6-8関係の生成の過程について

お互いが対照的で対等な関係が1-7室の関係です。
この関係においては力関係が均衡しており、全く互角です。
相手と自分の違いを受け入れて交流していくしかありません。

その関係性を失うのが6-8室の関係です。
まず7室を損失するハウスが6室で6室から見ると自分が8室となって、社会に6室と8室の象意を生み出します。

6室と8室は双子です。
ある惑星から6室目に惑星が在住していればその惑星から見て8室目にある惑星が在住するので両者は双子のように
同時に生成されます。それでダシャーによって6室と8室の象意がそれぞれ発現してきます。

人にお金を借りたり貸したりすると、債権や債務が生じ、そこに相手との対等な関係性が失われるので6室の象意が出てきます。そして、相手に金を貸すことで債権と金利(8室)を得ますが、次第に利子で生活するようになり相手の借金状態を必要として、心が不道徳な状態(8室)になります。不幸な腐れ縁、束縛関係(8室)が生じます。
あるいは相手に金を借りることで相手に対して不利な立場になり相手への隷属状態(8室)が生じます。

6室の象意が生成すると同時に8室の象意が生成しているようです。生成のタイミングは同時です。

よく人との関係性を失いたくないなら、人に金を貸してもいけないし、人から金を借りてもいけないというのはこのためです。1-7室の対等な関係が失われて、6-8室の関係に転落するからです。

つまり、人に金を貸して優位な立場になることも金を借りるのと同じくらい決して幸福なことではないということです。

サラ金経営者は日本銀行あるいは大手銀行から公定歩合で金を借りて、それを一般消費者に年利20%前後の金利を乗せて、金を貸しています。つまり金を借りて6室が強く、金を貸して8室が強いということです。
彼らは借りた金を人に貸して金利を得て生活する人々で主に6室と8室の象意によってそれがもたらされています。
ラオ先生によれば6室と8室の絡みは犯罪を免れ得ないとのことであり、サラ金業者はいわゆる犯罪者です。
彼らは6室と8室の象意を世間に生み出し続けています。



【金銭消費貸借契約の場合】

金を借りる場合、相手は金を貸すという債務を履行して自分に金を貸してくれたので、後は自分が相手に金を返という債務が残っています。これは借金です。(6室)
—この場合、相手は自分に対して債権を持っているのでそこから自動的に法的に金利が発生します。(8室)


相手に金を貸す場合、相手に対して金を貸すという債務を実行したので相手には金を返すという債務が残っています。
つまり、これは債権です。この債権には利息が付きます。これは金利、権利収入です(8室)(法的に強制的に法定利息というものがつきます)
—この場合、相手は自分に対して負債を抱えており、金利をつけて返済しなければなりません。(6室)

これは法的にお互いに債務を実行しあうという契約を結んだということです。
それでお金を貸すことは先に自分の債務を実行したということであり、相手に債務が残ります。
お金を借りるということは相手に先に債務を実行させて、お金をもらい受け、自分の側が後に債務を実行します。

つまり、対等な関係ならば債務の貸し借りはプラスマイナスゼロでなければなりませんが、この場合、どちらかに債務が残ることによって、1-7室の対等な関係が崩れます。


【婚姻関係の場合】

1-7室の関係は契約関係ですが、婚姻関係も契約関係です。婚姻関係が破綻すると離婚(関係が壊れた状態=6室)となります。そうすると慰謝料の問題などが生じます。

妻の側に非がある場合は、慰謝料請求権は認められず、慰謝料を失います(6室)
従って、夫の側の負債は発生しません。妻に負債があり、夫は慰謝料の負担を免れます。(利得=8室)

夫の側に非がある場合は、慰謝料が発生します。これは負債です。(6室)
妻は法的に慰謝料/権利収入を獲得します。(8室)


アメリカの映画で大金持ちと次から次へと結婚と離婚を繰り返し慰謝料で金持ちに成り上がっていくという野心的な女性の成功と悲哀をコメディタッチで描いた作品がありますが、これは上記の過程が完全に当てはまります。

妻が慰謝料や相続遺産を得るには配偶者が死去するか、配偶者と離婚するかして、関係性がまず壊れる(6室)必要が出てきます。そうすると8室の象意もそれと同時に双子の象意として成立して、慰謝料や遺産相続(8室)が行われます。

よく離婚しても慰謝料を請求しない女性も中にはいます。
そうした女性は夫との過去の生活に満足しており、感謝もしているので慰謝料を請求しません。
夫婦生活には対等な関係(1-7室)があったので慰謝料請求の必要が出てきません。
また妻も働いていて、十分な収入を得ている場合は慰謝料請求の必要が出てきません。

しかし、夫と妻の関係が対等でなく、妻が部下のように酷使されたり支配されてまるで雇用関係か、主従関係であった場合、
妻は容赦なく慰謝料を請求してきます。また収入がなく慰謝料を請求しないと生活できないような女性は慰謝料を請求します。
これはつまり、結婚の最初から妻の方が自活力が無く、夫の部下のような立場で夫からお金を与えられる(8室)関係性に陥っていた可能性を示唆します。

戦前の日本の女性や戦後でも生活力がない人は結婚関係とは6-8室の関係であり、雇用関係に近かったと思われます。
妻は奴隷か、部下のように仕えることで、養ってもらう(8室)関係であり、夫は妻を養うことで支払や負債が発生します。(6室)そしてそのような関係では夫は妻に横暴に振る舞い(6室)、妻はそれで苦悩を味わい、しかし、生活力がないから夫に養ってもらうしかない(8室)という全く不自由な立場に甘んじるしかなかった状況が起こりがちだったといえます。

対等な関係(1-7室)になるには妻の側も仕事を持ち、収入を得て、自立した上で対等な結婚をする必要があります。
あるいは専業主婦であっても夫以上にパワフルで生産的でなければなりません。



【雇用関係の場合】

経営者は部下を雇うと、そこに給与支払義務が生じます。つまり、負債が発生します。
実際、経営者とは部下(労働者)をコストという観点で考えます。つまり、自分が支払わなければならない負債はどれくらいかという観点を常に持ちます。そうした上でコスト的に問題がなければ雇用します。つまり雇用とは負債のことです。

つまり、部下は経営者にとって負債です。(6室)
そして、部下は会社に雇用されることによって給与を得ます。福利厚生など社員になることによって何らかの特典がつく場合もあります。またボーナスという経営状態による特別手当も支給されます。然し、部下は時にはサービス残業をしなければならないかもしれず、また現場の指揮監督下に入らなければなりません。然し、労働者を守る労働基準法によって守られ、労働基準監督署に訴え出ることもできます。

部下(労働者)は経営者から雇用されることによって、年金や福利厚生などで安定を得て、その代わりに時間と場所を職場に拘束され、時間を切り売りして働くことになります。つまり自由を失います。その代わりに安定した給与の支給や特別ボーナスという臨時の利得や職場コミュニティに所属することで時には経営者のおごりで食事をしたり、何らかの思いがけない利益を得るかもしれません。退社すると退職金が出たり、また住宅手当が出たりなど、給与+αの利得が8室の象意です。

この関係もあまり幸福な関係ではありません。基本的に経営者はなるべく安く労働者を雇おうとし、労働者はもっと給料を出すように経営者に要求していくからです。基本的に対立関係、敵対関係であり、これが6-8室の象意を生み出します。

これも経営者(つまり資本家)は部下(労働者)から搾取しようとするのが歴史の常であり、労働組合を結成して、経営者に闘争したり、そこには血生臭いただならぬ不幸な関係があります。6室と8室の絡みが犯罪を免れ得ないという認識からすれば、経営者が労働者を搾取するのは基本的に犯罪的な行為であるといえます。

そして、ローマ市民と奴隷の対立とか、資本家と労働者の対立とか、持てる者と持たざる者との対立、人類の歴史の根本的な問題が集約されている大テーマです。人類が解決しなければならないカルマがこの6-8室の関係に集約されています。



このように6室の象意と8室の象意は自分と相手との間で同時に生じているのではないかと思うのです。
ときどき遺産相続などで突然大金持ちになったりする人がいますが、そうした8室の強い人は私の予想では過去世で被相続人にお金を貸したなど、権利収入を得る原因となる何かをその被相続人に対して行っていたのではないかという感じがします。

別に過去世でなくて今生であっても、子供たちが親の面倒を見て、親が無くなった時に遺産の分配に預かるとすればそれは今まで奉仕して、親の部下のように働いてきたということの報いとも考えられます。

つまり、人にどんどん奉仕(6室)すれば後から、思いがけない不労所得や権利収入(8室)となって自分に返ってくるということが言えます。

然し、この6-8室の関係というのはいずれ人類が進化していくとこの手のカルマは減っていくのが自然な流れです。
6-8室の象意は基本的に不幸で不自由であり、より束縛なく自由になろうとする人間にとっては過去のものとなるべきものです。

これらは解消しなければならないカルマであり、訴訟とか、離婚とか、負債とか、遺産相続とかそうしたものはおそらく未来の人類社会には無くなっていくのだろうと思います。


(続く)


この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA