占星コラム


2008/9/22 オバマ対マケイン - 米大統領選挙分析

ヒラリークリントンが選挙戦から脱落して、オバマ氏とマケイン氏との一騎打ちとなったが、8/10から木星/太陽期に移行したバラクオバマ氏の独走状態かと思いきや、そう簡単にはいかず、共和党のカリスマ女性副大統領候補サラ・ペイリン氏の人気で、マケイン氏の大統領支持率が、9月初めにオバマ氏を追い抜いたのである。

それでオバマ氏は支持率が低迷する苦しさからか、ペイリン候補に対する「口紅つけても豚は豚だ」といった口汚い侮辱的な批判を行なっている。

「口紅つけても豚は豚」、オバマ氏発言に波紋
2008年9月10日19時26分 asahi.com  

【ワシントン=小村田義之】米民主党の大統領候補オバマ上院議員が9日、共和党の正副大統領候補のマケイン上院議員とペイリン・アラスカ州知事が掲げる政治の「変革」について「口紅をつけても豚は豚だ」と切り捨てた。ペイリン氏への侮辱ではないかと物議を醸している。  米メディアによると、オバマ氏はバージニア州での遊説で、マケイン氏を「ブッシュ大統領と同じだ」と攻撃。その変革は表面だけだとして「豚に口紅」「腐った魚を紙に包んでも(ブッシュ政権の)8年の後では、やっぱりくさい」と決めつけた。  ペイリン氏は3日の指名受諾演説で「私は(子どもをアイスホッケーに通わせる)ホッケーママで、ピットブル(闘犬の一種)との違いは口紅だけ」と自己紹介した。オバマ氏の発言はこれを踏まえたものと見られ、マケイン陣営は即座に電話会見で「候補の中で口紅をつけるのは1人しかいない。オバマ氏はペイリン氏を豚と呼んだ」と激怒、謝罪を求めた。  だがオバマ陣営は「よくある例え話」と涼しい顔。昨年、民主党のヒラリー・クリントン上院議員の新たな医療保険改革案についてマケイン氏が「豚に少し口紅を塗ったところで、豚は豚だ」と発言していた、と反論している。

発言が飛び出した9月10日のダシャーは木星/太陽/月期で、木星から見るとアンタル太陽は8室の支配星で、プラティアンタルの月はラグナから8室に在住している。

8室は中断、変化、停滞などを表し、また支配者を表している。従って、彼は今まで順調だった大統領就任への道程の雲行きが急に怪しくなってきて悩み出したのである。この頃、トランジットの太陽がマハダシャーロードの木星から8室をトランジットしており、8/15〜9/15日までは太陽が獅子座をトランジットしたため、この時期にオバマ氏の支持率が低迷したようである。

しかし、太陽が獅子座から乙女座に抜けた9/15以降、17日に行なわれた米世論調査機関の調べによると、オバマ氏が再度、マケイン氏を逆転したようである。この辺り太陽の星座の移動のタイミングと一致しているため、非常に興味深いのである。

オバマ氏が支持率で再逆転
2008年9月18日9時48分 国際ニュース  

米世論調査機関ギャラップが17日発表した大統領選の全米支持率で、民主党のオバマ上院議員が、共和党のマケイン上院議員を47%対45%で2ポイント上回り、今月初めの共和党大会終了直後からマケイン氏が保っていたリードを奪い返した。  米証券大手の経営破たんや保険大手の政府救済を受け、有権者が金融危機対応への期待度でオバマ氏に軍配を上げた結果とみられる。共和党初の女性副大統領候補として話題を集めたペイリン・アラスカ州知事によるマケイン氏の支持率浮揚効果は約2週間で相殺された。  共和党の目指す「小さな政府」路線に立つマケイン氏は従来、政府の規制強化や公的資金注入に消極的だった。しかし17日に出演したABCテレビやミシガン州での演説では、保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)への850億ドル(約8兆8700億円)の融資について「望ましくはないが、退職者や契約者の生活がかかっている」と容認。「誤った規制を廃止し、効果的な規制を設けるべきだ」と軌道修正を図った。  調査は14日から16日にかけ約2700人の有権者を対象に実施。同社の9月上旬の調査ではマケイン氏が最大5ポイント優位に立っていた。

オバマ氏のアンタル太陽は、マハダシャーの木星からみて8室を支配しており、太陽期に民主党に正式に指名され、確かに目立っているのであるが、木星からみて8室の支配星の象意からか、今一つ伸び悩んでいるというのが実情であり、独走態勢とまでは行かないようである。 これはダシャーロードをラグナとする技法が重要であることを物語っている。

また、木星からみた8室に土星と木星がダブルトランジットしており、オバマ氏にとってはラグナから10室の太陽という側面に加えて、8室の象意が強調されているようである。

つい最近、アメリカ大統領選挙に注目している方から、現時点での大統領選への感想を聞いた所、やはり、当初、カリスマ性を感じていたオバマ氏に疑問を感じたり、ペイリン氏が登場して来た共和党の方をより応援したくなったという意見を聞かれたのである。それはちょうど9月15日辺りでまだ太陽がオバマ氏のマハダシャー木星からみた8室獅子座をトランジットしていた時期である。

その後、その人がどのように意見を変えたかは分からないが、太陽が獅子座をトランジットしていた8/15〜9/15ぐらいの間は、オバマ氏の人気が低迷して、ペイリン氏が登場した共和党により新鮮味を感じる傾向があったようである。

然し、9/15を過ぎて、太陽が乙女座に入室した辺りから、リーマンブラザーズ倒産などサブプライムローン危機に対する現共和党政権への批判から、支持率が再び低下して苦境に陥っている。

マケイン氏に焦り=金融危機、ペイリン効果相殺

2008年9月20日(土)16:30 [時事通信社]  

【ワシントン20日時事】米共和党の大統領候補マケイン上院議員が焦りを見せている。金融危機の深刻化で国民の批判の矛先が政府と同党に向けられ、ペイリン副大統領候補の起用で上向いていた支持率も民主党のオバマ上院議員に逆転を許した。マケイン氏は規制緩和の持論を捨て、金融業界への規制強化策を打ち出すなどして何とか挽回(ばんかい)を図ろうと必死だ。  証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)した15日以降に実施された主要世論調査で、オバマ氏の支持率はマケイン氏を最大5ポイント差でリード。今月初旬の共和党大会直後の調査では、「ペイリン効果」でマケイン氏が優位に立ったが、金融不安の高まりで相殺された。ディアジオ社の調査で、「経済のかじ取り」の支持率はオバマ氏47%、マケイン氏36%だった。 


ペイリン氏については出生時間を0:00から23:59のいずれに設定しても現在、マハダシャー木星期である。

彼女は副大統領候補に選ばれてから、連日メディアの注目を浴び、ファッション誌VOGUEの表紙を飾るなど女優並の扱いを受けている。

彼女が突然、メディアに華々しく登場し、華やかなカリスマ性を振りまいていることについては、月、太陽から見た5、10室支配の金星が3室で高揚している象意だと理解できる。従って、現在、木星/金星期である可能性は十分に高いと言える。
彼女の月、太陽から見て8室に土星と木星がトランジットしており、やはり彼女も副大統領候補となってから順風万歩とは行かず、wikipediaによれば、知事時代の職権濫用疑惑などが掘り返されているようである。

もし彼女が現在、木星/金星期だとすると、金星は木星からみて3、8室支配で、1室で高揚しており、メディアから注目されると共に、8室の象意によって、過去をほじくり返されて、悪意ある対立候補の中傷攻撃に晒される可能性が出ているのである。

彼女の次男トリグが実は、長女ブリストルの子供ではないかという子供に関するスキャンダルを抱えているが、このことについては民主党は攻撃しない予定だという。
これはおそらく8室支配の金星がこうした子供絡みのスキャンダルを表していると思われ、その8室支配の金星が子供の表示体の木星と接合しているからではないかと思われるのである。

そして木星の精神性により8室支配の金星の象意が減殺されて、民主党がこの子供のスキャンダルのことでは攻撃を仕掛けないという結果につながっているものと思われる。

 

サラ・ペイリンの子供たち
名前 生まれ年(年齢) 備考
長男トラック誕生 1989年 (19歳) 2007年9月11日にアメリカ陸軍に志願入隊した
2008年9月11日からイラクに派遣される予定
長女ブリストル誕生 1991年 (17歳) 2008年9月1日、ブリストルは妊娠5ヶ月で、ブリストルはその子を出産する予定で、その子の父親とも結婚する予定
次女ウィロー誕生 1994年 (14歳)  
三女パイパー誕生 2001年 ( 7歳)  
次男トリグ 生後4ヶ月 本当は長女ブリストルの子ではないかと言われている



オバマ氏は木星/太陽期が終わると、今度は木星/月期であるが、月はラグナから8室に在住している。
現在のマハダシャー木星期において、アンタル太陽の8室の象意に晒されている。

然し、大統領就任式のある2009年1月20日のダシャーが木星/太陽/土星期であるが、土星はラグナからみても月からみてもラージャヨーガカラカで、ラグナから4室、月から9室に在住して、昇進のヨーガであるラージャヨーガを形成している。これはまさにホワイトハウス(4室)入りして、大統領に就任して、社会的な昇進を果たすことを表している。

一方、マケイン氏も月が山羊座にあり、8室にダブルトランジットが形成されている。
現在、土星/木星期であり、木星は土星からみて10室に在住しているが、この木星はそんなに強い配置とは言えない。

また大統領就任式がある2009年1月20日のダシャーが土星/木星/ラーフ期であるが、4室射手座に在住するラーフは特に強い配置でもなく、木星からのアスペクトを受けておらず、特に何のラージャヨーガ(昇進のヨーガ)も形成していないのである。

共和党副大統領候補のサラペイリン氏は今がもし木星/金星期であるとすれば、大統領就任式の時点でも木星/金星期である可能性は高い。彼女についてはマスコミに露出して知名度が上がっている段階で十分に社会的成功と言えるのではないかと思われる。彼女の強い3室によって今後も大統領選を通して、彼女自身がメディアで成功することを表していると思われる。(サラペイリン氏のラグナについては検討中)

オバマ氏、マケイン氏の両者とも8室の影響を受けているが、大統領選というものは、互いに相手の弱点を暴いて中傷する露骨な闘争であり、そうした敵陣営の攻撃に晒されるときは、敵に支配されているということができ、その時には8室の影響を受けている可能性を示唆するのである。

オバマ氏とマケイン氏の両者を見ると、やはり、最終的には苦しみながらもバラクオバマ氏が大統領になるのではないかと思うのである。

オバマ氏の場合は、木星/太陽期、木星/月期と、一貫して、連続性があるのである。
アンタルダシャーが10室在住の太陽、10室支配の月と続くのである。

マケイン氏は2009年4月30日から水星/水星期にシフトするが、水星は乙女座でバドラヨーガを形成して、10室支配で1室に在住して強い配置である。然し、この状態への変化が4月30日からの変化では遅すぎるのである。その前に既に1月20日の時点で強いラージャヨーガの象意を発揮していなければならない。それがないマケイン氏はおそらく大統領に就任しないのである。

従って、バラクオバマ氏が大統領に就任すると解釈できる。

因みにバラクオバマ氏は、即時撤退と主張していたイラク戦争の撤退期間をある程度、延長したり、アフガニスタンがテロとの戦いの主戦場と位置づけたり、アメリカの支配層の意見が色濃く反映してきた印象を受けるのである。

当初の誠実さや新鮮味を感じた彼の政治に素人っぽい情熱だけが優先しているといった印象はもはや薄れ、様々な利益団体や支配層の意向などの力に現実面で妥協していく、普通の政治家になってしまった印象である。

彼はゴールドマンサックスの社員から莫大な個人献金を受け取っているようにニューヨークの金融財界の意向を受けてある程度、政策を決めなければならないのではないかと思われるのである。

歴代の大統領はほとんど政策を自分の意思だけで決めることが難しいようであり、支配層の意向を反映せざるを得ないようである。そうした意味で、バラクオバマ氏の木星/太陽期というものが、木星からみて8室支配の太陽というのが、そうした意味ではないかと思うのである。彼はアンタル太陽期になって、ヒラリークリントンとの戦いに勝利して、指名を獲得してから、現実に対する妥協が見られるのである。その現実に対する妥協とは、言い換えれば、支配層の要求に妥協するということである。つまり、それは8室の象意を表していると言えるのである。


(参考資料)

wikipedia バラク・オバマ
wikipedia ジョン・マケイン
wikipedia サラ・ペイリン