占星コラム


2007/3/5 浅野史郎氏の出生図を検証する

 

浅野史郎氏が何故、今のタイミングで東京都知事に立候補したのか、そして、彼は石原慎太郎に勝てるのかどうか、インド占星術的に考察してみたい。

まず、彼は月、太陽が山羊座に在住し、月、太陽をラグナとすると、ラグナロードの土星が7室に在住して、7室の支配星である月と星座交換して1−7室のラージャヨーガ(昇進のヨーガ)を形成している。

土星と月は星座交換しているばかりでなく、さらにそれぞれ自室にアスペクトしており、強力である。惑星が自室にアスペクトすると、その惑星とアスペクトした先のハウスの両方を強めるそうである。 そして、この蟹座の土星と山羊座の月の星座交換はインディガンディーの配置と同じであり、ラオ先生によると、土星と月の絡みはカリスマ性を表すそうである。

出生時間は分からないので、12:00でチャートを作成しているが、ヴィムショッタリダシャーを見ると、おそらく彼は今、マハダシャー土星期ではないかと思われるのである。 マハダシャーの土星をラグナとして見た場合でもラグナロードの月と7室支配の土星が星座交換して、それぞれが自室にアスペクトし、1−7室のラージャヨーガを形成している。 そして、彼の場合、木星が蠍座から蟹座の土星に対して、アスペクトしており、蟹座の土星に対して木星がアスペクトすることで7室に土星と木星のダブルトランジットが形成されている。 7室に在住する土星は対人関係において、パートナーに対する真面目な奉仕を表す配置と言われている。そして、蟹座に対するダブルトランジットであるが、蟹座は保護と育成の星座である。 彼が福祉行政に力を入れてきたというのはこの辺りの配置が関係していると考えられる。 さらに彼の土星はナヴァムシャで水瓶座でムーラトリコーナの配置を得ており、月、太陽から見て1室と7室に在住していることから、パンチャマハープルシャ・シャシャヨーガを形成して強力である。(月の度数が分からず、12:00作成のチャートでは3°25'のため、少し出生時間が早いとナヴァムシャの月が山羊座にシフトしてしまい、月から見てシャシャヨーガを形成しているかどうかは分からない) 彼の月、太陽から3室目には5、10室支配の金星が高揚しており、木星と逆行する土星からアスペクトされている。従って、月、太陽から3室目は強力である。これは彼がメディアの力を活用できることを表している。 そして、金星が高揚していることは政治家にとって必要なカリスマ性を表しており、それをメディアを活用する中で発揮できることを表している。

彼は最近まで全くやる気がなかったのにも関わらず、メディアに露出する機会がどんどん増え、ワイドショーに出演し、カリスマ性を増しているのを最近感じるのである。彼はメディアに出ても消極的な発言を繰り返していたのであるが、「浅野さんと都民のハートに火をつける会」などの市民活動家の支援を受けて、都知事に立候補せざるを得なくなったのである。彼は望んでいなかったのに市民に後押しされて、仕方なく出た感じである。


それこそがシャシャヨーガの特性であり、民衆から民主的に選挙で選ばれてリーダーとなる象意を持つのである。彼は自分がなりたいから都知事になるのではなく、民衆、市民から促されて、市民たちに彼らのリーダーであると認められて選挙に出るのである。

彼は今、土星と木星がリターンしており、彼の出生図上で作る土星と木星の配置を再現し、それが形成する象意が顕現する時期である。 それは月、太陽から見ると7室へのダブルトランジットであり、7室は10室から10室目のハウスで10室の本質を表すハウスである。 10室の本質であるとすれば、社会的使命とか、地位、名声の本質を表すのである。 従って、浅野史郎氏もこのタイミングで出るべくして出てきた役者であると言える。 彼の土星はダーシャムシャでは太陽から見て、9、10室支配のラージャヨーガカラカで7室に在住して強さは普通であるが、吉星化しておりラージャヨーガを形成しているので十分良いと言える。 トランジットをさらに調べると、金星が魚座の金星にリターンしており、3月12日ぐらいまで続くようである。今現在、彼がメディアへの露出が多くなっているのはそのためではないかと思われる。 おそらく、4月頃、自分自身を表す太陽が魚座にトランジットするが、彼の金星は魚座で高揚しているため、都知事選の直前には非常にメディアに露出して、カリスマ性を発揮することと思われる。 このように土星期というのは浅野氏にとっては強い時期に思われる。然し、問題は彼のアンタルダシャーは今、何であるかである。 土星/水星、土星/ケートゥ、土星/金星など、いずれも決定的に強いとは言いがたく、ただマハダシャーの土星が強いのである。

ラグナが分からないので正確ではないが、現在、木星は蠍座にトランジットして、出生の木星にリターンしており、彼の蠍座の木星はビナシュタカヴァルガポイントが8/34で非常に強いようである。そして、7室の土星にアスペクトしているが7室の土星もビナシュタカヴァルガポイント4/28で平均よりも高い得点を得ている。(あくまでも出生時間が12:00の場合であるが)

そして、彼が宮崎県知事に就任していた1993年〜2005年の期間はマハダシャー木星期で、この強い木星がもたらしたものである。そして、今回、この木星が出生の木星にリターンしており、ナヴァムシャでシャシャヨーガを形成する強い土星のマハダシャーの時期である。

一方、石原慎太郎は現在、マハダシャー水星期で、彼の水星はラシチャート上でバドラヨーガを形成し強力である。 然し、彼は今現在、私の検証では水星/月期に入っている可能性が高く、その場合、月は8室を支配して、10室に在住している。

すると8室の象意はスキャンダルとか、突然の辞任とか、失脚とか、落選とか、キャリアの中断を表すのである。
そして、夏頃には土星と木星が彼の月、太陽から12室にダブルトランジットし、彼のラグナから9室にダブルトランジットし、12室は隠遁、9室は仕事をやめて、海外に出かけたりするようなことを表している。
土星と木星のトランジットは、明らかに石原慎太郎が選挙後に仕事から遠ざかることを表している。9室は仕事、職場を損失する部屋である。 4月の選挙時も土星と木星は射手座ラグナから見て8室にダブルトランジットしており、彼が射手座ラグナだとすると、やはり、ここでも、辞任、失脚、落選、スキャンダルなどの8室の象意を表している。 もし石原慎太郎が射手座ラグナで正しいとすれば明らかに浅野史郎氏に有利であり、彼の躍進を表しているようにも思える。 こうして材料をいろいろと吟味しても、やはり、未来を予測することは非常に難しい。

結局の所、はっきりとどうなるかを予言することは難しい。ただ石原慎太郎は苦戦する可能性が高く、浅野氏は予想外に善戦することは間違いないようである。そして、石原慎太郎の月は8室を支配していても10室に在住して、バドラヨーガの水星とコンジャンクトしている。これらをどう読めばいいのか判断が非常に難しい。浅野氏は善戦して、マスコミに取上げられて一時的に注目を浴びてそれで終わっていくのか。早く結果を見てみたいと思うのである。

 

<都知事選>民主、浅野氏支援決定 主要4候補の構図固まる 3月5日20時37分配信 毎日新聞  東京都知事選(22日告示、4月8日投開票)を巡り、独自候補の擁立を進めてきた民主党は5日、立候補の意思を固めている浅野史郎前宮城県知事(59)の支援を決めた。浅野氏は6日に会見し正式に出馬表明する。これにより、3選を目指す石原慎太郎知事(74)に、浅野氏、共産党が推薦する元足立区長の吉田万三氏(59)、建築家の黒川紀章氏(72)の新人3氏らが挑む構図が固まった。  石原、浅野両氏とも政党推薦を受けず、党派を超えた支持や無党派層の取り込みを図る方針。一方、自民、民主両党はそれぞれ石原氏、浅野氏を支援することで、今夏参院選に向け存在感を示したい構えだ。  民主党は5日、小沢一郎代表と円より子都連会長らが会談。党として浅野氏を支援することを決めた。形式は未定で、公認や推薦、支持と違い党議拘束を受けない。小沢代表は会談後、記者団に「批判を浴びる石原都政に終止符を打つため、浅野さんを応援していくことになった」と語った。円都連会長らは、党内から海江田万里前衆院議員らの擁立に向け動いていたが、最終的に断念した。  現職の石原氏は昨年12月に3選出馬を表明。09年に開催地が決まる16年夏季五輪の東京招致を目指し、五輪開催に向けた緑化推進や環状道路整備、医療改革などを盛り込んだ長期戦略を打ち出している。自民党は1月、党推薦を決定したが、石原氏は「首長は政党の看板を背負わない方がいい」と2月に辞退した。  浅野氏は今月2日、立候補の意思を固めたことを明らかにしていた。会見などでは五輪招致には賛意を示しながら、「最優先政策にするのは疑問」と語り、福祉政策や情報公開について、「石原都政は不十分」と批判している。  吉田氏は昨年10月、最も早く都知事選への出馬を表明。石原都政を「大型開発優先」と指摘し、都民の暮らしや福祉に重点を置くべきだと主張。石原氏と旧知の仲の黒川氏は、都文化事業への四男関与などで批判を浴びた石原氏の「引退の花道をつくる」などと立候補の理由を説明している。【北村和巳】 最終更新:3月5日21時29分