占星コラム


2008/7/29 千葉麗子、鬱病体験について語る

2008/7/27付の産経新聞 iza B版で、元タレントの千葉麗子(本名:桐原 麗子)が、自身の鬱病体験について語っている。

彼女は電脳アイドルとしてデビューして、暫く活動していたが、突然、引退してITベンチャー企業を立ち上げた実業家である。最近ではヨガのインストラクターで活躍しているようである。
鬱病が発症したのはちょうど7年前だそうである。

彼女の鬱病体験をダシャーと共に調べていくうちに、鬱病の原因についてのある仮説が出来上がったのである。

それについて以下に示したいと思います。
まず、彼女の鬱病体験を綴った2008/7/27付の産経新聞( iza B版)の記事を 以下に引用します。



食べては吐き…千葉麗子さん、欝病を語る(上)


■大事なカミングアウト 友人の支えで乗り切る

 16歳でアイドルとなって20歳でIT企業社長に転身。現在はヨガスタジオの経営など、マルチぶりを発揮する千葉麗子さん(33)。活躍の一方、7年前には鬱病(うつびょう)と診断され、精神的な苦しみを経験しました。周囲の人に支えられて克服したという千葉さん。自らの経験を基に語ります。(佐久間修志)

 鬱病になったのは、ちょうど長男を産んだ後の育児休暇中でした。兆候は摂食障害。自分で食欲をコントロールできなくなっちゃった。

 おみやげでもらったおまんじゅう1箱、24個をぺろっと食べてしまうとか。ひたすらむさぼるように食べてはキッチンやトイレで吐く。そんな状態でした。

 おなかがすいているんじゃないんだよね。心が満たされないから、食べることで満たされようとする。でも自己嫌悪でどんどん惨めになって。ある日は大量に食べて、翌日は全く食べない。その繰り返しで体重が38キロまで落ちて。女性の機能が落ちて更年期障害みたいになっちゃった。

 夫にも言えませんでした。2年間同棲(どうせい)して結婚。今までどんなことも包み隠さず話してきたけど、このみじめで異常な状態だけはどうしても知られたくなくて。夫に知られないよう、大量のゴミを処理しながら、1人で苦しんでいました。

 そんなあるとき、気がついたら、冷蔵庫の中のピーナツバターをひと瓶、空にしていました。分かっているのに食べずにはいられない。このままでは本当に死んでしまう。そう思って、とうとう夫に打ち明けました。泣きながら「私を見捨てないで」と何度も心の中で繰り返しました。

 夫は私を抱きしめてくれ、病院を探してくれました。こうして、鬱病と診断されました。

                 ■ □ ■

 私にとって、育児休暇の6カ月は社会とのブランクを感じた時期。幸せな家庭にあこがれて結婚、出産。幸せの絶頂のはずだった。なのに、臨月まで仕事をした後、長男につきっきりの日々を送ったら、育児ノイローゼもあって孤独感に陥ったんです。

 ほかにも、産後に過激なダイエットをしたり、父親ががんになったり、すべてのことが重なって状態がひどくなりましたね。

 今は相談に乗ることも多いんですけど、鬱になる人って完璧(かんぺき)主義の傾向がありますね。「頑張り屋さん」が多いかな。あとは幼いころの家庭環境にゆがみがある場合。それと、自分でなんでもしようとする人。私にもそんな傾向はあったなあ。

 私も家庭環境は悪かった。両親は別居していたし、母から抱きしめられた記憶が一回もない。「愛って何なの」っていうのがありました。だから、甘えることを知らない子供だった気がします。

                 ■ □ ■

 夫に打ち明けてからは、摂食障害は改善しました。
夫が料理してくれて、食事ってこんなに楽しいんだって。それで鬱も少しずつ良くなった。

 やっぱり一番大事なのは「カミングアウト」。醜い自分を見られたくないから、内緒にしたい。それは分かるの。でも、話すしかない。私は夫だったけど、親でも、友人でも、ブログでもいい。とにかくSOSを出さないと。

 ただ、病気になると、人が信じられないんですよ。「この人が何をしてくれるの」って。どんなに好き、愛してるって言ってても。どんなに信頼していた人の話ですら、耳に入らないんです。ひどい時って。

 でも、本当に愛してくれている人って、それくらいじゃ見捨てない。私もそれで感謝って気持ちが生まれました。

 友人も大事。一緒に鬱についての本を書いた「マユ」(橋本真由美ハーシー社長)もそうだけど、鬱の友人を持つといい。すごく助かったな。病気のことも分かってくれるし。ポジティブな人がいると変わる。人からの影響ってあるからね。周りに結構、鬱の人っているよ。

 平成18年には鬱が再発しましたが、これもマユのおかげで乗り切れたと思う。ヨガスタジオ設立で一緒にやってきましたが、鬱になってからも連絡を取り合って、もっと深い関係になれた気がします。

                   ◇

【プロフィル】千葉麗子
 ちば・れいこ 昭和50年生まれ。平成3年にアイドルデビュー。「チバレイ」の愛称で「電脳アイドル」として人気に。7年に引退後、IT関連企業「チェリーベイブ」を創設。9年にヨガを始め、後にシステム開発会社「ハーシー」の橋本真由美社長と共同でヨガスタジオを開設した。自身の「インテグラル・ヨーガ麻布スタジオ」で、インストラクター統括も務める。


父も鬱でした…千葉麗子さん、鬱病を語る(下)

■大切な「自分への厳しさ」 使命あることの幸せ実感

 2度にわたる鬱病(うつびょう)を乗り越えた千葉麗子さん(33)ですが、実は「他界した父親も鬱病でした」と明かします。「鬱に対する誤解は多い。私も父を分かってあげていたら」と悔やむ千葉さんですが、「鬱病の人だって甘えてはいけない」とも。“同志”にエールを送ります。(佐久間修志)

                  ◇

 私が鬱病にかかったのは、遺伝的要素もあったと思う。父もかつて鬱でしたから。私が芸能界に入って家を出たことや、職場環境が変わったことが影響したみたい。

 父は鬱のころ、家出してアイドルをしていた私に会いに来て。実家の福島から新幹線にも乗らず、歩いてきたこともあった。病気のことを知らなかった私は、そんな父に家に帰るよう説得してました。

 以前はこんなに鬱が注目されてなかったし、認められていなかった。今は、知っていれば父を救えたんじゃないかって後悔してます。父は数年後、肺がんでこの世を去りましたが、鬱で体がむしばまれたような気がするんです。

 鬱に対する誤解ってある。鬱ってガクンと落ち込みが続く日もあるけど、大丈夫な日もある。いい言葉は、いい状態の時にしか入らない。だから「ポジティブでいようね」っていうのは、いい状態の時にかける言葉。これはぜひ周りの人に知っていてほしい。

                ■ □ ■ 

 鬱の人って、周りからみたら、さぼっているように見えるんでしょうね。でも、その意見も分かるなあ。だって私、社長業もしているから。鬱に甘えるようじゃ良くない。それは絶対に自分に跳ね返ってくる。私も自暴自棄になっていたこともあるけど、このままでいいやとか、ベッドから出たくないとかじゃ、引きこもりとかと同じじゃないかな。

 みんな否定したくないんだよ、自分のこと。だから「自分への厳しさ」を持てるかどうかだね。いろんな相談を受けて感じるのは、鬱の人は、やっぱりどこか、逃げているところがある。

 そうすると、もったいないんだよ。時間的・年齢的なロス、人に対する愛もロスが出てくるから。自分から逃げると後々、こういった損失に苦しむんだよ。

 世の中には、病気とつきあって生きる人がいる。鬱も同じ。心の病気だからって家に閉じこもっているの? 引きこもるの? もっとつらくても、一生懸命やっている人っている。

 医師も本当はそう言いたいんじゃないかって思うの。でも、病状が悪くなったら怖いでしょ。それでも、本当に治したいなら、言ってあげたい。ヨガスタジオに来る鬱の子にも、「治したいから、厳しいことも言うね」って話している。

                ■ □ ■ 

 私は鬱のときも、社長の仕事をしていました。もちろん、できない業務はあるよ。でも、もしかしたら、芸能界で鍛えられたのかも。「どんな状態でも笑顔」っていう世界だったし。

 会社の存在は自分をポジティブにするには大きかった。与えられた使命があるのは幸せだよね。どうでもいい人間なんていないんだけど、「自分はどうでもいい人間かも」と思った瞬間、鬱はひどくなるから。鬱の人の前では「あなたには使命がある」って話します。いかに安心させてあげるかが大事。頑張り屋さんが多いから。

 鬱病になって、考えが変わったこともある。鬱になる前、ある社員から仕事のことで「もう限界です」って言われたことがあるのね。私の中では当時、「限界」って言葉はなかった。その人が限界と決めたから限界になるだけで、限界なんてないと思ってたけど、鬱を経験したら「限界はあるな」って。でも、今は治ったから、「やっぱり限界はないや」って思ったり。あはは、懲りないヤツだよね。だからまた鬱になっちゃうのかなって思っている。

 まあ、なったらなったで。2回目の鬱のときも、療養を兼ねて、アメリカにヨガのインストラクター資格を取りに行ったりした。精神的にキツイから、なるべく鬱は避けたいけど、なったら自分のペースで治す時間を有効に使おうと思ってます。

産経新聞 iza B版 2008/7/27
『食べては吐き…千葉麗子さん、欝病を語る(上)』
『父も鬱でした…千葉麗子さん、鬱病を語る(下) 』 より引用抜粋


2チャンネルのデータでは彼女は1975年1月8日 21:35生まれとなっているが、
それに基づいてチャートを作成すると、ラグナが獅子座21°10’(プールヴァパールグニー)になる。

そして、ダシャーやトランジットを検討した結果、彼女は獅子座ラグナで間違いないと思われる。




例えば、7年前に鬱と診断された時、彼女は水星/土星期だったが、 水星から見て、土星は6室(病気)に在住している。

月から見ると、3、4室支配の土星が8室に在住して、心(4室)の悩み(8室)を表しており、 また3室はコミュニケーションのハウスであり、心の安定を損なうハウスである。 その3室と8室で星座交換しており、コミュニケーションの面での苦悩(8室)を表している。

8室はパートナー関係を表すハウスであり、そしてパートナー関係上の悩みを表すハウスである。
この鬱を発症した当時、彼女は育児で孤立してノイローゼ状態に陥ったと言っている。
つまり、これも究極的には人間関係がもたらすものと言えるかもしれない。 育児を一人でして孤立するというのは、ある種、夫に置き去りにされているような感覚があるのかもしれず、夫との関係において、支配された状態と言えるのかもしれない。

この時、土星と木星が牡牛座にトランジットしており、土星は4室で減衰する月にアスペクトしている。
次に土星は月から8室にトランジットするが、月から8室へのトランジットはよくない時期であり、またサターンリターンでもあるため、出生図上で土星がつくるカルマが噴出してくる時期でもある。

西暦 年月 出来事 ダシャー トランジット
1991年 アイドル女優としてデビュー。アイドルグループ「オーロラ5人娘」のメンバーなどで活躍。 水星/金星
水星/太陽
木星:蟹座
土星:山羊座
1992年-1993年 テレビ朝日系で放映の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』でプテラレンジャー・メイ役を演じ、子供たちに好評を得る。 ドラマ『ひとつ屋根の下』にレギュラー出演。ネッスル(現・ネスレ日本)クランチのCMに出演して白いミニスカートをひらりとさせた。大正製薬アイリスCL-1のCMで使ったセリフ「う〜るるん」が話題になる。 水星/月
水星/火星
木星:獅子座
土星:山羊座
↓ ↓ ↓
木星:乙女座
土星:水瓶座
1994年 ドラマ『南くんの恋人』にレギュラー出演。『餓狼伝説SPECIAL』の主題歌『Non Stop! One Way Love』でソロCDデビュー。 水星/火星
水星/ラーフ
木星:天秤座
土星:水瓶座
1994年 8月5日 忍者戦隊カクレンジャー第25話「新たなる出発!!」でゲスト出演。 水星/ラーフ 木星:天秤座
土星:水瓶座
1995年 5月 芸能活動から引退し、ゲームソフトウェア会社に一般OLとして就職。芸能界から離れ一から会社知識を学ぶ。 水星/ラーフ 木星:蠍座
土星:水瓶座
1995年 11月 ベンチャー「チェリーベイブ」を起業する。アイドル時代から造詣の深かったパソコンなどのソフトウェアを扱う企業。「ありす in Cyberland」(グラムス)のプロデュースなどを行なう。 水星/ラーフ 木星:蠍座
土星:水瓶座
1996年 サウンドクリエーターの桐原徹人と同棲開始。(産経新聞 iza B版 2008/7/27より) 水星/ラーフ 木星:射手座
土星:魚座
1998年 9月21日 サウンドクリエーターの桐原徹人と結婚。 水星/木星 木星:水瓶座(R)
(魚座5/26〜9/10)
土星:牡羊座
1999年 ヨーガのインストラクターの勉強をはじめる。

水星/木星 水星/土星

木星:牡羊座
土星:牡羊座
1999年 9月 第一子となる長男を出産。 水星/土星 木星:牡羊座
土星:牡羊座
2001年 鬱病と診断される (産経新聞 iza B版 2008/7/27記事『食べては吐き…千葉麗子さん、欝病を語る(上)』より引用抜粋) 水星/土星 木星:牡牛座
土星:牡牛座
↓ ↓ ↓
木星:双子座(6/16)
土星:牡牛座
2002年 1月1日 2002年1月1日発売のTHE KING OF FIGHTERS EXの葉花萌の声優を務める。 水星/土星 木星:双子座
土星:牡牛座
2002年 ヨーガのインストラクター資格取得。 ケートゥ/ケートゥ 木星:双子座
土星:牡牛座
↓ ↓ ↓
木星:蟹座(7/5)
土星:双子座(7/23)
2004年 7月 NHK教育テレビ「まる得マガジン」でヨーガ講座を担当している。 ケートゥ/金星 木星:獅子座
土星:双子座
2006年 鬱が再発する 2回目の鬱のときも、療養を兼ねて、アメリカにヨガのインストラクター資格を取りに行ったりした (産経新聞 iza B版 2008/7/27より) ケートゥ/木星 木星:天秤座
土星:蟹座
2009年 1月16日以降 2009年1月16日以降、マハダシャーが金星期にシフトするが、金星はラグナから見て3、10室支配で、6室に在住し、月から見て、7室支配で3室に在住している。 従って、彼女はヨガの先生として今後、テレビ、雑誌等のメディアに露出する機会が増えていくものと思われる。 金星/金星 木星:山羊座
土星:獅子座
wikipedia及び、産経新聞 iza B版 2008/7/27記事『・・・欝病を語る(上)(下)』より引用抜粋、一部編集


彼女は自分が鬱になった理由として、父親も鬱であり、遺伝の要素なども考えられると述べているが、9室を父親のラグナとすると、4室支配の月が8室で減衰し、8室支配の火星とラーフと接合している。 従って、父親も心理的に悩みやすい配置であるといえる。

父親の場合、9室をラグナとした場合に4室支配の月が8室に在住しているのであり、8室は対人関係のハウスであることから、やはり、鬱症状というのは対人関係のストレスから来るものではないかと予想できるのである。

父親は鬱になった時にあたかも鬱を癒してくれる対人関係を必死で求めるかのように、娘に関わろうとしたのであり、鬱というのは一つの対人関係の病ということが言えるかもしれない。


例えば、非常に興味深いことは千葉麗子が以下のようなことを文の中で述べているところである。

・・・鬱病になって、考えが変わったこともある。鬱になる前、ある社員から仕事のことで「もう限界です」って言われたことがあるのね。私の中では当時、「限界」って言葉はなかった。その人が限界と決めたから限界になるだけで、限界なんてないと思ってたけど、鬱を経験したら「限界はあるな」って。でも、今は治ったから、「やっぱり限界はないや」って思ったり。あはは、懲りないヤツだよね。・・・

この体験も非常に興味深い体験であり、プログラマーである社員が、「もう限界です」と彼女に訴えてきたのである。それはある種、社員の鬱症状の自己申告とも言える状況である。

以前の彼女は「限界」という言葉が分からなかったというように社員に大変な努力を強いたのかもしれない。彼女の言葉から推測されることは、彼女は経営者としては相当、社員を酷使する傾向があるのかもしれない。
彼女の6室に在住する金星と水星がそれを物語っている。

プログラマーというのは実際、とても大変な仕事で、納品前に会社に泊まったり、徹夜したりが続く、ハードな職業だと聞いている。6室に在住する金星と水星はまさに社長である千葉麗子が、金星や水星が表示する社員を奴隷のように酷使していることを示している。

山羊座はとてもハードワークな星座である。 その彼女が社員から鬱の訴えを受けているところを見ると、やはり、鬱症状というのは仕事で雇用主から酷使されたりすることによって、発症する人間関係の病なのかもしれない。そして、それは雇用主とか、主人(8室)とかとの関係の中で生じてくる病であると思われる。だから8室が関わるのである。4室と8室が関わることによって、支配者の酷使で心が悩みの状態になるのである。

そう考えると、日本の若者がやる気がないというのも、仕事がなく、低賃金で経営者から酷使されていることで、心が悩みの状態に陥っていることを表していると理解できる。つまり、これも対人関係の病なのである。

日本人は皆、神経症とか、鬱とか、言われるが、これはおそらく、日本が敗戦によって、戦後のGHQの占領政策、そして、今なお何でもアメリカの言いなりにならなければならない状況に置かれていることが原因しているのではないかと思えてくる。これは日本の国民が1億総鬱状態に置かれていることを表している。

戦前はもっと日本人は明るかったはずで、今のように鬱的、神経症的ではなかったはずである。日本は、毎年、「年次改革要望書」によってアメリカの利益にとって都合のよい国家に構造改革することを強いられており、それに逆らうことは出来ない。また近年、金融自由化によって、外国資本によって日本の国富が海外に奪い取られている。

このような敗戦の後で続いてきた新たな水面下の敗戦が、日本人に働き蜂のような生活を送らせて、そして、真の幸福が分からない状況をもたらしている。日本人のサラリーマンに鬱が多いのはそのためである。

つまりはアメリカとの関係における日本人の病であり、また経営者との関係における労働者の病なのである。

鬱とは対人関係の病である。これが私が提起したい鬱の原因についての仮説である。


だからこそ、千葉麗子が、支配者である夫に鬱の症状を訴えて、夫が彼女の辛さを理解して、協力的になって、夫がご飯を作ってくれたりした時に彼女の病は治癒に向かったのである。

彼女は8室支配の木星が7室に在住しており、月からみた場合にも7室支配の金星が8室支配の水星と絡んでいるため、元々、夫の支配を受けやすいカルマがあるのである。

鬱症状とは、自分でも意識化できない程、深く内在化してしまった、雇用主や夫との関係におけるストレスから来る不満や怒りや敗北感の結果なのではないか。


鬱の人に対する対応の仕方として、千葉麗子は以下のように述べている。

・・・鬱の人の前では「あなたには使命がある」って話します。いかに安心させてあげるかが大事。・・・


これは千葉麗子が自分の体験から洞察した優れた認識であると思われる。

「あなたには使命がある」と言うことによって鬱が癒されるというのは、対人相手の存在が鬱の患者に大きく影響しているを表している。 つまり、これだけでも鬱が対人関係の病理であることを物語っている。


因みに鬱の人に絶対に言ってはいけない言葉は、「頑張れ」という一言だそうである。

これに関して、私には苦い経験がある。

私は以前、鑑定依頼してきた鬱で悩んでいたクライアントの方に頑張るように伝えてしまったことがある。あるいは頑張りが足らないんじゃないかと批評してしまったことがある。

そのクライアントの方は職場環境に対する不満や愚痴を通して、自分の働く立場が周りの人々の能力の無さにより、いかに厳しく辛いものとなっているかということを感情的に訴えてきていたのである。

その時に私の主観的印象としては、クライアントの方が、物事が上手く行かず、大変で、仕事も厳しいことの責任を周りの人のせいにしているように思われ、責任を周りの人に押しつけているだけでは、前向きな態度とは言えないと思われたため、全ての責任を自分のものと捉えて、周りの責任にせずに自分で状況を改善する姿勢を持って欲しいと思ったのである。そのような姿勢を批判し、もう少し頑張れないかどうかと伝えたのである。

その時、クライアントの方は大変な剣幕で怒りを私に対してぶつけてこられたのを覚えている。
それは鬱に対する私の理解が未熟であったことを思い知る結果となった。

その時、クライアントの方は仕事が長時間労働で厳しく、疲労の極限にいたのである。

今思えば、それこそが鬱の発症の条件であり、それは雇用主との関係の中で酷使されて、その怒りや批判の矛先が、雇用主には向かわずに、内側に向かって内在化した結果なのではないかと思うのである。

つまり、鬱の人はそのような厳しい支配と被支配の関係性に悩んでいるので、その関係性を再現するような「頑張れ」という雇用主のような一言は、さらに症状を悪化させてしまうのである。

むしろ、鬱の人には頑張らなくていいとか、ゆっくり休んで好きなことをすればいいとか、支配する立場の人間とは全く逆のことを言って励ますべきなのである。

そして、おそらく、雇用主に奴隷かペットのように酷使された結果、敗北感や自分の無価値感が内在化されてしまった人には、「あなたには使命がある」と言って、励ますことが必要なのではないだろうか。

だから、千葉麗子は自分の夫に家事を手伝ってもらい、協力してもらい、人間らしく扱ってもらえた時に始めて、鬱の症状が治癒に向かったのである。

治癒に向けての動きはまず、支配者(8室)に自分が辛いということを訴えるところから、スタートしたのである。

おそらく、これこそが鬱の根本原因ではないだろうかと思うのである。

そして自分の体験を振り返ってみると、私は以前、電話のコールセンターで働いたことがあるのだが、クレーム処理の電話対応で働いていた時に、一日何十本もの電話を取らなければならないノルマを休みなく、毎日繰り返し、一日の終わりには、くたくたに疲れ切ってしまうような日々が続いたある夜に、仕事を終えて家に向かう帰路で、突如として、どうしようもない、無力感、敗北感、悲しみに襲われたことがある。

おそらくそれは、鬱の感情だったのだと今では思うのである。
それは神経症とは全く違うものである。

それはつまりは、余りにも厳しいノルマを課してくる雇用主との関係性に原因するものだと、今では思うのである。

余りにも厳しい労働に対する怒りが雇用主に向かわずに、敗北感、無力感、自分への無価値感として、内在化してしまうのである。

資本家と労働者の闘争に結実せずに、労働者が既に自分の境遇を諦めて、反発する力もなく、無力感に打ちひしがれる・・・。そういう感情がおそらく、鬱の感情なのではないか。

千葉麗子の鬱体験を熟読し、彼女のチャートを吟味して、8室の象意を検討することで、鬱の起源とその本質について、ひらめいたのである。

おそらく鬱とは対人関係の病理なのである。

しかし、鬱病についての定義を調べると、病因を器質的な原因や、生理学や生化学的な原因で定義しているものが多く見られるのである。

然し、本当の鬱の原因は、器質的な原因よりもまず、心因性の問題、つまりそれを引き起こした対人関係の問題が存在するのではないかと思うのである。(この理論はあくまでも途中経過における個人的な見解に過ぎません)


(重要箇所チェック)

『食べては吐き…千葉麗子さん、欝病を語る(上)』産経新聞 iza B版 2008/7/27
『父も鬱でした…千葉麗子さん、鬱病を語る(下) 』産経新聞 iza B版 2008/7/27
赤字、緑字チェック箇所の解釈
NO. 重要箇所(抜き出し) 分析(考察)
1 7年前には鬱病(うつびょう)と診断され、精神的な苦しみを経験しました 水星/土星期に鬱と診断されている。土星と水星は水星からみると土星は6室在住で、1−6室で星座交換しており、月から見ると、3−8室、ラグナから見ると、6−11室で星座交換している。その後、ケートゥ期に入っているが、ケートゥは、減衰する月、火星からアスペクトされており、吉星からのアスペクトを一切受けていない。

ナヴァムシャでも同様で、吉星からのアスペクトを受けずに8室に在住している。従って、水星/土星期とそれに引き続く、ケートゥ期は厳しい時期である。

またこの頃、トランジットの土星が月から7室にトランジットして、月にアスペクトしており、続いて、土星がサターンリターンして、月から8室に入室する時期であった。この土星が牡牛座、双子座を通過する5年間はかなり厳しい時期ではなかったかと思われる。
2 ちょうど長男を産んだ後の育児休暇中 ケートゥは10室に在住して、ケートゥ期を通じて、仕事で自己表現を目いっぱいすることは出来ず、控えめに振舞っていた時期だと思われる。
3 その繰り返しで体重が38キロまで落ちて。女性の機能が落ちて更年期障害みたいに この辺りの象意は土星やケートゥの象意が感じられるのであり、水星/土星期とそのあとのケートゥ/ケートゥ期を感じさせる症状である。
4 夫にも言えませんでした 土星はコミュニケーションの表示体である水星から6室に在住しており、おっととのコミュニケーションはうまくいかない印象である。ケートゥには寡黙になるという特徴もある。
5 夫は私を抱きしめてくれ、病院を探してくれました 鬱症状が夫に相談することで、回復していったようであるが、7室に在住する木星が夫を表している。その木星は7室支配の土星と1室にアスペクトしている。この木星のおかげで、助けられていることが分かる。
6 社会とのブランクを感じた時期 ケートゥは社会生活を表す10室に在住している。 社会に参加していてもあまり、前面には出られない時期である。
7 育児ノイローゼもあって孤独感に陥った 孤独とは8室やケートゥの象意である。月から3、4室支配で8室に在住する土星が表していると思われる。
8 産後に過激なダイエット これも捨てていくことを表すことから、ケートゥの象意である。
9 父親ががんになったり 9室を父親のラグナとした場合、4室支配の月が8室で減衰し、8室支配の火星、ラーフと接合している。従って、精神的に不安定で、時々、噴出してくる衝動をコントロールすることが難しく、衝動的な行動に出てしまう。また火星はラグナロードでもあり、その火星に8室でラーフが接合しているため、やはり、父親は癌にかかりやすい配置であったと思われる。
10 両親は別居していたし、母から抱きしめられた記憶が一回もない 甘えることを知らない子供だった 4室で12室支配の月が減衰しており、4室支配の火星とラーフと接合している。ケンドラの4室が二つの凶星と減衰した月によって激しく傷つけられている。母親運がよくないことが示されている。
11 夫に打ち明けてからは、摂食障害は改善しました
夫が料理してくれて、食事ってこんなに楽しいんだって。
やっぱり一番大事なのは「カミングアウト」。醜い自分を見られたくないから、内緒にしたい。それは分かるの。でも、話すしかない。私は夫だったけど、親でも、友人でも、ブログでもいい。とにかくSOSを出さないと。
鬱が発症した時期のハウスの絡みに8室が認められるため、パートナー関係上の問題とも考えることが出来たが、実際、夫に打ち明けることで改善しているところを見ると、やはり、鬱とはパートナー関係上の問題の要素が強いと思われる。
12 平成18年には鬱が再発しました 2006年頃に鬱が再発したというのは、ケートゥ/土星期に生じていると思われる。
13 遺伝的要素もあったと思う。父もかつて鬱でしたから。 9.と同じ
14 父は鬱のころ、家出してアイドルをしていた私に会いに来て。実家の福島から新幹線にも乗らず、歩いてきたこともあった。病気のことを知らなかった私は、そんな父に家に帰るよう説得してました。 9室支配の火星が4室蠍座に在住しており、父親が自分の住まいにやって来て、居座ろうとすることを表している。
15 父は数年後、肺がんでこの世を去りました 4室支配の月が8室に在住して、ラーフと接合しているが、肺は4室が表し、ラーフは癌を表している。
16 鬱の人の前では「あなたには使命がある」って話します。いかに安心させてあげるかが大事。 これは千葉麗子さんが自分の体験から洞察した優れた認識であると思われる。 「あなたには使命がある」と言うことによって鬱が癒されるというのは、対人関係の存在によって、大きく影響されていることを表している。

彼女自身、育児ノイローゼで孤立した時(つまり夫が不在のまま、育児という負担を担う)に鬱症状が発症したのである。 鬱であった父親の場合でも9室をラグナとした場合に4室支配の月が8室に絡んでいるのであり、8室は対人関係のハウスであることから、やはり、鬱症状というのは対人関係のストレスから来るものではないかと思われるのである。 父親は鬱の時に必死に娘に関わろうとしたのであり、鬱というのは一つの対人関係の病ということが言えるかもしれない。
17 鬱病になって、考えが変わったこともある。鬱になる前、ある社員から仕事のことで「もう限界です」って言われたことがあるのね。私の中では当時、「限界」って言葉はなかった。その人が限界と決めたから限界になるだけで、限界なんてないと思ってたけど、鬱を経験したら「限界はあるな」って。でも、今は治ったから、「やっぱり限界はないや」って思ったり。あはは、懲りないヤツだよね。 この体験も非常に興味深い体験であり、プログラマーである社員が、「もう限界です」と彼女に訴えてきたのである。それはある種、社員の鬱症状の自己申告とも言える状況である。
以前の彼女は「限界」という言葉が分からなかったというように社員に大変な努力を強いたのかもしれない。彼女の言葉から推測されることは、彼女は経営者としては相当、社員を酷使する傾向があるのかもしれない。

彼女の6室に在住する金星と水星がそれを物語っている。 プログラマーというのは実際、とても大変な仕事で、納品前に会社に泊まったり、徹夜したりが続く、ハードな職業だと聞いている。6室に在住する金星と水星はまさに社長である千葉麗子が、金星や水星が表示する社員を奴隷のように酷使していることを示している。山羊座はとてもハードワークな星座である。 その彼女が社員から鬱の訴えを受けているところを見ると、やはり、鬱症状というのは仕事で雇用主から酷使されたりすることによって、発症する人間関係の病なのかもしれない。

そして、それは雇用主とか、主人(8室)とかとの関係の中で生じてくる病であると思われる。だから8室が関わるのである。4室と8室が関わることによって、支配者の酷使で心が悩みの状態になるのである。 そう考えると、日本の若者がやる気がないというのも、仕事がなく、低賃金で経営者から酷使されていることで、心が悩みの状態に陥っていることを表していると理解できる。つまり、これも対人関係の病なのである。 日本人は皆、神経症とか、鬱とか、言われるが、これはおそらく、日本が敗戦によって、戦後のGHQの占領政策、そして、今なお何でもアメリカの言いなりにならなければならない状況に置かれることによって、日本の国民が1億総鬱状況に置かれていることを表している。

戦前はもっと日本人は明るかったはずで、今のように神経症的ではなかったはずである。日本は、毎年、「年次改革要望書」によってアメリカの利益にとって都合のよい、国家に構造改革することを強いられており、それに逆らうことは出来ない。また近年、金融自由化によって、外国資本によって日本の国富が海外に奪い取られている。 このような敗戦の後で続いてきた新たな敗戦が、日本人に働き蜂のような生活を送らせて、そして、真の幸福が分からない状況をもたらしている。

日本人のサラリーマンに鬱が多いのはそのためである。 つまりはアメリカとの関係における日本人の病であり、また経営者との関係における労働者の病なのである。 鬱とは対人関係の病である。 だからこそ、千葉麗子が、支配者である夫に鬱の症状を訴えて、 夫が彼女の辛さを理解して、協力的になって、 夫がご飯を作ってくれたりした時に彼女の病は治癒に向かったのである。 彼女は8室支配の木星が7室に在住しており、 月からみた場合にも7室支配の金星が8室支配の水星と絡んでいるため、 元々、夫の支配を受けやすいカルマがあるのである。
18 2回目の鬱のときも、療養を兼ねて、アメリカにヨガのインストラクター資格を取りに行ったりした この時期はケートゥ/土星期と思われ、この土星期は月から8室に在住しており、上記で述べてきた鬱=8室起源説によれば、最初の水星/土星期と同様、ケートゥ/土星期に、鬱の症状が出てきたということが納得できます。 しかし、ケートゥから見ると土星は9室の支配星で2室に在住しているため、ヨガのインストラクター資格を取得(2室)しに海外(9室)に行ったことが分かります。当然、ヨガの教師(9室)から資格を貰うわけで、留学したような時期であったことが分かります。


(参考資料)

千葉麗子 wikipedia