米朝首脳会談が開催される【時間訂正】



先日、『米朝首脳会談が開催される』と題する記事をアップしたが、読者の方の指摘で、首脳会談がスタートする時間が10:00(日本時間)ではなく、9:00 (現地時間)の間違いであったことが判明した。


正しいマンデン図は双子座ラグナである。




双子座ラグナで改めて検討すると、ラグナロードの水星がラグナで、定座に在住し、パンチャマハープルシャ・バドラヨーガを形成しており、5室から木星のアスペクトを受けており、強い配置である。



マンデン図のラグナやラグナロードの状態は、そのイベントを最も象徴しており、この配置が良いことは、まず、米朝首脳会談というイベントが吉兆なイベントであったことを物語っている。



但し、8室支配の土星が外交の7室で逆行しており、2-8軸にはラーフ/ケートゥ軸があり、6、11室支配の火星が8室で高揚して、5、12室支配の金星と相互アスペクトしている。



2-8軸がラーフ/ケートゥ軸や6、11室支配の火星で傷ついており、この2-8軸が傷ついているということは、2者の間の契約関係が安定せず、お互いに相手から自分が欲しいものが得られない関係性を表している。



結婚で言えば、結婚生活が上手く行かない状況である。



お互いに相手から自分の欲しいものが得られない為、結婚生活は欲求不満に陥り、結婚は継続しているが、実際には結婚が破綻していたり、家庭内別居とか、結婚生活の実態のない形だけの結婚という状況になりやすい。



国家同士で条約や協定を結ぶ場合も同じである。



従って、米朝首脳会談は、見た目は華やかな演出で、派手なパフォーマンスで大きな成果があったように見えるが、実際には内容は乏しく、実際の交渉の段階で色々と難しい問題が出てくると考えられる。



世間的にもそうしたことが論評されていたと思われる。



実際の実務レベルの交渉こそが、結婚生活に該当する部分である。これが意見が一致せずに関係が難航するのではないかと思うのである。



2室と12室が星座交換しており、12室に太陽と月が在住して12室が強調されているので財産を失う配置である。



これは北朝鮮のことを表しているのか、米国のことを表しているのか分からない。(おそらく両者ではないかと思われる)




7室をラグナとすると、6室と8室で星座交換しており、お互いに主導権を握ろうとする駆け引きが激しく関係の難しさを象徴している。



7室には土星が在住しており、7室の土星は結婚について真剣に考え、結婚を長続きさせようと考え、あるいは、結婚しなければならないと考える配置である。



北朝鮮にとっても米国にとってもこの会談は、真剣に受け取られていたと考えられる。



7室では、9室支配の土星が在住することで7-9のラージャヨーガも形成されているが、7室と8室が絡んでおり、複雑な関係、腐れ縁、外交の行き詰まりなども表わしている。




従って、この配置は、人間に例えると、結婚した後で苦労する配置である。



米朝首脳会談は、派手な演出で結婚してみたものの、実際に交渉していく段階で、お互いに行き詰まりを感じ、外交関係が変容していくのではないかと考えられる。



然し、一応、会談を行なって、共同声明を行なったことから、外交関係を結んだのであるが、これを維持継続していくことに困難を経験しそうな配置なのである。




前回の記事のコメント欄にも以下のように基本的に同じことを記している。



9時(現地時間)で作成したチャートではラグナは双子座のプナルヴァスで、

1、4室支配の水星がラグナで定座に在住しているため、バドラヨーガを形成して強く、

7、10室支配の木星が5室から水星にアスペクトして強い配置です。

特にラグナが木星のナクシャトラに在住して、木星からアスペクトされています。


米朝首脳会談を最も象徴するはずのラグナとラグナロードが強いことが分かります。


7室に8室支配の逆行の土星が在住し、7室は外交のハウスであり、土星が在住していることで、会談しなければならないという責任を物語っています。


つまりお互いに真剣さはあったということではないかと思います。


土星は9室の支配星で7室に在住している為、外交が上手く行くことを示していますが、土星は8室の支配星でもあり、逆行している為、根本的な難しさやいつ中断するか分からない難しさを抱えており、また逆行していることは交渉が一進一退することを表しているように思います。


火星とケートゥが山羊座8室に在住し、金星とラーフが蟹座に在住していますが、2-8軸が傷ついている為、今回の会談で交渉をスタートさせた後で、お互いに相手から期待通りのものが得られずに交渉が難航することを表しています。


つまり、2-8軸が傷ついていることは、結婚で言えば、結婚生活が上手くいかない配置です。


従って、外交においては、お互いに得たいものが得られずに外交交渉を維持することが難しくなるという解釈になります。


また2室と12室で星座交換しており、12室に月、太陽が在住していることは、2室は1室の結果である為、今回の会談の成果が失われることを意味しているかもしれず、12室に2つの惑星が在住していること自体が良いとは思えません。


ダシャーを見ると、現在、太陽/木星期(2017/12/12~2018/10/1)である。



マハダシャーの太陽は3室支配で12室に在住し、12室の支配星と星座交換する月とコンジャンクトし、8、9室支配の逆行の土星からアスペクトされている。


太陽は機能的凶星で、ドゥシュタナハウスの12室に在住し、8室支配の土星からアスペクトされている。




またアンタルダシャーの木星は7、10室支配で5室からラグナにアスペクトしており、5-7、5-10のラージャヨーガを形成しており、ラグナを保護している為、これは吉兆に思える配置である。


アンタルダシャーロードの木星は逆行して、マハダシャーロードの太陽に一方的にアスペクトしている。


マハダシャーロードの太陽から見ると、アンタルダシャーロードの木星は、8、11室支配で6室に在住している。



またナヴァムシャでは、8、11室支配で12室に在住して、ラーフ/ケートゥ軸と絡み、土星からアスペクトを受けており、傷ついている。






木星期は理想主義的になり易いと言われている。



普段、善人でない人が、あたかも善人であるかのように世界の平和を祈っているかのように理想主義的に偽善的に振る舞うのである。



傷ついた木星は、そうした偽善的な態度をもたらすと言われている。




木星は、月、太陽から見て、8、11室支配の機能的凶星であり、6室に在住し、ラグナから見ても7、10室支配で機能的凶星である。



ナヴァムシャでもこれが繰り返されており、ラグナから見ても月から見ても機能的凶星である。



従って、木星は偽善者として振る舞う十分なポテンシャルを持っている。



米朝首脳会談では、日頃、偏狭な発言を繰り返して全く自国の利益しか考えていないドナルド・トランプと、軍部の高官や身内の人間を次々に粛清する冷酷な独裁者で全く自分の生き残りしか考えていないような2人の国家指導者が、直前まで子供の喧嘩のような激しい罵りあいを繰り広げていたこの2人が、以下のようなあたかも平和を希う清々しい善人のような装いで、理想主義的な言葉を口にしている。



金正恩 :「すべてを克服してここまで来た」、声明は「新たな出発を知らせる歴史的な文書」

トランプ:「会談は成功する」、金正恩は「1万人に1人」の有能な人物だ



誰もが今までの態度とは打って変わった態度に驚いたはずである。



こうした理想主義的で偽善的な態度は、この傷ついた機能的凶星の木星がもたらしたのではないかと考えられる。





トランプと金正恩の共同声明とは、そうした木星の理想主義的で偽善的な発言である可能性が疑われるのである。



発言はあくまでも発言であって、口で言うのは簡単である。



従って、理想主義者というものは、しばしば美しい理想を口にするが、実行力に乏しく実際には理想を実現できないことはよくあることである。




然し、この2人にこのような発言を言わせたのは、現在、トランジットの木星と土星がリベラル左翼の星座である水瓶座と双子座にアスペクトして、ダブルトランジットを形成しているからであると考えられる。





このように現在、太陽/木星期(2017/12/12~2018/10/1)であるため、理想主義的な共同声明が発表されたが、実際に履行する段階の交渉の難しさが現れるのが、次の太陽/土星期(2018/10/1~2019/9/13)ではないかと考えられる。



土星は月、太陽から見て、9、10室支配で8室に在住しており、10室と8室の絡みで、行為の中断を表している。




またマハダシャーの太陽は3室支配の機能的凶星で、また生来的凶星でもあるが、凶星のマハダシャーの時にそれと絡まないヨーガカラカの時期は非常に悪いと言われる原則が当てはまると思われる。



従って、非常に難しさが感じられる。




またダシャムシャを見た場合に土星はドゥシュタナハウスの3室で減衰している。




ディスポジターと星座交換し、アスペクトされているので、ヴィーパリータラージャヨーガを形成しているが、土星は3室に在住している。



従って、行為、仕事という面から見ても行き詰る可能性を表わしている。





出生図で、マハダシャーの太陽はムリガシラーに在住しているが、支配星の火星は6、11室支配で8室に在住している。


7室に在住する土星はムーラに在住しており、支配星のケートゥは8室で火星とコンジャンクトしている。


8室の火星とケートゥはシュラヴァナに在住しており、支配星の月は12室に在住している。



木星はヴィシャーカーに在住して、支配星は木星であるため、自分のナクシャトラに在住している。




このように見ると、アンタルダシャーが土星期(2018/10/1~2019/9/13)に移行した後、土星はムーラに在住しているため、支配星のケートゥは8室で火星とコンジャンクトしており、外交関係の難しさが出てくる可能性が考えられる。



共同声明


アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプと朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長は、史上初の首脳会談を2018年6月12日、シンガポールで開催した。
トランプ大統領と金正恩委員長は新たな米朝関係や朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制を構築するため、包括的かつ誠実な意見交換を行った。トランプ大統領は朝鮮民主主義人民共和国に体制の保証を与えると約束し、金正恩

委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた断固とした揺るぎない決意を確認した。

新たな米朝関係の構築は朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると信じるとともに、相互の信頼醸成によって朝鮮半島の非核化を促進すると認識し、トランプ大統領と金正恩委員長は次のように宣言する。

(1)アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は、平和と繁栄を求める両国国民の希望に基づき、新たな米朝関係の構築に取り組む。

(2)アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、協力する。

(3)2018年4月27日の「板門店宣言」を再確認し、朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。

(4)アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮戦争の捕虜・行方不明兵の遺骨回収、既に身元が判明している遺体の帰還に取り組む。

トランプ大統領と金正恩委員長は、史上初の米朝首脳会談が、両国の数十年にわたる緊張と敵対を乗り越える新たな未来を築く重要な出来事であったと認識し、この共同声明の内容を完全かつ迅速に履行することを約束した。

アメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国は、米朝首脳会談の成果を履行するため、ポンペオ国務長官と朝鮮民主主義人民共和国の高官の交渉を続けて可能な限り迅速に履行すると約束した。

トランプ大統領と金正恩委員長は、新たな米朝関係の発展と、朝鮮半島と世界の平和、繁栄、安全のために協力することを約束した。


(wikipedia 米朝首脳会談より引用抜粋)



共同声明の内容を見ると具体的な行動計画や履行時期などについての取り決めがなく、条約や協定ではなく、共同声明という形式自体が、あいまいな内容を理想主義的に唱える場合に用いられるものではないかと考えられる。








(参考資料)



不可解な「米朝首脳会談」裏側の真実:NSC開催なし、内部対立、大統領メモ廃棄
執筆者:春名幹男 2018年6月20日 新潮社 フォーサイト

ドナルド・トランプ米大統領が先頭に立って、北朝鮮は「非核化」すると前評判を煽り続け、否が応にも期待感を高めた米朝首脳会談。結果を見て、がっかりした人が多かった。

 トランプ大統領は、過去のどの米大統領もなし得なかったことを実現する、と公言してはばからなかった。マイク・ポンペオ米国務長官も、完全かつ検証可能、不可逆的な非核化(CVID)だけが「唯一受け入れ可能な結果」と胸を張っていた。

 ところが発表された共同声明は北朝鮮側が「朝鮮半島の完全非核化への確固で揺るぎのない約束を再確認した」としか書かれていなかった。そもそも両国は「非核化」の概念で一致していないので、核弾頭からミサイル、プルトニウム、核施設まですべてを廃棄するのか、一部だけなのか、まったく不明。具体性を欠くこんな言葉だと、可能な限り多数の「核」を残したいと考える北朝鮮側の「勝利」は明らかだ。

 あの首脳会談の裏で一体何があったのか。

過去の米朝合意問題も確認せず

 トランプ政権のだらしない成果に、クリントン政権からブッシュ(子)、オバマ政権まで、対北朝鮮交渉を担当した高官らから一斉に猛批判が浴びせられた。

 1994年クリントン政権が交わした「枠組み合意」では、使用済み核燃料の軍事転用が目的の黒鉛減速炉および関連施設の「凍結」「解体」が明記された。

 ブッシュ政権の6カ国協議で最初に達成された2005年の合意で、「すべての核兵器と既存の計画の廃棄」が決まった。また北朝鮮は、6カ国協議ではすべての核施設について記した大量の文書を提出し、一時は核廃棄に向けて相当な進展を示した。

 しかし調印式で、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が署名した共同声明の内容はあいまいで、北朝鮮側の具体的な義務は明記されなかった。それだけではなく、トランプ大統領は「米朝対話中の米韓合同軍事演習の中止」や将来の「在韓米軍の縮小や撤退」にまで言及するサービスぶりだった。まさに金委員長の「勝利」(『ワシントン・ポスト』社説)は明らかだった。

 ブッシュ政権で国務次官補として6カ国協議を手がけたクリストファー・ヒル現デンバー大学国際研究大学院学長は首脳会談の「すべてが奇妙だ」と言い切った。トランプ大統領は恐らく、過去の合意の問題点などもきちんと確認していなかったと見られる。

「発言の要点」を作成しなかった

 歴史的に見て、通常アメリカ政府はこれほど重要な首脳会談では、事前に何度も閣僚級および次官級の米国家安全保障会議(NSC)を開催する。

 そこに、米国家情報会議(NIC)や米国家情報長官(DNI)、米中央情報局(CIA)など情報機関から数々の報告書が提出される。こうして、北朝鮮の核開発の現状を分析し、対策を練り、「非核化」計画を立案し、北朝鮮に対する要求と交渉戦略を決める。

 米国立公文書館で過去の米政府文書を読み解くと、おおよそそんな手続きが想定できる。

 北朝鮮との交渉に臨むため、ポンペオ国務長官は総勢100人以上の専門家から成る省庁間チームを結成、「北朝鮮の各種兵器の解体に関する問題を検討している」と明らかにした。

 そのチームには、エネルギー省の研究所から博士号を持つ数十人の核兵器専門家、情報コミュニティから北朝鮮担当の専門家が加わっている。北朝鮮の生物・化学兵器、ミサイル問題を担当する専門家もいる。

 しかし、これら専門家はあくまで裏方だ。

 北朝鮮側と交渉で対峙する基本方針や戦術は通常、NSCで検討する。しかし、検討作業を行った形跡が見られない。明らかにNSCは司令塔の役割を担っていなかった。

 また、通常NSCは、首脳会談に臨む前に、大統領が相手側に対して発言する要点を記した「トーキング・ポインツ」(Talking Points)を作成する。大統領は一言一句その通りに発言しなくてもいいが、要点は押さえておく必要がある。

 ビル・クリントン氏のような若くて頭の回転が速い大統領は1995年当時、筆者を含めた3人のインタビュアーと会った時、直前に報道官から20分程度、要点の説明を受け、的確に回答することができた。

 他方、故ロナルド・レーガン大統領は正確を期すため、中曽根康弘首相との日米首脳会談でも、カードのような紙片を手にして、要点を確認しながら発言していた。

 しかし、トランプ氏は、金正恩党委員長との1対1の会談の際に何も持っていなかった。自信家のトランプ氏は、テレビの番組宣伝さながらに、会談前から雰囲気を盛り上げ、会談が始まると相手を気遣う所作を繰り返した。「テレビマン」と同じような振る舞いで、場を取り違えていたように見えた。

明らかに準備不足

 まして、今度の会談相手は異形の独裁者。CIAはこれまで、素顔の金正恩氏を知るすし職人藤本健二氏のテレビ・週刊誌での発言はすべて英訳、元プロバスケットボール選手、デニス・ロッドマン氏からも事情聴取して、正恩氏の心理プロファイリングに努めた。2度にわたるポンペオ氏の訪朝にも心理分析の専門家を同行させた。

 しかし、トランプ氏は、こうした分析を参考にしたのかどうか。

 会談後ご機嫌な様子で上気し、1時間以上も記者会見を続けたことから見て、そもそも北朝鮮の「核武装」「非核化」を安全保障の立場からきちんと理解していたとは思えない。

 トランプ政権側は明らかに、準備不足だった。事前の北朝鮮側との協議で反対されたためか、非核化に伴う検証や非核化の対象、期限などを共同宣言に盛り込む意図は最初からなかったのかもしれない。

背景にボルトンVSポンペオ対立

 今度の場合、驚いたことに米朝首脳会談の前に、閣僚級のNSC会議は「1度も開かれなかった」(ウェブ誌『ポリティコ』)というのだ。国家安全保障問題担当米大統領補佐官が大統領と相談して、会議の開催を招集するのだが、ジョン・ボルトン補佐官はまったく動かなかったというのだ。

 米朝首脳会談に向けた準備作業は、CIA長官から国務長官に昇進したポンペオ氏が終始主導した。だが、ボルトン氏は自分の主張を抑えて自分のライバルの作業を後押しするような人物ではない。

 前月の本欄(2018年5月23日「『リビア・モデル』を口実に北朝鮮が態度硬化:中国の意を受け『非核化』の条件で対立」)で指摘したように、ボルトン氏はそもそも北朝鮮に当てはめるのは場違いな「リビア方式」に基づく非核化を主張して、北朝鮮側の強い反発を招いた。北朝鮮側が首脳会談開催の「再考」を指摘して、トランプ大統領を怒らせ、大統領がいったん「キャンセル」を決断した5月23日夜、ボルトン氏は大統領に電話したと伝えられている。

 ところが、6月1日にホワイトハウスで行われた大統領と北朝鮮実力ナンバー2といわれる金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長との会談に、ボルトン氏は欠席、12日の米朝首脳会談には出席、とその後の行動はニ転三転した。

 他方、ポンペオ氏は首脳会談前日の11日シンガポールで行った記者会見で、米国は「CVID」しか受け入れないと断言、共同声明にCVIDが盛り込まれる可能性に期待が高まっていたが、結局は実現しなかった。

 実は、ポンペオ氏はボルトン氏との対立について、自ら事実上認めている。6月7日の記者会見で「北朝鮮をめぐる国家安全保障問題担当補佐官との不一致について説明してください」との質問に対して、ポンペオ氏は、一度は「フィクションだ」と退けたが、最後に微妙な事実を白状した。

「絶対に言えることは、ボルトン氏と私は常に意見が一致しているわけではないということ。大統領は2人に対してそれぞれの見解を提出するよう要求している」というのだ。

 あれほど「CVID」にこだわっていたポンペオ氏が、大統領に対して共同声明にCVIDを入れるよう主張した可能性は十分ある。しかし、大統領は何らかの理由があって、却下したと見ていい。

 この2人の対立は、今後のトランプ政権の外交安保政策に深い影を投げかけている。

文書をちぎって捨てる大統領

 また、トランプ大統領が在任中、どのように考え、どのように判断したのか、後世にその史実を残すための文書がきちんと記録されていなければならない。だが、それも難しいかもしれない。

 実は、大統領の記録文書については「大統領記録法」という法律がある。この法律に従って、ホワイトハウスは大統領が書いたすべてのメモや書簡、eメール、文書の類を保存しなければならない。全米各地に散在する過去の大統領の記念図書館には「手書き文書」も多々残されている。

 しかし、トランプ大統領の癖は過去の大統領とまったく違っていた。彼は自分が使った文書類や新聞の切り抜きの上に書き込みをしたり、○で囲んだりした後、捨ててしまう。紙吹雪の紙片のように細かくちぎってゴミ箱に捨てることもよくあるという。

 これら紙片の復元は、ホワイトハウスの「記録管理分析官」の仕事だ。デスクの上に広げて透明テープを使って「ジグソーパズルのように」つなぎ合わせていた。しかし、そんな仕事に耐えきれず、2人の分析官が上司に相談すると、解雇されたと『ポリティコ』は伝えている。今ではこうした紙片は捨てられている可能性がある。
参照元:不可解な「米朝首脳会談」裏側の真実:NSC開催なし、内部対立、大統領メモ廃棄
執筆者:春名幹男 2018年6月20日 新潮社 フォーサイト











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