研究コラム

 

 


2004/8/26 室伏広治選手のサディサティ

 

オリンピック、ハンマー投げで室伏 広治選手が惜しくも28cmの差で金メダルを逃した。然し、下の記事を見ると、優勝したアドリアン・アヌシュ選手にドーピング疑惑が出てきた為、もしドーピングが発覚すれば優勝する可能性も出てきたようである。然し、例え銀メダルだとしても、金メダルにほとんどとどきそうな立派な成績を残したと言える。

彼のチャートを作成すると、月がアールドラー、土星がプナルヴァスでコンジャンクトしており、現在、サディサティであるのが分かる。ここ最近、サディサティの人の非常に悲惨な経験を記事にして来たが、彼の場合、トランジットの土星が出生の月を通過した2003年9月頃において絶好調であり、2003年プラハ国際大会においてはアジア新記録を樹立している。

土星が出生の月に接近した2002年の8月頃から2003年の9月にかけての彼は、下記の国際大会での連勝によっても見られる通り、サディサティの悪影響は特に受けていないようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そこで、考えられるのが土星は機能的吉星であり、トランジットの土星は悲惨さではなく、むしろ人生に援助をもたらしたということである。サディサティである以上、成功しているからにはそれしか考えられない。そこで、土星が機能的吉星になる条件としては、ラグナが天秤座、牡牛座、双子座、乙女座のパターンがあるが種々検討した結果、牡牛座ラグナのローヒニー第2パーダにラグナを設定してみた。天秤座ラグナだと12室惑星集中であり、これだけ露出が激しいにも関わらず12室惑星集中であるというのは似合わないのであり、また土星は9室在住で、これも目立たない。また双子座ラグナでは、4室惑星集中であり、4、5室で星座交換するが、特に4室の家とか、母親というテーマは強く感じないのであり、彼はむしろコーチを兼ねる父親との縁の方が強いのであり、これも適していない。乙女座ラグナだと、12室支配の太陽、3、8室支配の火星がラグナでコンジャンクトし、2、9室支配の金星がラグナで減衰するので、とても成功するようには思えない。そこで消去法で牡牛座ラグナになるが、牡牛座にはケートゥが在住し、彼の容姿を見ると、現世的欲望のラーフというよりもむしろ修行僧のケートゥに近いものを感じるのでこれは直感的によく適合しており、また、土星は9、10室支配の最高のラージャヨーガとなり、5室とスポーツの6室が星座交換し、7室支配の火星、4室支配の太陽、ラグナロードの金星がコンジャンクトして、ラージャヨーガを形成しており、スポーツという文化活動において最高の力を発揮しているという象意とよく適合する。金星は減衰しているが6室を支配する為、特別な法則が期待でき、ラージャヨーガ的に働く可能性がある。彼は黙々と目標に向かって粘り強く一歩一歩進んでいくタイプであり、その根気強さなどは牡牛座のローヒニーの特徴をよく表している。ローヒニー第1パーダや第3パーダなどの第2パーダ以外にラグナを設定すると、ナヴァムシャのラグナが牡羊座や双子座に移ってしまい、そうすると、土星がラージャヨーガカラカでなくなってしまう。ナヴァムシャ牡牛座ラグナに設定すると、ラグナロードでスポーツの6室を支配する金星と9、10室支配のラージャヨーガカラカの土星が1室でラージャヨーガを形成する。また10室に木星、月、水星がコンジャンクトし、非常に大衆の注目を浴びるスポットライトを浴びるステージで活躍する配置となる。3室の凶星も忍耐強さを表し、ナヴァムシャで牡牛座ラグナというのは非常に適合している。またダシャーを見ると、現在、土星−金星期であるのが確認できるが、現在の活躍もナヴァムシャのラグナを牡牛座に設定する(ラシのラグナをローヒニー第2パーダに設定)とよく説明できるのである。

ラグナをローヒニー第2パーダに設定した理由は以下の通りであるが、ドレッカーナやダーシャムシャを見ても、ドレッカーナではラグナロードの水星がスポーツの6室に在住し、ムーラトリコーナの土星とコンジャンクトし、ダーシャムシャでもラージャヨーガカラカである土星が10室でムーラトリコーナであり、土星が最高のポジションに在住しているのが分かる。(ダーシャムシャの10室は職業を表す)これだけ土星が良いとなると、サディサティであっても土星は障害を与えるのではなくむしろ吉星としての土星の力を授けているということに納得できる。

彼のチャートの特徴としてハスタに惑星集中しているが、彼は筋肉男であるにも関わらず、性格的に穏かで上品さがあり、非常に細かいことによく気がつきそうな繊細な性格をしているようである。これは直感的に彼のテレビでのスピーチや物腰などを見ても直感的に納得できる。

 

ついてにチャラダシャーを検証すると、オリンピックで銀メダルを取った現在、彼は蠍座−蟹座(2004年4月8日〜2005年2月6日)である。蠍座も蟹座もラシチャートでは、惑星からのアスペクトを受けておらず、ラーフ、ケートゥ、PKからのみアスペクトされている。然し、ナヴァムシャにおいては全てのジャイミニカラカからアスペクトされている。

このことから、チャラダシャーとジャイミニのアスペクトはナヴァムシャにおいても機能していると考えられる。(チャラダシャーがナヴァムシャにおいても機能するのかは不明)

ジャイミニカラカ  AK/土星、AmK/火星、BK/太陽、MK/月、PK/木星、GK/水星、DK/金星

 

2002

ドーハGP 優勝

アジア選手権(スリランカ) 優勝  

GPファイナル(パリ) 優勝  

ワールドカップ 2位  

アジア大会(釜山) 優勝

2003

大阪GP 優勝  

プラハ国際 優勝(84m86のアジア新記録樹立)

レシーム国際(ギリシャ) 優勝  

世界陸上(パリ) 3位(銅メダル)

2004

ユージーン国際 優勝  

プラハ国際 優勝 アテネオリンピック  

 

ハンマー投げ覇者薬物疑惑で室伏「金」も  アテネ五輪の男子ハンマー投げで優勝したアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)のドーピング(薬物使用)検査について、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長が25日、国際オリンピック委員会(IOC)に調査要請の文書を提出した。同種目で2位に入った室伏広治(ミズノ)は26日にアテネから帰国する予定だったが、繰り上げ金メダルの可能性があり、事態の推移を見守るために29日の大会最終日まで出発を延期することになった。  この問題に関連して、IOCのシャマシュ医事部長は、アヌシュの薬物検査について「正規の手続きで行われた。現在は通常(検査後)1日から4日かかる検査結果を待っているところだ」と、尿検体の採取時に不正があったとの疑いは否定した。アヌシュは、23日の男子円盤投げで優勝し、その後の薬物検査で尿検体の提出を拒否して失格となったローベルト・ファゼカシュ(ハンガリー)と同じコーチに師事している。 [ 8月26日 9時0分 更新 ]