2009/5/11 鳩山由紀夫の友愛思想について
民主党の鳩山由紀夫が、在住外国人への地方参政権付与の必要性を主張し、ネット掲示板に批判的な書き込みが殺到しているという。
鳩山由紀夫の発言については以下のように記事が伝えている。
“炎上発言”は「愛のテーマ」 鳩山民主幹事長、会見で真意説明
2009年4月25日(土)8時0分配信 産経新聞
民主党の鳩山由紀夫幹事長が、インターネット上で永住外国人への地方参政権付与の必要性を主張し、ネット掲示板に批判的な書き込みが殺到した問題で、鳩山幹事長は24日、「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」との発言の真意を問われ、「これは愛のテーマ。地球は生きとし生けるすべての者のもので、日本列島も同じだ」などと説明した。
鳩山幹事長は党本部で行われた記者会見で、「これ(発言)は大きなテーマ。まさに愛のテーマだ。(自らが)友愛と言っている原点がそこにあるからだ。地球は生きとし生けるすべての者のものだ。日本列島も同じだ。すべての人間のみならず、動物や植物、そういった生物の所有物だと考えている」と持論を力説。
さらに、「そこに住んでいる人たちを排斥するという発想ではなく、権利もできるだけ認めて差し上げる。多くの税金を、同じように払ってこられた方々の権利を認めて差し上げるべきではないか。日本は鎖国をしているわけではない。もっと多くの人に喜んでもらえるためには、地方での参政権は付与されてしかるべきではないかと思っている」などと述べた。国政参政権付与については、否定的な考えを示した。
鳩山幹事長は、インターネットの動画サイト「ニコニコ動画」に17日に出演。「定住外国人は税金を納め、一生懸命頑張っている。その人たちに参政権ぐらい当然付与されるべきだと思っている」「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」などと発言。ネット掲示板に批判的な書き込みが殺到して“騒動”となっていた。 |
鳩山由紀夫の以下の発言から分かることは、
「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」
「これは愛のテーマ。地球は生きとし生けるすべての者のもので、日本列島も同じだ」
「これ(発言)は大きなテーマ。まさに愛のテーマだ。(自らが)友愛と言っている原点がそこにあるからだ。地球は生きとし生けるすべての者のものだ。日本列島も同じだ。すべての人間のみならず、動物や植物、そういった生物の所有物だと考えている」 |
これらが典型的に水瓶座の思想であるということである。
従って、 彼が狂牛病が牛の人権を侵害していると主張したのは、そうした水瓶座の博愛の思想から来ている。
つまり、動物と人間を隔てる障壁を取り払って、動物を人間と同じように平等に扱っているのである。
こうした水瓶座の思想に影響されている人を観察すると、例えば、それは虫を殺さないとか、小さな生物の命も尊重するという行為として現れてくるようである。
鳩山由紀夫のチャートを出生時間が分からないため、12:00で作成してみると、水星が水瓶座に在住しており、この水星が彼の理想主義的な博愛の思想を表している。
水瓶座はその他に、万人の為に奉仕するという象意があり、 例えば、人々が共有して利用することができる公園や集会所を建設したり、私的な利益追求でなく、公共の利益のために奉仕するのである。
昔、日本で村落共同体のために治水灌漑事業を行った空海を始めとした修行僧はおそらくこの水瓶座のエネルギーに影響されていたと考えられるのである。
20世紀に入ってから、急速に世界に拡大した非営利組織、非政府組織なども、国境を越えた万人の利益を目指す地球規模の事業体であり、水瓶座のエネルギーを代表する部門である。
これらが非常に成熟してきたために世界の貧困や、環境破壊などの地球規模の問題の進行を抑えることに役立っている。
第二次世界大戦後、国際連合が設立されているが、 これも世界各国が世界の問題を共有して、解決するための水瓶座のエネルギーがもたらした組織である。
鳩山由紀夫はこうした水瓶座の理念の持ち主であり、国連中心主義者である。
私はそうした観点から、鳩山由紀夫の以下のような発言は非常に理解できるのである。
「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」
「これは愛のテーマ。地球は生きとし生けるすべての者のもので、日本列島も同じだ」
「これ(発言)は大きなテーマ。まさに愛のテーマだ。(自らが)友愛と言っている原点がそこにあるからだ。地球は生きとし生けるすべての者のものだ。日本列島も同じだ。すべての人間のみならず、動物や植物、そういった生物の所有物だと考えている」 |
これらの発言は鳩山由紀夫の国家の利益とか、ナショナリズムを越えた、国境を越えた人類愛の表現である。
彼の友愛の思想というものは、基本的にこの水瓶座の人類愛から来たものであり、彼の父親の鳩山一郎が、フリーメーソンの会員だったことも、これらに関係している。
彼が民主党に招き入れた小沢一郎もまた国連中心主義者であるが、これは双子座に水星、木星、火星が在住しているためである。
ケートゥが水瓶座に在住し、木星と土星がダブルトランジットしている。
鳩山由紀夫と、小沢一郎はフリーメーソンだと言われている。
鳩山由紀夫の水星と小沢一郎の水星は5−9の関係で、考え方もよく調和して、小沢一郎の権力志向の部分を除けば、鳩山由紀夫は考え方が一致していて、協力できる相手とみなしているのである。
水瓶座は同じく風の星座である双子座、天秤座とトリコーナの関係となるため、基本的に考え方は共通してくるのである。
この鳩山由紀夫の理想主義的な博愛精神に対して、国内の民族主義者や右翼言論人が、インターネットで掲示板に批判を書き込んでいる。
こうした批判を展開する人々は、私はこれまでの経験から、蟹座−牡羊座の人々であると考えている。
これは民族主義者、国家社会主義者のアドルフ・ヒトラーのチャートやジョージ・ブッシュのチャートを調べることで分かるのである。
例えば、アドルフヒトラーは、天秤座ラグナで、10室に土星が在住しているが、この10室は彼の行為を表している。
彼の行為を表す10室は蟹座の土星であることから、彼は蟹座の家族主義的な特徴を表すのである。
それは家族の利益のために行動し、家族の利益を侵す外敵と戦うのである。
因みにラグナはその人の性質を表すが、10室はその人の行為を表すのであり、10室にもその人物の特徴は大きく表れるのである。
従って、アドルフ・ヒトラーのラグナロードが牡羊座に在住し、牡羊座に惑星集中する配置は、彼の性格を特徴づけるが、牡羊座というのは蟹座にとっての10室である。
従って、牡羊座というのは蟹座の行為を表しており、蟹座の性質の一部と言ってもいいのである。
繰り返すと、蟹座は家族主義であり、自分の家族を守るために外敵と戦うのである。そして、蟹座からみて10室が牡羊座であることは自分の家族の安泰や繁栄のために外部の他者を制圧し、自分の支配下に組み入れるという覇権主義的な行動をするのである。
それは戦争であり、侵略であり、他者との協力的で対等な関係ではないのである。
蟹座は対等な関係というのが苦手である。
蟹座は自分の支配下に入り、自分の家族となったものの面倒を見ることだけしかできない。
そして、家族以外の人物には全く興味がないのである。従って、自己中心的な行動が特徴である。
蟹座の人は自分の家族でなければ敵なのである。だから、自分の家族でない外部の人間は制圧すべき対象ということになる。
従って、アドルフヒトラーが自分の家族であるドイツ国民やゲルマン民族の利益を第一に考え、他国を侵略して、世界征覇を目指したというのは蟹座-牡羊座の行為として理解できるのである。
ジョージブッシュは、大統領時代、彼の側近を固めた人間が、皆、新保守主義(ネオコンサヴァティブ、略してネオコン)の閣僚たちであった。
従って、ネオコンというのは、ジョージブッシュの蟹座に在住する土星、金星、水星が表示体となるような人々であると考えられる。
ネオコンは、国際連合を毛嫌いしているという特徴があり、これはネオコンは蟹座が表示体である証拠である。
蟹座にとって、水瓶座の国連は8室目に該当するため、嫌いな対象であり、苦手な対象であり、関わりたくない勢力である。
ネオコンの思想は『アメリカ新世紀プロジェクト』に見られたようにアメリカの力で世界を統治していくとする立場である。
従って、彼らネオコンは蟹座の人々であり、それがブッシュ政権を背後から操った勢力である。
テロの脅威を口実として、ブッシュ政権で成立させた愛国者法などの統制的な国民管理の法律は、ナチスの全体主義と非常に似通っており、両者には共通点が見出される。
彼らはイスラエルの安全のための外交政策を取るが、そのイスラエルも国連の決議に反対し、分離壁を築いて、パレスチナ人を締め出し、アラブ周辺国家と対立している所からすると、蟹座と牡羊座で表わされるように思われる。
蟹座は行為の10室が牡羊座になるため、戦争好きで、覇権主義なのである。
このように民族主義や右翼思想というものは蟹座-牡羊座で表わされる態度や意見表明である。
これは地域主義とか、ナショナリズムと言い換えてもいいかもしれない。
ここにあるのは、頑迷な家族主義であり、外部のものを受け入れないで、自分たちの利益を守っていこうとする態度である。
そして、実はこの過去2000年の人類の歴史とは、こうした地域主義、ナショナリズム、民族主義といった右翼思想と、国際主義、博愛主義、国連中心主義に表わされる左翼思想の対立の歴史なのである。
それは春分点が魚座から水瓶座に徐々に移動していくことによって、過去2000年に渡って、起こってきた対立である。
世界は水瓶座の社会を目指して進んできたのである。
それは、ルネサンスや、宗教改革、イギリス経験主義、大陸合理主義などの科学的思考、科学的方法論の勃興、フランス革命やアメリカ独立革命、国際銀行業の勃興などとして、いろいろな形で表れて来ている。
鳩山由紀夫は水瓶座に水星があるので、国際主義であり、国連中心主義者である。
そして、友愛によって世界を一つに統一しようとする、フリーメーソン運動の推進者でもあるのである。
その鳩山由紀夫は然し、その一方で、蟹座に土星が在住し、蠍座から木星がアスペクトし、山羊座から太陽と火星が蟹座にアスペクトしているため、民族主義者でもあるのである。
従って、彼は民族主義者の心情も理解できる人物であるし、また民族主義者との間にカルマ的関係があるように思われる。
それは例えば、ワインの会で、アパグループ会代表と、元航空自衛官・第29代航空幕僚長の田母神 俊雄氏と映っている写真でもそれがよく分かる。
田母神 俊雄は、アパグループ主催の第1回『「真の近現代史観」懸賞論文』に「日本は侵略国家であったのか」 という題名の論文で応募し、「大東亜戦争は侵略戦争ではなく、中華民国やアメリカを操ったコミンテルンによる策謀が原因である」という政府見解と異なる主張をして、責任問題に発展し、自衛隊を定年退官することになったことで、つい最近、マスコミを賑わしている。
アパグループの元谷夫妻や田母神 俊雄は民族主義者であるが、国際主義で、国連中心主義で、フリーメーソン流の友愛の思想を持つ鳩山由紀夫がこの思想的に全く隔たりがある民族主義者、国家主義者の人々と、同席して、記念撮影までしていることが不自然な感じである。
然し、 鳩山由紀夫のチャートを見ると、蟹座に土星が在住し、その蟹座の土星に対して、山羊座で高揚する火星と、太陽、そして、木星がアスペクトして、蟹座にダブルトランジットも形成している。
従って、彼は非常に蟹座が強いのである。思想的にはフリーメーソン流の友愛思想を理想主義的に掲げていても、実際には民族主義者との泥臭い関わりがどうしても生じてくるし、また自らの性格や、スタイルの中にも民族主義的な部分を色濃く残しているのである。
従って、政治家としてのスタイルは、右と左を揺れ動く、矛盾したものになるのである。思想としては国際主義的な友愛思想であっても、実際に人間関係から派生したり、自身の内に少なからず存在する民族主義者としての性質が頭をもたげてくる。
例えば、 wikipediaから引用した資料の中に、右と左への揺れ動きを示す証拠がいくつかあげられる。
政策・主張など
リベラルは愛であり、この愛は友愛である。と祖父鳩山一郎が好んで用いた友愛という言葉をリベラルの根底においている。友愛の一例としては、永住外国人への地方参政権付与を主張している。
自民党の対抗勢力たる民主党の中心人物としてリベラルを自認しているが、自ら憲法改正私案を出版するなど改憲への強いこだわり、後述の核武装論議容認などから、個人としては保守的・タカ派的な発言が多い。その背景には、好んで「友愛」という言葉を口にすることからもわかるように、祖父鳩山一郎の影響があり、とくに祖父の悲願であった自主憲法制定を自らの手で成し遂げるという思いがあるといわれる。民主党の2006年以来の「トロイカ体制」でも党内左派や野党共闘への配慮を重視する小沢一郎や根っからの市民派である菅直人との間での軋轢を報じられることがしばしばで、翌年4月の憲法改正国民投票法案への対応では与党案への反対を早々に決めた小沢・菅との確執が表面化した。
改憲論
憲法試案を作成し、自身のホームページで公開している。 その特徴としては、日本の主権の一部を国際機構に移譲する。女系天皇を容認する。などがある。
女系天皇については、月刊現代2004年7月号に寄稿した 「私の憲法改正試案いまこそ『女帝』容認のとき」でも繰り返し主張している。
歴史認識
2006年5月23日、日本共産党日本社会党と共同で国立国会図書館法の一部を改正する法律案を国会に提出。 2009年4月18日、ニコニコ動画のニコニコ討論会に出演し「日本列島は日本人だけの所有物じゃないんですから、もっと多くの方々に参加をしてもらえるような、喜んでもらえるような、そんな土壌にしなきゃダメですよ。」「日本人が世界の中で一番自信を持ってるはずなのに、なんで他国の人たちが地方参政権ひとつ持つことを許せないのかと。少なく
とも韓国はもう認めている訳ですよね。彼らが認めていて我々が認めないというのは、非常に 恥ずかしいと思いますね、私は。」「私は定住外国人の参政権ぐらい当然付与されるべきだと、そう思っています。」と発言している。
国防
1999年10月27日、東京都内で行われた講演で、先に核武装をめぐる発言で辞任した西村眞悟元防衛政務次官の問題に絡んで「核武装してもいいかどうかを国会で検討したらどうかと言った瞬間にクビを切られるとなると、国会で核をもつべきかどうかなんて議論がなされなくなる。議題に乗せることすらしてはいけないという発想もいかがなものか」と発言していた。しかし、2006年に、核保有の議論の容認発言を行った麻生外相に対し「議論すること自体が(国際社会に)間違ったメッセージを与える」と発言し、当時自民党政務調査会長だった中川昭一が非核三原則を見直すかどうか議論する必要があるとの発言を行ったことに対しては、「自民党の中川政務調査会長の非核3原則をめぐる発言はどうしても看過できない。北朝鮮が核を持つなら日本も持ってやり返すんだというような発想は断じてあるまじきことだ。議論も封印しなければならない」とまで発言し、主張を変節させた。
2004年9月15日、アパグループ代表の元谷外志雄邸での「日本を語るワインの会」に夫人を連れて参加。同席した田母神俊雄、大島信三と元谷夫妻の6人で核武装に関する議論などを行っていた。鳩山と同席者達は邸宅内外で記念写真を撮影している。なお、鳩山はこの件に関して事実関係を認めつつも、「失礼ながら余りにも私の思想とかけ離れた話をされていたので、途中でご無礼いたしたことを思い出します。」と自身の2008年11月5日付けのメールマガジンで述べている。また、「田母神航空幕僚長が、かつて日本が犯してしまった侵略行為と植民地支配を正当化する論文を発表して、更迭されたのは当然として、定年退職にしてしまったことは許せません。退職金は6千万円とも言われています。懲戒処分を受けるべき者が、6千万円貰って退職するとは言語道断です。このような処理をした政府の責任を厳しく追及せねばなりません。」と田母神を批判している。鳩山の批判に対して田母神は「ウソを言うのもたいがいにしてもらいたい。鳩山はあの日、最後まで会合に出席して楽しんでいた。彼は私や元谷代表らと一緒に、仲良く記念撮影までしている。自分がつらい立場になれば、平気で人を裏切る。そういう人間は、今後も何かあったときに必ず人を裏切ることでしょう。鳩山由紀夫は、まったく信用ならない人物です。」と述べている。
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例えば、永住外国人への地方参政権付与は、国籍、人種などに対する偏見を取り除き、永住外国人は同じ日本人として認めるという、水瓶座の国際的理想主義であり、人種や国籍にこだわる民族主義とは全く正反対の思想である。
これは、1948年12月10日、第3回国際連合総会で採択された世界人権宣言の第二条に記されている理念に一致しており、 水瓶座時代の理想である。
第二条
1 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
2 さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。
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彼の核武装論容認などの保守的、タカ派的発言は、主に民族主義的傾向のある西村信吾議員への配慮があるかもしれないが、基本的には国民を守るために強い攻撃力を保持しなければならないという考え方である。これは蟹座ラグナは10室が牡羊座になり、10室の支配星が5、10室支配の最高のラージャヨーガカラカになることから、推測されることで、外敵から家族を守るために、強力な攻撃力を維持するのが蟹座なのである。
一方、女系天皇容認論は、人は性別によって差別を受けてはならないという極めて抽象度の高い理想主義で、これも水瓶座の水星がもたらしたと推測される思想である。
さらに、既に取り上げているが、ワインの会などで民族主義者と交流しながらも、やはり、思想的に相手を受け入れることが出来ず、最終的には決裂する、右と左へ揺れ動く姿が見られるのである。
蟹座に土星が在住し、火星がアスペクトしているため、やはり、民族主義者との関係から痛い経験をすることを表しているように思われる。
政治家としての鳩山由紀夫は、ただ水瓶座に在住する水星が表す理想主義だけを表明していればいいだけではなく、泥臭い民族主義者との付き合いや、正質に潜む民族主義的な傾向も含めて、トータルに評価される必要がある。
それは、上記のように惑星や星座によって、解釈することで、明白に理解が可能である。
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鳩山由紀夫の水星は、水瓶座に在住しているので、思想的には国際主義で博愛主義である。
国境を超えて、世界は一つであり、地球は人類のためのものという思想の持ち主である。
だから彼の 「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」という主張は、「アメリカ大陸はアメリカ人だけの所有物じゃない」と言っているのと同じことである。
彼の本当の真意は、地球の資源や土地は地球人類全員に属するものだというものである。
それが、 彼が日頃、友愛と呼んでいる理想主義的博愛的な見解である。
だから、私は彼の言いたいことがよく理解できるのである。
然し、私はあまりにも理念が先走った形で、進められた改革は問題があると疑問視するのである。
何故なら、鳩山由紀夫の水瓶座の水星がもたらす友愛の思想とは、頭の中の理念であり、現実に文化的背景が異なる外国人と日々関わっている国民の生活や、それから生じる感情とはかけ離れているからである。
日本人は伝統的に単一民族に近い形で、長年、大陸から離れた島国として、周囲を海に囲まれて守られてきた民族である。
海はちょうど蟹にとっての甲羅のように、外敵から自分たちの文化を隔てて、生活してきたのである。
そうした日本人にとっては日本の国土というものは、まだ世界の人々が自由に行き来できるとは言え、まだ家庭内であり、世界に対して閉ざされたプライベートな家の感覚に近いと思うのである。そして、日本人同士が、閉ざされた家族意識を持っている面もあると思われる。
従って、世界に融合して、国境がなくなり、世界市民という感覚になり、日本の国土も世界の人々に対して開かれたものであるという感覚になるには、もう少し時間をかけたプロセスが必要なのではないかと思われる。
まだ外国に住んだり、外国に行ったりしたことがない人が多い段階では、地球全体を一つの家として見なすのは難しい面があるのである。
従って、その段階では日本の国土が日本人だけのものじゃないという普遍的、国際主義的な考えを受け入れることも難しいのである。
この面では日本は遅れていると言えるかもしれない。それは島国だから仕方がない面もあると思うのである。
国際主義や国際主義的感覚は、外国で生活したり、外国の人々と交流することによって生活の実感として自然に醸成されるものである。
頭で勉強するものではなく、本で読むものでもない。
また他国がまだ国家的戦略で行動している時に、先に国家という概念を捨てて、世界的普遍的な理想主義で生きても、他国の侵略に道を譲り、自分たちの自由を守れなくなるかもしれないため、これも賢明とは言えないのである。国家間の外交で、諜報機関が暗躍して、国益を追求している闘争の中で、普遍的な理想を生きることはできないのであり、まず、現実を生きなければならない。
またこの世界市民という感覚は経験の問題ではなく意識の問題でもあるかもしれない。
国民感情を無視して、強引に理念を先走らせることは、例えば、ドストエフスキーの「罪と罰」で描かれたラスコーリニコフの革命や正義のための殺人行為のようにどこかに無理が生じるのである。
それは「万国の労働者よ団結せよ」と言って、ナショナリズムを超えた世界の労働者の団結を訴えても、結局は、各国のナショナリズムや民族主義に労働者が同調してゆくことによって、世界的労働運動が失敗したのと同じである。
おそらく、これらは移動手段の発達によって、数分で世界のどこにでも行けるような手段が発達した時に、地縁、血縁的な地域主義的な感覚というものが全く人間の意識から消え去っていくのではないかと思われる。
いつでも地球の隅々まで満遍なく行けるような社会が到来したら、地球全体を家のように見なして、ある特定の地域に同一化することはなくなるのではないかと思われる。
そうした社会に生まれてくる人間は水の星座が少なくなり、風の星座が多くなるのかもしれない。
それは物理的条件や地縁、血縁的結び付きが、重みを持たない世界である。
然し、まだ世界の平和や国境なき世界の統一が実現していない現段階では、適度に自分の家族を守る民族主義的な感覚を維持していくのも自然なことだと思われる。
通常、人はある地域(国家)のある文化の中の家族の中に生まれるのであり、 そうした条件が、一人の人間のアイデンティティを形成するのである。
そして、その上に、国際主義的な世界市民という感覚が醸成されるのである。
地域(国家)や文化(宗教、慣習)という家族的な集団の中に生まれて、そこでアイデンティティを得た上で、国際的な世界市民となるのであり、その基盤が築かれた後でなければ、次の世界市民という感覚にはつながらないのである。この順序を入れ替えることはできない。
民族主義やナショナリズムという感情を理性によって飛び越えて、無理やり世界市民にはなれないのである。
一人の人間の中にも、こうした国際主義や普遍的な価値を理念的に追求する面と、自分の家族や身近な仲間に対する家族的な親しみや身内意識が共存しているのである。そのバランスによって、人間が成り立っている。
精神と物質と言ってもいいかもしれないし、魂とパーソナリティーと言ってもいいかもいれない、2つの矛盾するものが共存しているのである。
頭の中で、いかに抽象的で高尚な理想を掲げていても、結局は、肉体を持ち、ある文化、民族、国家の中に産み落とされてそこで育てられたという現実と、そこから形成されるアイデンティティから逃れることは出来ない。
学生の頃に、勉強ばかりしていた頃は、社会主義者であったのに、成人になってきて、いろいろ泥臭い人生経験を積んで、理想だけでは物事は動いていないことを知って、民族主義的傾向を帯びてくるのはそのためである。
(資料)
wikipedia 鳩山由紀夫
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