6室支配の水星と8室支配の水星

牡羊座にとって水星は3室と6室を支配する機能的凶星です。 
これによって牡羊座のマインドは闘争状態にあり、常に騙されまいとして身構えています。 

この結果、牡羊座の水星の問題として、猜疑心とか人を信用しないとかいう傾向が出てきます。判断能力に絶えず闘争しようとする傾向が顕現してくるのです。 

太宰治が書いた『走れメロス』という短編小説がありましたが、この小説は実は、猜疑心が強くて、部下や身内のものを次々に殺していく人間不信に陥った王様の話です。 

簡単にストーリーを説明すると、 

暴君ディオニスの横暴に激怒して、彼を暗殺しようとした羊飼いのメロスが、衛兵に捕まってしまい、処刑されることになるのですが、メロスには一人の娘がおり、その娘に花婿をつけて結婚させるために、親友のセリヌンティウスを人質として王様のもとにとどめておくことを条件として、娘の結婚式のために村に戻るための三日間の猶予をもらうのです。然し、王様はメロスが親友を裏切って逃げると思っており、それを見たいのでメロスを試すためのこの3日間の猶予に同意するのです。 

それで、メロスは最後に親友を見殺しにするという誘惑に打ち勝って、親友の元に戻ってきて、人間不信の王様の気持ちを変えることに成功するという楽観的な理想主義的なストーリーです。 

この人間不信の王様が実は牡羊座そのものであり、人を信じることが出来ず、直ぐに猜疑心に支配される牡羊座のマインドを表しているのです。 

実は私は中学の国語の授業の時に『走れメロス』の続編を書くという課題が出された時があったのですが、その時、私が書いたストーリーとは、メロスが王様の元に、帰ってきて、メロスとセリネンティウスが抱き合って、王様もそこで一度は心を変えるのですが、王様が二人の元を離れた後、再び、猜疑心が蘇ってくるという不吉なストーリーを書いたことがあります。 

皆、ハッピーエンドの後の幸せな話を書いているのに、私だけ、王様に再び猜疑心がよみがえるという心理サスペンスのようなものを書いたのを思い出します。 

今思えば、私は牡羊座なので、そのような楽観的なストーリーが信じられないという所から、考え付いたのかもしれません。当時は別にそんな哲学的なことを考えたわけではなく、王様が、再び、猜疑心を持ち始めたら、面白い話になるなと思って書いたのですが、実は極めて、牡羊座ラグナの私が考え出しそうなストーリーだったというわけです。 

私は今まで、いろいろな占星術師に占ってもらったことがありますが、 
何度か、『あなたは人を絶対に信用しない』と言われたことがあります。 

ついこないだインドに行った時もそのようなことを言われたのを思い出します。 

何故、そのような鑑定内容になったのかその時は分かりませんでしたが、私の水星が3、6室を支配しているので、そのような傾向が生じてくるのです。 

一度、あることを信じてもその後、にょきにょきと猜疑心が頭をもたげてくるのです。 

そして、ジョーティッシュのロジックで考える場合、おそらく3、6室支配の水星が凶星から傷つけられた場合に人間不信や猜疑心に支配されるのです。 


そして、もう一つ8室支配の水星についてですが、 

8室支配の水星というものは以前から何度か別の記事のところでも書いていますが、8室というのは支配者を表しています。 

マインドが支配されてしまうのです。 
これはどういうことかというと騙されやすいことを意味しています。 
つまり、人が言ったことを簡単に何の知的検証、正常な意味での批判的評価検討もせずにそのまますんなりと信じてしまうのです。 
これは知的怠惰、あるいは盲目というべきマインドの状態を意味します。 

もっともよく言うとすれば、人を信じやすい傾向です。 

ですから、蠍座ラグナの人は最も騙されやすく、簡単に霊感商法というものにひっかかります。何か開運法として高価なものを奨められても直ぐに騙されて買いそうなのがこの人々です。 

蠍座ラグナの人は実際、鑑定中に言ったことをそのまま素直に即座に信じるところがあり、全く何の疑いもなく、信じている様がよく目立ちます。おそらくもっとも騙されやすい人種と言えるかもしれません。 

つまりはマインドが支配されており、もっとも洗脳されやすい人々と言えるかもしれません。全く識別力やマインドの批判的姿勢を欠いているのです。 


ですから、蠍座ラグナの人は8室目に位置する双子座ラグナの人にいとも簡単に騙されてしまい、全く知的に支配されてしまう恐れがあるのです。 

例えば蠍座アヌラーダにラグナが在住している女性がいるとすると、例えば銀座のママとか、水商売風の派手な衣装を着た霊感占い師のことが思い浮かびます。 

彼女たちが一方はお客さん、他方は占い師として対面していたとすると、占い師の方は水晶とかタロットとかを操って、出てきた答えとか、ビジョンを何の識別もせずにすんなり受け入れて、それをお客さんに伝えます。 

そして、お客さんである銀座のママもその占いの結果を何の疑問も抱かずにそのまま、受け入れるという構図が浮かび上がります。 

まさに全く判断能力を使っていないその両者の光景が思い浮かびます。 

蠍座ラグナの人は識別力を表す5室が水星が減衰する魚座になるため、識別力を損ない、ビジョンとか、夢とか、イメージとか、フィーリングなどによって、物事を識別する人になります。 

それらはあいまいなもので、しばしば根拠を欠くので、移ろいやすく、見えたものをそのまま信じてしまい、判断能力が非常に限定されるのです。 

魚座自体がこの世界に宗教とか、信仰をもたらした星座ですが、信じるというのは判断しないことを指しています。それは思考停止です。つまり、蠍座ラグナの人は信じるだけで判断しないのです。 

そのようなマインドですから、もし何らかの思想とか、イメージを植えつけられたら、もうそれに抵抗することが出来ず、それを受け入れるしかないのです。 

つまり、熱心な宗教信者とか、イデオロギストの誕生です。 


大量の知識と活発で啓発されたマインドで、社会情勢を分析する双子座が、何かの判断を告げて来たら、もうそれに抵抗することが出来ず、恐れ多いと畏まり、ひれ伏す感じなのかもしれません。 


6室や8室を水星が支配するパターンは例えば、山羊座ラグナにおける6、9室支配の水星、あるいは水瓶座ラグナにとっての5、8室支配の水星というパターンもありますが、それらは片側がヨーガカラカになるため、6室や8室の凶意が減少します。 

然し、3、6室支配の水星とか、8、11室支配の水星は、3室や11室のトリシャダハウスを支配するため、欲望がマインドの判断能力を曇らせるのです。 

おそらく、6室の場合、3室の食欲、性欲、睡眠欲、表現の欲求などの肉体の低次の欲求が猜疑心と結びついて、対人関係上のトラブルを引き起こすのです。 


もう一方の8室の場合、11室の名誉欲、金銭欲、評価を求める欲求などと、8室の支配者、束縛という象意が結びついて、これも対人関係上の支配-被支配関係がもたらされます。 

それは盲従とか、騙されて支配されるという状態として表れます。 


おそらくこれらは3、6室支配の水星が凶星と絡んだり、8、11室支配の水星が凶星と絡んだ場合に顕著に表れます。 


簡単に言えば、牡羊座ラグナの人は、人を信用しないで、猜疑心が強いのであり、蠍座ラグナの人は、人を直ぐに信用する、騙されやすいのです。 

6室支配の水星は頭のいい敵であり、その敵に騙されまいと身構え、結果、猜疑心に結びつきます。 

8室支配の水星は頭のいい支配者であり、また陰謀者であり、騙して支配してくるのですが、8室はどうしても勝てない相手なので支配されるしかないのです。 

これらは6室と8室の象意の応用なのですが、一見、占星術師が何でそう言ったのか理由は分からないけど、非常によく当たっている言説とか指摘というのは、そのように単純なハウス解釈の応用に過ぎないと言えます。 
















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