減衰する木星のカルマ

私の木星は減衰しており、私の人生に大変な苦労をもたらしている。

このことについて常々考えていた。私は前世で何をしたのだろうと。

どのようなことをすると、木星が減衰するというカルマを背負うのだろうかと考えてきた。

ある時、ひょんなことから、私はある霊能者と知り合うことになった。

その人は魂の音色を声に出して、再生することが出来る能力があり、またハイアーセルフの声を聞くことができるのだという。

私がその人に好感を持っていたのは、その人はお金を受け取らずに無料で霊能力を使って多くの人に奉仕しているということを聞いたからである。また里親制度を通じて、奉仕をした経験についても語ってくれた。

機会があった時に、私の魂の音色をリーディングしてもらうと、彼女はセッション中に突然、悲しい声を出して泣き始めた。後で、聞いてみるとそれは私が過去世で、軍隊の武将であり、その時に不注意で自分の実の子供を死なせてしまい、それで深い悲しみに沈んでいるのだと言った。

通常、この手の霊能力で知覚したことは証明が出来ないため、肯定も否定もできないのであるが、どちらかというと私は信用しない方である。

しかし、前世で不注意から子供を死なせたというのは非常に興味深い仮説ではある。

というのは木星は子供の表示体であり、不注意から子供に対して申し訳ないミスを犯してしまったとしたら、その後の転生において、子供の表示体の品位が悪く(減衰)なり、その結果として、私が今生で木星があらわすグルの恩寵や経済的な豊かさ、子供運などの木星が表す象意について恩恵を受けることができにくくなるというのはあながちカルマの負債としては的を得ている感じがするからである。

私はその過去世のミスのせいで、木星の恩恵を失う人生を送り、そしてカルマの負債を消却する、というのは分かりやすい解釈である。

そうしたことを考えながら、私が推測するのは私の木星は減衰しているが、ラグナ、月、太陽から9室の支配星で10室に在住し、基本的に吉星化しているのは、私はミスを犯したが、それは不注意からのものであって、動機は間違っていなかったのではないかということである。

木星は5室目(子供)と9室目(父親、グル)にアスペクトするので、子供に献身し、父親やグル(教師)に献身する人が、後の人生で良い木星の配置をもって生まれることが出来るのではないかと考えられるのである。

従って、この霊能者の知人が見た前世の出来事というのは仮説通りの考え方でいくと、今生の出生図の木星の状態と一致しており、非常にそのリーディング結果を興味深く思うのである。

その霊能者の知人は全く占星術に関する知識がなく、星座とか、惑星とかの象意について全く知らない人なのであるが、何故、このようなリーディングをしたのだろうかと思うと不思議である。彼女によれば、人それぞれ全く違ったリーディング結果になるのだという。皆、同じリーディング結果になるのではないかという私の疑惑を否定して彼女はそう答えた。

ただ前世で私が武将をしていたというのが全く理解できない。そのような人々を統率するような偉い人間だったのであれば、もう少し今生で経営者とか、何らかの管理職にいてもよいのではないかと思うからである。

しかし、私のラグナは牡羊座であり、牡羊座の象意は戦争であり、軍隊とか将軍とかである。実際、私は過去、ラグビーやサッカーなどの競技をしていたこともあり、突進や体当たりなどの格闘技性の強い競技を行っていたこともある。
従って、そうした私が発するエネルギーを感じ取って、それを過大評価して、過去世で武将をしていたなどという、聞いた人の自尊心をくすぐるようなストーリーを創作してくるのだろうかなどと思ったのである。

もしそうであるなら、子供を不注意で死なせたというストーリー自体、減衰する木星が発するエネルギーを感じ取った上で、それに適合するようなストーリーを創作しているのかもしれない。

非常にこの手の霊能力とかリーディング能力などが信用できないのはこのような受ける人の自尊心をくすぐるようなことを言ってくるからである。あなたは過去世では平凡な市民で工場で働いていて、戦争にも言ったことがあるというようなごく普通のリーディングをしてくれればまだ信じられるが、あなたは前世でヨーロッパの貴族でしたとか、神官でしたとか、今生で普通の平凡な市民であるに関わらず、前世ではそれをはるかに上回る社会的地位であったというようなリーディングはほとんど合理的でない気がする。

しかし、そのようなことを差し引いても、前世で不注意から子供を死なせてしまったというリーディング内容は、非常に興味深くもっと別の前世鑑定師にも見てもらって、検証してみたい気がするのである。


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