研究コラム
2006/8/19 次期総理大臣最有力候補、いや既に内定したというのが大筋の見方である安倍晋三氏であるが、前回、彼のチャートをコラムに掲載した時は、これほど、強いチャートは見たことがないと書いたと思う。 最近、安倍晋三著「美しい国へ」(文春新書)が緊急出版され、9月号の文藝春秋誌に安倍晋三の「闘う政治家」宣言(―― この国のために命を捨てる)が掲載され、首相指名秒読み段階である。 彼は元自民党幹事長・安倍晋太郎を父に持ち、母親は元総理大臣・岸信介の娘(現・安倍洋子)であるという、名門に生まれた政界のプリンスで、チャートを見ても、それは納得できるのである。 彼はマハダシャー木星期に生まれ、次に土星期、水星期と経過しているが、何れもラシチャートで高揚している惑星であるということから、名門に相応しい人生を歩んできたことを物語っている。 彼は最近まで、比較的地味に政界での仕事をこなしてきたと思うが、一躍、脚光を浴び始めたのが、北朝鮮による日本人拉致問題の真相究明に積極的な姿勢を示し、中山恭子内閣参与とともに拉致被害者と面談する様子がマスコミに放映されてからであると思われる。 彼はタカ派であり、北朝鮮に対する強硬路線を主張している。『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、大学の講演で「小型であれば原子爆弾の保有も問題ない」と発言し、講演終了後の懇談会で「北朝鮮など核攻撃で焦土にしてやる」と発言したと書かれている。 このような外に対しては非常に強行でハードであり、内側に対して、非常にソフトで面倒見が良いのは蟹座の性質である。彼は木星が蟹座で高揚して、ヴァルゴッタマであり、外国勢力に対しては強固な姿勢で臨み、拉致被害者とか、国民を保護する気持ちが強いのはこの配置が表している。 こうした安倍氏の姿勢は、北朝鮮や中国との関係を悪化させ、日本を軍国主義や徴兵制に向かわせるとの懸念も一部の評論家からは持たれている。 然し、こうした安倍晋三氏の姿勢は平均的な日本国民にとっては非常に待望するもののようである。それは守って欲しい国民にとっては非常に頼もしく感じるからである。 アリス・ベイリー著「ハイアラキーの出現・上」には蟹座は大衆意識を代表しており、水瓶座はグループ意識を代表しているという記述があるが、まさに自国の安泰や国民の生活を最優先に考えるという保守的、自己中心的な観点からすれば、蟹座の持つ保護の働きは大衆が求めている大衆意識そのものである。 今の米国を支配しているエネルギーもこの蟹座のエネルギーである。 彼はテロと戦うというスローガンを掲げ、国内の善良ではあるが、容易に思考を方向付けられてしまう、米国の大衆意識の代表たる宗教的原理主義グループの票を大幅に獲得し、再選したのであるが、彼の行動パターンを見ていると、まずは自分の政権内の身内の人々、そして、共和党、そして、米国のためというように同心円状に段々に範囲を拡大させてはいくが、基本的に最も身内の人間を大切に保護するという蟹座の行動パターンである。 彼は全く国際連合に目が向いておらず、他国との協力などという観念は少しもなく、米国の国益のみを追求して(さらに言えばテキサスの石油財閥の利益のみを追求して)いるのであり、映画「911」に映し出された広大な実家の牧場で、くつろぐ彼の姿はまさに蟹座に支配された自己や身内の安泰を望む人間の姿である。 他にも例えば、ブッシュ政権で国務長官でもあるコンドリーザ・ライス氏は木星が蟹座で高揚しており、彼女はブッシュ大統領に外交政策上の様々な問題点について講義する家庭教師でもある。彼女はブッシュ家によって、引き立てられ、そして、ブッシュ政権を支える優秀なスタッフの一人であるが、彼女の木星が蟹座で高揚しており、ブッシュ大統領のチャートと重ねるとラグナ、水星、金星、土星と木星がコンジャンクトして、木星がすっぽりとジョージ・ブッシュの惑星群をおおう配置となっている。このように身近な人間は全てその人のチャート上の惑星が表している。特にブッシュ大統領の場合、彼の蟹座に在住する金星、土星、水星のそれぞれは全て彼の周りのスタッフが蟹座の人々で固められていることを表している。つまり、ブッシュ政権は非常に蟹座の性質が強い政権であるということである。 このようにブッシュ政権は蟹座に支配されており、米国の国益にしか関心が向かっていないのが現状である。 そして、そのブッシュ政権に従順で、ブッシュのプードルとまで言われた小泉純一郎はラグナが蟹座であり、やはり、ここに蟹座繋がりが見られる。彼は先日、ブッシュ大統領の専用機に乗せられて、プレスリー博物館に行ってはしゃぎ、それ以前にもキャンプデービッドに招待されてはブッシュ大統領からジャンバーをプレゼントされたりと、非常に仲が良い様子を示していたが、蟹座ラグナ同士で非常に相性がいいと言える。小泉政権はアメリカのイラク戦争を支持し、アメリカの国債を大量に購入して、アメリカを支えている最もアメリカに従順な政権である。また規制緩和、構造改革をして、アメリカ、ニューヨークの金融財閥に日本国内の破たん処理した銀行、保険会社を安く譲ることで、日本の国民が貯蓄した資本の海外流出を招いている。 従って、決して、蟹座ラグナではあっても日本国民の利益を守る日本の国益に合致した行動をとっていないのである。それではどこの利益を守っているかというと従順にアメリカの国益を守る方向に行動している。これは実は日米安全保障条約によって、またアメリカに従順にすることでアメリカから守ってもらいたいという国民心理であり、大衆意識を代表しているのである。アメリカの政権に従順にしても日本の国益にならず、また負担も大きいのであるが、最終的にはやはり、アメリカに守ってもらいたいという国民心理を表しており、最終的な国益には合致する卑屈な大衆意識を反映しているのかもしれない。 そして、安倍晋三氏が総理大臣になったら、彼の木星は蟹座で高揚してヴァルゴッタマであるため、ブッシュ政権=保守政権と相性良く、親和的に振舞うことが予想される。安倍晋三は小泉路線を基本的に引き継いでいき、アメリカの保守政権が望んでいる総理大臣である。 これらは全て蟹座繋がりで示されている。 例えば何故、小泉再選時に自民党から立候補した杉村太蔵(蟹座・木星)が当選したのか、あるいは、何故、元ライブドアー代表取締役の堀江貴文(蟹座・月)が自民党から出馬して、小泉政権がそれを支持したのかを考えた時に、蟹座繋がりで考えると非常に納得できるのである。 このように小泉政権が蟹座の強い影響を受けているということは、現在の自民党はアメリカの国益(自国の不利益を伴う)に妥協して奉仕しながら、アメリカの庇護の下で国家の安泰を図ろうとする政権といえる。
非常に話が脱線したが、安倍晋三が次期内閣総理大臣になったら、親米的な政権をつくることが既に分かるのである。 安倍晋三氏の12:00で作成したチャートだと、2007年6月25日からマハダシャー金星期に変わるのであるが、おそらく、その金星期への変わり目が、彼が首相になって政権をつくる時期と一致していると思われる。 月から見て、5室支配の金星が5室天秤座でムーラトリコーナで強く、9室支配の高揚する土星とコンジャンクトしている。また太陽から見て、9室支配の金星と5室支配の土星が2室でコンジャンクトしている。強いダナヨーガが形成されている。 そして、ナヴァムシャでは月から見て、11室でラグナロードの金星が高揚している。 5室でムーラトリコーナの金星はカリスマ的で非常に表現力豊かであることを示している。 また11室で高揚する金星は飛びぬけて高い地位、名声、称号を表しており、社会的成功や富を表している。 この配置を見ると、まさに彼が今このタイミングで総理大臣になることが運命付けられていたことが分かる。もし金星期に金星のカリスマ性を発揮し始めるとしたら、彼の場合、総理大臣になることしか考えられない。従って、彼はマハダシャー金星期になると同時に総理大臣になるのである。 そして、過去何年間か、地味にコツコツと仕事を続けてきた時期がケートゥ期であったことが分かるのである。 安倍晋三氏のチャートは実際、非常に強いチャートでめったに見ることが出来ないチャートである。 強い惑星は彼が優秀なスタッフに恵まれていることを示している。彼は木星が高揚してヴァルゴッタマであり、現在の蟹座の影響を強く受けた米国保守政権に対して、新米的であると同時に、天秤座に土星、金星があり、双子座に月があるため、水瓶座-双子座-天秤座がつくる風のトライアングルも強く、国際連合を中心とした各国協調路線にも心が開いている。 またナヴァムシャを見ると、月から10室水瓶座でムーラトリコーナの土星と太陽がコンジャンクトしている。従って、国益中心の蟹座の大衆意識ばかりでなく、国際連合をその象徴とする水瓶座のグループ意識にも通じているのである。 従って、新しい水瓶座の意識を持った若者の要請にも応えることができ、国内の労働市場の流動性促進など、新しい雇用関係のあり方なども実験することが出来るのである。(既にフリーターの若者が雇用のチャンスを得られるような政策が検討されているという) 従って、私の考えでは、彼は単なるタカ派なだけの政治家ではなく、水瓶座のエネルギーをより顕示できるような社会改革が出来るのではないかと思われるのである。 北朝鮮のミサイル発射を国際連合に訴え出て、北朝鮮に対する国連決議を引き出したのも彼の働きによるものであるが、単にタカ派なだけでなく、国際連合というグループの中の一員として、各国を巻き込んで、各国と足並みをそろえて、強い態度を示しているのであり、単に孤立して、国益だけを追求した米国の対イラク政策とは異なるのである。 おそらく、安倍晋三氏のタカ派的なところは、射手座に在住して、ラーフとコンジャンクトする火星が作り出していると思われる。活発で非常に野心的な火星が月と相互アスペクトして、瞬間的に怒りやすい性格を作り出していると思われる。「北朝鮮に原爆を落とす」というような発言は確かに危険であるが、おそらく、火星はラーフとコンジャクトし、土星からのアスペクトで傷ついて凶星化しており、ナヴァムシャでも敵対星座の乙女座に在住して、ラーフとコンジャンクトしている。 これらがおそらく、非常に批判的で、妥協できない性格を作り出しており、また射手座の象意から「原爆」などと言った極端なことを発言するのだろうと思われる。この配置だけは良くない象意を生み出している。 この火星とラーフは月から7室目に在住しており、7室は国家であれば、外交、個人であれば妻やパートナーを表している。 個人で言えば7室に火星が在住したり、アスペクトすることは妻虐待のコンビネーション(K.N.ラオ先生の「運命と時輪」の中で述べられている)と言われる。 (実際、奥さんの話では、安倍晋三は非常に怒りやすいのだという) 従って、これらの配置が「北朝鮮など核攻撃で焦土にしてやる」という発言に見られるような強権的なタカ派的な態度として表れるようである。然し、この火星には天秤座で高揚する土星がアスペクトして抑制しているため、実際には彼は周囲のブレーンや側近、そして、政界や財界に広く交友する識者によって諌められ、あまり強権的な行動を実行に移すことが出来ないと思われる。天秤座は愛と調和の星座であり、ここに在住する土星は決して、そうした火星の強権的な暴発を許さないのである。
因みに8/18号の「FRIDAY」の88ページに『ラスプーチンか諸葛孔明か?北朝鮮に単独潜入した剛腕秘書官--- 安倍晋三「新官邸を仕切る」側近ブレーンの”素顔” 』という題名の記事が載っていたが、大変興味深かった。 これは安倍晋三氏の側近のブレーンである井上秘書官に関する記事である。 井上秘書官については以下のように書かれている。 「・・・井上氏はもとは旧国鉄でブルートレインの機関士をしていたという異色の経歴の持ち主。国鉄解体後、旧総理府(現内閣府)のノンキャリア官僚に転身し、やがてその働きぶりが安倍氏の目に留まる。『人柄は”誠実で頑固”。安倍さんが目をつけたのも、井上氏が寝食を惜しんで仕事に没頭する姿に信頼感を覚えたからといいます。安倍氏が”政権公約”として打ち出している、フリーターや失業対策などを柱とする『再チャレンジ支援策』も、井上氏が中心となって各省庁にハッパをかけ、具体策を募って取りまとめたものです」(自民党代議士)」 この性格が”誠実で頑固”というところから、おそらく、この井上秘書官は安倍晋三氏のチャートの乙女座に在住する太陽と水星が表している人物ではないかと思われる。この水星と太陽は月から4室目に在住しており、まさに彼の事務所に所属する身内のスタッフを表している。乙女座は非常に批判的で、細かいところに目が届き、また頑固で融通が利かないところがある。 彼が旧国鉄の機関士という技術畑の人間だったということや、またTBSがサブリミナル映像を使って安倍氏を不自然に貶めたのではないかという騒動があった際に、TBSに「出入り禁止」を通達して、断固とした処置を取ったのも井上秘書官だったという。 このことから、誠実なところと、批判的で容赦のない所を併せ持つ、融通の効かない頑固な性質から、この井上秘書官は乙女座水星と太陽が表していることが推測される。太陽は仕事のカラカであり、乙女座の水星が表す誠実で頑固な人物が自分の仕事の周辺にいるということである。失業対策などの政策を企画立案する細部にわたる正確さや”秘書”という仕事自体が乙女座を表している。 そして、この井上秘書官の名前が国政の表舞台に登場し始めたのは、’03年秋、安倍氏が自民党幹事長代理として、北朝鮮の拉致被害者や家族たちと盛んに接触するようになった頃からだと資料には書かれているが、井上秘書官が乙女座の水星で表されているとすると、おそらく、この’03年秋頃は、ケートゥ/水星期で、マハダシャー最後のアンタルダシャーの時期であったことが予想されるのである。 アンタル水星期になって、その象意である井上秘書官という誠実勤勉な側近を得て、いよいよ、安倍氏が国政の表舞台に出る準備を始めた時であったと考えると納得がいくのである。 この北朝鮮問題に取り組んでいた時の安倍氏は拉致被害者の家族に親身に対応し、マスコミにもその姿が放映され、彼の存在感が増していく時期であったことが考えられる。 因みに彼のホームページを見ると、彼の写真の背景にUNIXのコマンドラインが映し出されている。 このことで彼がコンピューターやITに強いことを主張しているのかは分からないが、このような演出一つ取ってみても、乙女座の細かさが良く出ている。彼の政策ブレーンやスタッフの中にはコンピューターやITに強い人物が多いということの表われかもしれない。
最後に水瓶座のグループ意識とは、協調性や和合、多様性の中の統一を表す。それは対等な立場や全体の利益を考える博愛的な観点を指している。この水瓶座のグループ意識に対して敵対的なのが、蟹座の大衆意識であり、自己の安泰を求めたり、自らが所属する共同体の利益のみを求める身内びいき、身内意識であり、家意識である。 現在のブッシュ政権がこの蟹座のエネルギーで満ちており、基本的に国際連合を無視して、アメリカ主導で物事を進めようとする態度に示されている。その結果、アメリカは国際社会から孤立しつつある。水瓶座と蟹座は6/8室の関係であり、一方が一方に対して、敵対的あるいは苦悩の配置である。環境保護のために国際協調のもと、京都議定書を締結しようとすれば、アメリカが国益の観点から反対したり、国連にとってアメリカは敵対的である。一方で、国際連合はアメリカにとって、国益重視の保守的政策を放棄を求め、アメリカの覇権を否定する悩みの種である。
8/21 追記 読者の方から、小泉総理の任期が終了する2006年9月、すなわち、安倍晋三氏が首相指名を受けると推定される時期をマハダシャー金星期に設定すると、ラグナが射手座ラグナとなり、ダシャーの流れと事象もほぼ一致しているという、ご指摘を頂いた。 確かに時刻修正ツールで2006年9月1日を金星期の頭に設定すると、ラグナが3°51’付近になり、ナクシャトラはムーラのようである。 ムーラは哲学的で、物事の根本を深く追求するナクシャトラで、物事を真剣に深刻に考える傾向が出てくるのであるが、安倍晋三氏がマスコミに向けて語る時の様子はムーラの特徴をよく示している。 また上記で指摘したような、対北朝鮮政策に見られるように外交的にタカ派であることが7室(外交、パートナー)に火星が在住しているからであると書いたが、このこととも矛盾するものではなく、ラグナに火星が在住して7室にアスペクトすることは非常にサディスティックな傾向を生み出すのである。 また7、10室支配の水星が10室で高揚の座にいるが、10室の太陽は政府の仕事を表し、ブレーンの井上秘書官は内閣府の官僚で、現在は内閣官房秘書官を務め、今後、総理大臣になる安倍氏の側近として、スケールの大きな仕事をするはずであることから、既に水星が井上秘書官を表しているのではないかと書いたが、そのことがさらに明確に説明可能になってくる。水星は7室支配でビジネスパートナーを表しているが、同時に行為の10室を支配している。井上秘書官は安倍氏の密使として、北朝鮮に侵入するなど、安倍氏の手足となって働く、安倍氏の”行為”そのものであるから、この7、10室支配の水星はまさに井上秘書官を表していると思われるのである。 この水星は9室支配の太陽とコンジャンクトして、ダルマ・カルマラージャヨーガを形成しており、最も強い昇進のヨーガを形成している。精神性、道徳、インスピレーション(9室)を仕事、職務(10室)に発揮することが出来るのである。 従って、井上秘書官が中心となって各省庁にハッパをかけ、具体策を募って取りまとめたフリーターや失業対策などを柱とする『再チャレンジ雇用策』とは、このヨーガが結実したものと考えられる。あるいは拉致被害者の行方に関する情報を提供するように厳しく要求する妥協のない対北朝鮮外交もこのヨーガの結実と考えられるのである。 また安倍晋三氏は次男であるが、射手座ラグナとすると、3室の支配星が11室に在住しており、ラオ先生の言う、以下の兄弟姉妹成立の条件に合致するようである。 【原則】--- 『3室の支配星が11室に在住したり、11室の支配星が3室に在住したり、3室と11室が惑星交換していると、その人は長子か、末っ子である。これは、その人の母親から見た場合であって、父親から見た場合ではない。 』 この原則の『その人は長子か、末っ子である』というフレーズは簡単に言えば、兄弟姉妹がいるということである。 また、ラグナロードの木星が4室を同時に支配して、8室で高揚して、ヴァルゴッタマという配置をしており、8室の象意が非常に強くなっているが、この高揚する木星はラグナから2室にアスペクトし、月から見て2室に在住して、遺産(8室)、相続(8室)、家族(2室)、家族の資産(2室)の部屋を強めており、このことは安倍氏の名門としての家柄や祖父や父親の地盤を引き継いだ世襲議員であることを示している。 あるいは今回、総理大臣に指名されるのもほとんど、小泉純一郎に後押しされるかたちであり、小泉純一郎に首相の座を譲り受ける(相続)かのような展開なのはラグナロードの木星が8室蟹座で高揚し、その蟹座は小泉純一郎のラグナに相当するからだと考えることが出来る。 このようにチャートを検討していくと、射手座ラグナである可能性が高いことがだんだん分かってくるのである。 因みに私は射手座ラグナに確定されていくなかで、安倍晋三に対して持っていた当初のイメージは崩れかけている。 11室で強い金星、ナヴァムシャでも11室で高揚する金星は、飛びぬけて高い地位、名誉、称号、富、多くの友人(各界の有力者)などの社会的成功を与えるが、6室も同時に支配して、これらの獲得には闘争(6室)が絡むからである。 例えばTBSがサブリミナル映像を使って安倍氏を不自然に貶めたのではないかという騒動があったり、NHKで従軍慰安婦問題や女性国際戦犯法廷について取り上げた番組について、放映前に中川昭一とともにNHKに対し、圧力を加え、内容を修正するよう迫ったことに関して、朝日新聞等が批判的に報じたりなど、彼に対する批判も強いのであり、その名誉はすんなりとスムーズに得られているわけではないようである。これは、3室と6室の絡みでマスコミ(3室)との闘争(6室)と考えることができ、またその土星が火星にアスペクトしているため、タカ派的な発言や行動はマスコミの批判的な言論によって、抑制されていると解釈が可能である。あるいは土星は2室も支配しているため、タカ派的な態度を抑制するのは、家族(2室)かもしれず、あるいは兄(11室)かもしれず、あるいは身近な人々や友人(3室)かもしれない。 実際、今までの検証では射手座ラグナにとっての金星期は非常に悪い時期だったという検証例も聞いており、この金星期が必ずしも文句なしの名声、成功に導かれる訳ではないことが分かるのである。 このように射手座ラグナとすることでマハダシャー金星期の印象が大分変わってしまうようである。 然し、そうではあっても水星はナヴァムシャでは月から見て2、5室支配で、4室支配の太陽、9、10室支配の土星と相互アスペクトして、4−10室の軸で、ラージャヨーガを形成している。従って、水星と太陽はナヴァムシャにおいても良いヨーガを形成しており、名誉、評価(11室)がスムーズに得られなくても政府としての仕事は実際的な成果を出すことが出来そうである。
年表を作成して見ると、神戸製鋼を退社して、外務大臣(安倍晋太郎)秘書官になったのが、水星/水星期であり、水星は10室支配で10室に在住し、太陽とコンジャンクトしていることから、政府関係の仕事と解釈でき、水星期に切り替わるタイミングとして納得できる。 また、神戸製鋼所入社時と、衆議院議員初当選時がともにアンタルダシャー・ラーフ期であり、1室在住のラーフは物事を始めるタイミングとして考えると納得できる。ラーフは射手座に在住し、自己実現(1室)のために高い目標を設定して、獲得(ラーフ)する時期であり、また貪欲に自己主張(1室・ラーフ)していく時期である。 そして、2003年9月に小泉純一郎の抜擢によって、自由民主党幹事長に就任するが、この時のダシャーがケートゥ/木星期である。 そして、2005年10月の第3次小泉改造内閣で官房長官に就任しているが、 この時期のダシャーがケートゥ/水星期であり、やはり、太陽とコンジャンクトする10室水星期には内閣入りして、政府の要職を得ている。 このように検証してみると、事象とダシャーが見事に一致しており、射手座ラグナで間違いないと思われる。 因みに2000年7月のケートゥ/金星期には第2次森改造内閣で官房副長官に就任しているが、私の記憶ではこの時、安倍氏を官房長官に推す声もあったが、まだ党幹事長には若すぎるという反対意見もあり、官房副長官のポストになった経緯があったと思う。 正確には記憶していないが、このアンタル金星期には確かに敵対的な意見によってスムーズに地位、名誉、ポスト(11室)を得られない状況があったようである。 そうすると、マハダシャー金星期もこれと同じように、たとえ総理大臣になることが出来たとしてもスムーズに地位、名誉(11室)を得られるわけではないようである。必ず、何らかの敵対的な力によって、足をすくわれる可能性があると言える。 このような検証から、9月の首相就任をマハダシャー金星期に設定することで、ダシャーと事象の一致が得られるため、ケートゥ期から金星期への変化はいきなり、突然やってくることが分かる。つまり、昨日まで、官房長官に過ぎなかったのが、今日は指名されて、総理大臣に就任するというようにその切り替わりは、外的イベントを伴って、突然やってくるのである。 また上記のダシャーを考察すると、国会議員になっただけでは、国家権力を行使しているとは言えないことも分かる。 それは安倍氏が、10室在住の太陽(国家権力、政府)とコンジャンクトする10室支配の水星期に外務大臣・安倍晋太郎の秘書官に就任したり、官房長官に就任していることから明らかである。 従って、国家公務員一種に合格して入省するキャリア官僚の方が、通常の国会議員よりも、国家権力を行使していると言える。
(資料) FRIDAY 8/18号 P.88-P.89より引用抜粋 『ラスプーチンか諸葛孔明か?北朝鮮に単独潜入した剛腕秘書官--- 安倍晋三「新官邸を仕切る」側近ブレーンの”素顔” 』 古今東西、「名君主」や「名将」には、彼を背後で支える「名軍師」や「名参謀」がいるものだ。劉備玄徳に対する諸葛孔明。羽柴秀吉に竹中半兵衛などなど。彼らはその明晰な頭脳で主君の創業や覇業を輔けて歴史に名を残したが、たまに、”虎の威を借る狐”となりはて、「君側の奸」「ラスプーチン(ロシアのニコライ2世に取り入り政治を腐敗させたといわれる怪僧)」などと言われ、権力の座から転がり落ちてしまう人たちもいる。 井上氏は、もとは旧国鉄でブルートレインの機関士をしていたという異色の経歴の持ち主。国鉄解体後、旧総理府(現内閣府)のノンキャリア官僚に転身し、やがてその働きぶりが安倍氏の目に留まる。 |