占星コラム


2008/6/8 バラクオバマ氏民主党指名獲得

6月3日、米民主党の大統領候補指名争いは、オバマ上院議員(写真)が指名に必要な代議員数を獲得し、対立候補のクリントン上院議員を退けて勝利した(2008年 ロイター/Jeff Haynes)

6月3日、民主党の大統領候補指名予備選挙で、バラクオバマ氏が指名に必要な過半数の代議員を獲得し、ヒラリークリントンとの長い戦いに勝利した。

ロイターのニュースが以下のように伝えている。

民主党の大統領候補指名争い、オバマ氏が歴史的勝利

[ワシントン 3日 ロイター] 米民主党の大統領候補指名争いは3日、オバマ上院議員が指名に必要な代議員数を獲得し、対立候補のクリントン上院議員を退けて勝利した。米国の主要政党の代表として黒人候補が大統領選に臨むのは史上初めて。  米国史上初の女性大統領候補で選挙戦開始時には本命と目されていたクリントン氏は敗北を認めず、今後については党幹部および支持者と相談すると述べた。  態度未定だった特別代議員の支持拡大を受け、オバマ氏の獲得代議員数は指名に必要な2118人に達した。  オバマ氏は8月に開く党大会で正式に民主党の大統領候補として指名され、11月の本選挙で共和党のマケイン候補とブッシュ大統領の後継の座を争う。  オバマ氏は3日、9月の共和党大会開催地であるミネソタ州のセントポールで演説し、「今宵、われわれは一つの歴史的な旅を終え、別の旅を始める」と述べた。また、「今宵、あなたがたの前に立ち、アメリカ合衆国の民主党大統領候補になると宣言することができる」と勝利宣言した。  今回の民主党大統領候補指名争いは、米政治史ではこれまでにあまり例がないほど接戦となり、長期にわたった。  

5カ月間続いた予備選は3日に終了したが、この日行われた予備選はモンタナ州でオバマ氏が勝利し、サウスダコタ州ではクリトン氏が勝利した。クリントン氏は予備選を通じて1900人以上の代議員を獲得した。クリントン氏はこの日、副大統領候補になることに前向きな姿勢を示し、クリントン陣営はオバマ氏にクリントン氏を副大統領候補に選ぶよう圧力をかけ始めている。オバマ氏の指名確定を受けてクリントン氏はオバマ氏を祝福。ニューヨークの支持者に対し、党の結束に向けて尽くす意向を表明したが、敗北は認めなかった。クリントン氏は「長い選挙戦だった。今夜は何も決定を下さない」と語り、今後については党と米国の最善の利益を図るため、数日内に支持者および党幹部と相談して決定する方針を示した。一方、共和党候補に確定しているマケイン氏はルイジアナ州でオマバ氏に対する選挙戦を開始。集会で演説し、ブッシュ大統領とは距離を置く姿勢を示しつつ、オバマ氏の判断力などに疑問を呈した。  46歳のオバマ氏はイリノイ州選出の上院議員1期目を務めているが、大統領に就任すれば史上5番目に若い大統領になる。

6月4日11時39分配信 ロイター

昨年、2007/5/6 の占星コラムの記事『米大統領選の行方』の中で、2008年1月25日以降の太陽/ラーフ期に選挙戦から撤退することを予想したのであるが、当時、彼女は大統領支持率でトップを走っており、バラクオバマ氏が追いついて来たとはいえ、まだ彼女が本命であることに変わりはなかったのである。

そして今年1月25日に太陽/ラーフ期に移行すると、確かに彼女の大統領支持率は急速に低下し始めた。
ヒラリークリントンにしてみれば、こんなはずじゃないという内心葛藤する状態ではなかったかと思われる。


(毎日新聞資料より引用抜粋-一部編集-)

然し、その後、まさか彼女が、こんなにもねばるとは思っていなかったのであり、その辺りは予想外の展開であった。
12室のラーフといえども、12室で隠遁、監禁という象意から彼女が撤退するという印象を直ちに適用するのには少し問題があったかもしれない。実際、彼女は多くの州で勝利もし、最後まで互角の選挙戦を展開したのである。

しかし、その過程を追っていくと、彼女がまさに貪欲にその立場に固執し、撤退を周囲からすすめられても、断固拒否して、彼女は最後まで指名獲得に執着し続けた。これはラーフの象意が非常によく出ていたと思われる。

彼女は途中で、まさに手段を選ばないオバマ氏への攻撃を繰り返し、オバマ陣営の選挙参謀が、「彼女は勝利のためなら何でもやる」というような批判の言葉を述べて、後に辞任している。

ヒラリークリントンがいかに勝利に執念を燃やしたか詳細は伺いしれないが、このエピソードが物語っている。

木星が今年の12月末頃に山羊座に入室すると、大統領就任式をする2009年1月20日には彼女の8室に木星が入室するのであり、彼女にとっては物事の中断の時期であり、変化の時期である。木星が8室を運行して、12室と4室のモクシャハウスにアスペクトするのである。従って、世俗の仕事をするような時期ではないのである。土星も2009年9月10日には彼女の乙女座4室に入室して、月と月から4室にアスペクトする。の土星が示すものは引越しであり、彼女が上院議員に就任してから長らく、拠点を構えてきたニューヨークを去るということかもしれない。大統領選への出馬は上院議員になってからの流れの中の一段落ではないかと思われ、まさに彼女は来年、新大統領が誕生すると共に彼女の環境が変化するのである。

2009年10月7日〜2010年9月19日まで太陽/土星期であり、出生の土星が4室にアスペクトしていることからもそれが言えるのである。

今年の年末に彼女の8室に木星が入室して変化や中断の時期を迎え、また2009年9月に土星が4室に絡んでいくことを考えると、彼女が副大統領に選ばれるのは難しいのではないかと思われる。

彼女は2008年12月19日から太陽/木星期に入っていくが、バラクオバマ氏のチャートの中で蠍座は全く強調されておらず、オバマ氏との接点が認められないのである。

然し、蠍座の木星はバラクオバマ氏の太陽にアスペクトしているので、彼の民主党大統領候補としての立場を支持し、また、選挙戦の時とはまるで別人の、あくが抜けたような印象に変化することだろうと思われる。

また以前、インド占星術マガジン第13回『ヒラリークリントンの悲劇』 で、ジョセフ・リバーマンを表示しているのが蠍座の木星であることに言及したが、太陽/木星期は、蠍座木星の表示体である人物との接触や交流が生じる可能性も示唆している。

ラーフ期から木星期への変化は劇的であり、貪欲に地位や権力を追求していた人物がまるで宗教家や聖人になったかのような変化を遂げるのである。従って、この時になってから振り返ると、おそらく、ここ数ヶ月のヒラリークリントンが異常に思えるのではないかと思われる。

そして、バラックオバマ氏は2008年8月10日から木星/太陽期に移行するのである。
この頃には民主党の候補者として、彼は大舞台に立ち、燦々と輝く太陽のように輝き出すのである。

彼の威厳とカリスマ性は爆発し、彼の元に各界の著名人や有力者が集うのである。
11室支配の太陽が10室に在住していることがそれを物語っている。
11室は自分と同じ階級に所属する人々との交流(つまり、大企業経営者、上院議員、資産家、有名映画俳優)
を表し、10室は注目を浴びる大舞台、全ての人々から見られる立場を表している。

ヒラリークリントンが7日にオバマ氏の支持を訴え、党の結束を呼びかける予定であるが、目下、当面の課題は副大統領候補を誰にするかという問題である。

木星/太陽期に移行する前に2008年6月14日から木星/金星/ケートゥ期に入るのである。
彼のケートゥはラグナから5室に在住し、アンタルダシャーの金星からみて9室に在住している。
またナヴァムシャでも蠍座で高揚し、木星からアスペクトされている。

5室のケートゥは識別力を表し、彼はこの6月14日〜8月10日までのプラティアンタルケートゥ期を副大統領を誰にするか、また閣僚スタッフをどうするか、など、今後の彼の大統領執務に関しての様々な細かいことに関する判断を下していくと思われるが、おそらく、彼は絶妙な判断を下すことだろうと思われる。

5室のケートゥは微細な識別力を示すのであり、彼の判断力が正しく、信頼できることを物語っている。
彼はどのような人物を周りに集めるか、副大統領を誰にするのか、この1ヵ月の彼の判断が見ものである。

そして、この5室は水瓶座に在住している。 5室は生徒とか弟子とか自分の身内の協力者を表すハウスである。
彼は水瓶座がもたらす、統合、全体の利益にも心が開いており、国連、NGOといった組織を通じて、世界的な和合の活動を展開する人々とつながりがあり、それが彼の正しい判断力の源となるのではないかと思われる。

次に共和党候補のマケイン氏であるが、彼は現在、2008年1月16日から土星/木星/金星期である。
マハダシャーの土星からみると、アンタルダシャーの木星は10室に在住し、アンタルダシャーの木星からみると、プラティアンタルダシャーの金星は10室に在住している。 従って、彼は今、注目を浴びる時期にいるのである。

然し、ラグナから見ると、彼の金星は12室に在住しており、またその12室の金星に対して、土星がトランジットして、木星も射手座からアスペクトして、12室にダブルトランジットが生じている。

従って、彼は注目を浴びる時期にいるとは言っても根本的には隠遁の時期であり、損失の時期である。
彼は共和党の候補として注目されているとはいえ、バラクオバマ氏とヒラリークリントンの民主党指名争いの影に隠れて、忘れられた存在であるとも言えるのである。

そして、彼は現在、土星/木星/金星期で、アンタルダシャーの木星から見て、7室支配の金星が10室に在住しているため、前回の記事でも取り上げたが、彼は不倫相手との関係を暴露されて、大衆に知られるところとなり、彼女の妻が火消しにあたったということは前回の記事『2008/2/24 米大統領選挙近況』でも触れたのである。

おそらくこうした疑惑が公に暴露されてしまうのは10室の象意であるため、アンタル木星をラグナとした場合の10室金星の象意がよく機能していると思われる。そして、現在、トランジットの土星が金星に接合しているため、女性関係において、責任が生じてくることが理解できる。また同室する太陽にも土星がトランジットしているため、現在は、批判や中傷などの攻撃を受けやすい時期である。彼は不倫疑惑というかたちで女性関係についての責任追及を受けたのである。

マケイン氏に女性ロビイストとの不倫疑惑

 【シカゴ=有元隆志】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、共和党の大統領候補指名を確実にしているマケイン上院議員(71)が、2000年の大統領選に出馬した際、側近らから、ある女性ロビイスト(40)と親密な関係にならないよう説得されていたと報じた。  マケイン氏は同紙に「国民の信頼を裏切ったことはない」と、この女性と恋愛関係になったことも、便宜供与を図ったこともないと断言しており、女性側も恋愛関係を否定している。  同紙によると、女性は通信会社を顧客にもっており、通信業界も扱う上院商業委員会の委員長を務めていたマケイン氏の事務所や集会に1999年当時、頻繁に姿をみせるようになった。同年2月には、フロリダ州で開かれた資金集めの夕食会に出席した後、女性の顧客企業の社有機で一緒にワシントンに戻ったこともあった。  マケイン氏の側近は女性に、議員に近づかないよう求め、マケイン氏も対応が適切ではなかったと認め女性から距離を置くことを誓ったという。  マケイン氏は民主党議員と共同で、選挙資金規制の法案を提出するなど、政治倫理問題では厳しい態度をとってきた。マケイン陣営は20日、声明を出し、ロビイストの利益を図ったことはないと否定し「中傷キャンペーンは恥ずべきことだ」と同紙を批判した。 (産経ニュース 2008.2.21 20:33 )

然し、この不倫疑惑は彼が釈明をして疑惑だけで収まったようである。
マケイン氏の妻が火消しにあたっているとの記述が以前の記事に見られたが、彼の7室支配の木星が蠍座から金星と太陽にアスペクトしており、彼の威厳を守護し、不倫疑惑の批判を解消する内助の功を発揮している印象である。

マケイン氏の妻(シンディー夫人)はビール販売会社の会長で年収は6億円で、マケイン氏よりも多いとニュースが報じている。

米ミシシッピ州で3月31日、マケイン上院議員のスピーチを聞くシンディ夫人(右、AP)産経ニュース 4月3日、支持者と写真に収まるマケイン上院議員夫人、シンディさん(AP)産経ニュース

彼女の外見的特徴と、醸しだす雰囲気から考えて、彼女はマケイン氏の蠍座に在住する7室支配の木星であると分かるのである。写真を見ても赤い服装は蠍座ラグナの支配星が火星であることと理解できる。また彼女はビール販売会社の会長であるが、蠍座は水の星座であり、水を扱う仕事についていることからも彼女が蠍座木星の表示体であると分かる。マケイン氏を内助の功で支えているのは、このシンディー夫人なのである。

資産1億ドル超? マケイン氏の妻 2008.5.24 10:48

米大統領選の共和党候補指名が確定したマケイン上院議員の妻、シンディさんは23日、2006年の所得が600万ドル(約6億2000万円)だったことを明らかにした。AP通信によると、マケイン氏の07年所得は約40万ドルで、大手ビール販売会社の会長を務めるシンディさんが、年収で夫を大きく上回っていることが分かった。  民主党候補指名を争うオバマ、ヒラリー・クリントン両上院議員は夫妻で所得を申告し、公表。シンディさんは所得公表に消極的だったが、透明性を求める声に押し切られた格好だ。近く07年分も公表する方針。  シンディさんの給与所得は30万ドルにとどまり、不動産賃貸料や印税などで450万ドルを得た。資産総額は1億ドル以上とみられている。07年の所得はオバマ夫妻が420万ドル、クリントン夫妻は2040万ドルだった。(共同 )

一方で、バラクオバマ氏のミシェル夫人については好意的な評価が多いのであるが、オバマ氏のラグナと月から見た7室支配の火星が獅子座に在住しているため、彼のパートナーたるミシェル夫人は獅子座の象意を持っているはずである。実際、写真を見た印象でも、オバマ氏と並んで、彼女が決して引けをとらずに目立っており、オバマ氏に勝るとも劣らないカリスマ性があることが分かる。

米イリノイ州シカゴで投票を終え、支持者に手を振る民主党のオバマ上院議員(左)。中央は妻のミシェルさん=2月5日(AP)産経ニュース

明らかに彼女は威風堂々としており、獅子座の特徴を表しているのが分かる。

米インディアナ州で4月22日、壇上に立つオバマ上院議員夫妻(ロイター)

オバマ氏の横に並んでたっても、通常、大統領夫人というのは、夫である大統領の横に慎ましく、後ろに一歩引いて、控えている印象が出るものであるが、彼女の場合、全く対等に見えるのである。

このミシェル夫人はバラクオバマ氏の獅子座11室の火星を表しているため、彼の実行力であり、攻撃力が彼女の人格として表れている。各界指導者や有力者との会談や会合には彼女も同席して、彼のほこらで存在感を示すことと思われる。

因みに話をマケイン氏に戻すと、彼は2008年6月18日〜8月3日まで木星/太陽期である。
木星から見ると、太陽は10室でムーラトリコーナにあり、強力である。
彼は8月3日までの1ヵ月半弱の期間、非常に威厳をもって目立つ時期である。

オバマ氏が今後のスタッフや政策について熟考するプラティアンタルケートゥ期にマケイン氏は威厳を持ち、目立つのであるが、その後、オバマ氏が8月10日から木星/太陽期に移行すると、オバマ氏が圧倒的にカリスマ性を発揮し始めることになるのである。

そうすると、 オバマ氏の太陽がマケイン氏の太陽から12室目にあるため、彼はそれまで目立って威厳を伴っていたにも関わらず、オバマ氏に引っ張られて、威厳のある立場を失っていくのである。

太陽の位置関係が2/12の関係にある場合、そのようなことが生じると思われる。