占星コラム
2007/6/2 2012年理論について 以前、鑑定したクライアントの方から、「2012年12月23日の地球のフォトンベルト完全突入」についてどう思うかと質問を頂いたのである。 その時のクライアントの情報によれば、地球は公転周期の特定の場所(地球から見て獅子座と水瓶座方向)を通過する時にフォトンベルトという、光子でできた帯状のゾーンを通過するらしく、今は、このゾーンの間歇的に入ってて、完全に入るのが2012年12月23日であり、突入最初の3日間は、いきなり高エネルギー状態に入るので、地球を宇宙線から守ってるファンアレン帯が消失して地磁気が狂い、PC類や電気を使うインフラ類は麻痺してまったく用を成さず、地球上の生物も多大な影響を受けて、地球の波動も上昇するので、この変化についていけない人達は淘汰されてしまうというのである。 私はその時、フォトンベルトという話はよく知らないが、この手の話は終末思想の変形版であり、宇宙の天体現象らしい言葉で最もらしく説明されたアストラル的妄想の類ではないかと思ったのである。書店などには様々なその手の類の情報が溢れている。情報はどのレベルから出された情報であるかが重要である。また情報は識別力を用いて、正しい情報を選択することが重要であって、無差別に情報を蓄積することにはあまり意味がないと思われる。 然し、2012年という時期についてはあちこちで聞くのである。 インドの聖者カルキ・ヴァガヴァンは2012年が人類の転機であると言っているようだし、またペルーの遺跡に記されていた文書に基づいたマヤ暦占いによると、2012年までの予言は記されているが2012年以降の予言は記されていないという。このフォトンベルトの話も2012年の時期にこじつけられた可能性があったとしても2012年という時期自体には何かがあるかもしれないとは思えるのである。 そこで、私は2012年のチャートを作成してみたが、2012年はちょうどトランジットの土星が天秤座に移行して、高揚の座に入る時期であることが分かった。 つまり、この年には、来るべきアクエリアス(宝瓶宮)の時代を創造するために準備され訓練されてきた奉仕者達が、その奉仕の責任を担う時期である。そうした奉仕者たちは水瓶座にラグナ、月、太陽あるいは複数の惑星が在住して、水瓶座の性質を表現できる人々ではないかと思われる。 水瓶座ラグナにとって、9室は奉仕の部屋であり、今生で行う奉仕、慈善活動を表しているのである。 従って、この時、天秤座で顕著な現象化が生じるのであるが、天秤座は太陽が減衰し土星が高揚する星座である。土星は民主主義を表しており、土星の手段は選挙である。選挙や民主主義的な手段を通じて、社会を変革する惑星である。太陽が減衰するので、力や権力、あるいは戦争によって人を支配することを嫌うのである。 従って、大衆とか、市民が活躍することを表している。それもお互いの自由を尊重し合う、調和や平和を表す星座である。一方、牡羊座は権力を表しており、支配や力を表している。そこに精神的、宗教的な惑星である木星が入室して、天秤座の土星にアスペクトするのである。 この解釈としては、何か権力にある人達が民主主義や平和や調和を世界にもたらそうとする奉仕活動に向けて政治的意志を示すのではないかということである。 あるいは高揚する土星が牡羊座の木星にアスペクトしているため、大衆が選挙で政治的意思を示し、世界を変革する指導者を選ぶことを表している。 つまり、選挙や大衆運動を通じた人民の意思と、世界のリーダーの政治的意思やリーダーシップが相互に影響しあって、世界に多大な変革をもたらすと考えられるのである。
天秤座で土星が高揚して、しかも機能的に吉星であると考えられるのは主に水瓶座ラグナ、山羊座ラグナ、天秤座ラグナ、牡牛座ラグナ、双子座ラグナ、乙女座ラグナであると考えられるが、その中でも奉仕性の強いトリコーナで土星が高揚するのが水瓶座ラグナ、天秤座ラグナ、双子座ラグナである。 これらの人々にとって、トランジットの土星が天秤座に入室して、そこにダブルトランジットが生じる2012年は奉仕をしたり、創造性を発揮する特別な時期に該当するのである。 土星は行為(10室)の惑星であり、カルマの惑星である。 現在は春分点が魚座にあるが、あと400年ほどで水瓶座に入っていくのである。現在、古い魚座のエネルギーによって構築された世界の様々な機構を解体し、新しく構築し直す仕事が水瓶座のエネルギーを表現できる人々によって行われている。 従って、現在、地球上で影響力を拡大しつつある水瓶座のエネルギーと調和し、それを最大限に活用できる奉仕者たちは、トランジットの土星が天秤座で高揚する2012年には、変革の仕事を顕著に成し遂げることが期待できるのである。 そして、その時期に新しい時代の基調となる分かち合いの政治的経済的仕組み作りが進み、国際連合の役割やNGO、NPOの役割、そして、大衆の活躍が今よりもずっと盛んになってくるのである。これらは政治のトップレベルで行われ、それはあらゆる末端に浸透することと思われる。 従って、2012年は人類が変革していく素晴らしい時期になることは間違いないのであり、終末思想などは、大きな見当違いであることは確かである。
(資料) 【アリスベイリー著『占星学とエネルギー』・一部抜粋】 |