太郎氏)の出生チャートを確認するが、最初の長男が誕生した時、木星は射手座に在住しており、
土星は牡牛座で逆行しているため、牡羊座、双子座にDTが形成されている。木星は天秤座にアスペクトしていない為、子どもが誕生する場合の土星と木星のトランジット(すなわち、5室、5室の支配星、9室、9室の支配星へのトランジット)の条件を満たすには、木星はラグナから1、5、9室に在住していなければならなくなる。長男が誕生した時、木星は射手座をトランジットしていたことから、ラグナは牡羊座、射手座、獅子座の火の星座でなければならないと考えられる。

そして、結婚時のトランジットと、現在、獅子座からみて、8室に木星がトランジットし、2−8室の軸にDTが形成されている獅子座ラグナの人物が首相に就任するとは考えにくい為、獅子座は除外される。従って、牡羊座と、射手座の可能性に絞り込まれるのである。

長男の菅源太郎氏が誕生した時、ラーフ/ケートゥ軸は射手座-双子座にあり、第一子が出生する場合のラーフ/ケートゥ軸はラグナやラグナの支配星、5室や5室の支配星に絡む(場合によっては3−9室に絡む)可能性が高いため、射手座の可能性が出てくるのである。

この段階で、牡羊座の可能性は除外されないが、牡羊座ラグナであるとすると、現在、6、8、12室にDTが形成されており、牡羊座にとって現在は、キャリア上の躍進を遂げられるようなタイミングではないのである。特に8室(中断、挫折)、12室(損失、引退)の象意が見られないため、牡羊座ラグナではなく、射手座ラグナの可能性に絞り込まれるのである。

射手座ラグナに設定して、ダシャーと出来事の推移を検討してみると、殆どの出来事は説明可能である。



例えば、1967年〜1974年までの時期は12室のケートゥ期で、まだ世に出られない時期である。
ケートゥは12室で高揚しており、6、11室支配の金星と接合している。ディスポジターの火星は天秤座から自室の牡羊座にアスペウトして、木星、水星といった吉星と絡んで、強い状態である。

次の金星期に入ると同時に市川房枝氏の選挙事務長を務めて、この頃が社会的なデビューの時期ではなかったかと思われる。
然し、金星期は選挙に何度も落選し、 1980年6月に衆参同日選(衆院旧東京7区)に出馬し、トップで初当選を果たした時、トランジットの土星と木星は9室を運行しており、3ヵ月後の9月26日からキャリア上の躍進を表わす射手座から10室に土星と木星が移動している。

従って、初当選を果たして、初めて公的な活動が活発化したと思われる為、トランジットの木星と土星の位置関係が公的なハウスである9、10、11室を運行していく時期であり、納得できるのである。

そして、94年1月に新党さきがけに入党した頃に太陽/太陽期に移行している。

この頃は政界再編の時期に対応しており、1992年の東京佐川急便事件で、金丸信が派閥会長を辞めて議員辞職し、金丸と近かった小沢一郎、羽田牧が下野して、竹下派が分裂し、自民党が弱体化したため、日本社会党、新党さきがけと連立政権を組んだ時期である。

菅直人はこの頃、自社さが連立を維持していた第一次橋本内閣において厚生大臣に就任している。

射手座ラグナであるとすると、太陽は9室支配で10室乙女座ハスタに在住して、ダルマ・カルマ・ラージャヨーガを形成している。

これはラージャヨーガの中でも仕事の中で精神的価値を表現する最高のラージャヨーガである。

乙女座は保健・衛生を司り、10室の太陽は政府の行政職を表わしている。

国会議員は国民の代表であるが、内閣に入り、厚生大臣になるということは、国家の行政のその分野における最高職に就いたことを表わしている。

そして、この頃、薬害エイズ問題で、厚生省の役人と業界との癒着の問題を厳しく非難して、国民に謝罪したことによって、菅直人の知名度と人気を一躍、全国的に高めたのである。

この時の菅直人はまさに現在の事業仕分けに続くような、肥大して腐敗した官僚の問題に最初のメスを入れたと評価できるのである。

この頃は、国の行政の最高職の立場から、後の国民の為となるよい仕事を行なったのであり、9、10室が絡むダルマ・カルマ・ラージャヨーガの発現であることを確認できるのである。

薬害エイズ事件

薬害エイズ事件の処理に当たり、当時官僚が無いと主張していた行政の明白な過ちを証明する“郡司ファイル”(当時の厚生省生物製剤課長・郡司篤晃がまとめていたのでこの別名がある)を菅直人指揮の下にプロジェクトを組んで発見させ、官僚の抵抗を押し切って提出。血液製剤によるエイズに感染した多くの被害者たちに対して、初めて行政の責任を認めた。薬害エイズ事件の被害者たちに菅が土下座をして謝罪した事で被害者の感動を呼び、この厚生大臣在職中に得た功績が、菅が現実に官僚と戦った稀有な政治家としての大きな人気・政治的資産獲得の基盤となり、後の民主党結党に繋がる事になる。さらにこの事件の菅の処理は、彼が対談を行っていたカレル・ヴァン・ウォルフレンらから、日本に初めて官僚の説明責任という概念を持ち込み、「アカウンタビリティ」という言葉を定着させた、と高く評価された。

不法投棄問題

1996年8月、シュレッダーダストの大量不法投棄で問題になった香川県豊島(てしま)へ、厚生大臣としては初めて現地視察に入り、問題解決の端緒となった。またこの年に出版した著書『大臣』(岩波新書)は、前書きで自身が「現役の政治家が岩波新書から本を出すとは異例だが」と書く通り、前代未聞の出来事でベストセラーとなった。
wikipedia 管直人 より引用抜粋

98年4月には民主党を結党して代表に就任しており、この太陽期に現在の政権交代を実現した民主党の基盤が築かれたのである。まさに9室と10室が絡む10室乙女座の太陽期の出来事である。

然し、2000年6月にマハダシャー月期に入ると雲行きが怪しくなるのである。

月は射手座ラグナから見ると、8室を支配して4室に在住している。

当時の出来事を確認すると、8室の支配星である月が4室ケンドラに在住して、彼の地位や精神的安定が揺らいでいるのが分かるのである。

最初の月/月期では、吉凶が現れないため、無難に衆議員議院で7期目の当選を果たし、党幹事長に就任している。

然し、2002年9月に党代表選で再び鳩山氏に敗れ、12月には岡田克也氏を破り、代表に返り咲いたりなど、立場的には、一進一退を繰り返している。この時期は、月/ラーフ期であり、ラーフはラグナから6室、月から3室に在住しており、ウパチャヤ凶星で強さを発揮しているものの、簡単に地位が与えられる状況ではないことが分かる。

然し、この頃の民主党を振り返ると、民主党内で、代表を民主的な選挙によって決めていることを国民に印象づけるパフォーマンスを行なってはいたが、 党の顔となる人物が、鳩山由紀夫、岡田克也、菅直人の三人しかおらず、人材不足で、民主党に停滞感が漂う時期であったことを覚えている。

そこで、鳩山由紀夫が小沢一郎に働きかけて、 民主党と自由党が合併したのが月/木星期である。

この時、民主党にとっては、小沢一郎の勢力と合併できて、停滞感を破り、政権獲得に向けて力強く歩み始める、新たなエネルギーの獲得であった。この頃は、月/木星期であり、木星は1、4室を支配して、11室に在住して、利得や願望成就、そして、同志との交流を表わしている。然し、月からみて木星は1、10室支配で、8室に在住しており、菅直人自身は、小沢一郎率いる自由党と合併して、束縛感を感じたはずである。8室は支配者を表わし、依存する相手を表わしている。

そして、次の2004年5月に月/土星期に入ると、国民年金未加入・保険料未納問題で代表を引責辞任している。

アンタルダシャーの土星は2、3室支配で8室に在住して、2室にアスペクトしており、口(2室)が災い(8室)を招いたことがよく分かる。

2002年に代表に返り咲くと、03年衆院選で議席を大幅に伸ばして政権交代に大きく近づいたものの、04年の国民年金未加入・未納問題で挫折を味わった。当時、菅氏は小泉内閣で未納のあった3閣僚を「未納3兄弟」と追及していたが、自身にも未加入期間があることが発覚し、強い批判にさらされ、菅氏は5月に辞任に追い込まれた

代表辞任後、「一度立ち止まって自分自身を見つめ直す時間が必要」だとして、空海が修行したとされる四国八十八か所の霊場を巡る「お遍路の旅」に1人で出かけた。だが、多忙のため八十八か所すべてをまわり切れておらず、なお旅の途中だ。

(2010年6月5日 読売新聞 基礎から分かる管直人より)

また、代表辞任後、自分自身を一度、見つめ直す時期が必要として、四国霊場の巡礼に一人で出かけるが、 土星は8室に在住しており、孤独な瞑想修行者の修行上の挫折(ラオ先生のやさしいインド占星術)を表わしている。マハダシャーの月は8室支配で、土星は8室に在住し、月から見ると、12室支配の土星が5室に在住している。

8室や12室の象意が顕現していたようである。5室の象意から旅行といった象意もあるかもしれないが、この時期の菅直人氏は、辛そうな表情をしているのが分かる。

ナヴァムシャではマハダシャーの土星と月は12室蠍座に在住しており、まさに辺境の人里離れた地を巡るお遍路の旅を表わしていると言えるのである。

そして、翌年2005年9月に衆院議員9期目に当選したが、代表選に出馬して、前原誠司氏に2票差で敗れているが、この時も月/土星期である。

この月/土星期に生じた代表辞任と、アンタルダシャーの土星(8室)の象意がタイミング的に一致しており、ダシャーがよく機能していることが確認できるのである。

実際、月/月期には吉凶が発現していずに、セカンドアンタルダシャーの月/ラーフ期から吉凶が顕現していることまでが確認可能である。

こうした困難な時期があったものの、2009年8月に月/太陽期に移行すると、衆院議員第10期目に当選し、9月には鳩山内閣の副総理、国家戦略相に就任している。

そして、2010年1月には副総理となり、そして、体調不良を理由に藤井財務相が辞任したことで、財務相も兼務している。

藤井財務相の辞任了承、後任に菅副総理 鳩山首相発表
2010年1月6日22時30分 朝日新聞社

 鳩山由紀夫首相は6日夜、体調不良を理由に辞任する意向を示していた藤井裕久財務相(77)の後任に、菅直人副総理兼国家戦略担当相(63)を充てる人事を発表した。菅氏はこれまでの職務のうち副総理と経済財政担当を引き続き兼務する。国家戦略担当は仙谷由人行政刷新相が、科学技術担当は川端達夫文部科学相が、それぞれ兼務する。  藤井氏の体調不良が理由とはいえ、予算審議が始まる直前の主要閣僚の交代は、国会運営の負担になりそうだ。

 7日に正式に任命する。昨年9月に発足した鳩山政権で閣僚が辞任するのは初めて。首相と閣僚を合わせた人数は18人から17人に減る。

 鳩山氏は6日夜、首相官邸で記者団に「藤井氏から診断書とともに辞職願の届けがあった。健康上の問題はどうしようもない話なので、辞表を受けとらせていただくことにした」と明らかにした。(以下、略)

この辺り、月/太陽期になって、菅直人氏の権威と、地位が昇格してきたのが分かるのである。

アンタルダシャーの太陽が9、10室のダルマ・カルマラージャヨーガを10室で形成している効果である。

トランジットを見ると、昨年の2009年9月9日から土星が乙女座に移動して、彼の10室の太陽にトランジットしているのである。

ラオ先生によれば、太陽に土星がトランジットする時はキャリア上の躍進を示しているとのことである。

今年の5月に木星が水瓶座から魚座に移動し、彼の10室にDTを形成したのであり、これが彼の首相就任をもたらす引き金になったと考えられる。10室にDTが形成される時はキャリア上の躍進・昇進の時期である。

計算からすると、おそらく、首相に就任したタイミングで、菅直人氏はマハダシャー火星期に移行したものと思われる。

火星はラグナからみて5室、月からみて9室の支配星で、自室の牡羊座にアスペウトして強力であり、2つの吉星(木星、水星)と接合して、強い配置である。木星は1、4室を支配し、水星は7、10室を支配して、トリシャダハウスが全く絡んでおらず、土星からのアスペクトも受けていない吉祥な配置である。

火星は、5−10、5−7、4−5、 1−5のラージャヨーガを形成し、トリシャダハウスが絡まない質の高いラージャヨーガ(昇進のヨーガ)を形成している。

5室には何かを創造する活動を表わしており、総理大臣、王という象意がある。それは自分が創造主となって、物事を決めたり、采配する立場だからである。そして、5室支配の火星は11室に在住しているが、これは飛びぬけて高い地位を表わしており、政界、財界の実力者と、社交することを表わしている。また11室は願望成就のハウスであるため、ついにこの火星期になって、菅直人氏の長年の夢が実現したのである。

当時菅の選挙を手伝っていたジャーナリストの下村健一(元TBSアナウンサー)によると、「初当選から十年で自民党に対抗しうる勢力をつくり、その後十年で天下をとる」話を聞かされていたという(因みに下村以外に当時学生だった久和ひとみも菅の事務所に出入りしており、選挙の際はウグイス隊長を務めた。また、歌人の俵万智も久和の下でウグイス嬢を務めた)。

(wikipedia 管直人より引用抜粋)

火星はナヴァムシャでは、5室支配で4室に在住して、ラージャヨーガを形成し、10室にアスペクトし、ディスポジターの木星はラグナで、ムーラトリコーナの座に在住している。非常に強力な火星である。

国民の高い支持率に応えて、管直人が采配を振るい、新しい時代へ向けた創造(5室)を行なうことが期待できるのである。

実際、来年の2011年5月からはトランジットの木星が牡羊座に移動し、11月には土星が天秤座に移動して、5−11室の軸にDTが形成される。これは菅直人にとって非常によい配置であり、11室に形成された多くのラージャヨーガを発現に導く引き金となり得るのである。5−11室の軸は投資家の軸であり、ビジネスモデルを考案したり、見込みのある新規事業やベンチャープロジェクトに投資して、経済をクリエイトし、莫大なリターンを得る配置なのである。投資家や経営者のハウスである。

その5−11室の軸にダブルトランジットが形成されることで、彼は市民運動の時代から目指してきた改革、革新を実現してくれるものと思われる。

ダシャーでもトランジットでも願望成就のハウスが刺激されて、今、多くの国民が注目する中、菅直人政権が発足するのである。


因みに菅直人氏の過去を振り返ると、彼は筋金入りの市民活動家なのであり、共産主義からは一線を画しながらも、リベラルで、かつてアメリカで、ベトナム反戦運動や、アフリカ系アメリカ人の公民権運動を展開した自由の戦士達の仲間なのである。

菅氏の政治の原点は学園闘争にある。東工大理学部の在学中は、1969年に東大安田講堂事件が起きるなど学生運動の全盛期。菅氏は全共闘とは一線を画しながらも、学生運動を通じて政治に目覚めた。卒業後は特許事務所に勤務する一方、住宅不足や食品の安全性の問題をはじめとした市民運動にのめり込んでいく。

 74年の参院選で、戦前から女性の地位向上に尽力した市川房枝氏の選挙事務長を務めたことをきっかけに、自身も政界を目指し、80年衆院選で社民連から初当選した。

 市民からの寄付の領収書代わりに「菅直人株」を発行し、配当する利益は「良い社会」という独自の手法を取り入れるなど、ボランティア頼みの「市民選挙」に徹した。

(2010年6月5日 読売新聞 基礎から分かる管直人より)

彼の父親は、宇部曹達工業(セントラル硝子の前身)工場長だったのであり、労働者の代表として、経営陣と折衝する立場である。

従って、日本の政界や財界で、地縁血縁で、複雑に縁故を維持している、日本のエスタブリッシュメント(支配者階級)、薩摩、長州の幕末維新にさかのぼる、権力者達の系譜とは、全く異なるのであって、 全く草の根の市民運動から出てきた、初の総理大臣である。

これは大変意義深いことである。

学生運動に没入し、かつて共産主義に傾倒し、そして、理想を失って対極の資本主義の権化と化した読売グループの渡邉恒雄などとは、全く異なり、純粋に草の根の市民活動を生きてきた市民活動家なのである。

彼が日本の婦人参政権運動(婦人運動)を主導した市川房枝の選挙事務長を務めたという経歴が、それを物語っている。

これは小沢一郎や鳩山由紀夫などの政治家二世議員とは全く異なった特徴である。


彼は政治的に極端ではなく、中庸の人であり、現実主義者であり、また共産主義とは一線を画しているというバランス感覚の良さは、天秤座に惑星集中していることから理解できるのである。

天秤座は、土星が高揚する星座であり、民主主義的で他人の権利を認め、かつ自分が自由であることを求める自由の戦士である。

そして、バランス感覚を持って、他者と共存していこうとする星座であり、戦争を嫌い、支配や束縛を嫌う星座である。

従って、決して、共産主義を暴力革命で実現するといった非常に極左的で、思想的に凝り固まった表現をとらずに、彼の市民感覚というのは、日々、生活している国民の健康や権利を守るという非常に地に足が着いた活動である。

住宅不足や食糧の安全性の問題に取り組むといった活動内容は、10室乙女座ハスタ在住の9室支配の太陽が象徴して、実際的であり、国民の生活の権利をどうやって守っていくかといった具体的な活動である。

こうした活動の姿勢が厚生大臣時代に開花するのであるが、企業や官僚の論理ではなく、国民の目線に立った市民活動家だからこそ出来た仕事である。

普通の政治家であれば、企業や官僚から接触を受けているうちに仲間意識が生じて、 腐敗していくのであるが、あくまでも官僚との対決姿勢を強固に維持できたのは、彼が戦う市民活動家だからである。

しかし、彼は総理大臣となった今、決して、官僚と対立せずにまたバランス感覚で、官僚と協力して創っていくことをおそらく模索するのである。

それは以下の菅伸子夫人の言葉から推測される。この伸子夫人は、菅直人氏の天秤座に在住する木星、水星、火星の表示体となっていると思われ、彼の市民感覚や国民目線を常にチェックする盟友であり、常識とバランス感覚を備えているようである。

官僚と上手にやって=菅氏夫人
2010年6月4日(金)14:03 時事通信社

 民主党の新代表に選出された菅直人副総理兼財務相の伸子夫人は4日昼、テレビ朝日の番組に電話出演し、ファーストレディーになる心境を語った。

 伸子夫人は、朝の菅氏との会話を尋ねられ「普通の生活をしたいんですけど」と言ったことを紹介。「ファーストレディーとは大統領夫人のことで違和感を覚える。首相夫人でいいです」と語った。

 伸子夫人といえば、何事においても夫に直言することで知られる。「官僚と上手にやる内閣にしてほしい。政治家だけでやれるはずがない」「内閣が一体感を持たないとだめ」などと、注文を付けていた。

従って、菅氏が首相となった今、官僚とうまくやっていくことを指摘して、調和や一体感を重んじる天秤座の理念を明らかにしている。
ファーストレディーと呼ばれたくなく、普通の生活をしたいという発言もそのような天秤座の性質から出てきた言葉である。

そうした非常によいバランス感覚を持っているが、これは天秤座の特徴である。

クリントン元大統領にとっての木星がヒラリークリントンであるように、菅直人氏の天秤座の木星もおそらく伸子夫人を表わしている。 妻というよりも、同志であり、援助者であると言える。

月をラグナとすると、木星が8室に在住しているが、おそらく、この配置の為に彼は、恐妻家であり、 妻に頭が上がらないのである。

1999年に「週刊文春」で報じられた戸野本優子との不倫疑惑に関して菅自身は男女関係を否定。その際の「一夜は共にしたが男女関係はない」「(妻から)脇が甘いと言われた」という表現が、世間の流行語となった。愛妻家・恐妻家としても有名であり、不倫騒動後には「『バカたれ』と叱られた」と釈明した。

(wikipedia 管直人 より引用抜粋)

伸子夫人は菅直人氏に様々な助言と指導を与える支配者なのであり、単に男女の仲という関係を超えた同志なのである。

従って、不倫疑惑が生じた時も、クリントンと一緒にテレビ出演して、事態を収束させたヒラリークリントンと同じように、嫉妬して、悩んだりする存在ではない。むしろ、夫を叱責して罰を与えるような存在である。

因みに菅氏は女性問題が弱点であるとするネット上の言論がちらほら見られるが、1999年に「週刊文春」により、菅直人氏とニュースキャスターの戸野本優子氏との不倫疑惑が報じられている。

1999年は、太陽/水星期から太陽/金星期への移行期であるが、金星は6、11室(6室から6室目)の支配星であり、6室の象意を強く保持するのであるが、射手座ラグナにとっての6室支配の金星とは過去のいくつかの検証から愛人を表わしている。

これは、先日、不倫騒動を起こして活動休止に追い込まれたプロゴルファーのタイガーウッズにおいて明らかである。

また以前、ブログ『6室で高揚する金星について』において、射手座ラグナにおける6室支配の金星について言及している。

この太陽/金星期において、射手座ラグナが生来的に持つ対人関係のパターンとして、菅直人氏は6室(愛人)支配で12室(密室、性生活)に在住する金星の象意を経験する可能性があるといえるのである。

月から見ると、金星は3、8室支配で9室に在住しており、 8室は支配者を表わしている。

金星が8室の象意を持つと支配者を表わすが、束縛し、時にはストーカー化する相手を表わしている。


ネット上に当時の産経系列の記事と題する文が掲載されていた為、それを引用する。

民主党の菅直人代表(52)に愛人疑惑が浮上した。12日発売の「週刊文春」がスクープしたもので、お相手はなんと20歳年下の美人キャスター。これまでスキャンダルには無縁で「自民党政治、官僚支配からの脱却」を訴えて国民の支持を集めてきただけに、本人にも民主党にも深刻な痛手となりそうだ。

 「脇が甘すぎる。菅代表はあれだけ注目されていたのだから慎重にも慎重を期すべきだった。あのホテルの部屋は菅代表の定宿で、担当記者ならみんな知っている。そんなところで女性と会っていたのか…。『自自連立』の直前というタイミングを考えると、敵対勢力に完全に狙われたという印象だ。即、代表交代とはならないだろうが、まずは反応を見てみないと」

 こう話すのは民主党関係者。「週刊文春」(11月19日号)によると、注目の女性はNHKのBS放送やテレビ朝日系「スーパーJチャンネル」などでキャスターを務めた戸野本優子さん(32)。今月6日深夜、東京・赤坂の東京全日空ホテルの一室で菅代表と合流。翌朝、シャワールームを使う音が聞こえた後、部屋から出てきた菅代表は、張り込んでいた同誌記者に驚いて思わず廊下の隅に隠れる動揺ぶり。密会はこの日だけでなく、8月下旬には菅代表の愛車プリウスでレインボーブリッジから常磐道までドライブ。9月中旬には東京・お台場のホテル日航東京でもデートしていたという。

 二人の出会いは月刊誌「Bart」の取材。その後も取材などで親交を深め、いつしか戸野本さんは「菅事務所の外部スタッフ」として、党の選挙用ポスターやキャッチ・コピーにまで口を出すようになった−と報じている。
 ところで、菅代表といえば「和製ヒラリー」と称される伸子夫人がいる。戸野本さんも未入籍ながら結婚式を挙げた男性がいるらしく、愛人疑惑が事実ならば「W不倫」ということになる。クリーンなイメージを武器に女性の支持を集めていた菅代表や、菅人気に支えられてきた民主党にとっては大打撃だ。

 発売前日の11日午後から、永田町周辺ではこの記事のコピーが出回り、議員秘書や政治記者たちの格好の話題に。菅代表は同日、民主党本部で定例会見を開いたが、「自自連立」に関する話題ばかりで愛人疑惑の質問はナシ。ただ、会見後、記者団にコメントを求められると、菅代表は「はぁ〜」といって避けていたという。翌12日も、各党控室や議員会館などでは文春記事を抜粋した各スポーツ紙のコピーが広範囲に回覧されていた。」

1998年秋 産経系列の記事 ネット上より引用抜粋

ネット上に戸野本優子キャスターの生年月日が掲載されていた(1968年1月10日)ため、チャートを作成してみると、

金星が蠍座で、ヴァルゴッタマを形成しているのが確認できる。

これらのことから、菅直人氏の12室蠍座に在住する6、11室支配の金星はニュースキャスターの戸野本優子氏を表わしていると解釈できるのである。


(この写真が戸野本優子氏本人の写真だとすると、主観的にはどことなく蠍座の雰囲気が漂う女性である)

金星は11室に在住する火星と星座交換して、11室と12室の象意の強い結合をもたらしている。

これは金星期に社会的評価(11室)や社会的地位(11室)、肩書き(11室) を失う(12室)ことを表わしているのである。

実際、太陽/金星期の時にこの不倫疑惑が引き金となって、その後、かなり評価、評判を落とすことにつながったと考えられる。

この時に党代表選で、鳩山由紀夫氏に敗れているため、この社会的評価の失墜は現実化したとも考えられる。

ラグナロードの木星が11室天秤座に在住し、7、10室支配の水星とも11室で接合しているため、政治家としての主な社交活動はこのハウスにおいて行なわれていると考えられるが、次のマハダシャー火星期において、11室のディスポジターである金星は蠍座に在住して、自室にアスペクトして強力であり、しかも高揚するケートゥと接合している。

そして、金星は星座交換によって火星と絡んでおり、11室と12室の象意が結合している。

11室は6室から6室目のハウスであり、従って、6室(愛人)+12室(性生活、密室)+[金星+火星](情熱的な恋愛)が絡んでいるのである。

これは明らかにタイガーウッズが示したのと同じ不倫の絡みであると考えられる。

然し、ケートゥは損失、別離の表示体であるため、最終的に期待はずれや誤解や別離をもたらし、 そして、ケートゥは過去世からの因縁を表わすため、この関係が過去世に起因する深いものであり、しかも12室のため、密会とか人から見られない場所(12室)で、深夜(12室)などにしか会えない関係なのである。

マハダシャー火星期において、火星はディスポジターの6、11室支配の金星と絡んでいるため、従って、女性問題によって足を引っ張られるというのはあながち間違いではないのである。

然し、マハダシャー金星期は既に過ぎており、アンタルダシャーの金星期はまだずっと先である。

また金星が自室にアスペクトし、ケートゥも強いことを考慮に入れる必要がある。

惑星が強い時には、顕現する象意を体験するとしても、経験する当事者は惨めではないのである。


そして、来年5月にトランジットの木星が5室に入室して、11月には土星も11室天秤座に入室して、5−11室の軸にDTが形成され、創造的行政活動、願望成就の象意が活性化されることを考えると、菅直人はこれから女性問題で失脚するようなことはあり得ないのである。

むしろ、これからクライマックスに入っていく世界の変革の只中で日本の舵取りを担う政権となるのである。

管直人の経歴
西暦 出来事 V.DASHA TRANSIT
1959 宇部市立琴芝小学校卒業 水星/火星  
  62 同市立神原中学校卒業 水星/木星  
  65 都立小山台高卒業 水星/土星  
  70 東工大理学部卒業 ケートゥ/ラーフ  
  70 11 伸子夫人と結婚 ケートゥ/ラーフ 土星:牡羊 
木星:天秤
  71 12 弁理士試験に合格 ケートゥ/木星  
  72 10 長男(管源太郎)誕生 ケートゥ/土星 土星R:牡牛
木星:射手座
  74 参院選で当選した市川房枝氏(無所属)の選挙事務長を務める 金星/金星  
  76 12 衆院選(旧東京7区)に無所属で出馬し、落選 金星/金星  
  77 参院選(東京地方区)に社市連から出馬し、落選 金星/太陽  
  79 10 衆院選に社民連から出馬し、落選 金星/月  
  80 衆参同日選(衆院旧東京7区)に出馬し、トップで初当選

金星/火星

 
  83 12 衆院議員2期目当選 金星/ラーフ  
  85 社民連政策委員長に就任 金星/木星  
  86 衆院議員3期目当選 金星/木星  
  90 衆院議員4期目当選 金星/水星  
  92 11 政策研究集団「シリウス」結成 金星/水星  
  93 衆院議員5期目当選 金星/ケートゥ  
  94 新党さきがけに入党 金星/ケートゥ
⇒太陽/太陽
 
  96 橋本内閣の厚相に就任 太陽/ラーフ  
  96 薬害エイズ問題で、国の責任を認め原告患者らに全面謝罪 太陽/木星  
  96

鳩山由紀夫氏、弟の邦夫氏らとともに旧民主党を結成。
鳩山氏と共同代表に就任

太陽/木星  
  96 10 衆院議員6期目当選 太陽/木星  
  97 単独で党代表となる 太陽/土星  
  98 旧民主、民政など4党が合併、新たな民主党を結成。代表に就任 太陽/水星  
  99 党代表選で鳩山氏に敗れ、政調会長に就任 太陽/金星  
2000 衆院議員7期目当選 月/月  
  党幹事長に就任 月/月  
  02 党代表選で再び鳩山氏に敗れる 月/ラーフ  
  12 党代表選で岡田克也氏を破り、代表に返り咲く 月/ラーフ  
  03 民主党と小沢一郎氏率いる自由党が合併 月/木星  
  11 衆院議員8期目当選 月/木星  
  04 国民年金未加入・保険料未納問題で代表を引責辞任
代表辞任後、四国霊場の巡礼に出る
月/土星  
  05 衆院議員9期目当選。代表選に出馬し、前原誠司氏に2票差で敗れる 月/土星  
  06

代表選で小沢氏に敗れ、代表代行に就任。
幹事長の鳩山氏を含めた「トロイカ」体制で党を運営

月/水星  
  09 衆院議員10期目当選 月/太陽  
  鳩山内閣の副総理・国家戦略相に就任 月/太陽  
  10 副総理・財務相に就任 月/太陽  
  10 民主党代表に就任、国会で第94代首相に指名される 火星/火星 土星:乙女 木星:魚
(2010年6月5日 読売新聞) 読売 online -基礎から分かる管直人- より引用抜粋、一部編集