精神医学とインド占星術

先日、松下金融相の自殺のニュースが報じられていた。

以前、自殺をした人のチャートを何例か調べたことがあるが、出生の月が土星や火星、ラーフなどによって傷つけられていて、更にトランジットの土星が出生の月に接合して、サディサティの最も厳しい時期を迎えている人に生じていたように記憶している。

松下金融相の場合も出生の月がラーフと接合し、トランジットの土星が天秤座に入室した直後のことである。

おそらく天秤座の月に対して、土星と火星がトランジットしたタイミングであり、木星は月から8室をトランジットしていた。

自殺(自ら命を絶つ)というこの不自然な死は、まず心理的な絶望があって初めて生じることではないかと思われる。まず幸福な人間は自殺を考えるようなことはないのであり、これは人間に共通する前提ではないかと考えられる。

つまり、自殺というのは深い絶望、うつ状態が引き起こされた後に生じるのだ。
それも自殺を考えざるを得ないほどの強い絶望が生じた時に起こると考えられる。
生きているよりも自殺をした方が楽だという判断が自殺という行為に駆り立てるからである。

最近、出版された本で『精神科は今日も、やりたい放題』三五館 内海聡著 がある。

精神医療の内部告発に相当する非常にショッキングな本である。

”精神科は99%が誤診!ついに出た、医学界内部からの告発”

著者の内海聡氏は牛久東洋医学クリニック院長、内科医で、自らのことをやくざ医者と名乗っているが、むしろ、正常であるのはこの人で、今まで『セカンドオピニオン2』や『精神疾患・発達障害に効く漢方薬』、『日本の薬漬けを斬る』 といった著作で遠まわしに精神医学界を批判してきたのが、ついに我慢できなくなって、もっとダイレクトに批判したのが本書らしいの である。


本書の12P-13Pに精神医学はなぜ生まれたか?という前書きがある。
 
(略)その精神病者の処遇については、古代においても現代においても大きな違いはない。
要するに大多数一般の目から見て異質であり、社会的に好ましくないものを規定し、隔離するというのが考え方の基本として存在してきた。その呼び名が狂人であったり変人であったり天才であったりしたものが、「精神病者」に変わったにすぎない。つまり精神医学であろうと心理学であろうと、その発祥と起源をたどれば優生学という概念にたどりつく。自分は「変」ではなく、他の人間は「変」である、なので「自分のほうが優れている」という考え方が根本にあり、逆に言えば「なぜ彼らは劣っているのか」ということを学問として規定したいがために発生したという点において、精神医学は他の医学とはまったく違う動機性を持っている。
そしてすべては根本的に優生学の考え方をもとに進められてきた。精神医学のさまざまな歴史は歴史書に譲るが、それらの目的は人を救うという点ではなく、人を矯正、洗脳し、問題行動を示すすべてのものを排除しようとするものであった。そうやって精神医学はあらゆる問題に利用、応用されてきたのである。
民族差別しかり、人種差別しかり、集落的差別しかり、政治犯や反逆者に対する扱いしかりである。
それは現代精神医学においても変わらず、措置入院しかり、医療保護入院しかり、大量の薬物投与しかり、保護室による拘束しかり、電気けいれん療法しかり、患者会や家族会の構成しかりである。(略)
こうした見解は、ミシェル・フーコーの『狂気の歴史』(1961年)、『監獄の誕生―監視と処罰』といった著作の影響を受けていると思われるが、ミシェル・フーコーもニーチェやハイデガーと並んで、西洋合理主義を批判した哲学者である。

フーコーは、西欧世界においてかつては神霊によるものと考えられていた狂気が、なぜ精神病とみなされるようになったその歴史について考察しているのだが、ここで西洋合理主義のマインドが、狂人を学問的に区分し、病名を付け、分析対象としたことから生じたのである。

つまり、西洋合理主義マインドがもたらしたのが精神医学といってもいいかもしれない。

前書きで内海氏も語っているが、精神医学は優生学に基づいていると書いている。

この優生学というのは、西洋の支配者階級の思想で、新自由主義経済を推進し、グローバリゼーションを推し進める人々の思想である。

スライブ(THRIVE)』という映画でもそのことは指摘されている。

元々西洋合理主義の出発点として、重要な哲学者プラトンの『国家』という作品の中にも優生学の思想が表れてくる。

西洋哲学や西洋近代科学の歩みというのはこのプラトンとそれに続く哲学者たちによって開花した西洋合理主義の結実であるから、人間のマインドの歴史でもある。

おそらく欧米が日本やアジアの人間たちを見るその視点というものが、この考え方から来ているのであり、欧米人が優れており、未開の劣ったアジア人に市場や民主主義、法制度など欧米で発明された基準を与え、教え導かなければならないという発想である。

それが市場の重要性を説く、市場原理主義者、グローバリゼーションの推進者の発想である。

プラトンは偉大な哲学者だと思うが、そのプラトンの思想でも奴隷制や戦争が当たり前だった時代においては優生学の思想が入り込まざるを得なかったと思われる。
合理的なマインドはそれを使用する人間の精神性や人間性に左右されるのである。

内海氏の本は誤った動機で合理主義をとことん推し進めると、どんな過ちが生じるかを告発する本なのである。

『精神科は今日も、やりたい放題』の97Pでも指摘されているが、精神科でよく診断する『うつ病』というのも器質的な疾患である根拠はないそうである。

例えば、うつ病がセロトニンの減少に関係するのではないかという仮説(モノアミン仮説)があるそうだが、セロトニンの減少には全く関係がないということはその後、証明されているという。

にも関わらず、アメリカ人の87%は統合失調症はセロトニンやドーパミンがバランスを失っているという「化学的不均衡論」が原因であると考え、うつ病もまた同じ原因によって引き起こされていると考えられているそうだ。

そのセロトニンを増加させる薬として、抗うつ薬が開発されたが、非常に副作用の強い危険な薬であるという。

自殺企図や攻撃性などの異常行動を起こす副作用があるのである。

然し、日本うつ病学会はこの副作用を隠蔽して、発売当初は、安全性が高いと主張していたが、後に被害が広がってから、副作用やアクティベーション症候群(自殺企図や攻撃性などの異常行動)などが起こりうることは当初から分っていたなどと主張を変えたという。このように副作用を隠すのは医療利権があるからであると内海氏は論じている。

例えば、P64に書かれているが、自殺遺族が集まる自死遺族連絡会(代表・田中幸子)で、睡眠薬や向精神薬が自殺率を高めていると考え、地域の啓蒙運動として精神科を受診しないこと、精神薬を服用しないことなどを市民や役所向けに行なったところ、本拠がある宮城県では20%以上も自殺率が改善したそうである。

従って、うつ病による自殺の原因の大きな部分が精神科に通い、副作用のある薬剤を投与された結果であるという恐ろしい結論が出てくる。

精神科の診断基準というのは、DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:精神障害の診断と統計の手引き)によって行なわれており、これがとてもいい加減であるそうだ。

精神疾患をいくつかの患者の特徴によって定義したものであり、一度、精神疾患が定義されると、それに基づいて精神科医は診断を下すことが可能になる。

そして、その定義が一人歩きし、定義に多少でも合致する患者が、ある特定の精神疾患にあると判定を下されるのである。

そのため、判定を下された患者は、精神薬を処方されて、今度は本当の精神疾患となる。

これはジョーティッシュで言えば、パラシャラの古典に書かれている定義をそのまま鵜呑みにし、それをクライアントに伝える占星術師に似ている。パラシャラの古典に書かれたヨーガの定義に機械的に当てはめて、あるヨーガに当てはまるから、事故で死ぬとか、子供が出来ないとか、結婚できないなどと言って、クライアントを脅して、高額な宝石処方とか、プージャやヤギャ、ヤントラ処方などを勧めるといった、よく言われる、そんな詐欺の占星術師に似ている。

こうした詐欺を行なう占星術師は、内海氏が主張するような現代の精神医療業界にそっくりである。

精神医療業界にもなるべく薬を処方しないで、カウンセリングなどの心理療法や開放的な病棟(注1)の中で治療しようとする医師もいると思われるが、大多数の医師は、製薬会社の医療利権などと結びついて薬を処方する流れに逆らうことはしないのではないかと思われる。

こうした診断の原因となっているのは、医師や占星術師の知的驕りであり、あるいは知的怠慢である。

私は知っているという傲慢さ、あるいは驕り、あるいは、自己誤謬とでも言えるような勘違いである。

DSMに載っているから、あるいは、パラシャラの古典に書かれているからというだけで、それを鵜呑みにし、それが間違っているかもしれない可能性を常に考えて、知的に検証し続ける、あるいは、間違っている可能性を常に考慮するという知的謙虚さの欠如である。

事象そのもの、あるいは患者そのものを理解しようとするのではなく、既知のカテゴリーに従って、単純、機械的に対象を分類するといった怠惰なマインドの為す誤謬である。

医師も占星術師も自分が持っているある知識に基づいて診断を下す訳であるが、その知識の信頼性について常に検証し続けることが必要である。

とはいえ、正しく判断し、解釈する思考回路を形成した占星術師であれば、精神科に受けるよりもクライアントに有益な結果をもたらすことができると考えられる。

何故なら、うつ状態というものは、誰にでもあり、別に病気ではない(注2)からである。

例えば、誰しも土星が月の12室目から2室目を通過する7年半のサディサティが来るのであるし、また月から4室目、あるいは月から8室目に土星がトランジットするタイミングなどは心理的に苦しい時期である。

そうすると、非常にうつな心理状態になるのは確かである。

然し、だからと言って、どこも肉体や健康状態はわるくないのに自殺をするというのは不自然である。

もしサディサティの期間がいつ頃終わるのかが分かっていれば、その期間を何とか乗り越えれば、回復していく希望により自殺をする必要はないのである。

インド占星術はかなり運命論的なところがあるが、自殺をするというのは制度、文化的な影響を多分に受けるものであり、心理的に苦しい時期だからと言って、必ずしも自殺をする必要はないのである。自殺をするのが運命ではないのである。

精神医療制度といったものは、国や時代毎に大きく変わるのであり、特に日本のような自殺率の高い文化、制度においては、うつ状態を引き起こすサディサティや月の傷つきといったものが、他の文化圏の個人のチャートよりも、自殺につながったり、あるいは精神科医療にかかることによって更に重篤な症状につながるような可能性が高いのではないかと思うのである。

純粋にカルマ的な結果により自殺をするケースは、制度、文化的な要因によって自殺をするケースと比べて、どのくらいの割合存在するのかは分らないが、制度、文化的な要因というものも確かにあるはずである。

そうでなければ、制度、文化によって自殺率が高い国、低い国という違いが出てこないはずである。

松下金融相が自殺をしたと報道されているが、出生時間を00:00:01や、23:59:59にして、出生図を作成してみても、自殺をした2012年9月10日は、マハダシャー水星期かマハダシャーケートゥ期である。

月は8:54:21以降は、天秤座で、8:54:21以前では乙女座である。

然し、土星が天秤座に入室したタイミングで自殺しているため、おそらく月は天秤座にあったものと考えられる。

月から見ると、トランジットの木星は月から8室目で役に立たず、トランジットの土星はラーフと接合して傷ついた月にコンジャンクトしたタイミングである。

もしマハダシャーケートゥ期であるとすれば、ケートゥは出生図で月以外からはアスペクトされていない。
然し、そのアスペクトする月はトランジットの土星とコンジャンクトしている。

ケートゥは他の惑星と絡んでいないため、ケートゥ期にはかなり孤立する可能性が考えられるが、だからと言って、自殺をする運命だったということが出来るのか。出生図では月には木星がアスペクトしている。

自殺というものが人間の自然状態の死とは考えられないため、やはり、制度、文化的な条件によって、それは変わるのではないかと思うのである。

精神科に行くくらいなら、インド占星術師の元に言って、うつの期間がいつ頃、終わるのか、終わる可能性があるのかを調べてみるべきである。

ジョーティッシュで、ダシャーとトランジットの推移から、いつ頃、うつの状態が終わるかがはっきりと分るケースがあるからである。
その場合は、その鑑定は、非常に有益なものとなる。

特にこれからよい時期がやってくることをクライアントに告げることが出来た時は、鑑定師としても喜ばしい時である。

クライアントに希望と期待をもたらすことができ、現状を耐える勇気をもたらすことができる。

そうした時、その鑑定師自身が、クライアントの出生図の中に表れていることも非常に多い。

それは例えば、クライアントの出生図の中でラグナにアスペクトする木星、あるいは月にアスペクトする木星として現われていたり、あるいは、クライアントが鑑定に訪れた時がちょうど9室の支配星や木星のプラティアンタルダシャーだったりするかもしれない。あるいは、鑑定師自身のラグナや月のナクシャトラが、クライアントの9室の支配星や木星のナクシャトラと一致していたりするのである。

だから、占星術師自身が、問題解決をもたらす9室や木星の表示体であるということである。

そういう点で、鑑定師というものは単に出生図を分析して予言を伝えるだけの存在ではないのである。

相手を癒し、問題解決を与える表示体であり、カウンセラーである。

インド占星術の鑑定は、カウンセラーとしての行為を伴わずして行うことはできないのである。

「運命と時輪」のP71を引用すると、ラオ先生は以下のように書いている。
 
7.優秀な心理学者によるカウンセリングも、金銭目当ての商売でない限りは、時として効果があります。しっかりとした心理学の経歴をもつ占星術家は、その知識を非常に効果的に活用できるので、世界で最高のカウンセリングできます。占星術と心理学については、実際のアストロ・サイコロジー(占星心理学)の研究に基づいた本を執筆する予定です。
(原文)
Counselling being done by good psychologists works some times, if this too does not become mercenary profession.
An astrologer with a good background of psychology can make a very effectiveuse of that knowledge and do the best counselling in the world.I will show that in a separate book on Astrology and Psychology which will bebased on actual astro-psychological studies.
「しっかりとした心理学の経歴をもつ占星術家は、その知識を非常に効果的に活用できる」というのは何を指しているかと言うと、おそらく、心理的外傷がどの精神の発達のラインで形成されたかという知識とダシャーの推移の検討を絡ませた分析である。

例えば、早期の乳幼児期(母子が未分化な太古的万能状態から個体が分化していく、分離個体化期)に外傷体験があり、この発達段階で固着があることが精神分裂病と関係があると言われている。

境界例(ボーダーラインパーソナリティー障害)、そして、自己愛人格障害は、この順番で、もう少し後の発達段階での外傷体験によるものと言われている。

それから健常者という風に続いていく。

そういう精神分析の観点からすると、生まれた時のダシャーというのは非常に重要である。

もし生まれた時のダシャーが困難なダシャーであり、そこに心理的ストレスや、うつの原因となる凶星や凶ハウス、月の傷つきなどの絡みがあれば、早期の心的外傷が予想されるからである。

外傷は早期であればあるほど、根が深いものとなり、治療が難しくなるのである。

成長した後での心的ストレスはそれ程の外傷とはならない。

従って、おそらく、そのような観点から、ダシャーの推移と精神分析の知識を応用できるのだと思われる。

 
注1: 以前、群馬県太田市にある開放的な精神病の治療施設・三枚橋病院を訪ねたことがあるが、そこでは、患者を人間的に扱い、患者は外出をして病院から自由に出入りしたり、広い病院内の敷地を自由に活動することができる。村上春樹が小説「ノルウェイの森」で描いた開放的な治療施設のイメージである。

注2: 例えば、現在、トランジットの土星が私の出生の月からみた4室に在住しているため、軽いうつ状態を経験しているが、確かに土星の月からの位置によってはうつ的状態を経験するのである。しかし、それは決して病気ではない。

 
 
松下金融相が自殺か=自宅マンションで首つる-室内に遺書めいた書き置き・東京
時事ドットコム 2012/09/11 10日午後4時45分ごろ、松下忠洋金融・郵政民営化担当相(73)=国民新党、鹿児島3区=が東京都江東区東雲の自宅マンションで首をつっているのを妻らが発見した。松下金融相は、搬送先の病院で死亡が確認された。室内には遺書のようなメモがあったといい、警視庁東京湾岸署は自殺とみて調べている。

金融庁などによると、同日午前、松下金融相側から「午前中は登庁できない」と電話で連絡があった。午後2時50分からの会議には出席する予定だったため、秘書官や警視庁の警護担当者がマンションに迎えに行ったところ、姿を見せないため、呼び鈴を鳴らしたり、携帯電話に電話をかけたりしたが、反応がなかったという。

その後、外出先から戻った妻とともに室内を確認したところ、首をつっている松下金融相を発見。119番で救急隊が駆け付け、港区の病院に搬送したが、同7時33分、死亡が確認された。

関係者によると、12日発売予定の週刊新潮が松下金融相の女性問題に関する記事を掲載するといい、同署は関連を調べる。
同誌編集部は「記事を報じているのは事実。亡くなられたと聞いて驚いている」などとしている。
松下金融相が死亡 自殺か
2012年9月10日20時35分 共同通信 松下3 件忠洋金融・郵政民営化担当相(73)が10日午後、東京都江東区東雲(しののめ)の自宅マンション室内で首をつった状態で見つかり、病院に運ばれたが、死亡が確認された。

室内から遺書とみられる書き置きが見つかり、警視庁は自殺を図ったとみて詳しい状況や死因などを調べている。

警視庁や所属する国民新党の幹部によると、松下金融相は午後5時から6時の間に入っていた公務が迫っても姿を見せなかったため、妻と秘書官、警視庁の警護担当者が自宅に入って発見、午後4時45分ごろに119番した。金融庁によると、午後の登庁予定もキャンセルの連絡があったという。

現職閣僚の死亡は、自民党政権下の2007年、安倍内閣(当時)の農相だった松岡利勝氏の自殺以来。

野田佳彦首相は官邸で「大変驚いている。苦しい時にいつも励ましてくれた。言葉が見つからない」と述べ同日夜、搬送先の病院を訪問した。国民新党の自見庄三郎代表は記者会見し「体調を崩しているという話は聞いていない。前立腺の治療をしていたが、完治していた」と話した。

一方、松下3 件金融相に関する記事を12日発売号で報じているとしている週刊新潮編集部は10日、「亡くなられたと聞いて驚いています。心よりお悔やみ申し上げます」とコメントを出した。記事の内容については「発売前で答えられない」としている。

松下金融相は鹿児島県薩摩川内市出身。衆院鹿児島3区選出、衆院当選5回。京大農学部を卒業し、建設省(現国土交通省)を経て1993年の総選挙で自民党から出馬し初当選した。

05年には郵政民営化に反対して自民党を離党し落選したが、09年に国民新党からの出馬で返り咲き、その後は経済産業副大臣などを歴任し、今年6月の内閣改造で金融相に就任した。

松下3 件金融相死去に伴う衆院補欠選挙は、10月28日に行われる予定。
松下郵政民営化・金融相死亡 自殺か
9月10日 18時52分 NHK NEWS松下忠洋郵政民営化・金融担当大臣が、10日夕方、東京・江東区の自宅で倒れているのが見つかり病院に運ばれましたが亡くなりました。警視庁は、現場の状況などから松下大臣が首をつって自殺したとみて詳しい状況などについて調べています。

10日午後4時45分ごろ、松下忠洋郵政民営化・金融担当大臣(73)が、東京・江東区東雲の自宅のマンションで首をつっているのを買い物から戻った妻が見つけました。松下大臣は病院に運ばれましたが、亡くなったことが確認されました。
警視庁によりますと、松下大臣は、10日午後、外出する予定だったため、秘書と警護担当の警察官がマンションに迎えに行き、インターフォンや携帯電話を鳴らしましたが連絡がとれなかったということです。
松下大臣は衆議院鹿児島3区選出の当選5回で、73歳。旧建設省を経て平成5年の衆議院選挙に自民党から立候補して初当選しました。
郵政民営化の是非が争点となった前々回、平成17年の衆議院選挙では、郵政民営化に反対して、無所属で立候補しましたが落選し、前回の衆議院選挙で、国民新党から立候補し、復帰を果たしました。
警視庁は、松下大臣が自殺したとみて死因や詳しい状況などについて調べています。

金融庁“来られない”と連絡

金融庁の岡田広報室長によりますと10日午後5時前に、松下大臣が自宅で倒れているという連絡が金融庁に入り、さらに午後6時前に、大臣は「病院に搬送された」という連絡が入ったということです。
松下大臣は、午前中は金融庁に登庁する予定はなく、午後、公務で会議が予定されていたということですが「来られない」という連絡があり、10日は登庁していなかったということです。

自見代表“大変残念だ”

国民新党の自見代表は記者会見で、「突然のことで驚いており、心からお悔やみ申し上げたい。先週、国会が事実上閉会したので、国民新党のすべての議員で打ち上げをした際、松下氏は、たいへん元気で、焼酎を飲みながら、乾杯の音頭を取っていた。松下氏には、前立
腺の病気があったが完治し、ことし6月に閣僚になるときには、『もう大丈夫だ』ということだった。原発事故以来、経済産業副大臣などとして、福島県民の立場に立って職責を果たしてきただけに、大変残念だ」と述べました。

野田首相“とても驚いている”

野田総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、松下郵政民営化・金融担当大臣が死去したことについて、「悲しい訃報をうけ、とても驚いている。いつも厳しい時に励ましてくれた。言葉も見つからない。心からご冥福をお祈りしたい」と述べました。

亀井静香氏“びっくりしている”

国民新党を離党した亀井静香氏は、NHKの取材に対し、「今知ったところで、びっくりしている。ことしの春、松下氏は、ガンで病院に入院していたことがあり、お見舞いに行ったことがある。亡くなられた詳しい状況や死因は分からないが、お悔やみ申し上げたい」と述べました。
 

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