占星コラム
2009/12/25 イエス・キリストについて
それではイエスの本当の誕生日はいつかということであるが、
まず、特徴としては、魚座に月、太陽、火星、水星、金星が在住して、魚座に惑星集中している。 金星、水星、火星は、太陽と接合して、やや影が薄くなっているが、イエスこそが、聖書の物語の中心人物であり、それ以外の人たちは脇役であるため、それも理解できる。 太陽の圧倒的な光によって、周囲の人たちは脇役へ押しのけられている印象である。 このように魚座に在住する惑星群は明らかにイエスが磔にされた時に登場する人物たちの象意と一致している。 魚座で減衰する水星 通常、富というのは木星や金星が現しているが、この資本主義社会におけるマネーシステムというものは、水星が表わしていると思われる。債権、証券、紙幣は印刷技術によって生み出され、さらに現代では、コンピューターによって、お金は単に電子情報となって、実体を持たない、思考の産物であり、数字と化している。このような進化したお金の形態は水星が表わしているのである。元々はユダヤ人が、現実の実際の富を、債権や証券、紙幣などに転換するという離れ業を成し遂げたことにより、生み出されたものである。 例えば、ラオ先生のチャートでは9室支配の水星が12室で高揚して、ケートゥと接合しているが、この配置が、ラオ先生がお金を嫌い、無料で、鑑定をしている理由である。 水星が強いと、株式や債券などの金融知識に長けており、それを利用して、お金を稼ぐことが出来る。 そして、現代では、それは商業至上主義、市場原理主義として、人間活動の全てを、最大限の利潤を追求する(利益を最大化する)という人間の合理的な欲望の原理に委ねたのである。 水星が強いと、このお金に関する合理的な姿勢が生じ、社会奉仕をする場合でも、キャッシュフローや売り上げやコストなどを考慮して、通常の民間企業の経営の手法を取り入れて、何とか資本主義の枠組みの中で、それらを行なおうとする。これが現代のNGOやNPOのような社会奉仕事業体が採っている方法である。 例えば国連系の特定非営利活動法人などでも、寄付を募るのに、クレジットカードの仕組みを利用しているが、現代では奉仕事業を行なう場合でも、そのような資本主義が発達させた仕組みを利用せざるを得ないのである。 水星が魚座で減衰し、ナチュラルゾーディアックでは魚座12室に在住することとなる水星は、そのようなお金の仕組みに疎いのであり、お金の現代的意義も分からないが、極めて理想主義的で、お金に関する高度な理論が理解できない。 まさに市場原理主義的な発想と全く正反対に位置するのが、魚座の水星である。 イエスが、金持ちの息子に対して、全ての富を貧しいものに施してから従いなさい、と言ったのは、そのような魚座の水星のマインドによるものであると理解出来るのである。 現在では、金融危機によって、市場原理主義の欠陥が明らかになりつつあるが、然し、今後の社会はそれでもお金という高度に洗練されてコンピュータ上で管理され、電子化された仕組みを利用していくことになるのである。 然し、連邦準備銀行などの中央銀行は廃止されなければならず、お金は政府が管理して負債ではないお金(政府紙幣や地域通貨)などを生み出していく必要があるのである。そして、国際通貨はIMFの特別引出権(SDR)のようなものになっていく必要があり、米ドル基軸通貨体制は終わる必要がある。 然し、お金が要らなくなる(お金を意識しない)社会が到来するには、ますますお金の仕組みを質的に洗練させることが必要であり、それは水星の力によって、成し遂げることが出来るのである。 聖書にあるこのイエスキリストと、金持ちの息子のやり取りなどを見ながら分かることは、イエスは水星が魚座で減衰していたがために、お金に関する教えの部分が極めて素朴で、現実路線に合わない、理想主義的なものに終始したのであり、この点に弱点があったと思われる。 然し、イエスは当時の社会のパリサイ派や立法学者など、ユダヤの慣習や律法にとらわれて、全く思いやりや同情心という観点を持たない当時の支配者階級と闘っていたのであり、彼が貧乏人に税金を支払わないように勧めたり、金持ちの息子に貧乏人に全ての富を施すように告げたことは、当時の状況としては理解できるのである。 今日のような社会の高度に洗練された仕組みは当時では分からなかったのであり、お金に関して理想主義的で素朴な考えを示すことは、当時、採り得る唯一の方法だったと思われる。
秘教文献によれば、イエスというのは体格がよく屈強な軍人タイプの人物だったようである。 決して、中世のキリスト教美術の中で描かれる青白い顔をして貧相で、痩せた人物ではなかったようである。 この「最後の晩餐」の状況が皆で、一同にテーブルに着いているという図であるが、その真ん中にイエスキリストが陣取っており、この場の中心的な存在、リーダーとして、君臨しているのが分かるのである。 これは明らかに獅子座の象意であり、この図は明らかに水瓶座-獅子座の軸を書き表したものである。 イエスが屈強な軍人タイプの人物であったとすると、ラグナが火の星座である可能性が高いが、 牡羊座、あるいは、獅子座の可能性が高くなるのである。 そして、牡羊座か、獅子座かということになるが、牡羊座だと、ラグナロードの火星が12室に在住し、5室支配の太陽と、2、7室支配の金星、4室支配の月、3、6室支配の水星と絡んでいる。 そして、5室には9室支配の木星と土星が在住し、多くの弟子がいることを説明できるのである。 従って、牡羊座ラグナ説というのは非常に有効であると思われる。
ラグナロードの太陽が8室に在住することは、パリサイ人や律法学者、ユダヤの支配者階級の人々の陰謀、支配(8室)に苦しみ、最終的に肉体を拘束され、十字架に掛けられたことを考えると、説明可能なように感じられる。 ラグナから8室に惑星集中しているというのは、木星や土星のダシャーが来た時に類似の状況がおとずれるだろうことが考えられ、いずれにしても、獅子座ラグナとしても考えることが可能である。 獅子座としてのイエスキリスト 嘲られ、辱めを受けてはいるが、それでもやはり、王様なのである。 十字架につけられた後は「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と書いた罪状書きのプラカードを 掲げられるのであるが、それらの事柄からも、イエスが王様であり、獅子座の象意で表されることが分かるのである。
そうすると、6室に土星と木星が在住しており、6室−12室の軸にダブルトランジットを形成している。 6室に木星が在住する配置は、しばしばヒーラー(治療家)に見られる配置である。 ナチュラルゾーディアックで、12室の象意を持つ魚座に惑星集中するイエスキリストの生涯を最大に象徴するのが、十字架上の犠牲であり、十字架上の死であると考える事が出来る。 6室は貧乏人、病で苦しむ人たちに対する奉仕、そして、6室は暴力を表わすハウスでもあるが、イエスがエルサレムの神殿内で、商売をしていたユダヤ商人たちの屋台を叩き壊して、追い出したことは新約聖書に記されている。 イエスは積極的に人を助ける奉仕の人であると共に、時には怒りを露にして攻撃的にもなる人物なのである。 そして、一方の12室の方は、拘束、監禁や、損失を表わしている。 あるいは、隠遁も表わしている。 このようにまず、基本的に魚座ラグナとしてチャートを解釈することが可能である。 そして、獅子座にも木星、土星が在住しているので、上述したように獅子座ラグナとしても解釈が可能である。 その場合、ラグナロードの太陽が8室に在住して、8室に惑星集中するので、ヨーガやオカルトの実践者としてのイエス像が浮かび上がってくるのである。 これはイエスがエッセネ派と呼ばれるユダヤ教の神秘主義的なグループに所属していたとする説を採用すると、納得できるのである。そのエッセネ派では輪廻転生とか、カルマの法則などの東洋的な真理が教えられていたとされる。 イエスはチーズやミルクや木の実などの菜食に近い食生活をしながら、瞑想的な生活を送っていたというのである。 そうした情報から考えると、8室に惑星集中というのは分かるのである。 またイエスは豚の大群を湖に突進させたり、パンを増やしたりといった超能力を用いたので、それも8室の象意と考えることが出来るのである。 またイエスの生涯は、あたかも計画通りに進んでおり、ユダヤの僧侶たちによって拘束され、ローマ総督ピラトに引き渡される前にも、その運命が既に分かっていたようである。 そのことで、事前にイエスが、神に祈る姿が聖書にも描かれている。 これは何か運命が自由にならない状況を示しており、これも8室の象意らしいのである。 ユダヤの僧侶たちの陰謀、悪意によって、捉えられることを事前に分かっていたし、またユダが裏切ることも分かっていたにも関わらず、ユダに「去れ、行きて汝のなすことをなせ」と言って、その予定されている運命を実行させるのである。 これはラグナロードが8室に在住している第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディにおいても見られるのである。 彼も自分が暗殺される運命を事前に知っていたかのようである。然し、それらを避けることが出来ない。 インドの霊的教師であるバグワン・シュリ・ラジニーシも、米国のオレゴン州にコミューンを建設して活動を開始した際に、アメリカ合衆国大統領との会食に招待され、その席で、CIAから致死量に満たない毒を盛られた可能性が示唆されている。ラジニーシ自身が自分の体調が異変して病に冒されたことについてそのように語っていたようである。 このラジニーシも牡牛座ラグナで、8室射手座に惑星集中しており、8室の陰謀、悪意に巻き込まれるという象意を示していたと理解できるのである。 従って、そうした8室の別ケースから類推して、イエスは、獅子座ラグナで、ラグナロードの太陽が8室に在住し、8室に惑星集中しているという象意も十分に示していたと考える事が出来る。 魚座ラグナと考えると、金星は3、8室支配で、1室で高揚しているが、獅子座ラグナと考えると、金星は、3、10室支配で8室で、高揚している。 トムハンクスが主演した映画『ダヴィンチコード』やもっと以前に作られたマーティンスコセッシの『最後の誘惑』などでも、イエスがマグダラのマリアと結婚していたとか、結婚して子供をもうけるという誘惑が存在したという文脈で作られる映画が多いのであるが、金星は配偶者の表示体であり、それが月や太陽と接合していることから理解出来るのである。 従って、そのようなことから、そうしたイエスとマグダラのマリアの男女関係に結びつけた作品が作られるわけである。 (資料) |