映画『ゴーストライター』とトニーブレアについて

最近、ロマン・ポランスキー監督の最新作『ゴーストライター』を観たが、見ごたえのある作品だった。
ユアン・マクレガー演じるゴーストライターが元大統領アダム・ランクの代筆で自伝をまとめ上げる仕事を請負い、その過程でランクの家庭の事情や前任者の不審な死についての新事実などいろいろ知ってしまい、命の危険にさらされながら疑惑を追及していくという物語である。

序盤でアダム・ランクが在職中に軍隊に指示してイスラム原理主義テロリスト容疑者の身柄を拘束して米国CIAに引渡し、不当な拷問に加担した疑いを告発されている。そんな中でユアン・マクレガー扮する主人公が疑惑の渦中に巻き込まれていくのである。

ここで興味深く、また公然の事実であるが、この元大統領アダム・ランクのモデルが元英国首相トニー・ブレアなのである。

私も見ていて直ぐにこれがトニー・ブレアのことを指していると分かった。
ここまで分かりやすくトニー・ブレアにそっくりな元大統領を登場させているということは、もうこれは公然たるトニーブレア批判に他ならないと思われた。

ブッシュ大統領(当時)と共に根拠のない大量破壊兵器の情報を元にイラク戦争を遂行したことについて、英国民の80%の世論はトニー・ブレアの在職中の政治責任について厳しく評価している。
この映画が批評家から高い評価を受けているのは、作品がエンタテイメントとして面白いことも、もちろんであるが、トニー・ブレアの失政について酷評し、皆で後ろ指を指すといった意味合いもあるのである。この映画はこれだけいじられても文句一つ言えないトニー・ブレアの落日を象徴していると言える。

そんなことでトニー・ブレアのチャートを見てみたいのだが、

牡牛座ラグナで、ラグナに8、11室支配の機能的凶星の木星が在住し、7、12室支配の火星と同室して逆行の土星からアスペクトされている。

そしてラグナロードで6室支配の金星は11室で高揚し、8、11室支配の木星と星座交換している。

ラグナやラグナロードは、その人物の本質について最も簡潔に象徴するのであり、ホロスコープの縮図が1室の中に詰まっていると言ってもいいのである。

トニー・ブレアに関して言えば、法則を損失し、道徳を損失した木星が1室で火星や土星と絡んで傷ついている配置こそが、彼のキャラクターの本質を象徴している。

そして、ラグナロードの金星が11室で高揚している配置はまた政治家としてのカリスマ性や高い評価を表しているが、然し、金星は6室の支配星でもあり、8室の支配星と星座交換して6室-8室の絡みも生じている。

従って、カリスマ性はあるが、道徳的に問題があるというブレアの特徴は1室(ラグナとラグナロード)によく表われている。

そして、ブレアのチャートでは4室支配の太陽が12室の牡羊座バラニーに在住して2、5室支配の水星と絡んでいる。

バラニーはCIAなど諜報組織を表すナクシャトラであり、この太陽が判断力を表す5室支配の水星と絡んでいることで、彼の思想がCIAやMI6といった諜報機関に影響される可能性を示唆している。

実際、ブレアがイラク戦争参戦を決断した2003年は土星/水星期で、土星から見て1、10室支配の水星が8室で、牡羊座バラニーの太陽と絡んでおり、彼が当時、諜報機関の情報に振り回されて、判断力に強く影響を受けたことを表している。

また水星と土星はヴァルゴッタマであり、土星から見ると1、10室支配の水星が8室の牡羊座(戦争を象徴)に在住しており、彼の思想や行動が牡羊座が象徴する軍産複合体や諜報組織の支配下にあり、それらの思想や計画に献身し、貢いだことを表している。

従って、この「ゴーストライター」の中で、元大統領(トニー・ブレア)がCIAと癒着しているという設定は、フィクションではあっても、あながち間違いとは言えず、真実の一端を伝えているのである。

他に気づいたこととしては、彼の太陽がD1では高揚しているが、D9では減衰していることである。太陽はD9で減衰し、土星とケートゥから挟まれ、火星からアスペクトされて傷ついている。

従って、ブレアは人生の後半で「威厳」を失ったという解釈がよく当てはまる。

ブレアは11室支配の木星期に政治家となって名声を得て、10室支配の土星期に英国首相に就任している。

木星が11室に絡み、土星が10室に絡むことはD1とD9で繰り返されている。

木星がD9では9室支配で11室に在住しているが、木星期はマーガレット・サッチャーの極端な自由主義路線を修正しつつ、資本主義と敵対しない社会主義的な理想(「第三の道」)を示している。

そして土星期になると土星が9、10室支配でラージャヨーガカラカであり、D9でも土星は10室支配で高い地位を表している。

そしてD1ではラグナロードと相互アスペクトして1-10のラージャヨーガを形成している。

それで土星期は高い地位についてよい仕事をすることを表していたが、然し、土星は逆行して、また8室目に2つの惑星が在住していたため、この土星期に彼のキャリア上の不名誉をもたらす失政が生じたのだと思われる。

トニー・ブレアが、この土星/水星期にCIAの情報に影響されたこと自体は避けられなかったと思われるが、この時に影響されつつも、その影響に飲み込まれずに間違った決断、間違った行為をしない為には、彼自身が自我を存続させたいという欲求(それが恐怖心を生む)や名誉欲などから自由でなければならなかったと思われる。欲望も主観の一部であるが、カルマにより、起こること自体は変えられないとしても、主観のあり方だけは変えることができるのである。

然し、人間が自分の欲望にどれだけ振り回されるか、されないかということにも主観の内的な科学があり、そういう意味ではある程度までは、人間が何を決断するか、決断できるかも、主観の状態も含めて決まってしまうのである。

後は、一時的に全ての恐怖心や条件付けから自由な、自由な決断への跳躍が可能か、それが起こるかどうかである。

【その他】
トニーブレアは、マハダシャーラーフ期の学生時代に長髪をしてハードロックバンドのボーカリストとして活動したが、これはラーフから見て5室支配の金星(音楽)が3室(芸能)に在住していたからである。

このように映画『ゴーストライター』を観て、トニー・ブレアのチャートに興味を覚えたのだが、彼のチャートは太陽がD1で高揚し、D9で減衰するなど特徴的で、更にD60を見ると、チャートは強いのだが、ラグナ、月から見てケンドラに4つの凶星が在住しており、ケンドラに集中するので、派手で力はあるが、吉凶が混合している。

『ゴーストライター』でユアンマクレガーが演じた”ゴースト”はバラニー、プールヴァパールグニー、プールヴァアシャダーなどの支配星が金星が示す諜報グループの人である。

このような人物がおそらくCIAなどにスカウトされる人である。

彼は元大統領の私生活に立ち入り、知ってはならない秘密に辿り着いてしまい、そして最終的には為政者(権力者)のじゃまとなって消されてしまう。スパイ、あるいは、忍者のような存在であると言える。

 
















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