『乙女の密告』を読んで

昨日、最寄り駅ビル内にある本屋に立ち寄り、目の前に並べてあった
第143回芥川賞受賞作『乙女の密告』赤染晶子著を手にとって、
読んでみたのだが、作品の世界に引き込まれて全部読んでしまった。

何故かというと、この作品は現在、トランジットの金星が乙女座で、
減衰して、土星や火星と接合して傷つけられているというまさにその
惑星配置を象徴する作品であると気づいたからである。

まず、この題名である『乙女』とか、『密告』というのは、
乙女座を表わすキーワードである。

『密告』というのはピント来ないかもしれないが、乙女座の
批判的で、陰口を叩くという否定的な性質の現れ方を指している。

乙女座で金星が減衰し凶星から傷つけられているので、
乙女座の性質の中の否定的な側面がクローズアップされている。

作品の内容としては、
(まだ読んでいない方は先に作品を読んだ方がいいと思いますが)

圧倒的に女子が多いある京都の外国語大学が舞台となっており、
そこで、ドイツ語のスピーチのゼミを担当するバッハマン教授の元で、
『アンネの日記』を教材にスピーチコンテストに向けて指導を受けている
女子学生たちの学生生活ぶりが描かれている。

読んでいて、だんだん分かってくるのは、この女子学生の日常の生態が、
迫害されるユダヤ人の日常に重ねあわされているということである。

私の考えでは、ナチスに迫害されるユダヤ人とは、
ラグナロードが牡羊座に在住し、牡羊座に惑星集中するヒトラーの
チャートから考えて、牡羊座から6室目に該当する乙女座が表わしているのである。

この乙女座は、実務的で、商売上手で、頭がよい、ユダヤ人をよく表わしている。

例えば以前も言及したが、『ヒトラーの贋札』という映画があり、ユダヤ人が、
強制収容所で英ポンドの偽札をナチスの作戦で強制的に作らされるという内容であったが、偽札作りという高度で精密な技能を必要とする作業を行なうユダヤ人というのは、
まさに乙女座の象意であったと思われる。

アリスベイリーの書籍の中にも、ユダヤ人の運命を表わすのが山羊座と乙女座であると
いうような記述があり、乙女座がユダヤ人の運命を象徴しているようである。

従って、乙女座で金星が減衰して火星と土星から傷つけられるというこの惑星の絡みは、ユダヤ人であるがために迫害され、隠れ家での生活を余儀なくされ、
最終的に密告されて、収容所に送られたアンネフランクの厳しい生涯を表わしている。

そして、作品の中で、この『アンネの日記』を題材として、スピーチコンテストに向けて、
練習に取り組む女学生たちの日常が描かれ、この女子学生の生活ぶりがまさに乙女座を象徴しているのである。

例えば、ほとんど女子だけしか存在しない女子大のような環境の中で、女学生たちがトイレに行くのも、何をするのも一緒に連れ立って行動したり、またスピーチコンテストに向けて、「すみれ組」と「黒ばら組」にグループ分けされるのだが、それらのグループの間に小さな派閥意識が生じたり、女子学生が他の先輩女子学生を尊敬して、ある種、レズビアン的な憧憬を抱いていたりといった、女子しか存在しない共同体でありがちな特殊な世界を描き出している。

そして、作品の中盤で、麗子様と呼ばれる「黒ばら組」のリーダーの女性がバッハマン教授と乙女らしからぬこと(性的関係)をして、スピーチの原稿をつくってもらっているのではないかという、黒い噂が女子学生の中に広まるのである。

他の女子学生たちがスピーチの原稿を何度も書き直しさせられているのにも関わらず、麗子様がスピーチの原稿を早々と仕上げているということと、バッハマン教授が研究室で、誰かに話かけている声が聞こえるが、あれは乙女(女子学生)に話しかけているのだという噂が前々からあったことが理由である。

まさに純潔で乙女である女子学生たちの中に潜む性的欲望が性的な妄想(大学教授と女子大生の黒い噂)として顕在化している様が描かれているようである。

この女子学生たちは自分たちが乙女(処女)であるということによって固い群れの結束を維持しており、乙女(処女)を失った仲間を外部の存在として排斥することによって自分たちの群れの結束を維持しているのである。

そのため、乙女(処女)を失ったと思われる仲間の噂話をし、中傷をして、それで、自分たちの弱い羊の群集意識を維持している。

その行為の中には処女を失って大人の快楽に足を踏み入れた仲間に対する羨望や嫉妬などが潜んでいるかのようである。

従って、そのような仲間の黒い噂話をすればするほど、その噂話をしている女子学生たち自身が潜在的に淫乱であることを証明しているかのようなのである。

こうした話の舞台設定が、まさに乙女座で減衰する傷ついた金星なのである。

(※これはさらに追求すると、ユダヤ人の民族としての純血を維持するという思想が、純潔を守ることで結束を図ろうとする女子学生たちの生活態度に一致してくるのである)

あまり話の内容に部分的に触れても、よく分からないと思われるため、
詳細を知りたい方は、実際に読んでみることをお勧めするが、
とにかくこの小説の物語がまさに乙女座で減衰する傷ついた金星が表わしているのである。

私は乙女座で減衰した金星は星位が悪いため、性的に堕落するという説明が最初のうちはよく分からなかった。

乙女座というのは、金星が減衰する為、恋愛や結婚運が最も低下する星座で、また女性同士で、ささやかな手紙の交換をしたり、贈り物をしあったりするような、女性同士のレズビアン的な友情を表わす星座であると思ってきたので、乙女座の金星が性的に堕落するという考えがよく理解できなかった。

然し、実際にはビルクリントンの乙女座の金星によってそれは明らかにされているし、
また今回の小説でもそうした世界が描き出されている。

小説は最後の方で、クライマックスへと至り、みか子(主人公)が、バッハマン教授が、アンゲリカ人形に向けて話しかけている(奇妙な趣味)ところを研究室で目撃して、研究室で乙女(女子学生)に話しかけているという憶測は間違いであり、麗子様の黒い噂は単なる勘違いであったことが分かるのである。

これは女子学生たちにとっては意外な真実であるが、弱い自分たちが群れを維持して結束するために、真実かどうかはどうでもよく、ただ噂を必要としているのである。

然し、研究室で、みか子(主人公)とバッハマン教授が一緒にいる所を細い隙間から見ていた別の女学生が走り去った痕跡があり、後を追いかけて誤解を解こうとするのだが、逃がしてしまうのである。それで現場を見たその正体不明の女子学生から黒い噂(密告)をされてしまうのではないかということを恐れる様が描かれている。

この辺りはまさに自分の正体がユダヤ人だと暴露されることを恐れるアンネフランクに対比されており、この辺りの手法は見事である。

然し、こうしたユダヤ人と外国語大学の乙女(女子学生たち)という対比自体が、乙女座の金星から来たものであるということは作者本人にも理解されていないのではないかと思われる。

以前、私は本屋で『告白的恋愛論』渡辺淳一著 を立ち読みした時、金星が蠍座にトランジットして、渡辺淳一の出生図の蠍座の金星にリターンしていたのだが、この芥川賞を受賞した赤染晶子氏も乙女座で金星が減衰していたり、あるいは少なくとも乙女座に惑星が在住しているのではないかと思うのである。

今回、本屋で『乙女の密告』を立ち読みし始めて直ぐに、これは乙女座で減衰して、火星と土星から傷つけられている金星の物語だと分かったのである。

何か世間で起こる出来事というのは、その時のトランジットの惑星配置とリンクしているものなのである。
















スポンサーリンク


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です