英国のEU離脱と「暗黒の金曜日」を予言していたジョージ・ソロス氏

英国がEUを離脱してから金融市場が不安定化し、早くも金が急騰しているようである。

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金の価格上昇 英EU離脱で「逃避買い」
日本テレビ系(NNN) 6月27日(月)19時25分配信

EU離脱派の勝利で金融市場が動揺する中、安全資産とされる金の価格が急上昇している。

貴金属店では資産用の金の価格が先週末から1グラムあたり107円も値上がりしているという。1キログラムの金のバーの価格が約477万円と先週末から約10万円も値上がりしている。先週末のアメリカ・ニューヨーク市場でも金の先物価格が約2年3か月ぶりの高値をつけた。

イギリスでの国民投票を受け世界経済に不安感がある中、資産を株や現金などではなく金で持っておきたいと「逃避買い」する人が増えているという。
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そのような状況の中で、伝説の投資家ジョージ・ソロス氏が、欧州株式市場の暴落を予言していたとニュースが報じている。

記事によれば、ジョージ・ソロス氏は、金を買い増して、米国株売りを仕掛けていたようである。
今回の株式市場の暴落は、天王星といった動きの遅い惑星が、星座を変わるタイミングが金融市場の予測に効果的であることはっきりと物語っている。

特に長期トレンドの予測などに非常に有効ではないかと思われる。
確かに84年の公転周期を持つ天王星が星座を移動するタイミングとは、政治経済が変わるタイミングであり、社会のトレンドが変わるタイミングであるため、金融市場が大きく動くのは当然のことである。
また天王星は革命、革新の惑星であるため、これまで行われてきたやり方が大きく変化するのである。
私は過去の事例を確認して、天王星が牡羊座に入室したら、国家社会主義が台頭することを予測することができた。

しかし、金融市場の暴落までは予想していなかった。
もし欧州の政治状況をよく知っている人ならば、イギリス独立党の躍進から国民投票の結果を事前に予測し、英国がEUから離脱する結果として、EUの経済基盤が弱体化し、その結果として、金融市場の暴落につながるということは読めたはずである。
従って、天王星が星座に入室するタイミングは、ファンダメンタルの分析、長期トレンドの予測に役立つということがよく分かった。
ジョージ・ソロスのような破局のタイミングを利用して大儲けする投資家は、その時こそが、勝負時なのである。

普段は全く勝負しないで、何も取引せず、そうした時にだけ取引するのである。
すなわち、金融市場、株式市場の相場予測のポイントというのは、惑星が星座を移動するタイミングである。
それも動きの遅い惑星を使って長期トレンドを予測し、動きの速い惑星を使って短期トレンドを予測するのである。

因みにソロス氏は、今回のEU離脱による経済危機は、2007-08年の金融危機に匹敵するだろうとの見方を示しているという。

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英離脱で市場混乱続く、経済悪影響は金融危機並みに=ソロス氏
2016年 06月 27日 10:36 JST REUTERS ロイター

[25日 ロイター] – 米著名投資家のジョージ・ソロス氏は25日、英国民投票の欧州連合(EU)離脱派勝利について「多くの人が恐れていた破局的なシナリオが現実となり、EUの分裂は実質的に避けられなくなった。これから英国とEUの長く複雑な政治・経済両面での離脱交渉が行われるので、金融市場は世界的な混乱が続く公算が大きい」と警告した。

さらに実体経済への悪影響は、2007─08年の金融危機に匹敵するだろうとの見方を示した。

ウェブサイト「プロジェクト・シンジケート」に寄稿した。

ポンドはブレグジット(英国のEU離脱)が決まれば15─20%強下落するとの予想を国民投票前に示していたソロス氏が、実際にポンド売りを仕掛けていたかどうかは判明していない。ソロス氏の広報担当者も、同氏がブレグジットに賭ける取引をしていたかについてコメントを拒否した。

ソロス氏は、今後EUを救うには抜本的な枠組みの再構築が必要になると指摘。そのためにはEUが守ろうとした価値や原則を信じる人々は結束しなければならないと訴えた。

一方で英国については「EUを去ることで最終的には他国よりうまくやっていける可能性と、やっていけない可能性がどちらもある。だが短期から中期には経済と国民が相当な苦しみに見舞われる」と述べた。
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結局、英国の愛国的、民族主義的なEU離脱が世界経済を混乱に貶め、結果として、短期から中期的に経済的な苦しみに見舞われることで、国家社会主義的な指導者の登場を必要とするという循環が見込まれるのである。

英国がEUを離脱するという選択は、経済合理性から言えば、全く不合理なものであったという。

従って、今回は政治的な不満からの不合理な選択であったと見なされるべきである。

つまり、お金や生活の安定よりも、EUの金融資本家や多国籍企業、高級官僚による超国家的支配から逃れて、自由や文化的制度的独自性、自国文化への誇りといったものの方を勇敢にも選択したということである。

それこそが、英国民の革命(天王星)であったと考えることができる。
そして、英国が離脱したことで、EUは抜本的にこれまでのあり方を見直しし、元々のEUの価値や原則(すなわち正しい協力関係)に回帰する必要が出てきたのである。
そうした中で、世界経済の混乱が続けば続くほど、カリスマ的な指導者への大衆の期待も高まるのである。

GeorgeSoros_chart ———————————————————————————————————————————
英国のEU離脱で注目高まる「ゴールド」 ソロス氏「暗黒の金曜日」予言的中
2016/06/24 ZUU Online
伝説の男が、また伝説を生み出した。1992年に英国中央銀行にポンド売りを浴びせて巨額の利益を上げ、当時の欧州為替相場メカニズム(ERM)からの脱退を余儀なくさせた著名投資家のジョージ・ソロス氏(85)。彼は先週、因縁の国イギリスの欧州連合(EU)離脱を予言し、国民投票の翌日である6月24日が「暗黒の金曜日」になると語っていた。この予測は的中し、世界の市場は大暴落モードに突入した。

■破局のにおいをハイエナのように嗅ぎつけていたソロス氏

こうしたなか、同氏率いるヘッジファンドの「ソロス・ファンド・マネジメント」が、安全投資先としてゴールドや金採掘企業株の買い付けをしていることに、改めて注目が集まっている。ソロス・ファンドが米国株の下落に賭けるショートを拡大し、金と金鉱山株の上昇に賭けるロングをしていた「先見の明」が際立つ。

ソロス・ファンドは2015年12月末から2016年3月末までに、米国株ETF(上場投資信託)のプット(「売る権利」を取引する投資商品)を100万個から210万個に増やす一方、カナダをはじめ米国、南米、オーストラリア、アフリカで鉱山の運営と開発プロジェクトを展開する国際金鉱業企業バリック・ゴールド社(本社・カナダ)の株式保有を0株から1900万株に増やし、同社の筆頭株主となった。その結果、3月末から6月上旬にかけて、9000万ドルの利益を得た。また、1月から3月の間に、金ETFのコール(「買う権利」を取引する投資商品)を、0個から100万個に引き上げていた。

ソロス氏はすでに昨年秋から年末に、金保有を3360万ドル以上に買い増しており、今年に入って世界経済や金融への不安心理が高まりつつあったなか、4月以降もゴールドのロングを拡大し続けていたとしても不思議ではない。ソロス氏お得意の、「破局の局面」を利用した取引だ。

6月9日付の米経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、「長きにわたって休止を守ってきたソロス氏が、満を持して取引に戻ってきた」と、ソロス氏の動きを表現した。ハイエナのような嗅覚を持つソロス氏は、血のにおいを嗅ぎつけ、狩場に戻ってきたのである。

同氏は6月20日、英国離脱で「ポンドの為替レートは急落し、それが金融市場や投資、物価、雇用に即時、大幅な影響を及ぼす」「今回のポンド急落は、私のヘッジファンド顧客がかなりの利益に浴する幸運を得た1992年9月の15%下落よりも大きく破壊的なものになるだろう」と予測していた。

■安全資産の金にマネーが殺到して高騰

英国のEU離脱で、世界経済全体が「脱グローバル化」へと大きく渦を巻いて逆回転を始めた。金は、こうした長期的なリスク資産価値の下落に強い「無国籍通貨」とも呼ばれる有事の安全な実物資産だ。為替や株式・債券市場で不安心理が支配すると「究極の安全資産」である金が買われるため、ソロス・ファンドの収益は大きく伸びるだろう。

景気が上向く時に買われやすい英国北海ブレント原油は、「EU離脱」のニュースを受けて一気に6.6%下落し、1バレル当たり46ドル81セントをつけた。一方、金価格は8%上げ、過去2年間で最高値の1オンス当たり1355ドルまで高騰をしている。多くの専門家は、「近いうちに1400ドルの壁も突破する」と見ている。

では、今回ソロス・ファンドが買い増しているバリック・ゴールド株と、ニューヨーク証券取引所に上場する世界最大のドル建て金ETF「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」とは、どのようなパフォーマンスを見せているのか。

まず、バリック・ゴールド社は、近年の金下落の影響で業績がさえず、負債が130億ドルに達する「ダメダメ企業」だった。だが同社は今年度20億ドルの負債削減を目標に積極的な経費削減を行い、目に見えるキャッシュフローの改善を実現した。ソロス氏も、そこに注目したのだろう。

そして、何よりも同社への追い風となっているのが、世界経済の成長鈍化である。金融政策も財政政策も効かない状況の下、国際的な景気後退の予測が相次ぎ、年内の米利上げも遠のいている。そこに、英国離脱のダブルパンチだ。業績改善の著しいバリック・ゴールド株は過去3か月間に1株当たり価格が10ドル近辺から20ドルと倍になっており、金が1400ドルを目指すなか、さらに上げていくことが予想される。

ちなみに、ソロス氏はカナダのバンクーバーを拠点とする鉱業会社シルバー・ウィートン社への投資も増やしており、同社もここ1か月半で株価は大きく上げている。

翻って、有名な金ETFのSPDRは非常に活発に取引がされているため、流動性の心配が要らないところが魅力だ。直近では、2008年から2009年の金融危機で、株式や債券の価格が値下がりするなか、金は逆に値上がりしたことが記憶に新しい。英国離脱で金融恐慌の可能性が取りざたされる環境で、SPDRも上げていくだろう。離脱直後では、SPDRS&P500ETFが1.3%上昇している。

英国のEU離脱をピタリと言い当てたソロス氏の投資方針は、市場関係者の注目を浴び続けよう。これからの市場で不安定さが常態化することが予想されるなか、ボラティリティ(価格の変動幅)が大きくなる世界は、ソロス氏にとって絶好の狩場である。

ゴールドや金鉱株の上昇は、世界中で資金の流れに重要なシフトが起こりつつあることを示唆している。常に果敢に株式市場に挑んできたソロス氏の金へのシフトは、「彼が弱気になった証拠」と評されているが、市場のパラダイムシフトに誰よりも早く勘付いたソロス氏にとっては、当たり前の現実的な立場の転換だ。因縁の国イギリスのEU離脱による金上昇で、彼の血は再び燃えているのである。(在米ジャーナリスト岩田太郎)
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