研究コラム

 

 

 


2004/8/27 井上康生選手のサディサティ

アテネオリンピックで団長を務め、金メダルの大本命だった井上康生選手がまさかの4回戦負けを喫した。

一方、後輩の鈴木桂治選手はオリンピック選考時から指の怪我で苦しんだものの、見事オリンピックでは金メダルを獲得した。

この違いはどこから生まれるのだろうか。

井上選手の不調を検証する為、チャートを作成した。

出生時間不明のため、12:00で作成すると、彼の月が蟹座28°13'におり、現在彼がサディサティであることが分かる。因みにトランジットの土星は現在、双子座29°付近にいる。

このことから現在、彼は、サディサティによって苦しんでいると予想できるが、それには彼の土星が凶星でなければならない。

ラシチャートで土星は敵対星位の獅子座に在住し、獅子座からみて、土星は6、7室支配の機能的凶星で、マラカである。また月から見ても土星は7、8室支配の機能的凶星である。

次にナヴァムシャを見ると、土星は減衰して、火星のアスペクトとラーフのコンジャンクトを受けており、傷ついている。(火星がもし機能的凶星であればさらに土星は傷ついていると言える)

そして、牡羊座から見て、土星は10、11室支配の機能的凶星であり、月から見ても11、12室支配の機能的凶星である。

次にアシュタカヴァルガを見ると、土星は蟹座に0ポイントのビンドゥーしか与えていない。その為、蟹座において土星は吉星として働く要素が全くなく、凶悪な影響を発揮するということになる。またサルヴァアシュタカヴァルガも17ポイントしかなく、蟹座において土星ばかりでなく他の惑星も吉星として働く要素が少ないのが分かる。

ハンマー投げの室伏選手は土星が最高に吉星化していたのに比べて、井上選手はかなり土星が機能的に凶星化しているのである。

オリンピックの明暗を分けている原因はこの辺りにありそうである。

 

2004年8月19日 世界王者に厳しかったマーク=井上、気負い目立ちよもやの敗退 時事通信社 写真を拡大する 柔道男子100キロ級4回戦で一本負け、がっくりと肩を落とす井上康生(19日、アテネ) 【時事通信社】 誰もが目を疑った。そして日本から駆け付けた応援団が静まり返った。どんな苦境でも、攻撃一本の柔道で道を切り開いてきた井上が敗れた。男子100キロ級4回戦、敗者復活2回戦と、よもやの2試合連続一本負け。「(最後は)頭が真っ白というのが、いちばんいい言葉だと思う」。試合終了から約30分後に報道陣の取材に応じたエースは、しっかりした口調で気丈に振り返った。 世界選手権3連覇の王者に、厳しいマークが待ち受けていた。破壊力抜群の攻撃を封じようと、各選手が徹底して井上の組み手を嫌った。釣り手を持とうものなら、偽装攻撃気味のともえ投げを仕掛けて試合の流れを絶つ。イチかバチかの柔道をしてきた。 4回戦で対戦したファンデルヘーストもそうだった。得意の内またを返されて有効を奪われる苦しい展開。劣勢を挽回(ばんかい)しようと積極的に前に出た残り12秒に背負い投げで合わされた。「十分に分かっていたことだが、なかなか対応できなかった。それも含めて実力ですね」。外国勢に一本負けを喫するのは、2001年3月の大陸別の団体戦以来。次の試合も強引な大内刈りを返されて散った。 「一本勝ちしようという気負いが1回戦からあった。気持ちをコントロールできなかったとしか思えない」とは斉藤仁監督。シドニー五輪、01年と03年の世界選手権の3大会は全試合一本勝ちで優勝。抜群の実力を誇る日本のエースだけに、指揮官も敗因を見いだせない様子だった。同監督は「神様が大きな試練を与えたのだと思う。まだまだ強くなるための試練だ。康生なら乗り越えられる。新生康生に期待したい」と続けた。26歳にして味わった人生最大の屈辱。「柔道が好きだし、自分自身の柔道を完成させるためにやっている。自分がまだどこの位置にいるか分からない」と話した井上。今後、悔しさという種から大輪の花を咲かせることだろう。(アテネ時事) [時事通信社]