松本人志のラーフ期について

2009/5/21に結婚・第一子誕生のニュースを見たことから、松本人志のラグナを検証し、獅子座に設定した。
http://www.kanteiya.com/column/09/0521.htm

その時はおそらくラーフ/土星期だったのであり、土星は7室の支配星で6室に在住している。

この時のトランジットは土星が獅子座をトランジットし、木星が水瓶座をトランジットしていた。獅子座ラグナであれば1-7室でダブルトランジットが生じ、更に9室支配の火星に木星と土星がアスペクトする為、子供の誕生のタイミングも表していた。

その前のダシャーがラーフ/木星期だったのであり、木星は8室で自室から2室と2室の支配星にアスペクトしており、木星は5室の支配星であることから、結婚と子供の誕生に結びついたのだと思われる。
 

獅子座ラグナという条件では、ラーフ/土星期は2009/2/2よりも遅らせることはできない為、結婚した2009年5月はラーフ/土星期であり、パートナーが出産したのもラーフ/土星期で妊娠した頃がラーフ/木星期である。

5室支配のアンタルダシャーの木星は妊娠時に役割を果たしており、出産時にはアンタルダシャーの土星が逆行して5室に絡み、9室の支配星にアスペクトすることによって、子供の表示体に絡んでいたと考えられる。

そのラーフ/土星期の間に松本人志に起こっている事象を見ると、やはり獅子座ラグナへの修正で正しかったのだと思える。

例えば、2010年6月28日に『ダウンタウン松本人志休養・左股関節唇損傷』、『難しい決断…松本人志、手術で2ヶ月休養に関係者騒然』と伝えられており、病気・怪我で入院し、手術を受けている。

これは6室支配の土星、またマラカの7室支配の土星の働きによるものと思われる。

2010年10月15日に『松本人志のコントMHK』という番組がNHKで放映されたが、低視聴率で、笑えないと視聴者から批判が殺到したそうである。

私はこの番組を見ていないが、ウェブでの評価によると、ヒーローに変身するという昔、松本人志がよくコントで使っていたネタを再現したものらしく、面白くなかったそうで、いい年をして着ぐるみで変身でもないだろうと視聴者が批判していた。

この頃もラーフ/土星期で、土星が6室の支配星であるため、批判を受けやすい時期である。6室に在住する土星をラグナとすると5室支配の金星が8室に在住して8室の支配星と接合しているため、創作物(コント)が振るわずに失敗したことを示していたと解釈できる。

そして、2011年12月16日に『松本人志さん「術後復帰日に夜遊び」報道で敗訴 写真誌「FLASH」、東京地裁』とニュースが報じており、FLASHとの訴訟に敗れている。

獅子座ラグナであればラーフ/水星期の2011年12月10日以後に遅らせることはできない為、このニュースが報じられたタイミング自体はラーフ/水星期に入った後であるが、然し、松本人志がFLASHに対して訴訟を起こしたのはラーフ/土星期である。

土星は6室の支配星で6室に在住しており、6室は訴訟を起こす時期である。
別に報じられていた訳ではないが、おそらくこのことで夫婦仲に問題が生じたことが予想される。

マハダシャーロードのラーフから見ると土星は8室に在住しており、それで訴訟に敗訴したと考えられる。

また6室に在住する惑星は減衰していた方がよく6室の支配星が強いと、逆に訴訟を起こした相手の方が強いことになるのではないかと考えさせられる一件である。実際、6室で惑星が高揚するのはよくないこととされている。

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松本人志さん「術後復帰日に夜遊び」報道で敗訴 写真誌「FLASH」、東京地裁
2011.12.16 16:25 産経ニュース

 股関節手術の休養から復帰した日に夜遊びをしたと写真週刊誌「FLASH」が報じ、名誉を傷つけられたとして、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが発行元の光文社(東京)側に計1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、請求を棄却した。

 争われたのは昨年9月7日号の「手術から復帰、新宿2丁目で夜遊びも再開!」と題する記事。読者に不摂生との印象を与えたと主張していた。

 小野洋一裁判長は「記事は復帰日に深夜までスタッフと飲食したことを指摘するにとどまり、見出しも具体的に不摂生とされる夜遊びをしたとの事実を示しているわけではない」と名誉毀損(きそん)の成立を否定した。
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あの夜遊びを自慢していたぐらいの松本人志が夜遊びを指摘されたぐらいで訴訟を起こすとは考えにくいのであるが、実際、この頃、訴訟を起こしていたようである。

このようにラーフ/土星期に起こったことを検討すると、健康問題や訴訟や批判を受けたりといった6室の象意を経験していることがよく分かり、やはり、ダシャー通りに物事が起こっていくということがよく理解できる。

因みにこの6室で定座の土星は山羊座に在住しているが、彼が北野たけしに批判をしたり、監督としても勝ちたいと闘争心をむき出しにしているのは、北野たけしが山羊座ラグナだからである。

然し、ここでも6室で定座の土星の解釈として敵は倒せないほど強いという象意が現われているのではないかと思われる。

(やはり6室の惑星は橋本徹の6室の土星のように減衰していた方がよいのである)

そして、こうしたラーフ/土星期の困難を経験した後で、少なくとも2011年12月10日には、ラーフ/水星期に移行している。

彼は2007年に『大日本人』(2007年6月2日公開)、2009年に『しんぼる』(2009年9月12日公開)、2011年に『さや侍』(2011年6月11日公開)と映画を撮り続けているが、これらがいずれも日本であまり評価されていないようである。

ラーフ/水星期に入って、水星は2、11室支配で2室で高揚し、5室支配で8室の自室に在住する木星と相互アスペクトしているため、5-11室のダナヨーガを形成している。

創作活動により高い評価を受ける時期である。

日本では評価されていないが、海外ではフランスやスイスから招待状が来たり、アメリカで『大日本人』がハリウッドでリメイクが決まるなど、それなりに評価を受けている。

これはアンタル水星期の効果ではないかと思われる。

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松本人志監督「日本の評価、まだ低い」 最新作『さや侍』完成披露試写会
2011年06月06日 21時10分 ORICON STYLE

 お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が監督を務めた3作目の映画『さや侍』(6月11日公開)の完成披露試写会が6日、東京国際フォーラムで開催された。同作がスイス・ロカルノ国際映画祭に出品され、初監督作『大日本人』のハリウッドリメイクも決定するなど、海外から高い関心を寄せられている松本監督。上映前の会見では「僕が面白いと思うことを、世界を絡めて見せる状況が整ってきたことを嬉しく思う。これからも頑張っていきたい」と真顔で語り、続けて「日本の評価はまだ低いかな」と言ったところで、ニヤリと笑顔を見せた。

 同作は、刀を持たない侍(さや侍)“勘十郎”とその娘“たえ”を中心に、親子の闘い、絆、葛藤を奇想天外な設定で描く完全オリジナルストーリーの時代劇。「映画を壊してやろうと始めた」という松本監督は、勘十郎役にフジテレビ系深夜番組『働くおっさん劇場』に出演していた素人男性・野見隆明を抜擢するなど、今作も一筋縄では行かない。野見は「映画の撮影とは知らずに1~2ヶ月は過ごしていた。一生懸命、やるしかなかった」と話していた。

 また、松本監督は「お笑いの先入観があるからか、海外ではすんなり受け入れてもらって“下手うま”が通じたが、日本では“下手へた”と思われている。そこの違いかな」と日本での自作の評価についての不満もポロリ。「この作品で見方を変えてくれるかなぁ」と期待を込めていた。
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ラーフ/水星期に海外で多少評価されているとはいえ、日本でほとんど評価されていないのは、やはり、ラーフも水星も5室や9室を支配するヨーガカラカではないからである。

海外で評価されているのは、現在、11室に在住するマハダシャーラーフ期であるからとも考えられる。ラーフは外国、外国人を表す表示体であり、11室は評価、取得のハウスである。

松本人志へのインターネット上で散見される評価は、昔の松本人志は面白かったというものである。

それは彼がマハダシャー火星期だった頃への評価である。

火星は4、9室支配で3室に在住し、9室にアスペクトバックするヨーガカラカである。そして、火星のディスポジターは金星で、金星は火星からみて11室で自室のムーラトリコーナに近い太陽と接合している。

3室はメディア、パフォーマンスのハウスであり、9室は5室から5室目で創作活動も表すハウスである。

従って、この頃は芸人として、プレーヤーとして、努力した時期であり、またその努力が幸運や才能によって実った時期であったと思われる。

この時期に芸人として彼独自の個性的な世界を生み出して、よい仕事をしたのである。

それはD/10(Dashamsha)を見ても分かるが、蠍座で自室の火星からみて、10室支配の太陽が7室支配で5室で高揚する金星と接合している。

仕事というテーマにおいても火星期は素晴らしく創造的な時期であったと思われる。

天才・松本人志という評価は、この頃の仕事に対しての評価である。

(このことを一般化すれば、獅子座ラグナにとっていかに4、9室支配のヨーガカラカの火星期は素晴らしい時期であるかということがよく分かる)

然し、マハダシャーラーフ期になって、それが変化したことが、その後の彼を見るとよく分かる。

11室のラーフは決してわるくはないのであり、ウパチャヤの凶星であるから、ちょうど6室の凶星のように奮闘(struggle)を表している。

11室の場合は最初から高い評価を受けるのだが、凶星であるため、そこには奮闘が伴い、逆境や低評価にも遭遇しながら、それと戦っていかなければならないというそんな時期なのかもしれない。

11室(成功、高い評価)に木星や金星、月といった吉星群が集中し、カンヌ映画祭などで華々しく注目を浴びてきた北野たけしのようにはいかないようである。

ディスポジターの水星も2室で高揚し、5室支配の木星からアスペクトされて吉祥ではあるが、然し、もしラーフ/水星期の今が、まさにそのラーフとそのディスポジターのパフォーマンスを示しているとしたら、やはり、少し成功には程遠い感じがするのである。

11室というのは非常に難しいハウスであり、既に自分が為した過去の仕事に対する高い評価によって注目を浴び、周囲からそれなりに期待もされるというそんな時期である。

そして、かつて自分がまだプレーヤーだった時の才能や創造性が残っていればまだ救いはあるが、然し、11室自体には才能や創造性といった象意はないのである。

11室には成功と高い地位、称号といった象意しかない。

従って、自分の才能によって成した過去の業績による高い評価を食いつぶしていくのが11室なのである。

従って、新しいものを生み出し続ける才能や創造性が残っていない場合には、過去の自分を模倣するといったことが生じてくる。

それはクリエーターにとっての悲劇である。

北野たけしのチャートと、松本人志のチャートを比べると、北野たけしのチャートでは、5、10室支配のラージャヨーガカラカの金星が11室に在住して、5室にアスペクトバックしている。

従って、高い評価を受けたあとも次々と新しいものを創造できるのであり、才能の枯渇がないといえる。11室の吉星群は5室にアスペクトして、高い評価と才能、創造性はリンクしている。

然し、松本人志の場合は、ラーフは単独で11室に在住し、逆行の木星からのアスペクトを受けているといっても、吉星からの強力なサポートを受けていない。

そしてディスポジターの水星は高揚して強く、5室の支配星からもアスペクトされていて、吉祥なのであるが、11室に在住するラーフ自体は双子座に在住して強いとは言っても、凶星である。

11室の凶星であり、そこには奮闘(struggle)が伴い、華々しい成功とはならないかもしれない。

彼自身の中で、カンヌ映画祭などで華々しく注目される北野たけしを意識しているとすれば、その成功のイメージは、彼の11室のラーフには不足しているのである。

北野たけしと、松本人志では惑星配置から考えても、5室や11室に見られる力の差が歴然としており、それでもたけしに勝とうとしている松本人志は単に獅子座であるからプライドが高いのと、6室に土星が在住して、山羊座に対して強いからである。

彼自身の発言の中に日本での評価が今ひとつであることについての失望感が伺えるが、それは、まさに彼自身が、そのような華々しい成功のイメージと自分を比較しているからである。

そこには他者からの評価が思い通りになっていないことによる奮闘(struggle)が存在する。

日本での低い評価、その低い評価に対する失望と奮起心、そして、海外からの思わぬ評価など、そうした今現在、生じている出来事そのものが、11室のラーフの象意である。

最近の松本人志の発言は、評論家のような立場で「笑い」とか「面白さ」について論じていたり、明らかにプレーヤーとしての立場ではないのであるが、

インターネット上には、

『松本人志ってつまらないのになんで大御所みたいになってんの?』
『松本人志ってもう面白くないよね』
『松本人志が芸能界を辞めないのはなぜですか?』

といった非常に過酷な質問が散見される。11室というのは、やはり大御所のようになってしまい、現場から離れてしまう傾向があるといえる。

三島由紀夫も5室の射手座に木星、水星、金星といった吉星群が在住して、恐ろしく才能のある人物であり、高い評価も受けたが、石原慎太郎によれば、晩年の彼の作品は、過去の自分の作品を模倣しているのだという。それが痛々しかったという石原慎太郎の発言を新聞か何かの記事で読んだことがある。

三島由紀夫が過去の自分の模倣を始めたとすれば、おそらくラーフ期ぐらいからである。

三島由紀夫
http://www.kanteiya.com/famousepeople/MishimaYukio.htm

その前の火星期は、火星は4、9室支配のヨーガカラカで創造的で新しいものを生み出すインスピレーションや才能のきらめきがあったのである。

然し、ラーフ期になるとそれらを失って、彼は自分の作品を模倣するようになったのだが、それまでの作品を海外で評価を受けて、ノーベル文学賞候補にまでなるのである。

従って、ラーフ期というのは海外で評価を受けたり、外国・外国人と関係が出てくるようである。

三島由紀夫の場合、ラーフは12室に在住していたので、松本人志とは若干、違うのであるが、然し、海外で評価された時には、その評価の対象となった才能はもうないのである。そのことでは共通していると言えるかもしれない。

三島由紀夫が『潮騒』や『金閣寺』といった代表作を生み出したのは、マハダシャー火星期の頃である。

それ以外の作品は全く記憶にも残らないし、思い出されもしないのである。

その後は、世間的に確立した高い評価や地位を利用して、様々にパフォーマンスをして、その業績を食いつぶしていったに過ぎない。

獅子座ラグナにとって、いかに4、9室支配のヨーガカラカの火星期が幸福な時期であるかを物語っている。

人間が最も輝いている時というのは、5室や9室といった象意によって、高次から来るインスピレーションや才能のきらめきに開かれている時である。

その後にやってくる高い評価(11室)といったものは、それ自体が目的になるようなものではなく、あくまでも結果である。

最も重要なのは、まさにプレーヤーとして走っている時、働いている時、創作している時である。

その瞬間が重要なのである。

その結果として築かれた評価は壊していかなければならず、常に獲得したものを捨てて、新しい自分の可能性に開かれていかねばならない。

一つの人生においてそれが何回できるのか疑問ではあるが、獲得した評価に安住すると、そこには停滞があるのである。

死はそのようにして獲得した人生の評価をリセットしてくれる機会であり、新しい再出発なのである。

松本人志が今後、昔のような芸人に戻ることは難しいのではないかと思われる。

双子座に在住するラーフは理論的で頭が良く哲学的になり過ぎていて、また双子座は他人の欠点にもよく気がつく星座である。感情や感覚よりも論理に優先してしまい、相手の欠点によく気がつくので恋愛したり、友人などができにくい星座であるといわれる。

またディスポジターの水星は乙女座で高揚する水星であり、乙女座では金星が減衰するため、面白さとか、楽しさといったことよりも、むしろ、真面目で批評家的で、論理的である。

天秤座に在住する火星のように、自由気ままで、後輩芸人を引き連れて遊び歩いていたような時代の方が、芸などではなく、パーソナリティーそのものに面白さ、楽しさがあったと思われる。

従って、「術後復帰日に夜遊び」報道をした芸能誌FLASHに対して、訴訟を提起したというのは真面目すぎて彼の今までのキャラクターでは考えられない。

だから彼は今後は映画を作りながら、社会や人物批評をしたり、芸能について評論する文化人路線しかないのである。

(参考資料)
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難しい決断…松本人志、手術で2カ月休養に関係者騒然
2010.06.28 ZAKZAK

 番組収録のキャンセルが伝えられていたお笑いコンビ、ダウンタウンの松本人志(46)が、「左股関節唇損傷」のため約1カ月後に手術を受けることになった。自宅療養を含め、休養期間は1-2カ月になるという。

 28日に所属のよしもとクリエイティブ・エージェンシーがファクスで発表した。それによると、松本は半年前から左股関節に痛みを感じており、医師の診断の結果、治療には手術が必要となったという。日常生活に支障はないが、長時間立っていたり、動きのある仕事が難しくなったため、万全の状態を持って仕事に臨めるよう、休養を取ることにしたとよしもと側は説明している。

 1カ月後の手術は病院側の都合によるもので、手術後は約1週間の入院が必要になるが、退院後は松葉杖をついてすぐにでも仕事復帰が可能だという。

 松本はファクスで「浜田くんがなったら良かったのに」と茶目っ気たっぷりのコメントを寄せた。

 フジテレビ系「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」(月曜午後8時)など週5本のレギュラー番組を抱える売れっ子だけにおよそ2カ月の休養とは難しい決断だが、体調を万全にして番組に臨みたいというプロ意識ゆえの決断か。
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MHKがつまらない理由 松本人志はすでに過去の人!?
2011年11月08日16時00分 メンズサイゾー

 11月5日、松本人志のコント番組『MHK』(NHK)が放送を開始した。初回平均視聴率は2.3%。午後11時30分からという遅い放送時間帯である点を踏まえても、同時間帯のバラエティー番組である『ピカルの定理』(フジテレビ系)は9.4%を獲得している。どんなに好意的に見ても視聴率的には大惨敗だったことは明らかだ。しかし、数字に表れなくても内容が充実していれば、今後に期待ということもいえる。テレビの視聴率とは非常に流動的なものである。評判に乗じて話題を呼べば、二桁などすぐに記録することだろう。問題は何よりも中身なのだから。

 とはいえ、『MHK』のコントが素晴らしかったかといえば、そうでもない。端的にいえばつまらなかったということになるだろう。いずれの作品からも消化不良な印象が残った。

 たとえば、初っ端に流された「オンリー」では、相方である浜田雅功との久々のコント共演が話題を集め、2人にしかできない丁々発止のやり取りが期待されたが、理不尽な役柄の松本に対し浜田は終始どこか冷めた様子で対応。松本の目指している笑いと、これまで浜田が培ってきた笑いが、すでにまったく違う方向に進んでいることが露呈してしまったということだろう。

 そして影絵を使った「メイの冒険」では、本来使われているであろう日常的な英会話を駆使して、暗に日本の英語教育を風刺した内容となっているが、その風刺がわかりづらく、内容的にも痛快さに欠けている。

 最後の「オリエント特急殺人事件」は、保阪尚希や六平直政などの豪華なゲスト出演陣がなぜ必要なのか疑問が残るし、「オリエント」と「オリ入れんと」というダジャレのオチも弱い。ミステリードラマのパロディということで、犯人が「メスゴリラ」だったという点を、ミステリー小説の原点といわれているエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』の犯人が「オランウータン」だったということとかけているとも思えない。高須光聖や倉本美津留といった大御所放送作家が名を連ねたにしては、いずれの作品も破壊力に欠けている。

 ここまで、勝手に番組を振り返ってみたが、果たして世間での評判はどうだろうか。ひどく番組を批判する意見が交わされているのではないかと思いながら、ネットを検索してみた。ところが記者の予想は簡単に裏切られることになる。

 ニュースサイトでは、軒並み「松っちゃん視聴率惨敗」の文字が躍っているものの、個人ブログなどを見る限り、今回の『MHK』に対しては比較的好意見なものが目立つ。「ダウンタウンのコント最高w」や「貴重な瞬間が見られて嬉しい」など、ダウンタウンのファンと思われる人々は、今回『MHK』で披露されたコントに満足している様子だ。ただ、そういった好意的な意見の多くが、懐かしさに裏打ちされているという点は見逃してはならないだろう。松本×浜田というキャスティングは、それだけで視聴者を満足させることのできるものなのだ。

 また、昨年の『MHK』放送直後には、「クソつまらないww」や「もうオワタ」という過激な反応が散見したのに対し、今回はそういった意見すら見当たらない。すでに松本は話題の対象にもならないということなのだろうか。

 腹がよじれるほどの爆笑を経験させてくれた『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)のコント。その思い出が強烈過ぎるためか、今の彼の新作にかかる期待値はかなり高い。それでも人は、「そんなハードルなんて簡単に飛び越えてくれるさ」と勝手に思う。そうして闇雲にハードルは上がり続けてきたが、彼がそれを越えない限り、いつかそのハードルは撤去されることだろう。もしかしたら、すでにそんなハードルなどなくなってしまっているのかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)

著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

※画像:『松本人志のコント MHK』公式HPより
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[松本人志監督]映画の殿堂「シネマテーク・フランセーズ」で特集上映決定
2012/03/09 毎日新聞デジタル

「シネマテーク・フランセーズ」でプログラムディレクターのジャン・フランソワ・ロジェさんと握手する松本人志監督(左)
 お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが監督を務めた映画「大日本人」「しんぼる」「さや侍」が9日、フランス・パリの文化施設「シネマテーク・フランセーズ」で特集上映されることが明らかになった。同館で特集上映が組まれるのはアルフレッド・ヒチコックやスティーブン・スピルバーグさんなど世界的に認められた監督のみで、3作品での上映は異例といい、松本さんは「プロ野球でいうと入団して2年目ぐらいの選手が名球会に入ったぐらいすごい話だと思うし、うれしいこと」と喜びのコメントをしている。

 「シネマテーク・フランセーズ」は、1936年の創設以来、4万本以上の世界中から集められた映画をはじめ、初期のカメラや機材、衣装、セット、ポスターなど、映画に関する膨大なコレクションを保管するフランス政府出資の私立文化施設。同館で上映されることは全映画人の憧れでもあり、映画の殿堂でもある。特集上映が行われた監督は、ヌーベル・バーグを代表する巨匠フランソワ・トリュフォーやジャン・リュック・ゴダールさん、黒澤明、今村昌平など、映画界の巨匠に限定されている。

 松本さんは6日、シネマテーク・フランセーズを表敬。同特集のプログラムディレクターのジャン・フランソワ・ロジェさんの案内で、23日に松本さんの作品が上映される「アンリ・ラングロア・スクリーン」や、7日からスタートしたティム・バートン展などを観覧した。松本さんは「日本でももう少しこのすごさを伝えてもらいたいですね。“まっちゃん監督”と言われるように軽く見られてるというか、『ダウンタウン松本』というテレビのイメージが強いですからね」と話した。

 松本さんの作品が特集上映されることについてロジェさんは「彼(松本さん)へのオマージュをささげるという意味を込めて特集上映しました。彼の作品はフランスではまだ公開されていないので、それを1本ずつ上映し、まだ彼を知らない人に対して発見していってもらいたい」とコメント。「『大日本人』は“怪獣映画”、『さや侍』は“侍映画”といったふうに日本映画を見直していたり、また、からかっているように独創的な日本映画への視点を提供している。そこにはユーモアとシュールレアリズムがちりばめられている」と松本作品を大絶賛した。

 「大日本人」「しんぼる」「さや侍」は23日に「シネマテーク・フランセーズ」で特集上映。
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<松本人志>4作目は脱コメディー 新ジャンル開拓に手応え 独占インタビュー
まんたんウェブ 4月7日(土)12時0分配信

 映画「大日本人」「しんぼる」「さや侍」の監督を務め、先月には仏・パリの映画の殿堂「シネマテーク・フランセーズ」で3作品が異例の特集上映されたお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが4作目を準備中という。「松本人志の映画というものが見えてきた気がする。僕にしか撮れない、(今までにない)新たなジャンルがあるんだと思う。それが次の映画でできそうな気がする。楽しみにしていただいていいのではないでしょうか」と自信を見せる松本さんに、4作目が目指すもの、今まで撮った3作品を振り返って、映画にかける思いなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

【写真特集】インタビューに応じる松本人志さん

 --3作品がパリで特集上映ということですが、手応えはいかがですか?

 3作品ともやりたいようにやったし、納得はしているんだけれど、今改めて感じているのはもっと伸び伸び好き勝手にしていいんじゃないかなあということ。まだ自分の好き勝手にできていない。本当の意味での好き勝手なものをいろんな人たちに見せたいという思いが強くなっている。言葉が通じない海外の人には徹底的にいった方が楽しんでもらえるんじゃないかなと思う。

 --国境を超えるような映画を作ることで意識していること、大切にしていることはありますか?

 松本人志の世界を追求すること。それには国境はない。僕のワールド。僕の国旗をぶら下げていればどこに行っても関係ない。僕は日本人だけれど、だからといって僕が作る映画が日本映画だとは思っていないし、邦画というくくられ方すら必要はないと思う。「あんな映画はあいつしか撮れないよな」って言われる作品を撮らないと僕はダメなんだと思う。

 --4作目で撮れそうな「新しいジャンル」とは?

 僕はコメディー映画は撮りたくない。そもそも「コメディー」というジャンル分けが好きではない。「笑う映画ですよ」って言われている時点で僕はダメなんやろうなって。見た人が面白いって笑えばそれがコメディー映画だと思う。本当に面白い映画を撮りたくて、コメディー映画じゃない面白い映画って撮れると思うんです。僕は元々漫才師なので、お客さんを笑わせるという仕事から始まった。映画を撮っていても『笑わせなくてはいけない』という意識がどこかにあるんでしょうね。そんなことすらも邪魔で。笑わせたいということが笑いの邪魔になっているというか。一生懸命笑いを取りにいかなくても面白いものになると思う。僕はそこを考えすぎていたのかもしれない。

 --「さや侍」は松本さんにとってどんな映画でしたか?

 1回は映画らしい映画を撮らなくてはいけなくて、通過しないといけない道だった。それが「さや侍」だった。それができたので、これからは好きにやろうかなと思っている。映画を壊したいという思いがあって、どうやったら壊せるのかを常に考えている。(映画を)壊すためには「さや侍」も必要だった。でも、頭の中は4本目の映画のことでいっぱいだから、「さや侍」について語るのはしんどい。

 --3作品は松本さんにとってまだ「壊し」きれていないのでしょうか?

 改めて(過去の3作品を)見てみると壊し切れてないなって思う。(海外の人に)「日本人でこんなクレイジーなやつがいるんだ」ってどこまで思わせられるかだと思うとまだそこまで及んでいない気がする。だから、脳みそつかまれたような映画を撮ってみたいと思うし、おれが目指すところはそこだと思うんですよね。映画の大きい賞とか、興味がないって言えばうそになるけれど、それはそれとしてそんな人たちをもぶち壊してしまうような、もっと大きなところでやらなきゃというのはありますね。僕はテレビの仕事もやっているし、そこで自分をアピールして映画を撮らせてもらうんだから、逆に映画らしい映画を撮るのは失礼。もっと好き勝手やらないと。中途半端なことはしてはいけないと思う。

 映画ってお金を取らないといけないから、そのためには人気俳優を出したり小説で当たったものを実写化したり、オリジナル作品がどんどんなくなってきている現実があるんだけれど、僕はお客さんが入らなくても許されるタイプの監督なので、逆に好き勝手やらなくてはバチが当たるんじゃないかなと思う。そんな立場にいるのでどんどん追求していこうと思う。映画で赤字になってもその分テレビで稼いでいるし(笑い)。

 --今までの3作品で「壊し」きれなかったのには何か阻むものがあったのでしょうか?

 社会にいる人間として、やりたくてもできないものがあって、アーティストはそういうものと闘っていかないといけない。僕にも、どこまで壊せるのかという思いがずっとあった。テレビでも“笑い”を壊してきたという自負がある。テレビにはスポンサーがいて、視聴者がいて、放送コードがあってっていう“ルール”があるわけだけれども、映画はそれよりもルールがないので。もっとできるんじゃないかなって思う。

 --4作目について明かせるところまで教えてください。

 フランスから帰ってきて、企画会議をやりました。正直何も考えていなかったんだけれどしゃべっているうちにいい感じになってきて、撮りたいという気持ちになってきているので続けようかなと思っています。口からでまかせでしゃべっていたら「面白いやんけ」ってなってきました。

 <プロフィル>

 1963年、兵庫県尼崎市出身。お笑い芸人、エッセイスト、映画監督。浜田雅功さんとコンビ「ダウンタウン」を結成。「ビートたけしのエンターテインメント賞」話題賞(07年)を受賞。ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭(10年)で映画「しんぼる」(09年)がインターナショナル・コンペティションで審査員特別賞、オービット・コンペティションでグランプリを受賞するなど近年は精力的に映画を制作している。
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