占星コラム


2008/9/7 俳優・柳楽優弥の急性薬物中毒について

柳楽優弥は2004年5月に映画「誰も知らない」で、 第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞して、一躍、脚光を浴びたのである。

カンヌ国際映画祭という映画界の権威から認められて、彼は無名の人物から 国際的な評価を受けた俳優として世間にデビューしたといえる。
然し、その後、彼は主演を何回か務めるも、映画がヒットせず、最近は仕事にも 恵まれていなかったようである。

ネット上で彼の自殺未遂騒動について業界関係者がいろいろ意見を述べているが、 彼のようにあまりにも早くに高い評価を受けてしまったことに対して、 同情に近い気持ちを示す人もいるようである。

高い評価を受けた後の現実とのギャップに悩んで行き詰りを感じていたのではないかという意見が 多いようである。

それで、今回の自殺未遂も本人は否定しているものの現在の境遇に対する行き詰まり感に よる失意が引き起こしたと見られている。 おそらく世間もそのような見方をしているのではないかと思われる。

確かに一度、高い評価を受けてしまうと、その後は、その高い評価を受けた自分を振り返り、その記憶に執着することが多くなってしまうのが実際のところではないかと思われる。 過去の栄光が捨てられないで自分をリセットすることが出来ないために、 過去の自分を継続させることに没頭してしまうのである。

それは、現在の自分の現実が受け入れられないことを意味する。

通常、まだ人生の早い段階では目標が定まらないのが普通であり、 青春期を通じて、模索する中で、ようやく自分の性格、能力、興味の対象などが分かってくるのである。 自分のアイデンティティがゆっくりと形成され、将来の方向性や適職などが見つかるのである。 そしてさらに自分の適職や興味の分野に仕事として取り組む中で、長い実践経験を積み上げて、 最後に得られるものが、権威からの受賞(評価)であり、世間からの評価である。

つまり、長いキャリア、業績(10室)の後に得られるものが評価(11室)なのである。

しかし、彼の場合はいきなり、カンヌ国際映画祭主演男優賞という最高権威からの評価を受け、 その後で、その評価を基にしてアイデンティティが形成されたのである。

普通は、青春期に道に迷いながら、アイデンティティ(自己同一性)を確立した後で、人生の中盤、及び最後にやってくるのが社会的成功、社会的評価(11室)である。

彼の場合は社会的評価(11室)を受けて、それが彼のアイデンティティ(自己同一性)を形成したのである。

自己同一性

自己同一性(じこどういつせい、セルフ・アイデンティティ(Self Identity))とは、自分は何者であり、何をなすべきかという個人の心の中に保持される概念。自我同一性(じがどういつせい)ともいう。エリク・エリクソン(E・H・Erikson、1902年- 1994年)による言葉で、青年期の発達課題を語るキーワードである。 (以下省略)

(wikipediaより引用抜粋)


つまり、権威から評価されたから、自分の進むべき道は俳優なのだということになる。

通常の人がたどるような、夢を追って努力して一定の業績を積んで、 最後に獲得した評価ではないのである。

努力や試行錯誤、模索の過程がほとんどなく、 ”友達が所属していて楽しそうだった”という理由で芸能事務所入りし、
素人を抜擢した映画のオファーが一発で、主演男優賞を獲得したのである。

夢が現実的な目標として醸成し、キャリアの中で実現されていく過程なく、 突然、評価の方を先に受けてしまったのである。

これは裕福な家に生まれたり、親や代々の家系が有名な政治家とか文化人で、 飛びぬけて高い社会的評価を受けており、その七光りを受けて自分に何も実績がないのに その親の子どもというだけで評価されてしまうような、本人の努力や模索がないのに、 生得的に何か社会的評価を受けているような状態にある人が陥りがちな病であり、 かなり深刻な病である。

その病に陥っている人は、その後は権威や世間の評価に自分を合致させるように 努力していくが、それは自分の内側からの欲求に従うというよりも、外部からの他者からの評価を気にするナルシズム的な自己喪失なのである。

自分が受けた評価が高ければ高いほど、そのナルシズム的に形成されたアイデンティティ (自己イメージ)を維持するための努力も並々ならぬ強迫感に満ちたものとなるのである。

そして、高い評価によって作られた自己イメージに自分の現実が追いつかないと 挫折することになるのである。

彼がアイデンティティの確立に失敗していることを示すのが、以下の記事にも書かれているが、 押尾学の影を追っているという事実がある。

柳楽優弥の自殺未遂報道に“兄貴分”押尾学は何思う……  

俳優の柳楽優弥が29日午前2時半頃、東京品川区の自宅マンションで睡眠薬などを100錠以上を大量服用し、一時は重体に陥るなど、緊急入院していたことが判明した。 親と口論になり、衝動的に自殺未遂を図ったのではないかという見方が強い。 「2004年に弱冠14歳で、カンヌ映画祭の最優秀主演男優賞なんていう大それた賞をもらっちゃって、本人が大俳優だと勘違いしてしまった。なのに、その後の作品では泣かず飛ばずだったでしょう。そのためその後はプレッシャーを感じるようになり、イラだちも募っていたようです。撮影スタッフと衝突することはしょっちゅうだったし、監督に従わないこともあった。でも周りは誰も注意できなかった」と明かすのは事情に詳しい映画関係者だ。柳楽はカンヌ受賞作『誰も知らない』(監督/是枝裕和)以降、3本の映画に主演していたが、いずれもヒットには恵まれていなかった。 柳楽自身も、何か壁にぶつかっていると感じていたのだろう。そこでお手本にしたのが、ドラマ『クニミツの政』(03年/フジテレビ)で共演して以来、柳楽が「尊敬している」と公言していた押尾学だった。
矢田亜希子との結婚に周囲からの猛烈な反対に遭いながら信念を貫き突き進み(記事参照)、芸能界を干された後、単身米国に飛び、ついにはエイベックスという大手に移籍した。俳優と歌手の両立を果たしながら頑張っている押尾に見習おうと、「今年に入ってからボイスレッスンも開始していた」(前同)という。実際、柳楽は近々歌手デビューをする予定だった。ところが、ある理由でミュージシャンへの道へもストップがかかってしまった。 これも押尾の影響といわれていますが、18歳にして体にタトゥーを入れてしまった。それも背中や腕や足首など、複数の箇所にいろいろな柄を彫ってしまったそうなんです当初は押尾の紹介でレコード会社から歌手デビューする計画も、このタトゥー問題で延期になったそうんなんです」
(音楽関係者)  さらには、最近交際していたある女性との関係を親に反対されたそうなのだ。今回、親と口論して勢いあまって自殺未遂したといわれるが「そのケンカの原因は女性との交際を反対されたことも一因だ」(前出音楽関係者)という。デビュー当初は人見知りで無口だったが、最近では取材に対して大胆な態度を取ることも多く、報道陣から「押尾化してきた」などと心配されていた柳楽。彼の思春期に多大な影響を与えた押尾学は、今回の薬大量服用報道を受けて何を思うだろうか。

日刊サイゾー 2008/8/31 9:00


記事によれば、彼はドラマ『クニミツの政』で共演した押尾学の真似をして、歌手デビューしようと、 ボイスレッスンを始めたり、背中や腕や足首など、複数の箇所にタトゥーを入れたそうである。

人の真似をしていることは、その人が、まだアイデンティティ(自己同一性)を確立していない証拠である。

自己同一性を確立するプロセスとは、他の誰でもない自分自身になるというプロセスであり、他者の影響を識別して、自分自身の性格、興味、嗜好、欲求、感覚、能力などに気づいて行き、将来の方向性や適職などを見つけて行くプロセスである。

彼はまだ他人の影を追っているのであり、他人を理想化して、同一視する段階にいるようである。

この段階は誰でも通過するとはいえ、いずれはこの段階を卒業して、自分に起源するオリジナルなものを見つめて、それを表現していかなければならない。

彼が自己同一性の確立に苦労していることが上記の記事から分かるのである。

元モーニング娘の加護亜衣が、彼の自殺未遂に共感して、同情しているが、彼女も若くして、アイドルとして、あまりにも早期に社会的評価(11室)を得てしまったために、その後のアイデンティティの確立に苦労したのである。そうした経験からの共感なのではないかと思われる。

柳楽優弥や加護亜衣のように若くして社会的評価(11室)を受けた場合、後から、自我同一性の確立がやってくるのである。しかも最初は自分の社会的評価が強烈であるがために、その強烈な自己イメージに惑わされ、翻弄されて、自分を社会的評価に合わせようとするのであるが、やがて、本来の自分になる必要性に目覚めるのである。加護亜衣の場合、その社会的評価と作られた自己イメージに反発するものとして、リストカットや、喫煙、モーニング娘脱退という形で現れたのだろうと思われる。

彼女はモーニング娘としての社会的評価を覆すような不良の行動を取ることによって、社会的評価を修正し、本来の自分自身の等身大に近い評価へと近づけたのである。そうすることによって、彼女はアイデンティティの危機的状況を乗り越え、より自然体で生きることが可能になったと言える。

加護、柳楽優弥の自殺未遂に「気持ちわかる」

2度の喫煙騒動で昨年3月に所属事務所を解雇され、4月に芸能活動を再開させた元モーニング娘。の加護亜依(20)が30日、大阪市内の書店で、対談エッセー集「LIVE〜未成年白書〜」の発売記念サイン会を行った。  未成年者との対談形式で、謹慎中のことなどをつづっている。その謹慎中には手首を切った経験があるだけに、会見では俳優、柳楽優弥(18)の自殺未遂騒動にも触れ、「私もそうだったけど、悩みを聞いてくれる人がいないとシャットアウトしてしまう。柳楽くんもいろいろ重なってしまったのでしょうか。かわいそう。私も同じようなことしてるのでダメとはいえないけど、気持ちはわかる気がする」と気遣っていた。

[サンケイスポーツ iza β版 2008/8/31]
加護ちゃん「頑張って」柳楽優弥にエール

元「モーニング娘。」の加護亜依(20)が31日、都内でエッセー集「LIVE〜未成年白書〜」(メディア・クライス)の発売記念イベントを行った。未成年者の話を聞いて悩みを解決する内容。自身もリストカットしたことを告白しているが、薬を大量に服用して病院に搬送された俳優の柳楽優弥(18)について「芸能界はいろんな人に見られてプレッシャーがあるし、いっぱいいっぱいになる気持ちは分かります。でも若いし、頑張ってほしい」とエール。

[スポニチ Sponichi Annex 2008年09月01日]

このように若くして、いい家柄に生まれたり、親が有名人で親の七光りを受けてしまったり、 幼くしてアイドルとして有名になったりして、あまりにも早期に社会的評価を受けすぎた人は、 その後の人生に苦労するのである。

親や家柄、社会的イメージ(評価)などの強力な影に捉われて、身動きできなくなるのである。

これらの象意は全て11室の象意であり、11室の象意の中で身動きできない状態だと言える。

以上が柳楽優弥の現在の苦境に対する心理学的な洞察であるが、ジョーティッシュのロジックで彼のチャートを検証すると、この心理学的洞察を裏づけるような結果が得られたのである。

◆    ◆    ◆


まず、柳楽優弥の出生時間が分からないため、以下のように3パターンの出生時間を設定して、 ダシャーバランスについて検討するのである。

これは全く出生時間が分からないチャートの出生時刻を確定していく場合に、 用いるべき最初のステップであると思われる。

まず、以下のように23:59、0:00、12:00に生まれた3パターンのチャートを作成してみたのである。

そして、彼がカンヌで主演男優賞を受賞した2004年5月のダシャーと、 薬物中毒に陥った2008年8月29日のダシャーを比較検討するのである。

【23:59 生まれに設定した場合】
2004年 5月20日 カンヌ主演男優賞 水星/金星
2008年 8月29日 薬物中毒(自殺未遂?) 水星/月
【00:00 生まれに設定した場合】
2004年 5月20日 カンヌ主演男優賞 土星/水星
2008年 8月29日 薬物中毒(自殺未遂?) 土星/金星
【12:00 生まれに設定した場合】
2004年 5月20日 カンヌ主演男優賞 土星/月
2008年 8月29日 薬物中毒(自殺未遂?) 土星/木星


まず、この3つの出生時間を比較検討して決めなければならないことは、 彼が上記の2つの出来事の間、土星のマハダシャーにいたのか、 水星のマハダシャーにいたのかということである。

月、太陽をラグナとすると土星は11室支配で11室に在住しており、 強い11室の象意を表しているが、水星は4、7室の支配星で1室で減衰している。 彼がカンヌでグランプリ受賞したのは飛びぬけて高い評価であり、受賞であり、 これは11室の象意である。従って、彼が受賞したのはマハダシャー土星期で あったと考える方が妥当である。

そして、マハダシャーが土星であると考えると、土星をラグナとした場合に、 アンタルダシャーの惑星も11室の象意を示していると考えられるのである。 そこで12:00で作成したチャートのダシャーバランスを参考にして検討していくと、 土星/火星期におそらくカンヌの主演男優賞を受賞したと推測されるのである。

火星は月、太陽からみて9室支配で11室で高揚しており、11室の受賞、評価という 象意において強力な幸運(9室)が期待できる配置である。マハダシャーも11室の支配星で、アンタルダシャーも11室の象意を示し、 両者が絡んで、強力に11室の象意が顕現してくることが期待できる。

この考え方で、主演男優賞を受賞した2004年5月を土星/火星期に設定すると、 ラグナが蟹座となり、火星は5、10室支配の強力なラージャヨーガカラカとなる。

このようなことから、この土星/火星期に受賞したと推測することが出来る。

2004年5月20日のカンヌ映画祭主演男優賞受賞を土星/火星期に設定すると、 ラグナが蟹座プナルヴァスとなり、出生時間がPM 12:15 前後となり、以下のようなチャートとなる。




蟹座プナルヴァスというと、彼がカンヌ映画祭の主演男優賞を受賞して、記者会見でインタビューされた時のことだが、見たい映画を聞かれて、「世界の中心で愛をさけぶ」と当時流行の映画を挙げた、そのあまりにも普通で子どもらしいミーハーな回答に記者の失笑を買ったことを思い出す。あの場面での、のん気な回答は、いかにも蟹座プナルヴァスらしい回答であったと思うのである。

また、彼はカンヌの授賞式の時に女優のエマニュエル・ベアールから「彼を抱きしめたい」と言われたくらい、女性の母性本能をくすぐるキャラクターでもあるところからすると、彼が蟹座プナルヴァスであることを示しているように思われる。

柳楽の演技に国際的女優ベアールも絶賛!    

カンヌ映画祭で男優賞を受賞した柳楽(やぎら)優弥(14)が17日、第14回フランス映画祭横浜(パシフィコ横浜、20日まで)の開幕式にゲストとして登場した。今回のフランス代表団団長で、カンヌの審査員も務めた女優エマニュエル・ベアールから「カンヌでは審査員の誰もがヤギラにひとめぼれして、心奪われた。女性として母として、彼を抱きしめたい」と絶賛された。国際的女優からステージで情熱的に抱きしめられた柳楽は「みんなで努力した映画なので賞をもらってうれしい」。(日刊スポーツ) 2004/5

2004年5月にカンヌ国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞したときが土星/火星期に入った頃だとすると、8月25日に「文化関係者文部科学大臣表彰」を授与された時も、10月5日に『TIME』誌アジア版で「2004Asia's Heroes」に選出された時も、土星/火星期である。

2004年 5月 第57回カンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を史上最年少(14歳)で受賞 土星/火星
8月25日 「文化関係者文部科学大臣表彰」を授与される  土星/火星
10月5日 『TIME』誌アジア版で「2004Asia's Heroes」に選出される 土星/火星


「文化関係者文部科学大臣表彰」も『TIME』誌アジア版で「2004Asia's Heroes」に選出されたことも明らかに11室の象意であり、飛びぬけて高い地位、受賞(評価)を表している。

その後、2005年6月ぐらいから土星/ラーフ期に変わるが、この土星/ラーフ期に立て続けに、主演で映画に出演している。しかし、いずれの作品もふるわず、映画に主演するという結果は、残しつつも、伸び悩んでいた時期とも言えるのである。何かカンヌで受けた栄光を再現、継続しようとして貪欲に映画に出演しているかのような印象である。

2005年 7月16日 『星になった少年』で主演する 土星/ラーフ
2006年 9月16日 『シュガー&スパイス 風味絶佳』で主演する        土星/ラーフ
2007年 7月7日 『ジーニアス・パーティ BABY BLUE』で声の出演/主演する 土星/ラーフ
  9月15日 『包帯クラブ』で主演する 土星/ラーフ


ウパチャヤの凶星は、努力や忍耐や集中を通して、だんだんと時間の経過と共に状況が改善していくのであるが、11室の凶星の場合、最初から成功するようである。

その事例が、柳楽優弥の11室のラーフであり、彼が土星/ラーフ期において、1年に1〜2本のペースで次々と映画の主演を務めたことを表しているのではないかと思うのである。

ラーフは依然として11室に在住して貪欲に世間の評価を求めているのである。

その後、そうした主演作に次から次へと貪欲に出演できた時期も終わり、現在、柳楽優弥は、 おそらく土星/木星期にいるのではないかと思われる。

今回、ラグナを蟹座プナルヴァス第4パーダへ設定したが、そのダシャーバランスでは、 2008年5月から土星/木星期に移行している。

2008年 体調を崩し、仕事を減らす    土星/木星
8月29日 都内の自宅マンションにて安定剤を大量に服用し急性薬物中毒で倒れる  土星/木星


彼は体調を崩して仕事を減らしているとのことである。

木星は6、9室支配で12室に在住し、ダシャーロードの土星から見ると、3、12室支配で、 6室に在住している。木星は6室や12室のドゥシュタナハウスに在住して、今までの社会的 評価を求めた映画業界での貪欲な活動(11室)から離れて、少し家に閉じこもり気味(12室) になり、人生の意味とか目的とかそうした哲学的、宗教的問いかけをするような時期かもしれず、 そうした教師を求める時期かもしれない。

また3室支配の木星が6室に在住することから、彼の演技やパフォーマンス(3室)が自分の 思い通りに上手く出来ない状況(6室=障害)にあることを示唆している。

そして、昨年2007年7月頃から土星が2室の獅子座に入室し、11月22日から木星が 射手座6室に入室して、2室にアスペクトし、2室に土星と木星がダブルトランジットしている。

この獅子座は月、太陽からみて6室であり、マハダシャーロードの土星からみて8室である。

このように現在、彼が6室、8室、12室のドゥシュタナハウスの象意によって苦しめられていることが分かる。
つまり、病気(6室)、中断、変化(8室)、隠遁、監禁(12室)の状況にあり、 今までの活発で社交的で多くの人たちと社交する状況(11室)ではなくなっているようである。

因みに彼が今回、睡眠薬を大量摂取したのは2室に土星が入室し、2室でダブルトランジットが生じているからかもしれない。何か口に入れるもの(2室)に関する事柄が関係してくるのである。

また今回、睡眠薬を大量摂取したのは親との口論が原因と記事に書かれているが、日刊サイゾーの2008/8/31の記事によれば、女性との交際を反対されたことも一因のようである。

・・・さらには、最近交際していたある女性との関係を親に反対されたそうなのだ。今回、親と口論して勢いあまって自殺未遂したといわれるが「そのケンカの原因は女性との交際を反対されたことも一因だ」(前出音楽関係者)という。・・・ (日刊サイゾー2008/8/31)より一部抜粋

土星/ラーフ期に立て続けに主演映画に出演したのであるが、土星とラーフは共にラグナから7室に在住しており、土星/ラーフ期は対人関係や女性関係が激しくなった時期であるとも考えられる。

映画の共演者を初め、スタッフや、業界関係者など、様々な人と知り合いになる機会があり、その過程で、山羊座のラーフに該当するような女性と知り合ったかもしれない。

然し、山羊座ラーフの女性は世俗的で物質主義的であり、あるいは外国人などを表すが両親としては容認できない相手であったかもしれないのである。

両親の反対によってそうした女性との付き合いも土星/木星期には解消していたかもしれない。

土星/木星期は6室の象意が複数回出て来るため、やはり、パートナーとの別離を表しているからである。 もし蟹座ラグナで正しければ、柳楽優弥の7室には土星、火星、ラーフ、金星と4つの惑星が在住し、そのうち、3つが凶星で7室を傷つけている。一つはパートナーの表示体の金星である。

従って、彼は女性関係が激しくなりそうであるが、その相手は技術職に携わっていそうな業界関係者の女性といったイメージである。華やかな女優とか共演者とかいう感じではないようである。

だから両親も何故、そうした相手と付き合わなければならないのかと反対するのかもしれない。
これはあくまで予想であるが、山羊座で凶星から傷つけられた金星による印象である。

そして土星は8室を支配して7室自室で強く、8室は束縛、支配を表している。
ヴァルゴッタマで強い7室在住の土星が表示する実務的、実際的な女性から支配されて、束縛されるという傾向があるかもしれない。

そして、パートナーのカラカである金星がパートナーの7室に在住しているので、 彼はパートナー関係で過剰にエネルギーを消費してしまう傾向が見られるのである。

今後は、

・2009年1月に木星が山羊座に入室し、木星が6室から7室へ移行する

・2009年9月に土星が乙女座に入室し、ラグナから3室、土星から9室に移行する

・2010年11月から土星/木星期から、水星/水星期に移行する



この上記の順番で状況が改善していくことが予想される。

2010年11月から水星/水星期に入ると、水星はラグナからみて3、12室支配で9室で減衰しており、月、太陽、マハダシャーロードの水星からみて、4、7室支配の水星が1室で減衰している。

水星は3室の支配星で特別な法則でラージャヨーガ的に働く要素が見られるため、今後も表現者として、メディアに露出して活動して、一定の結果は残せるかもしれないが、9室はキャリア中心ではなく、人生の目的を追求する精神性のハウスである。9室は教師のハウスであるため、3室支配の水星が9室に在住していることから、教師について演技指導を受けるかもしれない。また9室や12室は外国を表すため、海外で表現する機会も増えるかもしれない。

社会的評価、称号、受賞を表す11室支配でヴァルゴッタマで定座に在住した強いマハダシャーの土星期が終わったのだが、彼はこの過去の栄光の恩恵を受けながら、今後も表現者として生きていくことと思われる。水星から見ると11室に惑星集中しており、やはり、彼の活動の舞台はカンヌでの成功で始まった映画界であり、映画界のメンバーとしての立場は失わずに今後もその一員として一定の評価を受けて活動していくことと思われる。9室は地味なハウスであり、目立つハウスではないが、結婚し、配偶者と普通に生活していくことと思われる。


因みに11室の象意を表す国民栄誉賞に関する興味深い話がある。

wikipediaによると、今までに辞退者が3人いるそうである。

そのうちの一人は、プロ野球選手の福本豊選手で1983年6月当時の世界記録となる通算939盗塁を達成し、中曽根康弘首相から国民栄誉賞の授与を打診されたが、「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」と固辞(本人談)したそうである。

また、プロ野球のイチロー選手も2001年10月、小泉内閣がメジャーリーグで首位打者となったことに対して打診したが、「国民栄誉賞をいただくことは光栄だが、まだ現役で発展途上の選手なので、もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたい」と固辞したそうである。(あともう一人いるようだが詳細不明のため省略)

非常に11室の評価、受賞についての本質をとらえているエピソードである。

こうした世間や権威からの評価を表す受賞はまだ現役で仕事をしている人間にとってはやっかいなものであり、上記の2人はそれを直感的に感じたのだろうと思われる。

これらの賞をもらうときはもう引退した後か、既に仕事における業績のピークを過ぎた後にもらうべきものである。

おそらく評価(受賞)を受けてしまうと、人間はそれにしばられるようになり、自意識過剰になり、評価を受けた自分を模倣するようになるのである。

そうなった時、その人の創造性は失われ、自由を失うのである。だから人は評価されないうちが華であり、評価されると悲劇が待っているのである

それはつまり、転落の恐怖であり、失うことの恐れである。富や評価に執着し、それにしばられてしまうのである。そうした危険は11室が強い人におとずれるのではないかと思われる。11室は欲望を表す3、6、11室のトリシャダハウスに属しており、ジョーティッシュでは凶ハウスに分類されるのである。

これは誰でもが陥る罠であり、人から評価を受けて、自分の自我が満足して、自我が肥大する時に要注意である。そのときが他者の評価に条件づけられ、自由を失った自分を発見するときである。

とにかく評価されないうちが最も、創造的で自分らしくふるまえる時である。評価というのは終わりを表しているのであり、次に続く12室(損失)の準備段階である。最も創造的な仕事をした時期が、過ぎ去った後の停滞であり、余分な時間なのである。達成したものを楽しむ時期とも言えるかもしれないが、既に停滞が始まっているのである。だから評価というのは仕事をし終わった後の晩年にもらうのが通常である。内閣総理大臣が任期を終了した後に「大勲位菊花大綬章」などの勲章に与かるのはそのためである。

通常、11室のステージに立ち、評価を受けた人は、一つの人生の終わりの段階を意味しているのであり、その後は12室→1室へと続く、死(全てを失う)と再生(誕生)が待っているのみである。

高い名誉、栄誉を受けた人がその後は特に仕事などはせず、その業績の余韻を残しながら、死を待つ晩年を過ごすようなイメージである。そうしてまた誕生し、新たに人生を開始するのである。

柳楽優弥の場合、何故、人生の最も早い段階で、ほとんど努力なしに評価を受けられたかと言うと、私が推測するに(違うかもしれないが)、彼は前世を通じて努力、実践を積み上げており、評価を受ける段階に到達していたのではないかということである。それでいきなり人生の早期に評価を受けたのである。だから彼の場合は、生きている間に生まれ変わらなければならないのかもしれない。
11室は5室の対向のハウスであり、5室は前世の徳のハウスであり、前世の徳により、もらう受けた今生の才能のハウスである。

その5室の影響を受けているという意味で11室というのは、前世と今生を含めた努力と実践(仕事)の集大成であり、その結果としての評価なのではないかとも思えるのである。


西暦 年月 出来事 ダシャー トランジット
2002年 友達が所属していて楽しそうだったという理由で芸能事務所入りを希望

直後に映画『誰も知らない』のオーディションを受ける
監督の是枝裕和に「目に力がある」と主役に抜擢される  

『誰も知らない』は撮影に1年かけ、公開はさらに1年後となる
土星/太陽
土星/月
2004年 5月12日〜5月23日

第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品される  
  
当時14歳で史上最年少で最優秀主演男優賞を受賞する
土星/火星
8月25日 「文化関係者文部科学大臣表彰」を授与される 土星/火星
9月25日 Vシネマ『岸和田少年愚連隊 ゴーイング・マイ・ウェイ』 で主人公の子供時代役を演じる 土星/火星
10月5日 『TIME』誌アジア版で「2004Asia's Heroes」に選出される 土星/火星
2005年 7月16日

『星になった少年』で主演する
土星/ラーフ
2006年 9月16日

『シュガー&スパイス 風味絶佳』で主演する
土星/ラーフ
2007年 7月7日

『ジーニアス・パーティ BABY BLUE』で声の出演/主演する
土星/ラーフ
  9月15日

『包帯クラブ』で主演する
土星/ラーフ
2008年 体調を崩し、仕事を減らす 土星/木星
8月29日 都内の自宅マンションにて、 安定剤を大量に服用し急性薬物中毒で倒れる 土星/木星
(wikipediaより引用抜粋、編集)

(参考資料)

wikipedia 柳楽優弥 より引用抜粋、一部編集