占星コラム


2009/5/12 小沢一郎辞任について

民主党の小沢一郎が5月11日午後、辞任を表明している。
小沢一郎の辞任については時間の問題であるという見方が強かったが、彼が辞任のタイミングをいつ選ぶかが見所の一つとなっていた。

小沢一郎は政局を読む力について高い評価を受けており、辞任する場合でも絶妙なタイミングを選択するものという見方もあったと思われるが、今回の辞任は中途半端なタイミングでの辞任となったようである。

<小沢民主代表>辞任表明、西松建設違法献金事件で引責
5月11日17時3分配信 毎日新聞

 民主党の小沢一郎代表は11日午後、党本部で記者会見し、西松建設の違法献金事件で公設第一秘書が東京地検特捜部に逮捕・起訴された責任をとり、代表を辞任することを発表した。

 小沢代表は「挙党一致をより強固にするため、あえてこの身をなげうち、民主党代表の職を辞する。国民の皆様、支持者の皆様に心配をかけたことをお詫びする」と述べた。

 小沢氏は06年4月、偽メール問題の責任を取って辞任した前原誠司氏の後任として代表に就任。07年7月の参院選を圧勝に導いた。同11月、当時の福田康夫首相との大連立構想に失敗し、辞意を表明したが、党内で慰留され撤回。それ以降は、08年4月の衆院山口2区補選で勝利するなど次期衆院選に向けて着々と地固めし、同年9月には無投票3選を決めていた。

今回の辞任劇では小沢一郎は守って守って防戦一方で、ついに守り切れなくなって、降参した形である。
ちょうど前日に読売新聞の世論調査で、「小沢続投に納得できない」という人が71%に達している。

ただ彼は最後まで党首の座に執着したのではないかと思われる。
それは彼はおそらく現在、木星/ラーフ期にいると思われるからである。



おそらくマハダシャー最後のアンタルダシャーを経験していると思われる。

ラーフは木星からみて3室獅子座に在住しており、権力の座に執着していることが推測される。

ラグナを乙女座チトラーの最後の度数に設定すると、現在、木星/ラーフ期で、2009年8月1日から土星/土星期である。

小沢一郎は、辞任会見の中で、『・・・挙党体制の一員として、新代表を支え、総選挙必勝のために最前線で戦い続けたいと思います・・・』と呼べているが、実際は彼の今回の辞任は、1993年6月頃に宮沢内閣不信任決議が可決された後、自民党を離党して、新正党を立ち上げた時から続いてきた流れの大きな終焉である。

この時が、マハダシャーラーフ期の終わりで彼は自民党離党と共にラーフ期に得たものはラーフ期の終わりに全て失うと言われているように今まで自民党で築いてきた地位の全てを失ったのである。

そして、野党として、転々としながら、これまでの自民党時代の裏で糸を引くイメージを刷新して、自ら党首として、改革を訴えていくというスタイルに変えていったのである。

2001年1月頃には、小沢一郎政治塾を立ち上げて、 将来の指導者育成のための活動も開始して、木星期の特徴として、教える教師としての役割も打ち出していた。

彼は新進党時代も、民主党時代も常に党代表という最も高い立場で仕事をすることにこだわったため、これは彼の木星は10室に在住していると思われるのである。

そして、今回のように乙女座の最後の度数にラグナを設定すると、マハダシャーラーフ期から木星期に移行したのが、1993年8月2日であり、宮沢内閣不信任決議が可決された2ヵ月後で、自民党を離党したタイミングにもピッタリ合致するのである。

彼の自民党離党から始まった長い道程が今ようやく終わろうとしている。

そして、おそらく8月1日から直ぐにマハダシャー土星期が始まるのである。

土星は5室支配で9室に在住しており、仕事を損失する9室に在住しているため、その活動内容を大幅に変えていくはずである。これまでの第一線での活躍はもう終わったのである。

政界引退するのかどうかは分からないが、彼は8月1日になると、さらに心境を変化させ、政界引退もありうるのではないかと思うのである。何故なら、土星は太陽に接合しており、彼を権力に近づけることを抑制するからである。

かつて彼が自民党内で本当に権力を持っていたときに彼に控えめに振舞わせたのがこの土星である。
ラーフ期にラーフをラグナとすると、土星が10室に在住して、ラグナロードの太陽と接合している。

彼は心臓が悪いから激務に耐えられないとして、控えめに振舞っていた。

この土星期に彼が政治家として活動を続けるかどうかは分からないが、今までのようにキングメーカーとして裏で力を振るったり、あるいは、自分自らが党首となって大舞台で力を振るったりするようでは、もはやないことは間違いないのである。

然し、もし彼が乙女座ラグナでよければ、彼が本当に価値ある人生の目的に生きるのは、この先の土星期であると言える。土星はラグナからみて5室支配で9室に在住しており、権力の中心にいたときよりも、むしろ、よいはずである。


私は、既に2009/3/16付の占星コラム『麻生太郎 vs 小沢一郎の行方』の中で、小沢一郎が麻生太郎に対して、弱いことの理由付けを示していたが、実際、彼は現在、マハダシャー木星期で、今年の1月頃、ダシャーロードから見た8室で日蝕が形成され、さらに今年の初めから、木星から8室にダブルトランジットが形成されていたのである。

従って、8室の象意が何か起こることを表わしていたと言える。
結局、それは辞任という形(中断、変化)で訪れたようである。

結局、彼は辞任することで、麻生太郎との戦いに敗れたと言わざるを得ない。

一方、麻生太郎は、じわじわと息を吹き返し、内閣支持率を30%に上昇させている。
国民に給付金を支給して、彼は独裁者型の人気を集めているようである。

冷めた目で冷静に見ている国民がいる一方で、やはり、実際に現金を受け取ったときにアメをくれる指導者に従っていくのが大衆である。

麻生太郎は、今年の9月からラグナ、月、マハダシャー木星からみて6室に土星が入室し、ダブルトランジットを6室に形成するのである。これは選挙で敵を打ち破ることを表わしているように思われる。

6室は選挙などの競争で勝つハウスである。6室に在住する凶星は敵を粉砕する配置である。


今回の小沢一郎の辞任前後の動きと、民主党のチャートを比べると、非常に民主党のチャートが機能しているように見えるのが興味深いのである。



それは、2009年4月21日前後に民主党内で不穏な動きがあるのではないかと、私は2009/3/16付の占星コラム『麻生太郎 vs 小沢一郎の行方』の中に記していたが、実際、4月21日以降に太陽/土星期に移行すると、減衰する牡羊座の土星が示すように忍耐しきれなくなったしびれを切らした議員たちが、小沢一郎に連判状を突きつけようとする動きなど、不穏な空気が広がり始めていたのである。

民主有志、小沢辞任で「連判状」検討
4月29日1時34分配信 産経新聞  

西松建設の違法献金事件に伴う小沢一郎民主党代表の進退問題で、党内の反小沢勢力の有志議員らが、小沢氏の辞任を求める「連判状」作成を検討していることが28日、分かった。水面下で署名集めを進め、大型連休明けにも動きを本格化させる。小沢氏は同日の記者会見で、代表続投の意思を改めて示したが、署名者の顔ぶれや数によっては、窮地に追い込まれる可能性が出てきた。  署名集めを検討しているのは、小沢氏と距離を置く中堅、ベテラン議員ら。若手にも次期衆院選への影響を懸念し、小沢氏の早期退陣を望む声があるが、ある中堅は「若手に決起させるとリスクがある。われわれが動いた方がいい」としている。  また、渡部恒三最高顧問は28日、国会内で記者団に対し「次期衆院選は今の態勢では勝てない」と述べ、小沢氏が早期に辞任すべきだとの考えを重ねて強調した。だが党内には、「小沢氏は渡部氏の意見は気にかけていない。菅直人代表代行か鳩山由紀夫幹事長が説得しないと無理だ」(別の中堅)との見方が強い。このため、「連判状」の提出先は、菅氏か鳩山氏が検討されているという。  小沢氏は28日、党本部で記者会見し、自身の進退問題について「いろんな意見があることは風の便りに聞いている」と、辞任論があることを認めたうえで「(次期衆院選で)国民の信頼を必ず獲得できると現時点では思っている」と、代表辞任を改めて否定した。
小沢氏、説明責任果たすべき=鳩山・前原氏
5月9日22時36分配信 時事通信  

民主党の鳩山由紀夫幹事長は9日午後、岩手県八幡平市で記者会見し、小沢一郎代表の資金管理団体をめぐる違法献金問題に関し「説明責任を果たしているという思いを国民が感じることで、小沢代表の下で十分に政権交代をなし得る態勢をつくることができる」と述べ、小沢氏は国民に説明を尽くす必要があるとの考えを強調した。  前原誠司副代表も京都市で講演し、「しっかり説明して納得しない人が減れば(小沢代表の)続投もあるだろう。説明責任を果たすかどうかだ」と指摘。同党が近く実施する衆院選情勢調査に触れ「(小沢氏進退の)区切りとなる時期が選挙分析が出そろう時期だ」と述べた。
<民主・菅氏>小沢代表の進退決断、衆院選1カ月半前が限界
5月10日21時15分配信 毎日新聞  

民主党の菅直人代表代行は10日、テレビ朝日の報道番組に出演し、小沢一郎代表の進退問題について衆院選前1カ月半が決断のタイムリミットになるとの認識を示した。菅氏は、04年に自身が代表を辞任したタイミングが参院選の約1カ月半前だったことに触れ「チームとして民主党がまとまっていれば、小沢代表で行くなら行く、変わるなら変わるというときに、最短それくらいの期間があれば大丈夫」と述べた。

鳩山由紀夫や前原誠司、また菅直人も小沢一郎の続投問題について発言し出していたと言える。

小沢一郎が辞任した今、民主党は次の党首を誰にするか、非常に頭を悩ませているはずである。
既に党首を務めて政権交代に失敗している鳩山由紀夫や菅直人、岡田克也では新しさが感じられないが、党首となって麻生太郎と戦える人物がいないようである。

【小沢辞任】ロイター通信、総選挙早まる可能性を指摘
2009.5.11 18:34

【ロンドン=木村正人】民主党の小沢一郎代表による辞任表明を受け、ロイター通信は11日、「次期総選挙は早ければ東京都議会選挙と同じ7月12日に行われるという観測もある」と、総選挙の時期が早まる可能性を伝えた。

 同通信は、小沢代表には「改革者」と「陰の実力者」の2つの側面があったと分析。小沢代表の辞任で民主党が総選挙で勝利する可能性は増えたものの、民主党は小沢代表の選挙戦術を必要としており、辞任した後の役回りが重要だと指摘、同代表が「闇将軍」として君臨することへ強い危惧を示した。

 また、民主党に政権交代しても経済政策は自民党とあまり変わらないが、民主党は労働者や消費者に配慮した政策を採用するだろうと予測している。

 英BBC放送も評論家のコメントとして「小沢代表はそつがない戦略家だが、高圧的な手法が批判されてきた」と紹介。次期総選挙で民主党が勝利し、自民党支配に終止符を打つのは間違いないとみられていたが、小沢代表は公設第1秘書の西松建設違法献金事件で台無しにしたと報じた。

ロイター通信が、小沢辞任によって総選挙が早まる可能性というのを伝えているが、おそらく総選挙を戦うのは、太陽/土星期(2009/4/21〜2010/4/3)の間であり、土星が乙女座に入室して、ダブルトランジットが乙女座に形成される2009年9月前後からではないかと思われる。

その時、民主党のマハダシャー太陽と、月からみて6室にダブルトランジットが生じており、麻生太郎のマハダシャー木星と月からみても6室にダブルトランジットが生じている。


麻生太郎にとっても、民主党にとっても戦いの時である。

どちらが勝つのか分からないが、民主党のチャートで減衰する土星が何の表示体となっているかが気になるところである。ムーラトリコーナの火星が土星と接合して、傷つけられ土星は減衰して非常に惨めな状態である。

この民主党のチャートはモハメドアリや小泉純一郎のチャートと土星と火星の位置が同じである。

両者とも敵を打ちのめしたことを考えると、民主党のチャートでも土星は打ちのめされた相手を表わしているとも考えられる。

民主党のチャートでは
太陽からみて、土星は10、11室支配で1室で減衰している。

この減衰する土星はナヴァムシャでも減衰し、さらにダーシャムシャでも減衰している。
減衰する惑星がヴァルゴッタマで凶意を増している。

ナヴァムシャでは太陽からみて10室で土星が減衰している。

この土星が表示体として表すものが何かが重要である。

土星は大衆を表しており、また老人を表しているとも考えられる。

小沢一郎が辞めざるを得なくなったのは、読売世論調査で、小沢続投に納得できないとする意見が71%となり、大衆の怒りが大きくなってきたからである。
この怒る大衆は土星が表していると思われ、その大衆の怒りによって、小沢一郎は権力のポジションから引きづりおろされた形である。

減衰する凶暴な土星が太陽を傷つけて、権力を失わせる配置となっていることの表れである。

そして、もう一つは、小沢一郎は民主党の長老議員だったということである。古い時代の政治家であり、そうした長老議員の立場が危うくなるということかもしれない。

民主党はマハダシャー太陽期に入ってから、順調に支持を増やしてきて、野党第一党として伸びてきていたのであるが、このマハダシャーの太陽を減衰する土星が傷つけているので、民主党の権威が揺らいでいる。しかし、太陽からみて土星が10、11室支配で1室に在住しているので、ハウスの絡みでは、地位や、評価を表している。

因みに民主党のラグナが蟹座だとすると、乙女座ダブルトランジットは努力の3室である。

一方、自民党のチャートは金星/土星期辺りではないかと思われるが、9月以降、金星と月からみて11室、ラグナからみて9室にダブルトランジットが形成されることになる。

マハダシャーの金星から見ると土星は3、4室支配で1室に在住しており、1−4のラージャヨーガを形成しているとは言っても、あまりよいとは言えないように思われる。

民主党のアンタルダシャーの土星が牡羊座で減衰しているとすると、自民党のアンタルダシャーの土星は蠍座在住で、民主党の土星から見て8室目に位置している。

これはマハダシャーも含めると、民主党の牡羊座在住の太陽と土星と、自民党の蠍座在住の金星と月は6−8の関係にあり、民主党が6室目に在住しているので弱い配置である。絶対に勝てない支配者から苦しめられる配置となっている。

さらに6室目で土星は減衰する配置であることから、敵によって粉砕されているという配置となり、民主党にとっては非常に不吉な印のように思われる。
不吉と言えば、政権交代を目指している民主党が小沢一郎の秘書献金問題で、痛手を被り、小沢辞任によって事態の収拾を図っているところからして前兆学的には不吉である。

どちらが勝つのか分からないが、民主党のチャートで減衰する土星が何の表示体となっているかが気になるところである。

(資料)

wikipedia 小沢一郎



(資料2)

民主・小沢代表、辞任を正式表明

民主党の小沢一郎代表は、さきほど、党本部で記者会見し、代表を辞任する意向を正式に表明しました。

 「挙党一致をより強固にするためにということで、来る衆議院総選挙での必勝と政権交代の実現に向け、挙党一致の態勢をより強固にするために、あえてこの身を投げうち、民主党代表の職を辞することを決意いたしました」

 「国民の皆様、支持者の皆様にご心配をおかけして参りましたことを、お詫び申し上げますとともに、特にこの3年間、至らぬ私を支えてくださいました同僚議員の方々、党員・サポーターの皆様に心より御礼を申し上げます」

 「もとより今度の総選挙は、国民自身が政権を選択して、自らこの国と国民生活を救う、またとない機会であります。民主党にとっては、悲願の政権交代を実現する最大のチャンスであります」

 「民主党を中心とする新しい政権をつくり、国民の生活が第一の政治を実現して、日本の経済・社会を根本から立て直すこと。そして、政権交代によって、日本に議会制民主主義を定着させること。この2つが民主党に課せられた歴史的使命であり、私自身の政治家としての最終目標にほかなりません」

 「日本のために、また国民にとって、民主党にとって、そして私自身にとっても、何が何でも、ここで勝たなければならないのであります。それを達成するためには、党内の結束・団結が絶対不可欠の条件であります。党内が乱れていたのでは、総選挙に勝利することはできません。逆に挙党一致で臨みさえすれば、必ず勝利することは出来ると確信しております」

 「私が代表の職に留まることにより、挙党一致の態勢を強固にする上で少しでも差し障りがあるとするならば、それは決して私の本意ではありません。政権交代という大目標を達成するために、自ら身を引くことで、民主党の団結を強め、挙党一致をより強固なものにしたいと判断した次第であります

 「まさに身を捨て、必ず勝利する、私の覚悟、私の決断はその一点にあります。連休中、熟慮を重ねまして、その結論に達し、決断した以上、党内の混乱を回避するためにも、ただちに連休明けの本日、辞意を表明することにいたしました」

 「ただし、国民生活への影響を最小限に抑えるために、平成21年度補正予算案の衆議院での審議が終わるのを待った上で、速やかに代表選挙を実施していただきたいと考えております」

 「重ねて申し上げます。新代表のもとで挙党体制を確立して総選挙に臨むことが、何よりも重要であります。もちろん、私もその挙党体制の一員として、新代表を支え、総選挙必勝のために最前線で戦い続けたいと思います。国民の皆様、引き続き民主党をご支持くださいますよう、心よりお願い申し上げます。ありがとうございました」(民主党 小沢一郎 代表) (毎日放送 11日17:06)