ジョーティッシュ―論理的思考と創造的思考の結合―

インドへの旅行から帰ってきて、ようやく落ち着いて来たが、インドの各所を身軽に巡るために向こうで購入した書籍や土産物を国際スピード郵便(EMS)で先に日本に送ってしまったのだが、それが1/30現在、まだ届いていないのである。

デリーで送付の手続きを依頼した日本人ホテルマンのY氏によると容量が40kgを超えて大き過ぎたり、荷物が書籍と、土産物が分けて梱包されていないなどの理由で送り返されて来たらしく、二度ほど梱包し直して、再送しているようなのである。

それで到着が遅れているということなのだが、4日程前に再度、送り直したとのことなので、もう直ぐ届くはずである。

私としては、この荷物が届くまでは今回の旅行が完了したという気分にはなれないでいる。

今はただ出来る事と言えば、待つ事ぐらいである。

1/29 16:00現在(この文章を書いていた頃)、ダシャーが金星/太陽/ケートゥであり、第5レベルまで書けば、金星/太陽/ケートゥ/水星/ラーフである。

プラティアンタルが太陽から見て12室に在住するケートゥのため、帰国してからも静かにひっそりと生活しているのがここ最近の現状である。

予測としては、1/30 22:14以降に金星/太陽/金星/金星/金星に以降するので、この頃にインドから送付した土産類が届くのではないかと考えている。

おそらく金星は太陽からみて4、11室支配で、2室に在住し、ラグナからみて2室支配で5室に在住しているので、土産類が実家(2室)に届くため、久しぶりに実家に帰り、そして、両親、家族(2室)と今年に入って初めて会うことになるのである。

土産類の中には衣服、布製品、神像(statue)などが混じっているが、これらは金星の象意である。

この金星が所有の2室に在住しているので、やっと土産類を手にすることができるのかもしれない。

荷物の到着が大幅に遅れている状況の中で、最悪でも1/30以降の金星/太陽/金星には届くのではないかというシナリオを頭に描いている。

帰国してから最近、M.S.Mehta氏の「PLANET AND TRAVEL ABROAD」を読んでいて、最近、旅行を経験した自分に関連させてみて、非常に興味深い記述があった。

この本によれば、

12室は9室から4室目であるため、外国での住居を表わすそうである。

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Twelfth House

The twelfth house has been given a major role for residence in a foreign country.
It being 4th from the 9th, it can mean living in a house which is 4th from the 9th.(foreign travel) (P.13)
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そして、9室の支配星が12室に在住していると、外国でグルのアシュラムに住むことを表わす、とある。

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The 9th lord in the 12th may mean living in a guru’s ashram in a foreign country.(P.17)
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現在、私の9室支配の木星が、魚座12室にトランジットしているため、まさに外国に行って、グルのアシュラムに住むような時期にいたようである。

これにはグルの近くにホテルを借りて生活し、毎日、グルのもとに通うことも含まれる。

そして、これはスピリチュアルな宗教的なグルに限らず、自分の専門分野を研究するためにその分野の指導的な立場にいる教授のもとで学生生活を送る留学生や研究生なども含まれてくると思われる。

私の12室には火星が在住しているので、射手座9室から見ると5、12室支配の火星が4室に在住している。

そのためか、私は海外に行くと良いホテルに泊まりたいという欲求が強く、そのために大きく出費をしてしまう。

今回の宿泊ホテルも私の強い希望で決めたのだが、ホテル代に予算をかなり割いてしまったのは、5室(娯楽、趣味、威厳)と12室(出費)を支配する火星(不動産、土地)が4室(住居)に在住していたからであると、改めて思われた。

このM.S.Mehta氏の非常にためになる本の中にさらに興味深い記述があるが、12室の支配星が6室の支配星と一緒にラグナに在住して、さらに8室が凶星に傷つけられていると、人は外国で投獄される(P.15)、とある。

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1. The 12th lord should be in the lagna.
2. Such a 12th lord should be with the 6th lord.
3. The 8th house should be afflicted.

If these conditions are fulfilled, the person concerned will be imprisoned in a foreign country and, therefore, it implies, he will have to travel, go abroad and then his destiny will land him in a foreign jail. (P.15)
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1. 12室の支配星がラグナに在住している
2. その12室の支配星が6室の支配星と同室している
3. 8室が凶星から傷つけられている

この3つの条件が整ったチャートを私たちが見た場合に、”外国で投獄される”とクリアに具体的に描写するのは、なかなか大変なことである。

ラオ先生の「運命と時輪」(Astrology, destiny, the wheel of time)を読んで、「ラグーパラシャリ」(LAGHU PARASARI)や「ウッタラカーラムリタ」(UTTARA KALAMRITA)に書かれている惑星の機能的吉凶や、強さを決める原則などを一通り把握した人であれば、肉体を表わすラグナに6室の支配星や12室の支配星が在住していることは、肉体が暴力や批判(6室)を受け、出費、消耗したり(12室)、監禁されたり(12室)するという悪い意味合いを抽象的にイメージすることはできるし、それらが絡むダシャーの時期が、よくない事も理解できるが、その6室の支配星、12室の支配星のラグナへの絡みと8室の傷つきから、”外国で投獄される”と具体的に描写するには、さらに上級のステップが必要である。

そして、このステップは、ロジカルシンキングが効かない領域である。

例えば、①古典のシュローカを沢山知っている(博識である)とか、②直観が優れていて、惑星、ハウス、星座の結合から、何か具体的な状況がイメージ(インスピレーションが下りてくる)できたり、あるいは、③経験豊富で、過去に鑑定した事例から、惑星、ハウス、星座の結合と、具体的事象の対応関係を記憶から簡単に引き出すことができる、などの能力が必要である。

②に関しては、日頃から霊的に正しく生きている人にしか与えられないとされている能力であり、これを持っている人を、人は”天才”と呼ぶのである。

そういう意味では、ジョーティッシュというのは、論理的思考と直感的インスピレーション(創造的思考)の結合物なのであり、そのどちらか一方ではないのである。

「運命と時輪」や「ラグーパラシャリ」などの知識を厳密に誠実に適用して、惑星の生来的、機能的吉凶や強さなどを検討して、その吉凶の発現時期などを特定することは、こうした原理原則を熱心に学んだ多くの人々にとって可能である。

このステージにおいては、ジョーティッシュは非常に論理的である。

そして、このステージまでは、ロジカルシンキングによって到達できるようである。

しかし、ロジカル思考で得られた惑星、ハウス、星座、それらの吉凶や強さといった情報を結合し、具体的な状況や出来事として、凝結させ、シンプルに表現する能力は、”創造的思考”の領域であり、直観や霊感、精神性が関与する、アート(芸術)の世界である。

ロジカル思考によって、パラシャラの原理原則で、全く同じ情報をかき集めて来ても、この最後の創造的過程で、10人いれば、10人が違う描写や結論を導き出してしまうのは、このステージにおいてである。

繰り返すが、この最後の創造的過程が優れている人は、”天才”と呼ばれるようである。

極端に言えば、論理的思考とタロット的な解釈が結合したものがジョーティッシュである。

一方で、”私は直観がとりわけて優れているから、チャートを見ただけで色々とその人のことが分かる”といった創造的直感的思考を過度に強調する主張も、また逆の意味で不完全である。

ジョーティッシュにおける直観とは、パラシャラの原理原則の厳密な論理的な適用をベースとして、その後で、もたらされるものだからである。決して、この順番は先ではないのである。

もし直観が先になってしまったら、信用のおけない霊感占い師になってしまうのであり、ジョーティッシュというのは、そのようなものではないと言える。

こうしたことを考える上で、興味深い事例が、「Timing Events through Vimshottary Dasha」K.N.RAO著の中(P.54)に出てくる。

獅子座ラグナ(D/1)
1室:ケートゥ
2室:月、土星
7室:ラーフ、木星、太陽、水星
8室:金星、火星

ここで、上記のようなチャートが図示されているが、1994年にアメリカで、このようなチャートを手に入れた時に、ラオ先生は一瞬で、この人が船の建造の仕事(造船業)をしていると、ひらめいたそうである。

そして、そのひらめきがあった後で、その占星術的根拠(理由)について考えたと書いている。

その占星術的理由としては、10室の支配星が金星で、金星が水の星座である魚座8室に在住し、金星は船(水上の乗り物)を表わして、火星は建設の仕事を表わす4室を支配して金星と絡んでいる。そして、そこにテクニカルスキルを表わす土星がアスペクトして、月のアスペクトは彼の仕事が水に関係する仕事であることを説明すると言うのである。

ところで、このような説明があったとしても、私たちがこのチャートにパラシャラの原理原則を当てはめて、この人(native)が、船の建造の仕事をしていると結論づけるのは至難の業である。

同じ材料がそろっていたとしても、この人の仕事が船の建造の仕事であると分かることは、大変、難しいのである。

現にラオ先生自身がロジックよりも先に結論がひらめいたということが、それを物語っている。

逆に言えば、ロジックがいくら正しくても、最後のひらめきがなければ、結局、分からないということである。

このエピソードは、この「Timing Events through Vimshottary Dasha」の中(P.50)のIPCプロシージャーについて説明するくだりで出てくるのだが、IPCというのは、

Inference(推論)
Perception(知覚)
Clarity(明快さ)

の頭文字を取ったものである。

そして、ここで説明されていることは、

例えば、Perception(知覚、理解)というものは、人間のマインドから全く予期しない時に放射されるイルミネーションであると説明されている。

そして、例えば、Clarity(明快さ)に関しては、この特質を持つ人は、どんな詳細にも迷い込む必要なく、即座に予言が可能であると説明されている。

この能力は占星術が神聖な(神授の)イルミネーションとなった段階にある占星術師のもので、正直で道徳的に正しい占星術師は、しばしば突然ぱっとひらめく、このイルミネーションを経験するのだと書かれている。

非常に霊的、宗教的な解説であり、イルミネーションという用語は、パタンジャリの『ヨガスートラ』を解説したアリスベイリーの『魂の光』という書籍で一度、目にしていたが、あたかも、そうした類の本を読んでいるような感覚である。

このような解説を読んでいると、ジョーティッシュというものは、ある段階までは論理的で訓練によって身につけることが可能であっても、さらにそれを超えたステージでは、神の祝福を受けた神授の才能が必要となるのである。

そして、それを多く携えた人は、”天才”と評価されるのである。

ラオ先生はその”天才”の一人である。

古典の知識の蓄積や、豊富な経験も、ものを言うかもしれないが、最も貴重で得がたいものは、やはり、こうしたことが直感的にひらめく能力であろうと思われる。

然し、天才ではなく、普通の人間である私たちがとるべきアプローチとしては、まず、パラシャラの原理原則をきちんと身につけて、それらを使いこなすことである。

そして、その後で、インスピレーションが下りてくるかどうかは、その人次第である。
















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